2.9.2.2 Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1より前のリリースを実行するシステムでの、非ルートLVMパーティションの拡張

この手順では、Oracle Exadata System Softwareリリース11.2.3.2.1より前のリリースを実行するシステム上で、非ルート(/u01)パーティションのサイズを拡大する方法について説明します。

ここでは、/dev/VGExaDb/LVDbOra1/u01でマウントされます。

ノート:

  • VGExaDbボリューム・グループ内に、少なくとも1GBの空き領域が必要です。この領域は、ソフトウェア保守の際に、dbnodeupdate.shユーティリティで作成したLVMスナップショットで使用します。

  • 「Oracle Linuxデータベース・サーバーのスナップショット・ベースのバックアップの作成」のステップに従い、/ (root)および/u01ディレクトリのバックアップをスナップショット・ベースで作成する場合、VGExaDbボリューム・グループに少なくとも6GBの空き領域が必要です。

  1. 現在の環境に関する情報を収集します。
    1. dfコマンドを使用して、ルート・パーティション(/)およびルート以外のパーティション(/u01)のマウント・ポイント、およびそれぞれのLVMを確認します。
      # df
      Filesystem                    1K-blocks   Used    Available Use% Mounted on
      /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1 30963708   21867152   7523692  75%    /
      /dev/sda1                      126427      16355    103648  14%    /boot
      /dev/mapper/VGExaDb-LVDbOra1 103212320  67404336  30565104  69%    /u01
      tmpfs                         84132864   3294608  80838256   4%    /dev/shm
      
    2. lvm lvscanコマンドを使用して、論理ボリュームを表示します。
      ACTIVE            '/dev/VGExaDb/LVDbSys1'  [30.00 GB]  inherit
      ACTIVE            '/dev/VGExaDb/LVDbSwap1' [24.00 GB]  inherit
      ACTIVE            '/dev/VGExaDb/LVDbOra1'  [100.00 GB] inherit
      
    3. lvdisplayコマンドを使用して、現在のボリューム・グループ構成を表示します。
      # lvdisplay /dev/VGExaDb/LVDbOra1
      
      --- Logical volume ---
      LV Name               /dev/VGExaDb/LVDbOra1
      VG Name               VGExaDb
      LV UUID               vzoIE6-uZrX-10Du-UD78-314Y-WXmz-f7SXyY
      LV Write Access       read/write
      LV Status             available
      # open                1
      LV Size               100.00 GB
      Current LE            25600
      Segments              1
      Allocation            inherit
      Read ahead sectors    auto
      - currently set to    256
      Block device          253:2
      
    4. 論理ドライブを拡大できるように、ボリューム・グループVGExaDbに使用可能な領域があることを確認します。

      コマンドで空き領域がゼロと表示された場合は、論理ボリュームもファイル・システムも拡大できません。

      # lvm vgdisplay VGExaDb -s
      
      "VGExaDb" 556.80 GB [154.00 GB used / 402.80 GB free]
      
  2. /u01を使用するソフトウェアを停止します。

    次のソフトウェアは、通常/u01を使用します。

    • Oracle ClusterwareOracle ASMおよびOracle Database

      # Grid_home/bin/crsctl stop crs
      
    • Trace File Analyzer

      # Grid_home/bin/tfactl stop
      
    • OS Watcher

      # /opt/oracle.oswatcher/osw/stopOSW.sh
      
    • Oracle Enterprise Managerエージェント

      (oracle)$ agent_home/bin/emctl stop agent
      
  3. rootユーザーとしてパーティションをアンマウントします。
    # umount /u01
    

    ノート:

    umountコマンドでファイル・システムがビジーとレポートされた場合、umountコマンドが成功するには、fuser(1)コマンドを使用して、停止する必要があるが、ファイル・システムにまだアクセスしているプロセスを特定します。

    # umount /u01
    umount: /u01: device is busy
    umount: /u01: device is busy
     
    # fuser -mv /u01
     
            USER      PID ACCESS COMMAND
    /u01:   root     6788 ..c..  ssh
            root     8422 ..c..  bash
            root    11444 ..c..  su
            oracle  11445 ..c..  bash
            oracle  11816 ....m  mgr
            root    16451 ..c..  bash
  4. ファイル・システムを確認します。
    # e2fsck -f /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    
  5. パーティションを拡張します。

    この例では、論理ボリュームが物理ボリュームのサイズの80%まで拡大されています。同時に、ファイル・システムがコマンドによってサイズ変更されます。

    # lvextend -L+XG --verbose /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    

    前述のコマンドのXGは、拡大される論理ボリュームの量(GB)です。次の例は、論理ボリュームを200GB追加して拡大する方法を示しています。

    # lvextend -L+200G --verbose /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    

    注意:

    サイズを縮小する場合は、十分に注意してください。新しいサイズは、パーティションの元の内容すべてを収容できる十分な大きさにする必要があります。サイズを縮小するには、次のようなコマンドを使用します。

    lvreduce -L60G --resizefs --verbose /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    

    前述のコマンドでは、/u01のサイズが60GBに縮小されています。

  6. e2fsckコマンドを使用して、/u01ファイル・システムを確認します。
    # e2fsck -f /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    
  7. /u01ファイル・システムのサイズを変更します。
    # resize2fs -p /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    
  8. パーティションをマウントします。
    # mount -t ext3 /dev/VGExaDb/LVDbOra1 /u01
    
  9. 領域が拡張されたことを確認します。
    $ df -h /u01
    
  10. 次のように、ステップ2で停止したソフトウェアを再起動します。
    • Oracle ClusterwareOracle ASMおよびOracle Database

      # Grid_home/bin/crsctl start crs
      
    • Trace File Analyzer

      # Grid_home/bin/tfactl start
      
    • OS Watcher

      # /opt/oracle.cellos/vldrun -script oswatcher
      
    • Oracle Enterprise Managerエージェント

      (oracle)$ agent_home/bin/emctl start agent