26 照合およびマージの操作

照合およびマージは、取り込むノードを既存のノードと比較し、同じノードを識別し、結果にマージするプロセスを指します。

特定のデータ・ソースからのレコードが特定のノード・タイプの既存のノードと一致することを確認すると、その一致に関する情報が保管され、次回そのデータ・ソースからデータを取り込む際は、取り込むノードが既存のノードと自動的に一致するようになります

ユース・ケース

ノードの照合およびマージには、主に2つのユース・ケースがあります:

同じデータ・ソースから識別子が異なる複数のレコードを照合およびマージします。

たとえば、Oracle Incorporatedという名前の既存のエンティティ・ノードがあり、Oracle Inc.というノード名のファイルをマージしているとします。照合せずに要求を送信すると、既存のノード名に完全に一致するものがないため、Oracle Inc.ノードが新しいノードとして追加されます。ただし、照合ルールを設定し、照合結果を確認することで、取り込むノードが既存のノードと一致することを指定できます。このようにして、要求の処理時に、新しいノードの追加ではなく、取り込むノードが既存のノードにマージされます。

複数のデータ・ソース間で、識別子が異なる複数のレコードを照合およびマージします。

たとえば、顧客レコードがあり、その顧客に関する様々な情報がそれぞれ含まれている複数のデータ・ソースがあるとします。POSデバイスから顧客のクレジット・カード情報を取得し、オンライン注文システムから名前や電子メール・アドレスなどの個人情報を取得します。この2つのデータ・ソースのレコードをマージする要求を送信すると、顧客に関する異なる情報を持つ異なる2つの顧客レコードが取得されることになります。

照合を使用して、たとえば、2つのレコードを照合する方法としてクレジット・カード番号を確認する照合ルールを設定できます。次に、データ・ソースをマージしてまとめる際、照合ワークベンチを使用して2つのレコードが一致していることを確認し、両方のデータ・ソースのすべての情報を含めたその顧客のマスター・レコードを作成できます。

用語

次の用語は、照合およびマージ・プロセスを理解するのに役立ちます:

  • データ・ソース: Oracle Enterprise Data Management Cloudで照合およびリンクされる取り込むデータのソースを表すオブジェクト。これは、別のOracle Enterprise Data Management Cloudアプリケーション(登録済データ・ソースと呼ばれる)、またはOracle Enterprise Data Management Cloudでデータが管理されていない外部システム(未登録データ・ソースと呼ばれる)のいずれかになります。データ・ソースの理解を参照してください。
  • 照合ルール: 取り込むデータ・ソースのノードをノード・タイプにすでに存在するノードと照合する方法を制御します。照合ルールの作成、編集および削除を参照してください。
  • 生存ルール: 一致が確認された後に、取り込むソース・ノードのどのプロパティおよび関係がビューポイントのターゲット・ノードにマージされるかを指定します。生存ルールの作成、編集および削除を参照してください。
  • 照合ワークベンチ: 照合ルールの基準に基づいて一致の候補を確認し、既存のノードにマージする一致の候補を受け入れることができます。要求アイテムの照合およびマージを参照してください。

プロセスの概要

照合およびマージの構成および使用は、次の一般的なプロセスに従います:

  1. ディメンション所有者またはメタデータ・マネージャは、照合プロセスの初期設定を実行します:
    • データ・ソースの作成は、Oracle Enterprise Data Management Cloudアプリケーション以外のソースからデータを取り込む場合に実行します。
    • 照合ルールの定義では、プロパティ値に基づいて、他のデータ・ソースのノードを既存のノードと照合する方法を決定します。
    • 生存ルールの定義では、取り込むノードのプロパティおよび関係を既存のノードとマージする方法を指定します。
  2. ビジネス・ユーザーは、既存のノードにマージするノードを含む要求を作成して送信します。要求アイテムは、手動で作成するか、ファイルからロードできます。

    Note:

    照合プロセスでは、取り込むノードをノード・タイプの既存のノードと比較します。したがって、照合は要求のコンテキストで実行されます。
  3. メタデータ・マネージャは、取り込むノードに対して照合を実行し、一致の候補を確認し、一致を受入れまたは却下します。要求アイテムの照合およびマージを参照してください。
  4. メタデータ・マネージャは、取込要求アイテムに照合結果を適用します。一致として受け入れたノードの場合、要求アイテムのアクションは、既存のターゲット・ノートへの追加から、更新、挿入または移動に変更されます。照合結果の確認および変更の適用を参照してください。

    受け入れた照合結果は、各データ・ソースごとに保存されるため、次回そのデータ・ソースから要求アイテムが取り込まれると自動的に一致となります。