計量コンポーネント統計の理解

Oracle Utilities Meter Data Managementには、VEE処理を高速化するために計量コンポーネントの統計をステージングする方法が用意されています。これらの統計は、主に「動的比較検証のVEEルール」と組み合せて使用することを想定していますが、他の分析またはレポート用に生成することもできます。

計量コンポーネント統計を使用することの考えられる利点の一部を次に示します。

  • VEE問合せのデータ・ボリュームを最大で1000分の1に縮小します(これは、上限/下限などの履歴データを問い合せるVEEルールを置換するときに最も有用です)
  • より負荷が高い履歴データの処理をシステムの停止時間(夜間や週末など)に分散します

次に、動的比較検証とともに計量コンポーネント統計を実装する方法の概要となる例を示します。

計量コンポーネント統計の実装

ステージ前の計量コンポーネント統計のステップの詳細は、次のとおりです。

  1. 物理計量コンポーネントが作成されます。統計計量コンポーネントの作成をトリガーするアルゴリズムが、基本製品の一部として、インターバルまたは自動検針スカラー・ビジネス・オブジェクトのみで設定されます。
  2. 新しい統計計量コンポーネントが作成されて、物理計量コンポーネントにリンクされます。
  3. 「計量コンポーネントの履歴統計」バッチ(D1-MCHS)が、定義したスケジュールに基づいて実行されます。これは、全体的なシステムの処理量が低い夜間か週末に実行することをお薦めします。
  4. 特定の期間(この例では13か月に設定)の物理メーターに関連する履歴統計を保持する統計計量コンポーネントに対して、測定が作成されます。

VEEで計量コンポーネント統計を活用する方法のステップの詳細は、次のとおりです。

  1. ヘッドエンドから初期測定データを受信します。
  2. メーターを実行するための「動的比較検証のVEEルール」が構成されます。この検証では、その検証ロジックを実行するために、統計計量コンポーネントから履歴統計が使用されます。
  3. VEEルールの失敗に基づいて、例外と場合によっては作業予定が生成されます。

統計からの格納への影響

計量コンポーネント統計の設計時には、格納への影響について多くの検討が行われました。次に、チャネル統計を計算して格納することを選択した顧客に対する、格納への影響の概要を示します。右端の列には、100万個の物理メーター(それぞれに4つの情報チャネルを含む)を持つユーティリティへの影響の例を示しています。

領域

MDMの追加データ

影響の例

(ユーティリティに100万個の物理メーターがあるとします)

追加の計量コンポーネント

前提: 物理メーターの大部分で、主要な請求チャネルの計量コンポーネント・タイプでのみ統計が構成されます。

物理メーターごとに1-3個の追加の計量コンポーネント

前提: 顧客が、物理メーターの大部分で、主要な請求チャネルの計量コンポーネント・タイプでのみ統計を構成します。

100 - 300万個の追加の計量コンポーネント

この場合、計量コンポーネントの表が、統計のないサイズから、25%から75%増加します。

追加の測定

「統計保持モード」が「最新レコードのみを保持」として構成された場合。

物理メーターごとに1個の追加の測定

MDMの有効期間中に100 - 300万個の追加の測定

このデータは、AMIデータ・フットプリント全体と比較すると、非常に小さいものです。

追加の測定

「統計保持モード」が「履歴レコードの保持」として構成された場合。

1週間に物理メーターごとに1個の追加の測定

1週間に100 - 300万個の追加の測定(年間で5200万-1億5600万個)

このデータは、その同じ週に収集されるAMIデータのサイズの0.2-0.5%です。