コマンドラインからのJVMコントローラの管理

コマンドラインからJVMコントローラを管理するには、JVMコントローラの起動および停止のオプションを理解し、環境を指定する必要があります。

注意:

コマンドラインでJVMコントローラを起動しないでください。Fusion Middleware Control内から、JVMコントローラを制御および構成することをお薦めします。「Fusion Middleware ControlからのJVMプーリングの管理」を参照してください。

推奨されるJVMコントローラの起動方法は、アプリケーションで起動を開始できるようにすることです。関連付けられたアプリケーションが初めて実行されるときに、起動されます。

コントローラを自動的に起動するには、アプリケーションの起動に使用するURLにotherparams=jvmcontroller=<YOUR CONTROLLER NAME>を追加します。これにより、コントローラがまだ実行されていない場合は起動されます。

コントローラがすでに実行されている場合、この設定は、このセッションを既存のプールに追加するようにコントローラに指示するだけです。

JVMコントローラを実行しているコンピュータと同じコンピュータ上にあるJVMコントローラにのみアクセスできます。

この章で説明するJVMコントローラの制御メカニズムは、主にコマンドラインに関連しています。使いやすい画面とオンライン・ヘルプのあるFusion Middleware Controlを使用する方法のほうが簡単です。ただし、各種のフィールドやオプションの意味およびJVMコントローラの動作の仕組みを理解するために、Fusion Middleware Controlのユーザーも次の情報を参照することをお薦めします。

JVMコントローラのコマンドの例

この項では、サンプルのJVMコントローラ・コマンドをいくつか示します。これらの例の詳しい説明は、「起動の例」を参照してください。

コマンドラインからコントローラを起動する前に、表-32の環境変数を設定する必要があります。

表-32 必須の環境変数

環境変数
ORACLE_HOME

Oracle Formsインストールを含むOracleホームを指す完全修飾パス。次に例を示します。

C:\oracle\middleware\Oracle_Home

FORMS_INSTANCE

使用するJVMコントローラに関連付けられている構成を含むFormsインスタンスを指す完全修飾パス。次に例を示します。

C:\oracle\middleware\user_projects\domains\base_domain\config\fmwconfig\components\FORMS\instances\forms1

FORMS_INSTANCE_NAME

使用するJVMコントローラに関連付けられている構成を含むFormsインスタンスの名前。次に例を示します。

forms1

DOMAIN_HOME

使用するJVMコントローラに関連付けられている構成を含むドメインを指す完全修飾パス。次に例を示します。

C:\oracle\middleware\user_projects\domains\base_domain

次に、サンプルのJVMコントローラ・コマンドを示します:

表-33 サンプルのJVMコントローラ・コマンド

JVMコントローラ・コマンド 説明
dejvm -start jvmcontroller=hrJVM

hrJVMというIDのJVMコントローラを起動します。

コントローラ名hrJVMは、jvmcontrollers.cfg構成ファイルの名前付きセクションで定義されています。したがって、JVMオプションおよびクラスパス・パラメータはこの構成ファイルから取得されます。

maxsessionsはデフォルト・セクションの定義に従って50になり、他のパラメータはそれぞれのデフォルト値になります。

dejvm -start jvmcontroller=myJVM

myJVMというIDのJVMコントローラを起動します。

オプションの指定がなく、jvmcontrollers.cfgファイルに名前付きセクションがないため、JVMオプション・パラメータは、デフォルト・セクションの設定に従って"-Xms512m -Xmx1024m"およびmaxsessions=50になります。

他のパラメータはそれぞれのデフォルト値になります。たとえば、CLASSPATHの値はシステムCLASSPATHです。

dejvm -start jvmcontroller=hrJVM jvmoptions="-Xms128m -Xmx256m" maxsessions=75

名前付きセクションでの定義に従って、クラスパスを/myJava/hrClassesに設定します。

コマンド・ラインはjvmcontrollers.cfgファイルをオーバーライドするため、JVMオプションは"-Xms128m -Xmx256m"になります。同様に、maxsessions75です。

他のパラメータはすべて、それぞれのデフォルト値になります。

dejvm -start jvmcontroller=myJVM maxsessions=100 classpath=/myJava/myClasses;/moreJava/moreClasses

jvmcontrollers.cfgファイルのデフォルト・セクションでの定義に従って、コントローラにはjvmoptions="-Xms512m -Xmx1024m"が設定されます。maxsessions100になり(デフォルト・セクションをオーバーライドする)、クラスパスは/myJava/myClasses;/moreJava/moreClassesとなります。

他のパラメータはすべて、それぞれのデフォルト値になります。

dejvm -stop jvmcontroller=hrJVM

hrJVMコントローラを停止します。これは、このコマンドを正常に発行するために、起動済である必要があります。

コマンドの制限

次のコマンド制限に注意してください。

  • コマンドでは、大文字と小文字が区別されます。

  • 1度に1つのコマンドのみをJVMコントローラに発行できます。

  • 1度に1つのJVMコントローラに対してのみ、コマンドを発行できます。

JVMコントローラ(dejvmプロセス)で使用可能なコマンドを表-34に示します。Enterprise Managerを使用している場合は、これらのコマンドを発行するためのインタフェースを含む画面があります。コマンドラインを使用している場合は、Enterprise Managerを使用したJVMコントローラの管理はできないことがあります。

起動コマンド・パラメータ

次の表に、コマンドラインからJVMを起動するために使用するJVMパラメータを示します。

表-34 JVMパラメータ

パラメータ 説明

jvmcontroller

JVMの名前を入力します。この名前は、文字で始まり、英数字、'_'、'$'、または'#'で構成される有効なOracle識別子にする必要があります。Oracle識別子の最大長は30バイトです。

ヒント: 名前は、それにアクセスするアプリケーションの名前に基づいたものを入力することをお薦めします。このJVMコントローラの名前は後から変更できません。

maxsessions

新規JVMが生成される前に該当のJVMが処理する最大同時Oracle Formsセッション数を指定します。この値は、デフォルトJVMコントローラ用のセットをオーバーライドします。

classpath

クラスパスを指定すると、環境で指定されたクラスパスまたはシステムのクラスパス、またはデフォルトJVMコントローラ用のクラスパス・セットをオーバーライドします。

jvmoptions

JVMに渡すために有効なオプションを入力します。この値は、デフォルトJVMコントローラ用のセットをオーバーライドします。有効なJVM起動オプションの詳細は、Oracle Javaドキュメントを参照してください。

logdir

デフォルトJVMコントローラのログ・ディレクトリを使用する場合は、「ログ・ディレクトリ」を空白のままにしておきます。他のディレクトリが設定されている場合は、Enterprise Managerからログ・ファイルにアクセスできないことがあります。

logging

  • off - ロギングは使用されません

  • info - JVMコントローラのアクティビティに関する一般情報をレポートします。(デフォルト)

  • warn - 追加調査が必要な可能性がある潜在的に危険な状況をレポートします。

  • error - 発生したエラーをレポートします。アプリケーションは動作し続けることができますが、機能は削減される可能性があります。

  • crit - JVMコントローラが異常終了する原因となった重大な障害をレポートします。

  • debug - 冗長なデバッグ情報をレポートします