SOAアプリケーションおよびプロジェクト作成時の処理内容

SOAアプリケーションを作成すると、Oracle JDeveloperではアプリケーションに関連するすべてのソース・ファイルを含むプロジェクトが作成されます。したがって、Oracle JDeveloperを使用してアプリケーションに必要な追加プロジェクトを作成できます。

図2-1に、OrderBookingCompositeと呼ばれるプロジェクトのSOAコンポジット・エディタを示します。

図2-1 SOAコンポジット・アプリケーションの新規ワークスペース

図2-1の説明が続きます
「図2-1 SOAコンポジット・アプリケーションの新規ワークスペース」の説明

表2-3で、SOAコンポジット・エディタについて説明します。

図2-3 SOAコンポジット・エディタ

要素 説明

「アプリケーション」ウィンドウ(左上)

SOAプロジェクトに含まれている特定のサービス・コンポーネントの主要なディレクトリおよびファイルが表示されます。環境に合せて必要に応じて構造を変更できます。唯一の制限として、すべてのファイルがSOAディレクトリにある必要があります。

  • Service_component_directory

    追加した各サービス・コンポーネントのアーティファクトのディレクトリが表示されます。

    BPELディレクトリがBPELプロセス用に作成されます。

    MediatorsディレクトリがOracle Mediator用に作成されます。

    HumanTasksディレクトリがヒューマン・タスク用に作成されます。

    oracle/rulesディレクトリがビジネス・ルール用に作成されます。

  • イベント

    ビジネス・イベント・ファイル(.edn)が表示されます。

  • スキーマ

    BPELプロセス・スキーマ・ファイル(.xsd)が表示されます。

  • テスト・スイート

    テスト・スイート・ファイルが表示されます。

  • トランスフォーメーション

    トランスフォーメーションXSLTマッパー・ファイル(.xsl)およびXQueryマッパー・ファイル(.xqy)が表示されます。

  • WSDL

    すべてのWSDLファイル(.wsdl)が表示されます。

  • composite_name

    composite_nameファイルが、SOAプロジェクトの作成時に自動的に作成されます。このファイルでは、サービス、サービス・コンポーネント、参照およびワイヤのコンポジット・アセンブリ全体が記述されます。

「構造」ウィンドウ(左下)

「構造」ウィンドウでは、アクティブ・ウィンドウで現在選択されているドキュメント内のデータの構造ビューを提供します。

デザイナ(中央)

サービス・コンポーネント、サービスおよび参照を「コンポーネント」ウィンドウからデザイナ内のコンポジットにドラッグします。サービス・コンポーネントをデザイナにドラッグ・アンド・ドロップすると、対応するプロパティ・エディタが起動して、そのサービス・コンポーネントに関連する構成タスクを実行できます。たとえば、Oracle Mediatorサービス・コンポーネントをデザイナにドラッグ・アンド・ドロップすると、Mediator Editorが表示され、ここでOracle Mediatorサービス・コンポーネントを構成します。

後続のすべての編集セッションについて、これらのサービス・コンポーネントをダブルクリックして、それぞれのエディタを再度開きます。

プロジェクト名(デザイナの上)

SOAコンポジット・アプリケーションのプロジェクト名を表示します。

左側のスイムレーン(「公開されたサービス」)

左側のスイムレーンは、Webサービス、RESTアダプタ、JCAアダプタなど、SOAコンポジット・アプリケーションへのエントリ・ポイントを提供するサービス用です。

右側のスイムレーン(「外部参照」)

右側のスイムレーンは、WebサービスやJCAアダプタなど、外部にある外部サービスにメッセージを送信する参照用です。

「コンポーネント」ウィンドウ(右上 - 「コンポーネント」タブ)

「コンポーネント」ウィンドウでは、SOAコンポジットで使用できる様々なリソースが提供されます。次のサービス・コンポーネントおよびアダプタが含まれます。

  • コンポーネント

    デザイナにドラッグ・アンド・ドロップできるBPELプロセス、ビジネス・ルール、ヒューマン・タスク、Oracle MediatorおよびSpringコンポーネントが表示されます。

  • テクノロジ

    左側または右側のスイムレーンにドラッグできるJCAアダプタ(AQ、ファイル、FTP、データベース、JMS、MQ、Oracle User Messaging Service、ソケット、LDAPサーバー、Coherenceキャッシュ)、サード・パーティ・アダプタ、クラウド・アダプタ、Oracle BAM 11gバインディング・コンポーネント、Oracle Healthcareバインディング・コンポーネント、Oracle B2Bバインディング・コンポーネント、EJBバインディング・コンポーネント、ADF-BCバインディング・コンポーネント、アプリケーション・アダプタ(Oracle E-Business Suite、JDE WorldおよびSAP)、直接バインディング・コンポーネント、HTTPバインディング・コンポーネント、Oracle Managed File Transfer (MFT)アダプタ、Representational State Transfer (REST)アダプタおよびWebサービス・バインディング・コンポーネントが表示されます。

「リソース」ウィンドウ(右上 - 「リソース」タブ)

「リソース」ウィンドウには、1つのダイアログが用意されており、ここからローカルなリソースとリモートのリソースの両方を参照できます。たとえば、次のリソースにアクセスできます。

  • MDSリポジトリからのスキーマやWSDLなどの共有データ。

  • HTTP接続、ファイルURLまたはアプリケーション・サーバー接続を介してアクセスできるリモート・リソースを使用するWSILブラウザ機能。

  • Universal Description, Discover, and Integration (UDDI)レジストリに登録されるリモート・リソース。

SOAコンポジット・アプリケーション用のこれらのリソースは、「WSDLチューザ」ダイアログから選択します。このダイアログには、様々な方法でアクセスできます。たとえば、サービス・バインディング・コンポーネントまたはOracle Mediatorサービス・コンポーネントで使用するWSDLファイルを選択した場合、またはBPELプロセスで使用するスキーマ・ファイルを選択した場合に、「SOAリソース・ブラウザ」ダイアログが表示されます。このダイアログの上部の「リソース」をクリックし、使用可能なリソースにアクセスします。

「ログ」ウィンドウ(中央下)

「ログ」ウィンドウには、アプリケーションのコンパイル、検証およびデプロイメントに関するメッセージが表示されます。

プロパティ・インスペクタ(右下)

「プロパティ・インスペクタ」には、選択されているサービス・コンポーネント、サービスまたは参照のプロパティが表示されます。

また、BPELアクティビティ・プロパティを編集して、BPELプロセス・サービス・コンポーネントのデプロイメント・ディスクリプタのプロパティも定義できます。

詳細は、「BPELアクティビティをプロパティ・インスペクタで編集する方法」および「プロパティ・インスペクタでデプロイメント・ディスクリプタのプロパティを定義する方法」を参照してください。

アプリケーション・ビュー

アプリケーション・ビューには、SOAコンポジット・アプリケーションのアーティファクトが表示されます。

composite_nameファイル(composite.xmlファイルとも呼ばれます)は、デザイナではタブとして、「アプリケーション」ウィンドウではファイルとして表示されます。このファイルは、新しいSOAプロジェクトの作成時に自動的に作成されます。このファイルには、サービス、サービス・コンポーネントおよび参照のコンポジット構成全体が記述されています。1つのSOAプロジェクトに対して1つのcomposite.xmlファイルがあります。

composite.xmlファイルを使用するには、ほとんどの場合、図2-1に示すようにデザイナ、「構造」ウィンドウおよび「プロパティ・インスペクタ」を使用します。デザイナを使用すると、WYSIWYG環境に多くのファイルを表示できます。さらに、概要エディタにファイルを表示して宣言的に変更したり、ファイルのソース・コードを表示することもできます。「構造」ウィンドウには、現在選択されているファイルの構造が示されます。このウィンドウでオブジェクトを選択し、選択したオブジェクトのプロパティを「プロパティ・インスペクタ」で編集できます。