OSコマンド・ジョブの作成
オペレーティング・システムのコマンドまたはスクリプトを実行するには、このタイプのジョブを使用します。次に、OSコマンドを作成する場合のタスクやその従属ステップについて説明します。
タスク1: ジョブ作成の開始
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「エンタープライズ」メニューから「ジョブ」、「アクティビティ」の順に選択します。
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「ジョブの作成」をクリックします。ジョブ・タイプの選択ダイアログが表示されます。
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「OSコマンド」ジョブ・タイプを選択し、「選択」をクリックします。
タスク2: 一般ジョブ情報の指定
「一般」プロパティ・ページで次のステップを実行します。
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ジョブに必要な名前を指定し、ドロップダウンでターゲット・タイプを選択します。
ジョブに特定のタイプのターゲットを選択すると、その同じタイプのターゲットのみをジョブに追加できます。ターゲット・タイプを変更すると、「ターゲット」表に設定したターゲットと、そのジョブのパラメータおよび資格証明が表示されなくなります。
このジョブのターゲットとしてコンポジットを指定すると、ジョブは選択したターゲット・タイプのコンポジット内のターゲットに対してのみ実行されます。たとえば、ホストとグループのターゲット・タイプをターゲットとして指定すると、グループにホスト以外のターゲットがある場合でも、グループ内のホストに対してのみジョブが実行されます。同じターゲット・タイプのものであれば、ターゲット・リストにクラスタを含めることもできます。たとえば、ターゲット・タイプがホストの場合はホスト・クラスタが選択され、ターゲット・タイプがデータベースの場合はRACデータベースが選択されます。
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「追加」をクリックして、「検索と選択: ターゲット」ポップアップ・ウィンドウで1つ以上のターゲットを選択します。「ターゲット」表にターゲットが表示されます。
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「パラメータ」プロパティ・ページ・リンクをクリックします。
タスク3: パラメータの指定
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「コマンド・タイプ」ドロップダウンで「単一操作」または「スクリプト」のいずれかを選択します。
指定したコマンドやスクリプトは、ジョブのターゲット・リストに指定された各ターゲットに対して実行されます。管理エージェントは、各ターゲットに対してコマンドやスクリプトを実行します。
目的に応じて次のいずれかのオプションを選択できます。
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特定のコマンドを実行する単一操作
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OSスクリプトを実行し、スクリプトを処理するインタプリタ(たとえば%perlbin%/perlまたは/bin/sh)をオプションで指定するためのスクリプト。
実行するコマンドを指定する場合で、すべてのホストではスクリプトをインストールおよび更新しない場合、単一のコマンドラインでは不十分なことがあります。この場合、「スクリプト」オプションを使用して、ジョブの一部としてスクリプト・テキストを指定することができます。
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目的に応じて、「単一操作の指定」または「スクリプトの指定」の手順に従ってください。
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「資格証明」プロパティ・ページ・リンクをクリックします。
ノート:
OSコマンドは、指定したコマンド/インタプリタの実行をターゲット・ホストのシェルに依存します。*nixシステムでは/bin/sh -c、Windowsシステムではcmd /cになります。指定したコマンド・ラインは、対応するシェルで解釈されます。タスク4: 資格証明の指定(オプション)
システム・デフォルトの優先資格証明を使用する場合、このページに入力する必要はありません。
「資格証明」プロパティ・ページでは、ターゲット・ホストに対してOSコマンド・ジョブを実行する際にOracle Management Serviceが使用する資格証明を指定できます。ジョブでは、選択したターゲットに対してジョブ発行者のホストベースの優先資格証明を使用することも、他の資格証明を指定して優先資格証明をオーバーライドすることも可能です。
優先資格証明がすでに設定されている場合、このページに入力する必要はありません。
ヒント:
優先資格証明は、ジョブが複数のターゲットで送信され、各ターゲットの認証に異なる資格証明を使用する必要がある場合に有用です。
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優先資格証明を使用するには:
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「優先資格証明」ラジオ・ボタン(デフォルト)を選択します。
OSコマンド・ジョブのターゲットがホストまたはホスト・グループの場合、優先ホスト資格証明が使用されます。これらは優先資格証明ページのホスト・ターゲットに指定され、データベースが存在するホストに対するホスト資格証明とは異なります。
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「ホスト資格証明」ドロップダウンで「通常ホスト資格証明」または「特権ホスト資格証明」のいずれかを選択します。
これらは、「優先資格証明」ページで指定します(このページは、「設定」メニューの「セキュリティ」、「優先資格証明」の順に選択してアクセスします)。「優先資格証明」ページが表示されたら、「優先資格証明の管理」ボタンをクリックして資格証明を設定します。
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名前付き資格証明を使用するには:
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「名前付き資格証明」ラジオ・ボタンを選択して、データベースまたはホスト優先資格証明をオーバーライドします。
ドロップダウン・リストは、名前と値が一緒に保存されている事前に移入された資格証明のセットです。これらはターゲットにリンクしていませんが、タスクに資格証明と認証情報を提供するために使用できます。
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他の資格証明を使用するには:
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「新規資格証明」ラジオ・ボタンを選択して、定義済の優先資格証明をオーバーライドします。
資格証明の上書きはすべてのターゲットに適用されることに注意してください。これは名前付き資格証明にも該当します。
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実行権限として「sudo」または「PowerBroker」を選択します(オプション)。
sudoでは、特定のユーザー(またはユーザー・グループ)が一部(またはすべて)のコマンドをrootとして実行できるようになり、すべてのコマンドと引数のログが記録されます。PowerBrokerでは、アクセス制御と管理の容易性が得られ、すべてのタイプの権限アカウントを監査できます。
sudoまたはPowerBrokerの詳細を指定する場合、これはすべてのターゲットに適用可能である必要があります。このジョブを実行する全ホストに、sudoまたはPowerBrokerの設定が適用済であることが前提です。
これらの機能が現在有効になっていない場合、その設定についてはスーパー管理者に確認してください。
ヒント:
SudoまたはPowerBrokerの詳細は、それぞれの製品ドキュメント・ページで製品ガイドを参照してください。
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タスク5: ジョブのスケジュール(オプション)
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次のスケジュールのタイプを選択します。
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1回(即時)
ジョブの発行前にスケジュールを設定しない場合、Enterprise Managerは、無期限の猶予期間でジョブをすぐに実行します。ジョブをすぐに実行する場合でも、様々な理由でジョブが開始できないとき(停電など)に備えて決まった猶予期間を指定できます。
猶予期間とは、スケジュールされたジョブを開始する際に最大許容遅延を定義する期間です。ジョブ・システムは、スケジュールされた時刻と、その時刻に猶予期間を足した時間と同じ時刻に、またはスケジュールされた時刻から猶予期間内に実行を開始できなかった場合、ジョブのステータスを「スキップ」に設定します。
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1回(後で)
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カスタム・スケジュールの設定:
将来の指定した時間にジョブを実行するようにカスタム・スケジュールを設定できます。スケジュールにタイムゾーンを設定する場合、このタイムゾーンが指定した開始時間に達すると、ジョブはすべてのターゲットで同時に実行されます。各ターゲットのタイムゾーンを選択する場合、ジョブは管理対象ターゲットのタイムゾーンを使用してスケジュールされた時間で実行されます。選択したタイムゾーンは、ジョブに関する日時情報を「ジョブ・アクティビティ」ページ、「ジョブ実行」ページ、「ジョブ実行」ページなどに表示する場合に常に使用されます。
たとえば、合衆国西部(US太平洋時間)と合衆国東部(東部標準時間)にターゲットがあり、タイムゾーンがUS太平洋時間、開始時間が午後5時でスケジュールを指定した場合、ジョブは合衆国西部のターゲットに対して午後5時に実行され、同時に合衆国東部のターゲットに対して午後8時に実行されます。エージェントのタイムゾーンで午後5時を指定した場合、ジョブは同時に実行されません。合衆国東部のターゲットは3時間早く実行されます。
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猶予期間の指定:
猶予期間は、ジョブが遅延した場合のジョブの直近の開始時間を制御します。ジョブが起動しない理由は多数ありますが、エージェントの停止またはブラックアウトがよくある理由です。デフォルトでは、ジョブは無期限の猶予期間でスケジュールされます。
ジョブは、猶予期間が終了する前ならいつでも起動できます。たとえば、猶予期間を1時間で午後1時にスケジュールされたジョブは、午後2時までならいつでも起動できますが、午後2時までに起動しなかった場合は、スキップ済とされます。
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繰返し
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繰返し間隔の定義:
ジョブの繰返し間隔を定義するには、「頻度タイプ(時間単位)」パラメータと「繰返し間隔(繰返し間隔)」パラメータを指定します。
「繰返し期限」のオプションは次のとおりです。
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無期限: ジョブは、手動でスケジュールを解除しないかぎり、定義した繰返し間隔で実行されます。
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指定した日付: ジョブは、「指定した日付」に達するまで定義した繰返し間隔で実行されます。
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「アクセス」プロパティ・ページ・リンクをクリックします。
タスク6: ジョブにアクセス可能なユーザーの指定(オプション)
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管理者およびロールのアクセス・レベルを変更するか、管理者およびロールを削除します。変更できる内容はユーザーの役割によって異なります。
ジョブ所有者の場合、次の操作を実行できます。
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管理者やロールのアクセスを変更するには、表の「アクセス・レベル」列で「完全」または「表示」アクセス権限を選択します。
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管理者やロールのジョブに対するすべてのアクセス権を削除するには、管理者またはロールの「削除」列のアイコンをクリックします。スーパー管理者権限を持つすべての管理者には、ジョブに対する表示アクセス権限があります。ロールにアクセス権限を提供する場合、ロールには完全なアクセス権限ではなく、表示アクセス権限のみを提供できます。プライベート・ロールの場合、完全なアクセス権限を付与することができます。
スーパー管理者の場合、次の操作を実行できます。
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Enterprise Managerの他の管理者またはロールに表示アクセス権限を付与します。
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すべての管理者のアクセス権限を無効にします。
ノート:
所有者もスーパー・ユーザーも、スーパー・ユーザーの表示アクセス権限を取り消すことはできません。すべてのスーパー・ユーザーには表示アクセス権限があります。
アクセス・レベルの詳細は、「アクセス・レベルのルール」を参照してください。
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「追加」をクリックして管理者とロールを追加します。「ジョブの作成」→「管理者およびロールの追加」ページが表示されます。
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「検索」セクションで「名前」と「タイプ」を指定し、「実行」をクリックします。名前やタイプを指定せずに「実行」をクリックすると、管理リポジトリのすべての管理者とロールが表に表示されます。
「名前」フィールドに指定した値では大文字/小文字は区別されません。文字列のどの場所にも*または%をワイルドカード文字として指定できます(ワイルドカード文字は文字列の最後に暗黙的に追加されます)。たとえば、「名前」フィールドに%naを指定した場合、ANA、ANA2、CHRISTINAなどの名前を検索結果として「結果」セクションに返すことができます。
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「結果」セクションで管理者またはロールを1つ以上選択して「選択」をクリックし、ジョブへのアクセス権を付与します。ジョブの作成: アクセス・ページまたはジョブの編集: アクセス・ページに戻ります。このページでは、管理者およびロールのアクセスを変更できます。
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通知ルールを定義します。
通知システム(ルール作成)を使用して、特定のジョブと通知ルールを簡単に関連付けることができます。Enterprise Managerの通知システムでは、ジョブが次のいずれかの選択状態になるとジョブ所有者に電子メールを送信する、通知ルールを定義できます。
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予定済
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実行中
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一時停止
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成功
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問題
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必要な処置
ノート:
通知を指定する前に、電子メール・アカウントと通知プリファレンスを設定する必要があります。詳細は、「通知の使用」を参照してください。
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タスク7: ジョブ作成の終了
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ジョブの送信 —
「発行」をクリックして、アクティブなジョブを実行するためにジョブ・システムに送信します。その後、「ジョブ・アクティビティ」メイン・ページでジョブの実行ステータスを表示します。ライブラリ・ジョブを作成している場合、「発行」ボタンによりジョブがライブラリに保存され、メインの「ジョブ・ライブラリ」ページに戻ります。このページで、その他のライブラリ・ジョブの編集または作成が可能です。
問題(パラメータや資格証明が見つからないなど)があるジョブを発行すると、エラーが表示され、アクティブなジョブを発行する前に問題を修正する必要があります。ライブラリ・ジョブの場合、不完全な仕様が許可されるため、エラーは発生しません。
ノート:
アクセス権を変更せずに「発行」をクリックする場合、スーパー管理者のみがジョブを表示できます。
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ライブラリへのジョブの保存 —
「ライブラリに保存」をクリックして、頻繁に使用されるジョブのリポジトリとしてのジョブ・ライブラリにジョブを保存します。他の管理者は、アクセス権限が提供される場合、ライブラリ・ジョブの共有や再利用が可能です。アクティブ・ジョブと同様に、特定の管理者に表示権限または完全なアクセス権限を付与できます。さらに、ジョブ・ライブラリを使用して次の内容を保存できます。
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ジョブの基本定義、さらにターゲットおよびその他のカスタム設定(ジョブ発行前に追加可能)。
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自身で再利用、または他のユーザーと共有するためのジョブ。ジョブへの表示アクセス、または完全なアクセス権限を付与し、ジョブを共有できます。
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後から再発行するクリティカル・ジョブ。または、問題が発生した場合に修正されたジョブ。
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