WS-AtomicTransactionのサポート

「Webサービスの作成」ダイアログでは、WS-CoordinationおよびWS-AtomicTransaction (WS-AT)トランザクションのサポートも構成できます。WS-ATにより、Oracle WebLogic Serverと他のベンダーのトランザクション・サービス間でトランザクションの相互運用を行うことができます。相互運用は次の2レベルで行われます。

  • ローカルJava Transaction API (JTA)環境からWebサービス・リクエストへのトランザクションのエクスポート。

  • Webサービス・リクエストからローカルJTA環境へのトランザクションのインポート。これによって、Webサービス環境での複数ノード間の分散トランザクション処理が可能になります。

図36-2に、「Webサービスの作成」ダイアログの下部にあるWS-ATのサポートを示します。

図36-2 「Webサービスの作成」ダイアログでのWS-ATのサポート

図36-2の説明が続きます
「図36-2 「Webサービスの作成」ダイアログでのWS-ATのサポート」の説明

表36-1では、WS-ATフィールドについて説明しています。「Webサービスの作成」ダイアログの残りのフィールドの詳細は、「Webサービスのインタフェース(WSDL)の定義方法」を参照してください。

表36-1 「Webサービスの作成」ダイアログのWS-ATのフィールド

プロパティ 説明

トランザクション参加

値を選択します。Webサービスを「公開されたサービス」スイムレーンに追加すると、外部トランザクション・マネージャでは、Oracle WebLogic ServerでホストされているリソースをWS-ATを使用して調整できます。また、Webサービスを「外部参照」スイムレーンに追加すると、Oracle WebLogic Serverのトランザクションでは、外部環境でホストされているリソースをWS-ATを使用して調整できます。

  • なし

    トランザクション・コンテキストは、インポート(サービスの場合)またはエクスポート(参照の場合)されません。Webサービスをサービス・バインディング・コンポーネントとして「公開されたサービス」スイムレーンに追加した場合は、これがデフォルトです。

  • サポート

    トランザクションが存在する場合は、トランザクション・コンテキストがインポート(サービスの場合)またはエクスポート(参照の場合)されます。この情報はcomposite.xmlファイルに追加されます。

  • 必須

    トランザクション・コンテキストはインポート(サービスの場合)またはエクスポート(参照の場合)されます。この情報はcomposite.xmlファイルに追加されます。エクスポートの場合、アクティブなトランザクションが存在しない場合はWebサービス例外メッセージがスローされます。インポートの場合、リクエストにトランザクション・コンテキストが存在しない場合はフォルトがクライアントに戻されます。

  • WSDLDriven

    このプロパティが表示されるのは、Webサービスを参照バインディング・コンポーネントとして「外部参照」スイムレーンに追加した場合のみです。これはデフォルト値です。

バージョン

WS-ATでサポートされるバージョン(1.0、1,1、1,2またはデフォルト)が表示されます。デフォルトでは、このリストが有効になるのは、「トランザクション参加」リストから「サポート」または「必須」を選択した場合のみです。

完了すると、次の例に示すように、WS-ATの選択内容がcomposite.xmlファイルに表示されます。

  <service name="Service1" ui:wsdlLocation="BPELProcess1.wsdl">
    <interface.wsdl interface="http://xmlns.oracle.com/Application5_
jws/Project1/BPELProcess1#wsdl.interface(BPELProcess1)"
                    callbackInterface="http://xmlns.oracle.com/Application5_
jws/Project1/BPELProcess1#wsdl.interface(BPELProcess1Callback)"/>
    <binding.ws port="http://xmlns.oracle.com/Application5_
jws/Project1/BPELProcess1#wsdl.endpoint(Service1/BPELProcess1_pt)">
      <property name="weblogic.wsee.wsat.transaction.flowOption"
                type="xs:string" many="false">SUPPORTS</property>
      <property name="weblogic.wsee.wsat.transaction.version" type="xs:string"
                many="false">WSAT11</property>
    </binding.ws>

変更内容を編集するには、サービスを右クリックして「編集」を選択するか、SOAコンポジット・エディタでサービスをダブルクリックします。

デプロイメント後は、システムMBeanブラウザを使用して、トランザクション参加およびバージョンの値を変更できます。詳細は、『Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suiteの管理』を参照してください。

WS-ATおよびWS-Coordinationの詳細は『Oracle Infrastructure Webサービスの開発』、WS-ATおよびWS-Coordinationの仕様は次のURLを参照してください。

http://www.oasis-open.org