計量コンポーネントの概要

計量コンポーネントは、データがシステムで受信および保存される単一ポイントです。

計量コンポーネントは、設備(1つ以上の計量コンポーネントを含むことが可能)に関連付けることも、仮想またはスタンドアロン(設備に関連付けられていないことを意味します)であることも可能です。

基本パッケージでは、次のタイプの計量コンポーネントがサポートされます。

  • 物理: 物理計量コンポーネントは、物理的に存在し、時間の経過とともに異なるように構成できる設備にリンクされるコンポーネントです。インターバル・チャネルやスカラー指針などが物理計量コンポーネントです。

    注意: 指針とチャネルの用語は、計量コンポーネントでは同じ意味です。

  • スタンドアロン: スタンドアロン計量コンポーネントは、物理的に存在しないもの、または特定の設備やサービス・ポイントに関連付けられていないものの測定を記録するために使用されます。たとえば、ウェザー・ステーションから提供される毎日の平均気温を記録するためにスタンドアロン計量コンポーネントを作成できます。スタンドアロン計量コンポーネントは、スタンドアロン識別子によって識別できます。
  • 作業メモ: ユーザーは、測定操作機能を試すために、物理計量コンポーネントに基づいて、作業メモ計量コンポーネントを作成します。
  • 総計: 総計計量コンポーネントでは、他の計量コンポーネントからの要約された使用が保持されます。たとえば、サービス地域内の各郵便番号の合計消費量を保持するために総計計量コンポーネントを構成できます。Oracle Utilities Smart Grid Gatewayで使用されるヘッドエンド・システム処理統計は、総計計量コンポーネントの集計された測定として保存されます。

計量コンポーネントの定義に使用される属性には、次のものがあります。

  • 計量コンポーネント・タイプ
  • 計量コンポーネントが関連付けられている設備構成
  • 桁数、検針出力タイプ(ダイヤルまたはデジタル)、メーター乗数など、計量コンポーネントの検針方法に関する詳細。
  • 測定データの検証と推定に使用されるVEEグループ。

スカラーとインターバル

前述の4つのタイプとは別に、計量コンポーネントは通常、スカラー計量コンポーネントとインターバル計量コンポーネントの2つの主要なクラスのいずれかに該当します。

  • スカラー計量コンポーネントは、予測できないインターバルで測定されます。たとえば、月に1回は、検針から検針までの間の時間が予測できず、一貫性がないため、予測可能なインターバルではありません。
  • インターバル計量コンポーネントは、15分ごと、30分ごと、1時間ごとなどの予測可能なインターバルで測定されます。
  • インターバル・サイズおよび秒/インターバル(SPI)の用語は、インターバル計量コンポーネントのインターバルのサイズを定義するために使用されます。
  • 注意: 設備にはインターバル計量コンポーネントまたはスカラー計量コンポーネント(あるいはその両方)の組合せがある場合があります

計量コンポーネントの測定

特定のタイプの数量を測定するように計量コンポーネントを構成できます。これには、次のものが含まれます。

  • 単位: 記録される数量の単位。たとえば、キロワット時(kWh)、キロワット(kW)、サーム、立方フィート(CCF)、温度(華氏または摂氏)などです。
  • TOU: 数量が使用された期間を示す所定の単位の修飾子で、ピーク時(ある消費対象について、数量が最大となった時間を意味する)、オフピーク時(ある消費対象について、数量が最小となった時間を意味する)などがあります。
  • 使用量識別子: 単位/TOUの組合せが同一である測定量間をより詳細に識別するために使用され、識別する単位の識別子がTOUとして正確に記述されていない状況でも識別します。通常、使用量識別子が使用されるのは、複数の計量コンポーネントが同じ対象を異なる方法で測定する場合のみです。生成KWHと消費量KWHの両方を測定するメーターは、使用量識別子を使用して、これら2つを区別します。

単位、TOUおよび使用量識別子を組み合せて、計量コンポーネントの測定対象を定義します。TOUおよび使用量識別子はオプションですが、単位はすべての計量コンポーネントに定義する必要があります。たとえば、2つの計量コンポーネントを含むメーター(次の図を参照)の場合、どちらも同じ単位(kWh)を測定しますが、各計量コンポーネントは異なる使用時間(TOU)期間(ピークおよびオフピーク)で消費量を測定します。

差引測定と消費測定

計量コンポーネントでの数量の測定方法を定義する別の属性は、差引計量コンポーネントと消費計量コンポーネントの区別です。

差引計量コンポーネントの使用量は、現在の検針(停止測定、停止検針、最終測定または今回検針とも呼ばれます)から前回の検針(前回測定や前回検針とも呼ばれます)を減算したものと等しくなります。よりわかりやすく言うと、これは次のようになります。

使用量 = 今回検針 - 前回検針

大部分の個人顧客のスカラー・メーターは差引であり、場合によっては、インターバル・メーターを差引にすることもできます。次の表に、差引計量コンポーネントの一連の測定のリストを示します。

日付

kWh (検針)

使用

01/01/2010

0

01/31/2010

1000

1000 kWh

03/02/2010

1780

780 kWh

04/01/2010

2700

920 kWh

消費計量コンポーネントの使用量は、その現在の測定に等しくなります。大部分の個人顧客のインターバル・メーターは差引です。スカラーの場合は、消費計量コンポーネントは通常、KWなど、需要を測定する場合に使用されます。次の表に、消費スカラー計量コンポーネントの一連の測定のリストを示します。

日付

KW (検針)

使用

01/01/2010

0

0 KW

01/31/2010

10

10 KW

03/02/2010

10

10 KW

04/01/2010

13

13 KW