オラクルは、米国政府のOracle Fusion Cloud Enterprise Performance ManagementおよびEDM Cloudのすべてのクラシック環境をウェーブ10でOCIに移行する予定です。オラクルは、事前定義済のスケジュールに基づいて、クラシック環境をシームレスに移行します。オラクルは、これらの環境のサービス管理者に、次の情報を含む通知をすでに送信しました:
- 現在のクラシック環境のサービスURLのリスト。
- OCIの新しい環境のクラウド・アカウント名(ほとんどの場合、現在のドメイン名が使用されます)。
- 環境が作成されるOCIリージョンの場所。
- オラクルに登録されているデフォルトのドメイン管理者およびサービス管理者の電子メール・アドレス。これは、新しいOCI環境のドメイン管理者およびサービス管理者として使用されます。
この通知では、OCI環境がいつ使用可能になるか、およびデータ移行がいつ発生するかについての情報が提供されます。
2025年2月27日から、オラクルは、現在のクラシック環境と同じ数のOCI環境の提供を開始しました。これらのOCI環境では、通知電子メールで以前に提供されたクラウド・アカウント名およびOCIリージョンが使用され、アプリケーションまたはユーザーは含まれません。通知電子メールで指定されたデフォルトの(またはリクエストされた)ドメイン管理者およびサービス管理者が、アカウントのアクティブ化電子メールを受信します。
Note:
OCI環境はそれぞれプロビジョニングされた時間が異なる可能性があるため、すべての環境の通知電子メールを同時に受け取るとは限りません。
OCI環境を受け取ったら、通知電子メールで指定された日付までに次のオプションのアクティビティを完了します。
- クラシック環境でSSOを利用する場合、アイデンティティ・プロバイダを使用するシングル・サインオン(SSO)を構成します
- クラシック環境で許可リストを使用する場合、OCI環境のIP許可リストを構成します
- OCI環境でテストを実行する場合:
Note:
すべてのクラシック環境をクローニングしてテストする必要はありません。たとえば、テスト環境と本番環境に同じアプリケーションがある場合は、いずれかの環境でのみテストします。また、テストを計画していない環境をクローニングする必要はありません。
- 次の情報ソースを使用して、クラシック環境から対応するOCI環境にアプリケーションをクローニングします:
- 実行するテストを完了します。テストはオプションです。このテスト期間中は、本番の更新および変更をクラシック環境で実行する必要があります。
Note:
この段階でサービス・リクエストを作成しようとすると、移行中のクラシック・アカウントおよび環境に対応する
OCIアカウントおよび環境のみがOracleサポートによって示されます。このシナリオで、移行中のクラシック環境に対するサービス・リクエストを作成するには:
- OracleサポートでOCI環境を選択します
- サービス・リクエストの「サマリー」および「説明」で、サービス・リクエストを作成するクラシック環境のURLを指定します。
- クラシック環境からのフィードバックの提供参照番号を含めます。
4月(25.04)の月次更新の一部として、日次メンテナンス中に月次更新を適用している間、オラクルにより、自動的にクラシック環境からOCI環境がクローニングされ(これにより、すでにOCI環境にあるすべてのテスト・アプリケーションがオーバーライドされます)、既存のクラシック・サービスURLがOCI環境にルーティングされるようにDNS構成が変更されます。テスト環境のクローニングは2025年4月4日に行われ、本番環境のクローニングは2025年4月18日に行われます。本番環境のクローニングが完了するとすぐに、オラクルはクラシック環境を終了します。
データ移行日の日次メンテナンス
データ移行日の日次メンテナンスは、他の日の日次メンテナンスよりも大幅に時間がかかります。データ移行日の日次メンテナンスを計画する場合は、次の一般的なガイドラインに従ってください
- クラシック環境の合計データ・サイズが100 GB以下の場合、日次メンテナンスは最大6時間かかります。
- クラシック環境の合計データ・サイズが100 GBを超える場合、日次メンテナンスは最大12時間かかります。
環境の合計データ・サイズは、クラシック環境のアクティビティ・レポートにある
アプリケーション・サイズ表の
ディスク上の顧客データ(GB単位)と同じです。
Note:
- 対応する月次更新を(skipUpdate EPM自動化コマンドを使用するか、サービス・リクエストを提出して)スキップするようリクエストした場合でも、クラシック環境からOCI環境への移行はスケジュール日に発生します。このシナリオでは、OCI環境には、対応するクラシック環境と同じ月次更新が適用され、同じ月次更新の更新のスキップがOCI環境でアクティブになります。
- クラシック環境に個別パッチが適用され、データ移行が発生するときにそれが月次更新でマージ・バックされない場合でも、クラシック環境からOCI環境への移行はスケジュール日に発生します。このシナリオでは、OCI環境には、対応するクラシック環境と同じ個別パッチが適用されます。
- クラシックの本番環境で、対応する月の第3金曜日より前の、データ移行が発生するときに月次更新を適用するようオラクルにリクエストした場合、クラシックの本番環境が月次更新で更新されるとき(その月の第3金曜日より前)に、日次メンテナンス中に移行が発生します。
- 移行がスケジュールされている日次メンテナンスの時点で、スケジュールされたメンテナンスまたはスケジュールされていないメンテナンスがクラシック環境で実行される場合、スケジュールされた日次メンテナンスはスキップされるため、次の日の日次メンテナンス中に移行が発生します。
この移行はシームレスです。アプリケーション・データ、ユーザー、カスタム・ガバナー制限およびその他のアーティファクトが新しいOCI環境に移行されます。この時点から、テストに使用していたOCI URLは機能しなくなり、かわりに、クラシック環境の現在のURLがOCI環境にルーティングされるようになります。ただし、「マイ・サービス」ポータルにアクセスするには、引き続き新しいURLを使用します。
重要な考慮事項
- クラシックからOCIに移行された環境のユーザーは、OCI環境へのサインインを求めるパスワード・リセット電子メールを受け取ります。これは、前述の同じアカウントのアクティブ化電子メールです。クラシックのパスワードがIdentity Cloud Servicesのパスワード・ポリシーに準拠していて、アイデンティティ・ドメイン管理者がカスタマイズできる場合、ユーザーはクラシックのパスワードと同じになるようにOCIのパスワードを設定できます。
サービス管理者事前定義済役割を持つユーザーがOCIのパスワードを変更した場合は、次を含む領域で使用されるパスワードを更新します:
- EPM自動化スクリプト
- REST APIベースのスクリプト
- EPM Agent構成
- ナビゲーション・フロー構成。ナビゲーション・フローを更新するには、次のリソースを使用してタスクを完了します:
- ナビゲーション・フロー画面を使用するための、ビジネス・プロセスの管理ガイドの「ナビゲーション・フローの編集」
- REST APIガイドの接続の更新
- アイデンティティ・ドメイン管理者の役割の割当てはクローニングされません。アイデンティティ・ドメイン管理者の役割のみが割り当てられたユーザーは、OCI環境にクローニングされません。
クラシック環境でアイデンティティ・ドメイン管理者の役割と事前定義済役割の組合せに割り当てられたユーザーは、クローニングされますが、OCI環境ではそれぞれの事前定義済役割にのみ割り当てられます。これらのユーザーは、OCI環境ではアイデンティティ・ドメイン管理者の役割を持ちません。
- OCI環境は常に、Identity Cloud ServicesのDefaultドメインに作成されます。ただし、クラシックの本番環境とテスト環境が同じアイデンティティ・ドメインにない場合(どちらかを異なるドメインに再配置したため)、OCIの本番環境はDefaultドメインに作成され、テスト環境は同じクラウド・アカウントのOracleIdentityCloudService_suffixドメイン(suffixはa12bxxxなどのランダムな英数字文字列)に作成されます。これらは以前と同じように個別に管理できます。また、DNS構成の変更により、本番環境とテスト環境のURLは、クラシック環境のときと同じままになります。
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既存のクラシック環境のドメイン名は、OCIでサポートされていない文字が含まれていないかぎり、クラウド・アカウント名として保持されます。OCIのクラウド・アカウント名の要件は次のとおりです:
- 小文字の英字と数字のみが含まれる
- 文字で始まる
- 32文字を超えない
クラシックのドメイン名にハイフンが含まれている場合、OCIのクラウド・アカウント名は、ハイフンを削除するように更新されます。たとえば、クラシックのドメイン名acme-testは、クラウド・アカウント名acmetestに変更されます。ただし、URL内のドメイン名は同じままです。
- 移行が完了すると、クラシック環境のURLへのトラフィックを対応するOCI環境にルーティングするために、オラクルによりDNS構成が変更されます。これらのOCI環境がなんらかの理由(たとえば、サービス名の変更や別のリージョンへの移動など)で削除された場合は、DNS構成により、削除された元のOCI環境へ引き続きルーティングされるため、クラシックURLのルーティングは失敗します。
新しく再作成された環境は、移行されたOCI環境のURLとは異なるURLを使用するため、必要に応じて、新しいOCIのURLでEPM自動化スクリプトとREST APIスクリプト、ナビゲーション・フロー構成、ブックマーク、Oracle Smart View for Officeの共有接続とプライベート接続などで使用されるURLを更新する必要があります。また、再作成された環境にアクセスする必要があるすべてのユーザーに新しいURLを通知する必要があります。
- ソースCloud EPM環境のIPアドレスを任意の場所で(たとえば、許可された送信IPアドレスとしてプロキシ構成で)使用している場合は、移行後にnslookupまたはpingを使用して環境の新しいIPアドレスを見つけ、新しいIPアドレスで構成を更新します。
同様に、他の環境(Fusion ERP環境など)の許可リストにクラシック・データ・センターのアウトバウンドIPアドレスを追加している場合は、それを新しいOCIリージョンのアウトバウンドIPアドレスに変更します。ご使用の環境のOCIリージョンのアウトバウンドIPアドレスを特定するには、Cloud EPMのデータ・センターおよびリージョンのアウトバウンドIPアドレスを参照してください。
- 以前にドメインepm.us8.oraclecloud.comおよびepm.us9.oraclecloud.comをファイアウォールの許可リストに追加した場合は、OCIの新しい正規名を許可リストに追加することも必要になります。正規名を特定するには、nslookupを使用します。
たとえば、クラシック環境のURLがhttps://epm2-mydomain.epm.us8.oraclecloud.com/epmcloudである場合、epm2-mydomain.epm.us8.oraclecloud.comのnslookを実行すると、正規名epm2-mydomain.epm.us-luke-1.ocs.oraclegovcloud.comが返されます。正規名のドメイン(epm.us-luke-1.ocs.oraclegovcloud.com)をファイアウォールの許可リストに追加します。
必要なすべての正規名が網羅されるようにするには、次のドメインをファイアウォールの許可リストに追加します:
- epm.us-luke-1.ocs.oraclegovcloud.com
- epm.us-langley-1.ocs.oraclegovcloud.com
- EPM Agentを使用してCloud EPMと通信する場合は、EPM Agentバージョン22.07以降を使用していることを確認してください。EPM Agentがバージョン22.07より古い場合は、OCIデータ移行の完了後にCloud EPMに接続するときに証明書エラーが発生する可能性があります。