バックアップおよびREDOフェイルオーバーのための保護されたデータベースの構成

バックアップおよびREDOフェイルオーバーのレプリケーションを構成した後、保護されたデータベースの管理者はこの項のタスクを実行して、保護されたデータベースが通常の状況ではバックアップをプライマリ・リカバリ・データベースに送信し、計画停止または計画外の停止の間は代替リカバリ・アプライアンスに送信できるようにする必要があります。

タスク1: ウォレットの場所を指定するsqlnet.oraの構成

sqlnet.oraファイルに、Oracleウォレットの場所が含まれていることを確認します。

次の例は、ウォレットの場所のエントリがどのように表示されるかを示しています。

SQLNET.WALLET_OVERRIDE = true
WALLET_LOCATION = 
(SOURCE = 
    (METHOD = FILE)
    (METHOD_DATA =
      (DIRECTORY = /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/zdlra)
   )
  )

タスク2: sqlnet.oraで指定した場所での自動ログイン・ウォレットの作成

次の例では、「タスク1: ウォレットの場所を指定するsqlnet.oraの構成」で指定したディレクトリに自動ログイン・ウォレットを作成します。

$ mkstore -wrl /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/zdlra/ -createALO

タスク3: プライマリおよび代替リカバリ・アプライアンスの資格証明のウォレットへの追加

このタスクでは、保護されたデータベースの管理者は、「タスク1: プライマリ・リカバリ・アプライアンスでのVPCユーザー・アカウントおよびレプリケーション・ユーザー・アカウントの作成」で作成したVPCユーザーを使用して、プライマリおよび代替アプライアンスの資格証明をウォレットに追加します。

次の例では、プライマリ・アプライアンスrapribrf-scan.acme.com:1521/rapri:dedicatedおよび代替アプライアンスraaltbrf-scan.acme.com:1521/raalt:dedicatedvpcuser資格証明を、保護されたデータベース上のウォレットに追加します。

$ mkstore -wrl /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/zdlra/ -createCredential "rapribrf-scan.acme.com:1521/rapri:dedicated" "vpcuser" "pwd"
$ mkstore -wrl /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/dbs/zdlra/ -createCredential "raaltbrf-scan.acme.com:1521/raalt:dedicated" "vpcuser" "pwd"

タスク4: データベースの代替リカバリ・アプライアンスへの登録および制御ファイルのバックアップ

このタスクでは、保護されたデータベースの管理者がステップ1および2を実行し、リカバリ・アプライアンス管理者がステップ3を実行します。

データベースを登録し、制御ファイルをバックアップするには:

  1. RMANを使用して、保護されたデータベースにはTARGETとして、代替リカバリ・アプライアンス・カタログにはCATALOGとして接続し、REGISTER DATABASEコマンドを実行します。

  2. REGISTER DATABASEコマンドが完了した後、現在の制御ファイルを代替アプライアンスにバックアップします。

    BACKUP DEVICE TYPE SBT CURRENT CONTROLFILE;
  3. 制御ファイルのバックアップが代替アプライアンスからプライマリ・アプライアンスにレプリケートされたことを確認します。

タスク5: データベースがプライマリ・リカバリ・アプライアンスに登録されていることの確認

このステップでは、保護されたデータベースがプライマリ・アプライアンスに登録されていることを確認します。前のタスクでデータベースが代替アプライアンスに登録されるときにレプリケーションが構成されるため、データベースはプライマリ・アプライアンスに自動的に登録される必要があります。

プライマリ・アプライアンスへの登録を確認するには:

  1. RMANで、CATALOG接続文字列にプライマリ・アプライアンス資格証明を使用して、データベースに接続します。

    rman TARGET / CATALOG /@rapribrf-scan.acme.com:1521/rapri:dedicated

  2. REGISTER DATABASEコマンドを実行します。

    次のエラーが表示されます。

    RMAN-20002: target database already registered in recovery catalog

ノート:

  • 保護されたデータベースの管理者は、プライマリ・アプライアンスが使用できないときにバックアップを代替リカバリ・アプライアンスに送り、プライマリ・アプライアンスが機能するようになったらバックアップをプライマリ・アプライアンスにリダイレクトする、別のRMANバックアップ・スクリプトを作成する必要もあります。このスクリプトは代替リカバリ・アプライアンス・カタログに接続する必要があり、credential_aliasを代替アプライアンスに設定したCONFIGURE CHANNELまたはALLOCATE CHANNELコマンドが必要です。リカバリ・アプライアンスのRMANバックアップ・スクリプトを作成する方法の例は、Zero Data Loss Recovery Appliance保護されたデータベースの構成ガイドを参照してください。

  • プライマリ・アプライアンスの停止中にリアルタイムREDOを代替リカバリ・アプライアンスに送信するには、プライマリ・アプライアンスへの接続に使用するログ・アーカイブ宛先のALTERNATEとして追加のログ・アーカイブ宛先を定義する必要があります。接続文字列は、プライマリ・アプライアンスに必要な接続文字列と同様に、Oracle自動ログイン・ウォレットに定義して、同じVPCユーザー(パスワードは異なる場合がありますが)を使用する必要があります。ALTERNATE属性を使用して代替リモート宛先に自動的にフェイルオーバーする方法の例は、Data Guard概要および管理を参照してください。