3.1.2.1 map_request要素
<map_request>要素には、次の定義が含まれます。
<!ELEMENT map_request ((box | center | bounding_themes)?, srs?, legend?, themes?, styles?, geoFeature*)>
<!ELEMENT map_request ((box | center | bounding_themes)?, srs?, legend?, themes?, styles?, geoFeature*, north_arrow?)>
MapViewerに対するマップ・リクエストのルート要素は、常にmap_requestという名前になります。
<map_request>には、<box>(「box要素」を参照)、<center>(「center要素」を参照)または<bounding_themes>(「bounding_themes要素」を参照)のいずれかである子要素を含めることができます。この子要素は、マップに表示されるユーザー・データの範囲を指定します。いずれの子要素も指定されていない場合、結果のマップは、MapViewerで使用できるすべてのデータを使用して描画されます。- オプションの子要素
<srs>は、現行バージョンのMapViewerでは無視されます。 - オプションの
<legend>要素(「legend要素」を参照)は、生成されたマップの上に凡例(マップ挿入図)を描画し、マップの視覚的な外観をユーザーにとってより意味のあるものにするために使用します。 - オプションの
<themes>要素(「themes要素」を参照)は、事前定義済テーマまたは動的に定義されるテーマを指定します。オプションの<styles>要素(「styles要素」を参照)は、動的に定義されるスタイルを指定します。 <geoFeature>要素(「geoFeature要素」を参照)は、任意の数の各ジオメトリとそのレンダリング属性の指定に使用できます。- オプションの
<north_arrow>要素(「north_arrow要素」を参照)は、リクエストの回転に基づいて北向き矢印のマーカーを描画するために使用されます。
MapViewerでは、(ベース・マップがルート要素で属性として指定されている場合に)ベース・マップで定義されたテーマが最初に描画され、次にユーザー指定のテーマ、最後に任意のgeoFeature要素が描画されます。
親トピック: マップ・リクエストDTD
3.1.2.1.1 map_requestの属性
ルート要素の<map_request>には多くの属性があり、その中の一部は必須属性で、その他はオプション属性です。これらの属性は次のように定義されます。
<!ATTLIST map_request
datasource CDATA #REQUIRED
srid CDATA #IMPLIED
basemap CDATA #IMPLIED
width CDATA #IMPLIED
height CDATA #IMPLIED
antialiasing (TRUE|FALSE) "FALSE"
imagescaling (TRUE|FALSE) "TRUE"
format (GIF|GIF_URL|GIF_STREAM|JAVA_IMAGE|
PNG_STREAM|PNG_URL|PNG8_STREAM|PNG8_URL|
JPEG_STREAM|JPEG_URL|PDF_STREAM|PDF_URL|
SVG_STREAM|SVGZ_STREAM|SVGTINY_STREAM|
SVG_URL|SVGZ_URL|SVGTINY_URL) "GIF_URL"
transparent (TRUE|FALSE) "FALSE"
title CDATA #IMPLIED
title_style CDATA #IMPLIED
footnote CDATA #IMPLIED
footnote_style CDATA #IMPLIED
rotation CDATA #IMPLIED*
bgcolor (CDATA) "#A6CAF0"
bgimage CDATA #IMPLIED
zoomlevels CDATA #IMPLIED
zoomfactor CDATA #IMPLIED
zoomratio CDATA #IMPLIED
initscale CDATA #IMPLIED
navbar (TRUE|FALSE) "TRUE"
infoon (TRUE|FALSE) "TRUE"
onclick CDATA #IMPLIED
onmousemove CDATA #IMPLIED
rasterbasemap (TRUE|FALSE) "FALSE"
onrectselect CDATA #IMPLIED
onpolyselect CDATA #IMPLIED
keepthemesorder CDATE #IMPLIED
use_cached_basemap (TRUE|FALSE) "FALSE"
snap_to_cache_scale (TRUE|FALSE) "FALSE"
title_style CDATA #IMPLIED
footnote CDATA #IMPLIED
footnote_style CDATA #IMPLIED
rotation CDATA #IMPLIED*
>
datasourceは、データソースを指定する必須属性です。データソースはMapViewerに対し、マップのレンダリングに必要なユーザー・データ(およびマッピング・メタデータ)をフェッチする場所に関する情報を提供します。
sridはオプション属性です。この属性が指定されている場合、マップ・リクエストの座標系(空間参照システム)のSRID値が指定されます。必要な場合は、テーマ・ジオメトリが、レンダリングされる前に指定した座標系に変換されます。ただし、座標系システムが定義されていないジオメトリは変換されません。この属性が指定されていない場合、MapViewerでは、レンダリングされる最初のテーマの座標系をマップ・リクエストの座標系として使用します。
basemapはオプション属性です。この属性が指定されている場合、MapViewerによって、このベース・マップに指定されたすべてのテーマがレンダリングされます。ベース・マップの定義は、ユーザーのUSER_SDO_MAPSビューに格納されます(2.9.3項を参照)。独自のテーマおよびジオメトリ地物を表示するバックグラウンド・マップが常に必要である場合は、この属性を使用します。
widthおよびheightはオプション属性で、この両方によって結果のマップの画像サイズ(デバイス単位)を指定します。このサイズは、ウィンドウに表示されるユーザーのソース・データの範囲である、center要素またはbox要素で指定されるサイズとは異なります。デフォルトの幅と高さの値は、それぞれ500ピクセルと375ピクセルです。ただし、PDF形式の場合のみ例外で、ピクセルではなくptが単位として使用されます。換算は、約1 pt = 1.333 px(または1px = 0.75 pt)となります。そのため、たとえば、PDF形式でサイズ500x375 "pt"のマップをリクエストすると、約667x500ピクセルの画像が生成されます。
antialiasingはオプション属性です。この属性の値がTRUEの場合、MapViewerではアンチエイリアシングを使用してマップ画像がレンダリングされます。この場合、通常はグラフィック品質の高いマップが生成されますが、マップの生成に時間がかかる場合があります。マップ生成の速度を上げるため、デフォルト値はFALSEとなっています。(後方互換性を確保するため、antialiaseはantialiasingのシノニムとなっていますが、antialiasingを使用することをお薦めします。)
imagescalingはオプション属性です。この属性の値がTRUE (デフォルト)の場合、MapViewerでは、現在の問合せウィンドウと生成されるマップ画像のサイズを合わせるために、画像のスケール変更が試行されます。値がFALSEでイメージ・テーマが直接的または間接的(ベース・マップを介しているなど)に含まれる場合、イメージ・テーマの画像は元の解像度で表示されます。マップ・リクエストにイメージ・テーマが関係していない場合、この属性は影響しません。
formatは、返されるマップ画像のファイル形式を指定するオプション属性です。デフォルト値はGIF_URLで、これはMapViewerホスト・システムに格納されたGIF画像に対するURLです。
- GIFと指定した場合、生成されたGIF画像データは
MapResponseオブジェクトに埋め込まれ、クライアントに返されます。GIF_STREAMと指定した場合、生成された画像マップの内容は、HTTP MIMEタイプimage/gifによって直接クライアントに返されます。 JAVA_IMAGEと指定した場合、色モデルがTYPE_INT_RGBであるJava 2DBufferedImageオブジェクトがMapResponseオブジェクトに埋め込まれ、クライアントに返されます。PNG_STREAMと指定した場合、索引なしのPNG形式の画像のストリームが直接返されます。PNG_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納された索引なしのPNG画像に対するURLが返されます。(PNG画像形式には、画像の高速エンコードおよびトゥルー・カラーのサポートなど、GIF形式と比べていくつかの利点があります。)PNG8_STREAMと指定した場合、索引付きのPNG形式の画像のストリームが直接返されます。PNG8_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納された索引付きのPNG画像に対するURLが返されます。(PNG画像形式には、画像の高速エンコードおよびトゥルー・カラーのサポートなど、GIF形式と比べていくつかの利点があります。索引付きのPNG形式では、マップの表示に使用できるカラーの総数は256色に制限されます。)JPEG_STREAMと指定した場合、JPEG形式の画像のストリームが直接返されます。JPEG_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納されたJPEG画像に対するURLが返されます。PDF_STREAMと指定した場合、PDFドキュメント形式の画像のストリームが直接返されます。PDF_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納されたPDFドキュメントに対するURLが返されます。SVG_STREAMと指定した場合、SVG Basic (SVGB)形式の画像のストリームが直接返されます。SVG_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納されたSVG Basic画像に対するURLが返されます。SVGZ_STREAMと指定した場合、SVG圧縮(SVGZ)形式の画像のストリームが直接返されます。SVGZ_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納されたSVG圧縮画像に対するURLが返されます。SVG圧縮形式は、SVGマップのサイズをSVG Basic形式に比べて40から70パーセント効果的に縮小できるため、パフォーマンスが向上します。SVGTINY_STREAMと指定した場合、SVG Tiny (SVGT)形式の画像のストリームが直接返されます。SVGTINY_URLと指定した場合、MapViewerホスト・システムに格納されたSVG Tiny画像に対するURLが返されます。(SVG Tiny形式は、携帯電話など、表示能力が制限されるデバイス用に設計されています。)
transparentは、索引付きPNG (PNG8_STREAMまたはPNG8_URL)形式のみに適用されるオプション属性です。値がTRUEの場合、MapViewerではマップの背景色が完全に透明になります。デフォルト値は、FALSEです。
titleは、結果のマップ画像の上に表示されるマップ・タイトルを指定するオプション属性です。
title_styleは、タイトルのレンダリング時に使用するテキスト・スタイルの名前を指定するオプション属性です。
footnoteは、最終的なマップに追加する脚注のテキストを指定するオプション属性です。
footnote_styleは、脚注のレンダリング時に使用するテキスト・スタイルの名前を指定するオプション属性です。
bgcolorは、結果のマップ画像の背景色を指定するオプション属性です。デフォルトは水色(RGB値は#A6CAF0)です。これは16進数で指定する必要があります。
bgimageは、結果のマップ画像の背景イメージ(GIFまたはJPEG形式のみ)を指定するオプション属性です。画像はマップ・リクエスト処理中の実行時に取得され、その他のマップ地物より前にレンダリングされますが、bgcolorの値は背景イメージの前にレンダリングされます。
zoomlevelsは、SVGマップのズーム・レベル数を指定するオプション属性です。デフォルトは4です。
zoomfactorは、SVGマップのズーム係数を指定するオプション属性です。ズーム係数は、ズーム・レベルで整数値を1つ上げる(ズームイン操作)ごとに、現行のズーム比に掛ける数値です。zoomfactor値の逆数は、ズーム・レベルで整数値を1つ下げる(ズームアウト操作)ごとに使用されます。たとえば、zoomfactor値が2(デフォルト)の場合、ズーム・レベル4から5にズームインすると、2倍の大きさに拡大されます。たとえば、ズーム・レベル4でマップの1インチが10マイルを表す場合、ズーム・レベル5では5マイルを表します。ズーム比とはSVGマップの相対的なスケールのことで、元のサイズ(ズーム・レベル0)ではズーム比は1です。
zoomratioは、SVGマップが最初に表示されるときのズーム比を指定するオプション属性です。デフォルト値は1で、これが元のマップ・サイズ(ズーム・レベル0)です。ズーム比を大きくするとマップはズームイン表示され、値を小さくするとズームアウト表示されます。
initscaleは、SVGマップが最初に表示されるときの初期スケールを指定するオプション属性です。デフォルト値は1で、これが元のマップ・サイズ(ズーム・レベル0)です。値を大きくすると、SVGマップが最初に表示されたときにズームイン表示されます。
navbarは、SVGマップ上に組込みのナビゲーション・バーを表示するかどうかを指定するオプション属性です。値がTRUE (デフォルト)の場合、ナビゲーション・バーが表示され、FALSEに設定されている場合は表示されません。
infoonは、非表示情報が設定された地物の上にマウスを移動したときに、非表示情報を表示するかどうかを指定するオプション属性です。値がTRUE (デフォルト)の場合、マウスをそのような地物の上に移動すると非表示情報が表示されます。FALSEに設定すると、そのような地物の上にマウスを移動しても、非表示情報は表示されません。ただし、値に関係なく、SVGマップには非表示情報が常にレンダリングされます。この属性は、非表示情報を表示できるかどうかのみを制御します。(地物の非表示情報を指定するには、3.1.2.5項で説明しているように、<geoFeature>要素のhidden_info属性を使用します。)
onclickは、ユーザーがSVGマップをクリックしたときにコールされるJavaScript関数の名前を指定するオプション属性です。JavaScript関数は、SVG定義以外にHTML文書で定義する必要があります。この関数には、xおよびyの2つのパラメータが必要です。これらのパラメータは、クリックされたSVGウィンドウ内の座標を指定します。座標はローカルのSVGウィンドウ座標系で定義されます。この座標系は左上角の(0, 0)で始まり、右下角(width, height)で終わります。SVGマップでのJavaScript関数の使用の詳細は、付録Bを参照してください。
onmousemoveは、ユーザーがSVGマップ上にマウスを移動するとコールされるJavaScript関数の名前を指定するオプション属性です。JavaScript関数は、SVG定義以外にHTML文書で定義する必要があります。この関数には、xおよびyの2つのパラメータが必要です。これらのパラメータは、移動が発生したSVGウィンドウ内の座標を指定します。座標はローカルのSVGウィンドウ座標系で定義されます。この座標系は左上角の(0, 0)で始まり、右下角(width, height)で終わります。SVGマップでのJavaScript関数の使用の詳細は、付録Bを参照してください。
rasterbasemapはオプション属性です。マップ形式がSVGで、この属性の値がTRUEの場合、MapViewerではベース・マップをラスター画像としてレンダリングします。この場合、ベース・マップの画像がSVGマップのバックグラウンド・イメージとなり、その他すべてのベクター地物がその上にレンダリングされます。
onrectselectは、ユーザーがSVGマップ上でマウスをクリックおよびドラッグして(対角線上で向かい合う2つの角を示して)、矩形の選択領域を描画する場合にコールされるJavaScript関数の名前を指定するオプション属性です。JavaScript関数は、SVG定義以外にHTML文書で定義する必要があります。この関数にはパラメータを指定しないでください。SVGマップでのJavaScript関数の使用の詳細は、付録Bを参照してください。
onpolyselectは、ユーザーがSVGマップ上でマウスをクリックおよびドラッグして(2つ以上の頂点を示して)、ポリゴンの選択領域を描画する場合にコールされるJavaScript関数の名前を指定するオプション属性です。JavaScript関数は、SVG定義以外にHTML文書で定義する必要があります。この関数にはパラメータを指定しないでください。SVGマップでのJavaScript関数の使用の詳細は、付録Bを参照してください。
keepthemesorderはオプション属性です。マップ形式がSVG以外で、この属性の値がTRUEの場合、MapViewerは常にマップ・リクエストで指定された順序に従って一連のテーマをレンダリングします。この属性の値がFALSEの場合は、ベクター・テーマより前にラスター・テーマがレンダリングされます。
use_cached_basemapはオプション属性です。この属性の値がTRUEで、basemap属性によって指定されたのと同じベース・マップをマップ・タイル層がキャッシングする場合、MapViewerはマップ・タイル・サーバーによってキャッシングされたマップ画像を使用して、マップ・リクエストによって指定されたマップをレンダリングしようとします。マップ・タイル・サーバーの詳細は、3.3項を参照してください。
snap_to_cache_scaleは、use_cached_basemap属性の値がTRUEの場合にのみ有効なオプション属性です。これは、マップ・リクエストによって指定されたマップ・スケールが事前定義済のキャッシングされたズーム・レベルのいずれにも一致しない場合にのみ、MapViewerの動作に影響を与えます。この属性がFALSEの場合で、マップ・リクエストによって指定されたマップ・スケールが、キャッシングされた事前定義済ズーム・レベルのスケールに合致するときにのみ、MapViewerはキャッシングされたマップ画像を使用してベース・マップをレンダリングします。この属性がTRUEの場合で、キャッシングされた事前定義済ズーム・レベルのいずれにもリクエストのマップ・スケールが一致しないとき、MapViewerは常にキャッシングされたマップ画像を使用してベース・マップをレンダリングし、マップ・スケールを調整してキャッシングされた事前定義済ズーム・レベルのスケールに合せます。
title_styleは、タイトルに使用するテキスト・スタイルを定義するオプション属性です。footnoteは、マップに追加する脚注のテキストを定義するオプション属性です。
footnote_styleは、脚注テキストに使用するテキスト・スタイルを定義するオプション属性です。
rotationは、マップを回転する度数を定義するオプション属性です。正の値を指定するとマップは左回りに回転します。リクエストに定義済のウィンドウがない場合(中心やサイズが未定義であるか、枠テーマを使用している場合)、rotationの値は無視されます。Oracle Mapsのキャッシュから得られるベース・マップを使用するリクエストに対して、回転はサポートされません。
親トピック: map_request要素