リカバリ・アプライアンスのモニタリングについて

この項には次のトピックが含まれます:

関連項目:

アーキテクチャの概要については、「保護ポリシー」を参照してください

リカバリ・アプライアンスをモニタリングする目的

進行中のリカバリ・アプライアンス管理において、リカバリ・アプライアンスの全体的な健全性を定期的にモニタリングし、保護されたデータベース、バックアップ・ジョブおよびレプリケーション・ジョブ、記憶域使用状況のステータスを確認することは、非常に重要です。

リカバリ・アプライアンス・モニタリング機能の概要

この項では、Oracleで提供されているモニタリング・ツールについて説明します。

Cloud Control

リカバリ・アプライアンス管理者の主要なモニタリング・ツールは、Oracle Enterprise Manager Cloud Control (Cloud Control)インシデントおよびイベント通知フレームワークです。プライマリ・インタフェースはリカバリ・アプライアンスのホームページで、警告、アラート、エラーが目立つように表示されます。Cloud Controlに統合されたモニタリング・フレームワークは、問題を管理し、解決するまで追跡する有効な方法です。

領域管理は、リカバリ・アプライアンスの管理において非常に重要です。記憶域需要に対応する十分な時間を確保するには、予測される記憶域ニーズがいつ使用可能な記憶域量の合計に達するかを知っておく必要があります。Cloud Controlには、記憶域使用量の総計に関する警告およびエラー・メッセージが表示されるため、必要な変更を加えるための十分な時間を確保できます。

Cloud Controlでは、管理目標にあわせて設定をカスタマイズできます。たとえば、特定のデータベースのリカバリ・ウィンドウ目標を満たすのに必要な領域が、予約済領域のユーザー定義比率である場合、警告を受信することができます。電子メール・アラートを構成して、システムにログインすることなく、問題の通知をただちに受信することもできます。

Oracle Configuration Manager

Oracle Configuration Managerは構成情報を収集し(デフォルトでは毎日)、Oracle Management Repositoryにアップロードします。サービス・リクエストを記録する場合、構成データがサービス・リクエストに関連付けられます。Oracle Support Serviceは、データを分析してよりよいサービスを提供します。

Oracle Configuration Managerには、次の利点があります。

  • サポートの問題を解決する時間の短縮

  • 問題を回避するための事前の対策の提供

  • ベスト・プラクティスおよびOracleナレッジ・ベースへのアクセスの改善

  • 顧客のビジネス・ニーズの理解の向上および一貫したレスポンスとサービスの提供

各OracleホームにはOracle Configuration Managerソフトウェアがインストールされます。一般に、各Oracleホームには、My Oracle Support (MOS)資格証明で情報を収集してアップロードするコレクタが構成されています。配置されているOracleホームおよびコレクタが切断されているか構成されていないOracleホームの情報を収集するセントラル・コレクタも構成できます。

自動サービス・リクエスト(ASR)

自動サービス・リクエスト(ASR)は、特定のリカバリ・アプライアンス・ハードウェアに障害が発生すると自動的にサービス・リクエストを開く機能です。ASRは、ディスク、ファン、電源装など、最も一般的なサーバー・コンポーネントで障害を検出します。ASRはサーバー・コンポーネントのみをモニターし、発生する可能性のあるすべての障害を検出するわけではありません。

ASRは、SMTP、SNMPアラートなど、カスタマ・データ・センター内のその他のモニタリング・メカニズムにかわるものではありません。交換ハードウェアの発送を促進および簡素化する補完メカニズムです。

関連項目:

ASRの設定方法を学習するには、『Zero Data Loss Recovery Applianceオーナーズ・ガイド』を参照してください。

リカバリ・アプライアンスをモニタリングするためのCloud Controlインタフェース

リカバリ・アプライアンスをモニタリングするための主要なインタフェースは、リカバリ・アプライアンスのホームページになります。次の図に示すように、存在する警告とアラートがホームページに表示されます。

ホームページの次のセクションで、モニタリング情報を表示します。

  • サマリー

    このセクションでは、問題なし、アラートあり、警告ありのデータベースの数を表示します。Cloud Controlでは、アラートは特定のメトリック条件が発生したことを示すインジケータです。たとえば、アラートはメトリックしきい値に達したことを示します。

  • メディア・マネージャおよびレプリケーション

    これらのセクションでは、copy-to-tapeおよびリカバリ・アプライアンス・レプリケーション・サービスのステータスを表示します。

  • 保護されたデータベースの問題

    このセクションでは、保護されたデータベースのバックアップ・ステータスの概要を示します。また、影響を受けたデータベースを示すためのカテゴリ・フィルタを使用できます。

  • インシデントとイベント

    このセクションでは、リカバリ・アプライアンスおよび関連付けられているすべてのターゲットについてレポートされたインシデントとイベントを表示します。ターゲットおよびカテゴリ別にフィルタリングできます。「サマリー」リンクをクリックして、「インシデント・マネージャ」にドリルダウンし、インシデントの詳細情報を表示できます。

    ノート:

    根本にある問題が解決されると、警告は自動的にクリアされます。

リカバリ・アプライアンスをモニタリングするための基本的なタスク

この項では、リカバリ・アプライアンスをモニタリングする場合の基本的なタスクについて説明します。次の図は、「リカバリ・アプライアンスのワークフロー」に説明されている全体的なワークフローを、モニタリング・タスクを強調して示したものです。

図16-1 リカバリ・アプライアンス・ワークフローでのモニタリング・タスク

図16-1の説明が続きます
「図16-1 リカバリ・アプライアンス・ワークフローでのモニタリング・タスク」の説明

通常、モニタリング・タスクを実行する順序は次のとおりです。

  1. 構成フェーズでは、メトリック設定を構成します(「リカバリ・アプライアンスの設定と構成」を参照)。たとえば、しきい値を上回った場合に警告を発行するようにリカバリ・アプライアンスを構成できます。

    「メトリックと収集設定の変更」で、このタスクについて説明します。

  2. 進行中のメンテナンス・フェーズでは(「リカバリ・アプライアンスのメンテナンス・タスク」を参照)、必要に応じて保護ポリシーを変更します。一般的な変更タスクには次のものがあります。