構成および拡張機能の最適化

連結の拡張機能や構成に対して最適でないロジックを使用すると、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。

Financial Consolidation and Closeアプリケーションのデフォルトの連結ロジックを拡張できます。連結ロジックの拡張に使用できる方法には、次のものがあります。

  • メンバー式
  • 計算ロジック
  • 換算または連結のオーバーライド

アクティビティ・レポートの情報、具体的には、次の各セクションの情報を使用して、実行に相当な時間を要するスクリプトを特定します。

  • 30秒を超過した低パフォーマンスのビジネス・ルール上位10件
  • 1分を超過した低パフォーマンスの計算スクリプト・コマンド上位5件
  • 15秒を超過した低パフォーマンスのEssbase問合せ上位10件

Oracle Enterprise Performance Management Cloud管理者スタート・ガイドアクティビティ・レポートについてを参照してください。

メンバー式の確認

メンバー式を確認し、計算とロジックを最適化して不要な式を削除します。Oracle Smart View for Officeを使用してメンバー式を確認できます。

「メンバー・プロパティの編集」画面を使用して、ディメンションの式を確認、編集および削除します。式を削除できるのはカスタム・ディメンションからのみです。デフォルト(初期状態)のディメンションのシードされた式、たとえば、YTDは削除できません。

カスタム・ディメンションの式を編集または削除するには:

  1. サービス管理者としてFinancial Consolidation and Closeにサインインします。
  2. ホーム・ページで「アプリケーション」「概要」の順にクリックします。
  3. 「ディメンション」をクリックし、簡易ディメンション・エディタを開きます。
  4. 操作するディメンションの名前をクリックします。
  5. 「すべてのレベルへズーム・イン」「すべてのレベルへズーム・イン」アイコンをクリックします。
  6. コンソール式列で、編集または削除する式を見つけます。
    「すべてのレベルへズーム・イン」の結果

    列ヘッダーを右クリックして一部の列の選択を解除することで、現在の表示から列を削除して画面を整理できます。

  7. 必要に応じて式を編集または削除し、「保存」をクリックして変更内容を保存します。
  8. 「メンバー・プロパティの編集」で、「保存」「取消」の順にクリックします。

アプリケーションにデプロイされたカスタム計算の無効化

Financial Consolidation and Closeでは、事前定義されている多数のルール・テンプレートを使用して、現地通貨または複数通貨の計算プロセスを支援します。カスタム・スクリプトを追加してアプリケーションに再デプロイすることで、これらを変更している可能性があります。カスタム計算スクリプトがパフォーマンスに影響を与えていないことを確認するには、カスタム・スクリプトを無効化(コメント・アウト)し、アプリケーションに再デプロイしてから連結を実行します。

カスタム計算を無効にするには:

  1. サービス管理者としてFinancial Consolidation and Closeにサインインします。
  2. ホーム・ページで「アプリケーション」「連結」の順にクリックします。
  3. 「連結プロセス」タブで「現地通貨」をクリックします。
  4. 「期首残高の繰越し後」または「財務計算」をクリックして、Calculation Managerを開きます。
  5. Calculation Managerで、「EPM Cloud」、アプリケーションのノード、「Consol」「ルール」を順に展開して使用可能なルールを表示します。
  6. カスタム・スクリプトをコメント・アウトし、ルールを再デプロイします。
    1. たとえば、FCCS_10_After Opening Balance Carry Forward_Local_Currencyなどのルールを右クリックし、「開く」を選択します。
    2. 次の図に示すように、カスタム・スクリプトをコメント・アウトして、ルールをデフォルトの状態に戻します。
      カスタム・ルールをデフォルトに戻す
    3. ルールを再デプロイして連結を実行し、パフォーマンスを確認します。

      パフォーマンスが向上する場合は、パフォーマンスに影響する可能性のあるロールアップおよびアド・ホック計算に特に注意して、スクリプトを修正し、最適化します。その後、ルールをアプリケーションに再デプロイしてください。

      パフォーマンスが向上しない場合は、このルールがパフォーマンスの低下に寄与していないと想定できます。カスタム・スクリプトを復元し、ルールをアプリケーションに再デプロイしてください。

  7. 各ルールに対してステップ6を実行します。

連結ルールのデプロイ解除

  1. サービス管理者としてFinancial Consolidation and Closeにサインインします。
  2. ホーム・ページで「アプリケーション」「連結」の順にクリックします。
  3. 「連結プロセス」タブで「連結」をクリックします。
  4. 「構成可能な連結」をクリックします。

    「連結ルールの管理」が開きます。

  5. 連結ルール・セットのデプロイを1つずつ解除して連結を実行し、パフォーマンスを評価します。
    ルール・セットのデプロイ解除

    パフォーマンスが向上する場合は、ルール・セットのルールを修正して最適化します。その後、ルールおよびルール・セットをアプリケーションに再デプロイしてください。

    パフォーマンスが向上しない場合は、このルール・セットがパフォーマンスの低下に寄与していないと想定できます。ルール・セットをアプリケーションに再デプロイしてください。

代替変数の追加

これらの代替変数を追加して、連結パフォーマンスが向上するかどうかを評価することを検討してください。

注:

これらの代替変数はデフォルトでは作成されません。手動で作成して有効にする必要があります。代替変数ごとに、Cube = Consol設定を使用して変数を有効にし、Value = trueを使用して連結中にそれを利用します。
  • EnableSimpleAggregation

    この代替変数を作成し、値をtrueに設定して、ロールアップ中の連結パフォーマンスを最適化します。

    注:

    EnableSimpleAggregationEnableOptimalBlockCreationは相互に排他的です。EnableSimpleAggregationtrueに設定されている場合、連結プロセスは、アプリケーションで値が設定されているかどうかに関係なく、EnableOptimalBlockCreation値をfalseとして処理します。

  • OptimizeDBRefresh

    この代替変数を作成し、値をtrueに設定して、為替レートをレートから連結キューブにプッシュする際のパフォーマンスを最適化します。

  • OptimizeYTDCalculation

    この代替変数を作成し、値をtrueに設定して、連結中のYTD計算のパフォーマンスを最適化します。

    注:

    OptimizeYTDCalculationは、拡張ディメンション・アプリケーションのみの最適化された連結パフォーマンスを示します。
  • OptimizeConcurrency

    この代替変数を作成して有効にし、値をtrueに設定して、連結中の高い同時実行性を利用します。

    Financial Consolidation and Closeの連結および換算のビジネス・ルールは、複数のエンティティに対して実行されます。Oracle Essbaseでは、マルチスレッド処理を使用して、ビジネス・ルールの計算を同時に実行できます。OptimizeConcurrency変数を使用すると、Financial Consolidation and Closeの計算で強制的に複数のEssbaseプロセス・スレッドが慎重に使用され、計算の実行が高速化されます。