16 ターゲットに構成されたアクセス・ポイントのモニタリング

アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Service (OMS)にアップロードされます。ほとんどのターゲットは単一のアクセス・ポイントですが、一部のターゲットには複数のアクセス・ポイントがあります。

この章では、アクセス・ポイントの概念およびマルチアクセス・ポイント・ターゲット(システム・インフラストラクチャ・サーバーやシステム・インフラストラクチャCiscoスイッチなど)に構成されたアクセス・ポイントのモニタリング方法について説明します。この章の具体的な内容は次のとおりです。

アクセス・ポイントのモニタリングの概要

アクセス・ポイントは通信チャネルであり、これを使用して、ソフトウェアやハードウェア・デプロイメントをEnterprise Manager Cloud Controlでモニタリングします。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してメトリック・データが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。

通常は、Enterprise Managerでソフトウェア・デプロイメントを検出しターゲットとしてそれをモニターするには、まず、そのソフトウェアがデプロイされているホストにOracle Management Agent (管理エージェント)をインストールする必要があります。この場合、管理エージェントはソフトウェア・デプロイメントについてのデータを収集し、そのホスト上にあるソフトウェア・デプロイメントとの唯一の通信チャネルの役割を果たします。

ただし、一部のターゲットでは(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャCiscoスイッチ、システム・インフラストラクチャOracle InfiniBandスイッチおよびシステム・インフラストラクチャ・ラックなど)では、ターゲットに関するメトリック・データを収集する複数のアクセス・ポイントを持つことができます。アクセス・ポイントはハードウェアと統合されたチップ、ハードウェアにデプロイされたプラグインなども可能です。

特定のターゲット・タイプと対話するために使用される様々な管理インタフェースを区別するために、様々なアクセス・ポイント・タイプが使用され、通常各アクセス・ポイント・タイプには独自のメトリック実装およびターゲットに対する操作があります。

図16-1では、特定のマルチアクセス・ポイント・ターゲットについて、各アクセス・ポイントにメトリックのサブセットがどのように実装されるかを確認できます。メトリック名が赤色のアクセス・ポイントは、これらのメトリックのベスト・インプリメンタであることを示しています。メトリック名が青色のアクセス・ポイントは、これらのメトリックの2番目のベスト・インプリメンタであることを示しています。

図16-1 アクセス・ポイントの実装


アクセス・ポイントの実装

Enterprise Managerでは、マルチアクセス・ポイント・ターゲットに対して構成されているそのようなアクセス・ポイントのリストを表示できます。また、アクセス・ポイントの履歴ステータスや、アクセス・ポイントの機能マップ、特定タイプのメトリック・データの収集に最適なインプリメンタも表示できます。

ノート:

マルチアクセス・ポイント・ターゲットが、明示的にブラックアウトされるか、そのようなターゲットを含むグループがブラックアウトされたことでブラックアウトされると、そのマルチアクセス・ポイント・ターゲットとそのアクセス・ポイントがブラックアウトされ、Enterprise Managerコンソールにおいてそれらが「ブラックアウト」ステータスになります。

他方、マルチアクセス・ポイント・ターゲットはブラックアウトしていないが、そのアクセス・ポイントがすべて、アクセス・ポイントをモニターしているすべての管理エージェント上での完全なホスト・ブラックアウトによってブラックアウトしている場合、そのターゲットのメトリック・データを収集できるアクセス・ポイントがないため、マルチアクセス・ポイント・ターゲットは「保留中」ステータスになります。これは特に、アクセス・ポイントが1つしかないマルチアクセス・ポイント・ターゲットの場合に当てはまります。1つのアクセス・ポイントだけがブラックアウトし、他のすべてのアクセス・ポイントがまだ利用できる場合は、他のアクセス・ポイントがメトリック・データを収集できるため、マルチアクセス・ポイント・ターゲットは引き続き稼働中と表示されます。

ターゲットに構成されているアクセス・ポイント・リストの表示

Enterprise Managerでは、マルチアクセス・ポイント・ターゲットに対して構成されているアクセス・ポイントのリストを表示できます。アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットに構成されているアクセス・ポイントのリストを表示するには、次のステップに従います。

  1. 「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。
  2. すべてのターゲット・ページで、マルチアクセス・ポイント・ターゲット(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャ・スイッチなど)を選択します。
  3. ホームページのターゲット固有のメニューから、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 概要」の順に選択します。
  4. アクセス・ポイント - 概要ページで、選択したマルチアクセス・ポイント・ターゲット用に構成されたアクセス・ポイントのリストを表示できます。

ターゲットに構成されているアクセス・ポイントの削除

Enterprise Managerでは、モニタリングに不要なアクセス・ポイントを削除できます。アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットに構成されているアクセス・ポイントを削除するには、次のステップに従います。

  1. 「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。
  2. すべてのターゲット・ページで、マルチアクセス・ポイント・ターゲット(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャ・スイッチなど)を選択します。
  3. ホームページのターゲット固有のメニューから、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 概要」の順に選択します。

    警告:

    最後のアクセス・ポイントを削除すると、Enterprise Managerからそのマルチアクセス・ポイント・ターゲットが削除されます。

  4. アクセス・ポイント - 概要ページで、削除するアクセス・ポイントを選択して、「削除」をクリックします。

ターゲットの機能メトリック・マップの表示

Enterprise Managerでは、マルチアクセス・ポイント・ターゲットに対して構成されているアクセス・ポイントの機能マップを表示できます。アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。

アクセス・ポイントには、メトリック・データを収集する機能、またはターゲットにアクションを実行する機能のいずれかを設定できます。Enterprise Managerでは、アクセス・ポイントの機能が表形式で表示されます。この機能マップを表示して、それぞれのアクセス・ポイントの効率のよい点を判断できます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットの機能メトリック・マップを表示するには、次のステップに従います。

  1. 「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。
  2. すべてのターゲット・ページで、マルチアクセス・ポイント・ターゲット(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャ・スイッチなど)を選択します。
  3. ホームページのターゲット固有のメニューから、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 現行の機能マップ」の順に選択します。
  4. アクセス・ポイント - 現在の機能マップ・ページには、アクセス・ポイントのリストとそれぞれの機能が表示されます。表16-1を参照してください。

    「ベスト・インプリメンタのみ表示」を選択することで、どのアクセス・ポイントが、必要なメトリック・データの収集に最適なインプリメンタであるかも識別できます。

    機能タイプや機能名で表をフィルタする場合は、「機能タイプ」および「機能名」ドロップダウン・リストを使用して、「検索」をクリックします。

    表16-1は、現行の機能マップ表の列の説明です。

    表16-1 機能マップ表の列の説明

    列名 説明

    アクセス・ポイント

    マルチアクセス・ポイント・ターゲットに構成されているアクセス・ポイントの名前。

    優先度

    アクセス・ポイントのメトリック・データ収集機能の測定。優先度が最も高いアクセス・ポイントは、最初にメトリック・データを収集して、アップロードするものです。このアクセス・ポイントが利用できなくなると、優先度が次に高いアクセス・ポイントが引き継いで、メトリック・データを収集します。

    機能タイプ

    そのアクセス・ポイントがメトリック・データを収集できるか、ターゲットに対してアクションをとることができるか。可能な値は、「アクション」と「収集」です。

    機能名

    アクセス・ポイントが持っているメトリック収集機能またはアクション機能の名前。

    現行のベスト・インプリメンタ

    アクセス・ポイントが現行のベスト・インプリメンタであるかどうか。使用できる値は「Yes」または「No」です。

    アクセス・ポイントには、メトリック・データを収集する機能、またはターゲットにアクションを実行する機能のいずれかを設定でき、2つ以上のアクセス・ポイントにそれらの機能を重複して設定できる場合もあります。特定のメトリックやアクションに最も適している場合、そのアクセス・ポイントを最適なインプリメンタと呼びます。

    ステータス

    アクセス・ポイントの層、およびそのアクセス・ポイントに対して収集機能が有効か無効か。

ターゲットでサポートされている様々な操作に最適なアクセス・ポイント・インプリメンタ(およびその履歴)の表示

Enterprise Managerでは、アクセス・ポイントの機能が表形式で表示されるのみでなく、特定のメトリックまたはアクションに対してベスト・インプリメンタ(つまり、最もふさわしい)とみなされたアクセス・ポイントが強調表示されます。

アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。アクセス・ポイントには、メトリック・データを収集する機能、またはターゲットにアクションを実行する機能のいずれかを設定でき、2つ以上のアクセス・ポイントにそれらの機能を重複して設定できる場合もあります。特定のメトリックやアクションに最も適している場合、そのアクセス・ポイントを最適なインプリメンタと呼びます。

最適なインプリメンタは、ターゲットの機能マップを変更するイベントが発生したときに決定されます。ターゲットの機能マップに影響を与えるイベントには、停止中のエージェント、停止中または破損しているアクセス・ポイント、異なる優先度をレポートしているアクセス・ポイントの機能メトリック、および新機能または削除された機能をレポートしている機能メトリックが含まれます。そのため、ベスト・インプリメンタとして定義されているアクセス・ポイントをそのメトリックの収集に使用できないときは、Enterprise Managerによって次のベスト・インプリメンタに自動的に切り換えられて、同じメトリック・データが収集されます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットに最適なアクセス・ポイント・インプリメンタを表示するには、次のステップに従います。

  1. 「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。
  2. すべてのターゲット・ページで、マルチアクセス・ポイント・ターゲット(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャ・スイッチなど)を選択します。
  3. ホームページのターゲット固有のメニューから、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 現行の機能マップ」の順に選択します。
  4. アクセス・ポイント - 現在の機能マップ・ページには、アクセス・ポイントのリストとそれぞれの機能が表示されます。「ベスト・インプリメンタのみ表示」を選択します。リストをさらにフィルタし、最適なインプリメンタの履歴を表示するには、開始日付と終了日付を選択し、「検索」をクリックします。

ターゲットに構成されているアクセス・ポイントのモニタリング・プロパティの変更または再構成

Enterprise Managerでは、マルチアクセス・ポイント・ターゲットに対して構成されているアクセス・ポイントのリストを表示できます。アクセス・ポイントは通信のチャネルであり、これを使用して、ソフトウェアまたはハードウェア・デプロイメントをEnterprise Managerでモニタリングできます。これらはアップロード・ポイントであり、これを介してデータが収集され、Oracle Management Serviceにアップロードされます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットの検出中に、そのターゲットに対して構成されているアクセス・ポイントが、自動的にモニタリング用にEnterprise Managerに追加されます。これらのアクセス・ポイントは、デフォルトのモニタリング構成プロパティで追加されます。ただし、それらがEnterprise Managerに追加された後に、必要な場合は、それらのモニタリング・プロパティを変更または再構成できます。

マルチアクセス・ポイント・ターゲットに構成されているアクセス・ポイントのモニタリング・プロパティを変更または再構成するには、次のステップに従います。

  1. 「ターゲット」メニューから「すべてのターゲット」を選択します。
  2. すべてのターゲット・ページで、マルチアクセス・ポイント・ターゲット(たとえば、システム・インフラストラクチャ・サーバー、システム・インフラストラクチャ・スイッチなど)を選択します。
  3. ホーム・ページで、次のいずれかを実行します。
    • ターゲット固有のメニューから、「モニタリング」「アクセス・ポイント - 概要」の順に選択します。アクセス・ポイント - 概要ページで、モニタリング・プロパティを変更するアクセス・ポイントを選択して、「構成」をクリックします。

    • ターゲット固有のメニューから「ターゲット設定」「モニタリング構成」の順に選択します。

  4. モニタリング構成ページの「アクセス・ポイント」ドロップダウン・リストで、適切なアクセス・ポイントが選択されていることを確認します。そうでない場合は、適切なアクセス・ポイントを選択します。
  5. 「モニタリング・プロパティ」セクションで、プロパティを編集し、「保存」をクリックします。

ターゲットに構成されたアクセス・ポイントを管理するためのEM CLI動詞

表16-2に、ターゲットに構成されたアクセス・ポイントを管理するためのEM CLI動詞を示します。これらの動詞の詳細は、Oracle Enterprise Managerコマンドライン・インタフェース・ガイドを参照してください。

表16-2 ターゲットに構成されたアクセス・ポイントを管理するためのEM CLI動詞

EM CLI動詞 説明

add_target

Enterprise Managerシステムにマルチアクセス・ポイント・ターゲットを追加します。

modify_target

Enterprise Managerシステム内にすでに存在するマルチアクセス・ポイント・ターゲットを変更します。

delete_target

マルチアクセス・ポイント・ターゲットを削除します。

get_accesspoints

ターゲットに構成されたアクセス・ポイントをリストします。

get_best_implementer

マルチアクセス・ポイント・ターゲットでサポートされている様々な操作に最適なアクセス・ポイント・インプリメンタをリストします。

set credentials

マルチアクセス・ポイント・ターゲットに構成されたアクセス・ポイントのモニタリング・プロパティを変更または再構成します。