1.3.2.2.2 Oracle ASMの障害グループ
Oracle ASM障害グループは、同じハードウェアを共有するために同時に停止する可能性があるOracle ASMディスク・グループのディスクのサブセットです。
Oracle ASMでは、冗長性について決定する場合に障害グループを考慮します。
Oracle Exadata Storage Serverでは、ストレージ・セルに障害が発生すると、Oracle ASMディスク・グループのメンバーおよび候補で構成されるすべてのグリッド・ディスクが同時に停止する可能性があります。このようなシナリオのため、ストレージ・セルが関連するすべてのOracle ASMグリッド・ディスクには、そのセルを表す障害グループを1つ割り当てる必要があります。
たとえば、2つのストレージ・セル(AおよびB)が関連するすべてのグリッド・ディスクが「標準」の冗長性で1つのOracle ASMディスク・グループに追加されている場合、ストレージ・セルAのすべてのグリッド・ディスクとストレージ・セルBのすべてのグリッド・ディスクには、それぞれ別の障害グループが指定されます。これにより、いずれかのストレージ・セルで障害が発生しても、Oracle Exadata System SoftwareおよびOracle ASMでフォルト・トレランスが実行されるようになります。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクの障害グループは、単一のセル上のディスクが同じ障害グループに属するようにデフォルトで設定されているため、Oracle Exadata Storage Serverに関する正しい障害グループ構成は簡単になっています。
Oracle ASMディスク・グループの冗長性レベルは、ディスク・グループの作成時に定義できます。Oracle ASMディスク・グループは、「標準」または「高」の冗長性で指定できます。「標準」の冗長性では、エクステントを二重にミラー化し、「高」の冗長性では、エクステントを三重にミラー化します。Oracle ASMの「標準」の冗長性では、1つのセルまたはそのセル内のディスク・セットに障害が発生した場合にフォルト・トレランスが実行されます。Oracle ASMの「高」の冗長性では、2つのセルまたはそのセル内のディスク・セットに障害が発生した場合にフォルト・トレランスが実行されます。冗長性の設定基準は、必要とする保護レベルです。冗長性レベルを選択する場合は、障害後のI/O容量が冗長性の要件およびパフォーマンス・サービス・レベルを十分に満たすようにします。「標準」の冗長性で3つのセルを使用することをお薦めします。これにより、セルに障害が発生しても完全な冗長性でリストアが可能になります。次の点を考慮してください:
-
セルまたはディスクに障害が発生した場合、セルまたはディスクの内容はOracle ASMによってディスク・グループの残りのディスクに自動的に再配分されます(データを格納する十分な領域があることが条件)。Oracle ASMの冗長性を使用する既存のディスク・グループでは、
V$ASM_DISGKROUP
ビューのUSABLE_FILE_MB
列に使用可能領域の容量が表示され、REQUIRED_FREE_MIRROR_MB
列に冗長性のための領域の容量が表示されます。 -
セルまたはディスクに障害が発生した場合は、パフォーマンス・サービス・レベル合意を満たすために必要なIOPSを残りのディスクで生成できるようにしてください。
ディスク・グループを作成した後は、ディスク・グループの冗長性レベルを変更することはできません。ディスク・グループの冗長性を変更するには、別のディスク・グループを作成して冗長性を指定し、ファイルを移動する必要があります。
各Exadataセルは、障害グループです。標準冗長性のディスク・グループには、少なくとも2つの障害グループが含まれる必要があります。Oracle ASMでは、異なる障害グループに配置されたミラー化されたエクステントを使用して、ファイル・エクステントの2つのコピーを自動的に格納します。高い冗長性のディスク・グループには3つ以上の障害グループが含まれている必要があります。Oracle ASMでは、個別の障害グループの各ファイル・エクステントを使用して、ファイル・エクステントの3つのコピーを自動的に格納します。
使用環境における障害グループの数が十分でない場合、システムの信頼性が損われる可能性があります。障害グループの数が少ない場合や、障害グループの容量が均等でない場合は、利用可能なすべてのストレージを十分に活用できない割当ての問題につながる場合があります。
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