VEEについて
測定がOracle Utilities Meter Data Managementで受信されると、データが正確であることを確認して、欠落データがある場合には推定を使用して入力し、失敗がある場合にはユーザーが確認するためにフラグを設定する必要があります。VEE (検証、推定および編集)プロセスは、これらの目的を満たすための主要な方法です。
VEEは、初期測定データ用のマルチレイヤードろ過システムです。未処理データがヘッドエンドからIMDとして受信され、検証済のクリーンなデータのみが測定表の反対側で受信されます。初期測定データには、VEE前とVEE後の両方のセクションが含まれており、VEE後セクションには、VEEの一部として行われたすべてのデータ変更の詳細が記述されます。
IMDは、ヘッドエンド・システムや推定プロセスなどの異なるソースから作成することも、(消費量を上書きまたは評価するために)ユーザーによって手動で作成することもできます。これらの異なるソースからの測定データでは、異なるVEEルールを使用する場合があります。次に例を示します。
- ヘッドエンド・システムから送信された初期測定データでは、厳密なVEEルールが使用される場合があります
- (消費量を上書きまたは推定するために)ユーザーによって作成された初期測定では、厳密性の低いルールが使用されます
- 消費量を評価するためにシステムによって作成された初期測定では、使用されるVEEルールはきわめて少数です(存在する場合)
このニーズを支援するために、初期測定データの異なるソースに対して異なるVEEグループを定義できます。基本パッケージの役割は次のとおりです。
- 初期ロード: ヘッドエンド・システムまたはインポート・プロセスから受信されるIMDに使用されます
- 手動上書き: ユーザーによって手動で作成されるか、スカラーまたは差引インターバルの計量コンポーネント・タイプ用の調整プロセスによって作成されるIMDに使用されます
- 推定: システムによって推定されるIMDに使用されます
- 予測: 計量コンポーネントに使用される将来のエネルギーを予測するwhat ifサービスに使用されます
調整プロセスに関する追加の機能情報は、「IMDの概要」を参照してください。
計量コンポーネントの計量コンポーネント・タイプでは、これらの役割ごとにフォールバックVEEグループを定義できます。また、個々の計量コンポーネントで役割ごとにVEEグループを指定することもできます。計量コンポーネントでVEEグループが役割に指定されていない場合、計量コンポーネント・タイプに定義されたフォールバックVEEグループが使用されます。
VEEプロセスには、次に説明する多数の異なるオブジェクトが含まれており、これらのオブジェクトを使用すると、プロセスの実行方法を柔軟に構成できます。
VEEグループ
VEEグループは、IMDに適用されるVEEルールのコレクションです。VEEプロセス中に、各VEEグループに定義されているVEEルールが実行されます。VEEグループ内のルールは特定のシーケンスで定義されるため、ルールの実行順序を制御できます。
VEEグループは、特定の計量コンポーネントまたは計量コンポーネント・タイプ(あるいは両方)に関連付けることができます。計量コンポーネント・タイプに関連付けられたVEEグループは、そのタイプのすべての計量コンポーネントに適用されますが、特定の計量コンポーネントに関連付けられたVEEグループは、その計量コンポーネントのみに適用されます。計量コンポーネント・タイプに関連付けられたVEEグループは、計量コンポーネントに関連付けられたVEEグループによって上書きされます。
構成の詳細は、管理ガイドの「VEEグループの構成」の関連する項を参照してください。
VEEルール
IMDで実行する特定の検証および推定処理は、個々のVEEルールで定義され、それぞれがターゲット・ロジックの特定のセットを実行します。基本製品には、実装で使用できる多数のVEEルールが含まれていますが、独自のカスタムVEEルールを作成することもできます。
一部のVEEルールは、IMDがルールに指定された条件に失敗すると、VEE例外を生成します。他のルールによって測定が上書きされ、ルールのパラメータに従って測定値が変更されます。一部のルールでは、単一プロセスの一部として例外の生成と測定の上書きの両方を実行できます。規則に従って、VEEルールはIMDのVEE後数量を変更しますが、VEEルールは初期測定に関するすべてのものを変更できます。
検証VEEルールのリストは、「初期測定データ検証の概要」の項を参照してください。推定VEEルールのリストは、「初期測定データ推定の概要」の項を参照してください。VEEプロセス内の意思決定を処理する一般的なVEEルールのリストは、「意思決定VEEルール」の項を参照してください。
構成の詳細は、管理ガイドの「VEEルールの構成」の関連する項を参照してください。
VEE例外
各VEEルールでは、システムによる例外の追跡方法を指定する例外のタイプと重大度が定義されます。初期測定で検証が失敗した場合、失敗したVEEルールに指定されたタイプの例外が作成されます。単一の初期測定には、測定で失敗したルールごとに1つ(以上)の複数の例外を含めることができます。これにより、ユーザーはVEEプロセスで検出されたすべての問題を表示できます。
VEE例外の重大度には3つのレベルがあります。
- 情報: 初期測定が例外状態になるほどではないなんらかの関連事項をハイライト表示するために使用されます。このカテゴリの例外を使用して、致命的ではないが注意が必要な問題の頻度をレポートできます。
- 問題: 初期測定の最終処理を妨げる問題をレポートするために使用されます。VEE処理中に複数の「問題」例外が生成することがあります。すべてのルールが適用された後で、1つ以上の問題が存在していると、初期測定は例外状態に遷移します。
- 終了: 重大な問題をレポートするために使用されます。VEEプロセスは停止し、初期測定がすぐに例外状態に遷移します。「終了」例外は1つしか発行されません(最初の例外によって初期測定のVEEが停止するため)。
初期測定が調整または訂正された場合、例外は削除されないことに注意してください。すべての問題が訂正されるか、初期測定が上書き(または手動で完了)されると、例外はレポートの目的でクローズ済状態のままになります。
構成の詳細は、管理ガイドの「例外タイプの構成」の関連する項を参照してください。
VEEルール適用基準
各VEEルールには、オプションで、ルールを適用するかどうかを制御する適用基準を含めることができます。この機能を使用すると、(VEEルールのすべての組合せについて固有のVEEグループが必要となるかわりに、)適用基準に基づいて単一のVEEグループに条件付きVEEルールを含めることができるため、作成する必要があるVEEグループの数を大幅に削減できます。次に、適用基準を使用可能な方法の例をいくつか示します。
- インターバル消費量を関連するスカラー消費量と比較するルールを作成できます(インターバルとスカラーの両方の計量コンポーネントを含む設備の場合など)。このルールでは、初期測定の計量コンポーネントに対応するスカラー指針計量コンポーネントが含まれる場合にのみルールが適用されるように指定する適用基準を使用できます。
- 共通VEEグループを作成できますが、単位に基づいて実行する特定のルールのみを作成できます。VEEルールがkWhの場合には実行され、kVARhの場合にはスキップされるように適用基準を設定できます。
- 別の例としては、特定のタイプの計量コンポーネントを取り付けた後の最初の6か月間について、現在の消費量を標準の消費量と比較するルールがあります。計量コンポーネントの設備構成が6か月未満でサービス・ポイントに取り付けられた場合にのみルールが適用されるように指定する適用基準を作成できます。
構成の詳細は、管理ガイドの「VEEルールの構成」の関連する項を参照してください。