11 Enterprise ManagerとOCIサービスの統合

Enterprise Managerにより、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)のクラウド・サービスで、Enterprise Managerによって管理されるターゲットレベル・データを簡単に利用できるようになります。

ノート:

Oracle Enterprise Manager Oracle DatabaseターゲットからOracle Cloud Infrastructureサービスにデータを抽出するには、Oracle Enterprise Manager Oracle DatabaseターゲットにOracle Diagnostics Packが必要です。

詳細は、Oracle Diagnostics PackおよびBase Frameworkの機能サマリーを参照してください。

Enterprise Managerでは、Enterprise ManagerターゲットおよびOracle Management Repository (OMR)からOCIオブジェクト・ストレージにデータを転送できます。OCIオブジェクト・ストレージには、1つ以上のクラウドネイティブ・サービスによって簡単にアクセスできます。

OCI接続を設定すると、ターゲット・データはオブジェクト・ストレージに自動的かつ頻繁にアップロードされるため、OCIのクラウド・サービスでは、常に最新のターゲット・データが使用されます。

次の図は、構成プロセスの完了後にどのようにターゲット・データがEnterprise ManagerからOCIサービスに流れるかを示しています。


この図は、EMからOCIサービスへのデータ・フローを示しています。

Enterprise Managerの更新

Enterprise Manager 13cリリース5更新3 (13.5.0.3)以降では、OMSに加えて、クラウド・ブリッジ機能を使用してデータをオブジェクト・ストレージにエクスポートするエージェント・モニタリング・ターゲットにもリリース更新を適用する必要があります。

前提条件

Enterprise ManagerからOCIへの接続に設定する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

OCIオブジェクト・ストレージ・バケットがすでに作成されていることの確認

エクスポートしたターゲット・データは、OCIサービスでアクセスできる、OCIオブジェクト・ストレージ・バケットに格納されます。OCI接続を設定する前に、可視性がプライベートに設定されたオブジェクト・ストレージ・バケットが使用可能になっていることを確認してください。OCID、ユーザーOCID、公開キー・フィンガープリント、秘密キーおよびリージョンをメモします。詳細は、必要なキーとOCIDおよびテナンシのOCIDとユーザーのOCIDの取得場所を参照してください。

ノート:

OCIオブジェクト・ストレージ・バケットに保存ポリシーを含めることはできません。

Enterprise Managerログイン用の排他的Enterprise Managerスーパー管理者ユーザーを設定します。

Enterprise ManagerからOCIオブジェクト・ストレージへのデータのエクスポート専用の排他的Enterprise Managerスーパー管理者ユーザー・ログイン、具体的には特定のEnterprise Managerインスタンスを識別するユーザー名を設定することをお薦めします。たとえば、john_doe_adminのかわりにEM-austin@mycompany.comというユーザーを定義できます。インスタンス固有のユーザー名を作成すると、オブジェクト・ストレージに流れるデータを、実際のユーザーではなくEnterprise Managerインスタンスに帰属させることができます。

また、インスタンス固有のユーザー名を作成すると、ユーザーが退職した場合にセキュリティ・キーが無効になることがなくなります。

Enterprise Managerでのユーザーの作成の詳細は、Enterprise Managerユーザー・アカウントの作成を参照してください。

OMSホストを含むすべてのターゲット・ホストのホスト優先資格証明の定義。

データ・エクスポートを容易にするには、ターゲットをモニターするエージェントがあるすべてのホスト、およびOMSがインストールされているホストに対して、ホスト優先資格証明を定義する必要があります。優先ホスト資格証明で指定されたユーザーは、ホスト上のエージェントのプッシュに使用されたユーザーと同じである必要があります。このユーザーには、エージェント・フォルダ内のコンテンツに対する読取り、書込みおよび実行権限が必要です。また、プライマリおよび追加のOracle Management Services (OMS)がインストールされているホストの優先資格証明を作成します。ホスト優先資格証明の詳細は、ホスト認証機能を参照してください。

データベース・プラグインがすべてのOMSホストにプッシュされていることを確認します。データベース・プラグインは通常はデフォルトでエージェントとともにプッシュされるため、それが削除されていないことを確認します。

データ抽出に含まれているデータベース・ターゲットをモニタリング対象とするエージェントがあるOMSホストおよびホストが、OCIおよびオブジェクト・ストレージに接続されていることを確認します。

Enterprise ManagerでのOCI用のグローバル名前付き資格証明の定義

名前付き資格証明を使用すると、名前付きエンティティとしてEnterprise Managerに格納される、ユーザー名とパスワードのペアを作成できるため、実際のパスワードを公開することなく資格証明を使用できます。名前付き資格証明は、単一のデータベースやホストなど、単一のターゲットで定義できます。グローバル名前付き資格証明は、有効範囲がグローバルとして定義されます。それにより、この資格証明を特定のタイプのすべてのターゲットで使用できるようになります。

Enterprise Managerのターゲット・データをOCIオブジェクト・ストレージにエクスポートするときに使用するために、グローバル名前付き資格証明を定義する必要があります。グローバル名前付き資格証明を作成するには、次の手順を実行します。

  1. 「設定」メニューで、「セキュリティ」「名前付き資格証明」の順に選択します。
  2. 「作成」をクリックします。資格証明の作成ページが表示されます。
  3. 「認証ターゲット・タイプ」ドロップダウン・メニューから、「Oracle Cloud Infrastructure」を選択します。プロパティの詳細は、選択したターゲット・タイプに応じて変わります。
  4. 有効範囲を「グローバル」に設定します。
  5. 必要なプロパティを入力し、「保存」をクリックします。

ノート:

名前付き資格証明とそのアプリケーションの詳細は、名前付き資格証明を参照してください。

秘密キーは、opensslを介してコマンドラインから生成する必要があります(OCIドキュメントを参照)。現在、OCIコンソールから直接生成およびダウンロードされた秘密キーは、この機能では機能しません。OCIDおよびキーの詳細は、必要なキーおよびOCIDを参照してください。

データのエクスポート対象となるターゲットを含むEnterprise Managerグループの作成。

Enterprise Managerのターゲット・データをOCIにエクスポートするには、関連するターゲットがグループのメンバーである必要があります。OCIサービス・データ・エクスポートのソースを定義するときには、個々のターゲットではなくターゲット・グループを選択します。必ずこのグループ名をメモしておいてください。

ノート:

Opsインサイトの場合は、Exadata Database Machineをグループに追加するときに、osm_cluster/osm_instanceターゲットがリストされていることを確認します。リストされていない場合は、Opsインサイトに対して有効になっているグループに手動で追加する必要があります。

グループの詳細は、「グループの管理」を参照してください。

Enterprise Managerによるオブジェクト・ストレージへのデータのプッシュを可能にするOCIポリシーの設定

クラウド・ブリッジが適切なアクセス権を持つようにOCIポリシーを設定する必要があります。ビジネス・ニーズを満たす方法を選択します:
  • 最低限に制限
    Allow group <GroupOfCloudBridgeUser> to manage object-family in compartment <BucketCompartment> where all {target.bucket.name='BucketA'} 
  • より限定的
    Allow group <GroupOfCloudBridgeUser> to manage objects in compartment <BucketCompartment where all {target.bucket.name='BucketA'}
    Allow group <GroupOfCloudBridgeUser> to read buckets in compartment

詳細は、「オブジェクト・ストレージ管理者によるバケットおよびオブジェクトの管理」を参照してください。

OMSホストおよびターゲット・ホストからのアクセス

OCI Ops Insightsサービスは、Enterprise Managerデータ・エクスポート中に、独自のエンドポイントおよびオブジェクト・ストレージ・エンドポイントとやり取りします。これらのエンドポイントは、クラウド・ブリッジの設定時に指定されたオブジェクト・ストレージURLから導出されます。

ターゲットをモニターするエージェントのインターネットへのアクセスの制御に使用されるファイアウォールまたはプロキシ・サーバーがある場合は、オブジェクト・ストレージURLとOpsインサイトURLの両方がファイアウォールとプロキシ・サーバーの許可リストに追加されていることを確認し、Enterprise Managerデータ・エクスポートがシームレスに実行されるようにします。

オブジェクト・ストレージURLの例:
  • us-phoenix-1 (OC1): https://objectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com
  • ap-chiyoda-1 (OC8): https://objectstorage.ap-chiyoda-1.oraclecloud8.com
OpsインサイトURLの例:
  • us-phoenix-1 (OC1): https://operationsinsights.us-phoenix-1.oci.oraclecloud.com
  • ap-chiyoda-1 (OC8): https://operationsinsights.ap-chiyoda-1.oci.oraclecloud8.com

OCIサービス接続の設定

OCIサービス接続を構成するには、Enterprise ManagerとOCIサービスの両方を設定する必要があります。この章の内容は、主にEnterprise Managerの設定に焦点を当てています。サービス固有のEnterprise Manager統合手順を含むOCIサービス・ドキュメントへのリンクは、ステップ2で示されています。

ノート:

これらのステップを実行する前に、前提条件を満たしていることを確認してください。これらの前提条件の詳細は、前提条件を参照してください

Enterprise ManagerからOCIサービスへの接続の構成は、次の2つのステップで実行されます。

ステップ1: OCIへのEnterprise Managerデータのエクスポート

Enterprise ManagerからOCIにターゲット・データを移動するために、Enterprise Managerでクラウド・ブリッジを作成します。クラウド・ブリッジでは、OCI内にあるOCIオブジェクト・ストレージ・バケットへのデータ接続が定義されます。

Enterprise Managerでクラウド・ブリッジを作成するには、次の手順を実行します。

ノート:

ブリッジ作成は1回かぎりの設定です。作成後は、必要に応じて編集、更新または削除できます。

前述の新規作成したデータ・エクスポート用スーパー管理者ユーザーとしてログインして、クラウド・ブリッジを作成します。

  1. 「設定」メニューから「クラウド・ブリッジ」を選択します。「クラウド・ブリッジ」ページが表示されます。このページは、初めてアクセスした時点では空になっています。
  2. OCI接続の管理をクリックします。

    「OCIブリッジ」がデフォルトで選択されています。

    OCIブリッジに次のように入力します。
    • OCI資格証明: 前の手順で作成した資格証明名。
    • ベースURL: ストレージ・バケットのベースURL。

      構文: https://objectstorage.<region>.<domain>

      例:
      • us-phoenix-1 (OC1): https://objectstorage.us-phoenix-1.oraclecloud.com

      • ap-chiyoda-1 (OC8): https://objectstorage.ap-chiyoda-1.oraclecloud8.com

      • me-dcc-muscat-1 (OC9): https://objectstorage.me-dcc-muscat-1.oraclecloud9.com

      ノート:

      Opsインサイトを使用している場合、エンドポイントも、前述のデータ・エクスポート・ジョブのオブジェクト・ストレージURLから導出されます。様々なリージョンのOpsインサイトURLの例を次に示します:
      • us-phoenix-1 (OC1): https://operationsinsights.us-phoenix-1.oci.oraclecloud.com
      • ap-chiyoda-1 (OC8): https://operationsinsights.ap-chiyoda-1.oci.oraclecloud8.com
      • me-dcc-muscat-1 (OC9): https://operationsinsights.me-dcc-muscat-1.oci.oraclecloud9.com

      ターゲットをモニターするエージェントのインターネットへのアクセスの制御に使用されるファイアウォールまたはプロキシ・サーバーがある場合は、オブジェクト・ストレージURLとOpsインサイトURLの両方がファイアウォールとプロキシ・サーバーの許可リストに追加されていることを確認します。

    • バケット: バケット名。
    • プロキシ資格証明: (オプション)ファイルの転送中にオブジェクト・ストレージに接続する際に使用されるプロキシ資格証明。

      プロキシ資格証明は、Enterprise Managerコンソールの「セキュリティ」「名前付き資格証明」の下に作成されます。「ターゲット・タイプ」で、「クラウド・ブリッジ」を選択します。「資格証明プロパティ」に、プロキシの詳細(ホスト、ポート、ユーザー名およびパスワード)を入力します。

      クラウド・ブリッジ・プロキシ資格証明を使用してプロキシの詳細を取得する場合は、既存のプロキシ・サーバーを使用できます。もう1つのオプションは、EMインスタンスがデプロイされているプロキシにアクセスできない場合またはプロキシを使用できない場合、OCI管理ゲートウェイ・サービスを使用してクラウド・ブリッジを設定することです。この場合、管理ゲートウェイをDMZまたはゲートウェイ・サーバーにインストールして、データをOCIに送信する必要があります。OCI管理ゲートウェイ・サービスの詳細は、「管理ゲートウェイ」を参照してください。

      ノート:

      Enterprise Manager 13cリリース5更新15 (13.5.0.15)以降、クラウド・ブリッジでは、OCIへのアウトバウンド接続に使用されるプロキシ詳細の指定がサポートされています。このリリース更新(パッチ)は、OMS、セントラル・エージェントおよび他のすべての参加エージェントに適用する必要があります。
    • 名前を付けて保存: 作成しようとしているブリッジの名前。

    次に、「作成」をクリックして新しいOCIブリッジを作成します。

    データ・ウェアハウスを構成することもできます。そのためには、「ウェアハウス」をクリックします。

    ウェアハウスを定義するには、次のように入力します。

    • OCIサービスを選択します。
    • サービス用に作成されたOCIブリッジを選択します。
    • 「ウェアハウス・データベース」を選択します。オブジェクト・ストア・バケットとウェアハウス・データベースが、シームレスなデータ移動のために共通のOCIリージョンを共有していることを確認します。
    • ウェアハウス・データベースへのアクセスに使用する資格証明(名前付き資格証明)を選択します。名前付き資格証明は、Enterprise Managerコンソール(「設定」「セキュリティ」「名前付き資格証明」)から作成できます。

    「構成」をクリックして、新しいウェアハウス接続を構成します。

  3. 「OK」をクリックします。
  4. データ・エクスポートの有効化をクリックします。
  5. OCIサービスの下で、サービス・タイプを選択します。たとえば、Opsインサイト: EMウェアハウスです。
  6. 前のステップで作成した、データをエクスポートするすべてのターゲットを含むグループを選択します。
  7. クラウド・ブリッジを選択して、「送信」をクリックします。Enterprise Managerインスタンスからのデータが、定義したOCIバケットにアップロードされ始めます。
  8. OCIで、ストレージ・バケットに格納されているデータを検証できます。OCIストレージに移動し、「バケット」を選択し、バケットを作成したコンパートメント内でバケットの名前をクリックします。このバケット内のデータは、次のようなデータになります。オブジェクト・ストア・フォルダの名前、およびemidをメモしておきます。
    図にオブジェクト・ストレージ・バケットの内容が示されています。

ステップ2: オブジェクト・ストレージ・バケットからOCIサービスへのデータのインポート

Enterprise ManagerからOCIオブジェクト・ストレージ・バケットにデータを移動するクラウド・ブリッジを設定したら、そのオブジェクト・ストレージ・バケットから処理のためのOCIサービスにEnterprise Managerターゲット・データを移動するEMブリッジを作成する必要があります。

Enterprise Managerのターゲット・データのインポートの詳細は、OCIサービスのドキュメントを参照してください。

サービスのデータ・アップロード・ステータスの表示

Enterprise Managerでクラウド・ブリッジが正常に作成されているときに、OCIへのデータ・エクスポートのターゲット・グループを1つ以上選択すると、「クラウド・ブリッジ」ダッシュボードに、各サービスに追加されているグループを含めて各サービスの現在のアップロード・ステータスが表示されます。

「サマリー」グラフに各OCIサービスのターゲット・アップロード・ロールアップ・データが表示され、表に各サービスのアップロード・データの詳細ビューが表示されます。


この図は、「OCIサービスのEMデータの管理」ダッシュボードを示しています。

どのサービスで定期的にターゲット・データがアップロードされているかを簡単に確認できます。ターゲット・データのアップロードの成功と失敗は、データ・エクスポート・ステータス列に表示されます。各サービスの現在のデータ・エクスポート・ステータスは、「アップロード・サマリー」リージョンの「サービス・ステータス」列にも表示されます。

次の表に、すべての考えられるステータス条件を示します。

表11-1 データ・エクスポート・ステータス

ステータス条件 説明
成功 ソースにエラーはありません。ソースはデータ・エクスポートに参加しています。
抽出エラー ソースの抽出エラーがあります。ソースはデータ・エクスポートに参加しています。
転送エラー ソースの転送エラーがあります。ソースはデータ・エクスポートに参加しています。
ロード・エラー ソースのロード・エラーがあります。ソースはデータ・エクスポートに参加していません。
データ・エクスポートはサービスで一時停止されました データ・エクスポートがOCIサービス・レベルで一時停止されました。データ・エクスポート・ジョブは実行されていません。
グループはデータ・エクスポートから除外されました

グループはデータ・エクスポートに参加していません。

データ・エクスポート・ジョブは実行されています。

エラーのためデータ・エクスポートから除外されました

ソースに抽出エラーがあり、データ・エクスポートから除外されました。このソースはデータ・エクスポートに参加していません。

ソースはデータ・エクスポートから除外されました

ソースはデータ・エクスポートに参加していません。データ・エクスポート・ジョブは実行されています。

また、データ・エクスポート・ステータス列内の垂直の省略記号をクリックすることで、OCIサービス、そのサービスに関連付けられたターゲット・グループ、および各グループの個々のターゲット・メンバーの固有のアクションを実行できます。

次を実行できます。

OCIサービスの場合は、次のことができます。

  • OCIサービスでデータ・エクスポートを一時停止すると、そのサービスのデータ・エクスポートは停止または削除されます。OCIサービスでデータ・エクスポートを再開すると、サービスのデータ・エクスポートが開始されます。
  • OCIオブジェクト・ストレージ・バケットへの、選択したOCIサービスに関連付けられているすべての関連ターゲット・グループのデータ・エクスポートを再開/一時停止します。OCIサービスでデータ・エクスポートを一時停止していると、そのサービスのデータ・エクスポートは停止または削除されます。
  • 診断の実行: 次の図に示すように、Enterprise Managerは一連の診断を実行して、ターゲット・データ・エクスポート・プロセスで発生した可能性のある問題をチェックします。
    この図は、「診断の実行」ダイアログを示しています。

    ノート:

    Oracle Enterprise Manager 13cリリース5更新10 (13.5.0.10)以降、「名前を付けて保存」オプションを使用して、診断表をCSVファイルとしてダウンロードできます。
  • OMSログ・ファイル内の関連するエントリのエラーの表示。
  • サービスで現在使用されているOCIブリッジを別のOCIブリッジに変更します(OCIブリッジの変更)。重要: 別のOCIブリッジに切り替えるには、データ・エクスポート・アクティビティを一時停止する必要があります。
  • OCIサービスを削除します。

ターゲット・グループの場合は、次のことができます。

  • OCIストレージ・バケットへのターゲット・グループ・データ・エクスポートの一時停止/再開。グループ・レベルのデータ・エクスポートの一時停止または再開では、そのデータ・エクスポートに関与するグループのみが除外または含まれます。データ・エクスポート・ジョブには影響がありません。
  • グループの削除

グループ内のターゲットの場合は、次のことができます。

  • 診断の実行: 次の図に示すように、Enterprise Managerは個々のターゲットに一連の診断を実行して、ターゲット・データ・エクスポート・プロセスで発生した可能性のある問題をチェックします。


    図は、ターゲットの診断ダイアログを示しています。

  • ステータスの切替え: 個々のターゲット・データ・エクスポートを開始または停止できます。
  • エラーの表示

ジョブ

データ・エクスポートのために「発行」をクリックしてクラウド・ブリッジを作成するかターゲット・グループを追加すると、それに必要なアクションを実行するEnterprise Managerジョブが発行されます。必要に応じて、「ジョブ」タブ(「ソース」タブの右側)をクリックして、OCIサービスのEMデータの管理に関連するすべてのジョブについて明示的な情報を表示することで、OCI関連のすべてのジョブのステータスを確認できます。

通常は、このレベルの情報は必要ありません。特定のOCIサービスに対して「診断の実行」を実施すると、ターゲット・データ・エクスポートに関連付けられたすべてのジョブがチェックされます。

Enterprise Managerからのデータ・アップロードのモニタリング

Enterprise ManagerからOCIへのデータ・エクスポートは、ジョブ・システムによって実行されます。ただし、データ・エクスポート・ジョブが完了まで実行されない条件がいくつかあります。Enterprise Managerのインシデントおよびイベント管理機能を使用して、データ・エクスポート・ジョブをモニターできます。

データ・エクスポート・ジョブは、いくつかの理由で失敗する可能性があります。

  1. ジョブはエラー(システム・エラー、クラウド・ブリッジの問題、エクストラクタ関連のエラーなど)が発生する可能性があります
  2. データ・エクスポート・ジョブは、Enterprise Managerジョブ・システムUIから停止または終了できます。
  3. データ・エクスポートに関連するデータ・ソースは、可用性、資格証明関連の問題、抽出/転送またはロード関連エラーのために問題が発生する可能性があります。

これらの問題はすべて診断の実行機能を使用して診断できますが、Enterprise Managerのネイティブ・モニタリング機能(インシデント・マネージャ)を利用して、管理者にただちに通知し、問題を修正するか、場合によっては問題解決プロセスを自動化できます。

Enterprise ManagerでOCIデータ・エクスポート・ジョブをモニターできるように、クラウド・ブリッジ・データ・エクスポートという特殊なターゲットが作成され、通常のEnterprise Managerターゲットとしてモニターできます。

OCIデータ・エクスポート・モニタリングの設定

クラウド・ブリッジ・データ・エクスポート・ターゲットは、データ・エクスポートが少なくとも1つのOCIサービスに対して構成されると自動的に作成されます。

ノート:

データ・エクスポート・ジョブのモニタリング用に構成されたOCIサービスがない場合、クラウド・ブリッジ・データ・エクスポート・ターゲットは自動的に削除されます。

ターゲットを表示するには、「すべてのターゲット」ページ(「ターゲット」→「すべてのターゲット」)に移動し、ブリッジを検索します。

リスト内のクラウド・ブリッジ・データ・エクスポート・ターゲットをクリックして、ターゲット・ホームページを表示します。


図はターゲットのホームページを示しています。

ノート:

データ・エクスポートが少なくとも1つのOCIサービスに対して構成されていない場合、ターゲットは表示されません。

メトリック収集の有効化

メトリックはデフォルトで無効になっています。クラウド・ブリッジ・データ・エクスポート・ターゲットの「メトリックと収集設定」ページに移動します。

  1. 「クラウド・ブリッジ」ドロップダウン・メニューから、「モニタリング」「メトリックと収集設定」の順に選択します。


    図は、メトリックと収集設定を示しています

  2. 「収集スケジュール」列で、「無効」をクリックします。「収集設定の編集」ページが表示されます。
  3. 「有効化」をクリックします。
  4. 目的の「収集頻度」を設定し、「続行」をクリックします。
  5. 「OK」をクリックします。

モニタリングの例

OCIサービスでエラーが発生しました

次の図は、OCIサービス(Opsインサイト)でデータ・アップロード・エラーが発生したことを示しています。


図は、OPSIエラーがあるブリッジ・ダッシュボードを示しています

インシデント(エラー)が発生しました

データ・エクスポート・ジョブが停止または削除されると、インシデントが発生します。


図はインシデント・マネージャを示しています

イベントがインシデントなしで発生しました

インシデントのないイベントは、次の場合に発生します。

  • データ・エクスポートがサービス・レベルで一時停止されています
  • データ・エクスポートに参加しているソースがエラー・ステータスです

図はデータ・ソース・エラーを示しています


イメージは、インシデント・マネージャでのイベント・エラーを示しています。

OCIサービスへのターゲット・グループの追加

クラウド・ブリッジの作成後に、OCIサービスとターゲット・グループのペアを追加作成することで、OCIサービスの使用ために追加のEnterprise Managerターゲット・データをエクスポートできます。

OCIサービス・データ・エクスポートダイアログに移動します。

  1. 「設定」メニューから「クラウド・ブリッジ」を選択します。
  2. データ・エクスポートの有効化タブをクリックして、OCIサービス・データ・エクスポートダイアログを表示します。

OCIサービスを選択すると、関連するクラウド・ブリッジが自動的に選択されます。新しいソース(ターゲット・グループ)を選択し、発行をクリックします。

クラウド・ブリッジの管理

「OCI接続の管理」ダイアログを使用すると、新しいクラウド・ブリッジの作成や、既存のブリッジの編集または削除ができます。

OCIサービス・データ・エクスポートダイアログに移動します。

  1. 「設定」メニューから「クラウド・ブリッジ」を選択します。
  2. OCI接続の管理タブをクリックして、OCI接続の管理ダイアログを表示します。

ノート:

複数のOCIサービスを1つのクラウド・ブリッジに関連付けることができます。あるサービスに対してクラウド・ブリッジが作成されていると、そのサービスはOCIサービスのドロップダウン・メニューからオプションとして選択できなくなります。

クラウド拡張データの表示

クラウド拡張を使用すると、Enterprise ManagerでOracle Cloud Infrastructure (OCI) Opsインサイトのデータベース詳細を表示できます。

クラウド拡張により、OCI Opsインサイトのデータベース固有インサイト(「容量計画」や「SQLインサイト」など)を、Enterprise Managerインタフェースにあるデータベース・ホームページで直接表示できるようになります。Enterprise Managerの「データベース・リソース」ページで、データベースのコンテキストでSQLパフォーマンス・インサイト、データベース容量計画および予測情報を表示できます。

クラウド拡張は、Enterprise Manager 13cリリース5更新23 (13.5.0.23)以降で使用できます。

サポートされているOracle Databaseタイプ

クラウド拡張は、次のデータベース・タイプの、Enterprise Managerのデータベース・ホームページで使用できます:

  • スタンドアロン(非CDB)
  • RACデータベース(非CDB)
  • PDB
  • RAC上のPDB

ノート:

クラウド拡張は、タイプがCDB、RACインスタンス、RACインスタンス上のPDB、RACデータベース(CDB)、Autonomous Database (ATPとADW)およびCDB$ROOTであるデータベースではサポートされていません。

クラウド拡張の構成

Enterprise ManagerからOpsインサイトのデータベース・インサイトを表示できるように、クラウド拡張を構成できます。

クラウド拡張を構成するには、次のことを実行します:
  • Enterprise Managerのデータベース・ホームページに移動します。
  • 左側のメニューから、「容量およびSQLインサイト」をクリックします。

    右側に「容量およびSQLインサイト」ペインが表示されます。

    初めてそれをクリックすると、左側のメニューに「クラウド拡張未構成」というメッセージが表示されます。

    「容量およびSQLインサイト」ペインには、Opsインサイト・サービスの理解とクラウド拡張の構成に役立つ様々なリソース(ビデオやドキュメントのリンクなど)が含まれています。その行は次のようなものです。

    図11-1 クラウド拡張未構成

    クラウド拡張未構成

別の方法としては、次のステップに従ってクラウド拡張を構成できます:

  1. OCI接続用にEnterprise Managerの「クラウド・ブリッジ」を設定します。
    Enterprise Managerの「クラウド・ブリッジ」を使用して、Enterprise ManagerからOCIオブジェクト・ストレージにデータを転送します。手順については、次を参照してください:
  2. Opsインサイトでデータベースを有効にします。

    Opsインサイトの「EMブリッジ」を使用して、分析のためにOCIオブジェクト・ストレージ・バケットからOpsインサイトにデータを移動します。

    手順については、OpsインサイトのドキュメントでEnterprise Managerターゲットの追加を参照してください。

  3. 構成を確認します。

    Enterprise Managerのデータベース・ホームページに移動し、左側のメニューから「容量およびSQLインサイト」をクリックします。

    「データベースの詳細」ペインに、次のタブが表示されます:
    • 容量計画

      これにより、長期的な履歴データと機械学習を使用して、データベース・リソース使用量を分析および予測できます。リソース使用率を特定および管理し(利用率の低いサーバーや利用率が高すぎるサーバーなど)、ワークロードを移動するか、将来のパフォーマンスを最大限に高めるためにリソース割当てを調整することで、リソース使用率を最適化できます。基盤となるインフラストラクチャの容量に関連するすぐに使用可能なインサイトを確認できます(CPU、記憶域、メモリー、I/Oなど)。また、特定の期間のこれらのメトリックに異常値がないか確認することや、MLベースの自動予測アルゴリズムを利用して複雑なワークロードの将来の需要を予測することもできます。

      図11-2 Opsインサイトの「容量計画」

      Opsインサイトの「容量計画」
    • SQLインサイト

      ここでは、データベースで実行されているSQLワークロードの大まかな概要が示されます。これには、データベースに関する基本情報(バージョン、コアおよびインスタンスなど)と、SQLに関する基本情報(データベースから収集された、特有の日次平均件数など)が含まれています。また、コマンド別とモジュール別でSQLアクティビティの合計時間の内訳が示され、SQLまたはPL/SQLの時間比率が示されます。

      データベース・レベルでの「インサイト」タイルでは、インサイトのタイプ別(低下、計画変更による低下、新規、SQLの改善など)に、SQLが定量化されています。SQLアクティビティはコマンド・タイプ別に分類されて、日別に示されます。これにより、時間経過に伴うワークロードの変化が明らかになります。チャート: 「実行と解析の比率」SQLの件数と無効化では、時間経過に伴う重要なアプリケーション・ワークロード特性が明らかになります。

      図11-3 Opsインサイトの「SQLインサイト」

      Opsインサイトの「SQLインサイト」

ノート:

次のシナリオでは、「データベースの詳細」ペインは表示されません:
  • 選択したデータベースに対してクラウド拡張が構成されていない場合は、容量計画とSQLインサイトに関するリソースとビデオが含まれている「容量およびSQLインサイト」ペインが表示されます。このシナリオは、初期構成が完了していない場合のみ発生します。
  • ログインしているEnterprise Managerユーザーに「クラウド・ブリッジ」にアクセスする権限がない場合は、容量計画とSQLインサイトに関するリソースとビデオが含まれているランディング・ページが表示されます。
  • ログインしているEnterprise Managerユーザーに、選択したデータベースについてのパフォーマンス情報を表示する権限がない場合。たとえば、そのユーザーにそのデータベースに対する表示アクセス権しかない場合です。
  • 選択したデータベースはEnterprise ManagerでOCI用に構成されているが、OCI Opsインサイトでそれが有効になっていない場合。
  • クラウド・ブリッジは正しく構成されているが、データベースが無効化または非アクティブ化された後に、Enterprise Managerで「OCI Opsインサイトが無効なデータベース」というメッセージが表示される場合。
  • 使用可能な外部アクセスがブラウザになく(インターネットにアクセスできない)、次のメッセージが表示される場合: OCIに接続できません。インターネット接続を確認し、後で再試行してください