複数タイム・ゾーン・サポート

一部のユーティリティには、複数のタイム・ゾーンでの操作があります。複数のタイム・ゾーンで操作する場合、Oracle Utilities Meter Data Management and Smart Grid Gatewayでは次の上位レベルの機能を利用できます。

  • あらゆるタイム・ゾーンのデータを受信し、(基準タイム・ゾーンで定義された) Oracle Utilities Meter Data Managementで使用される共通タイム・ゾーンに変換する機能
  • 特定の設備、サービス・ポイント、使用連係のタイム・ゾーンで機能日時を表示する機能
  • 計量コンポーネント、設備構成、サービス・ポイントまたは使用連係が存在するタイム・ゾーンを定義する機能
  • 複数のタイム・ゾーンにわたるデータを1つのタイム・ゾーンに集計する、またはタイム・ゾーンに関係なく集計する機能(詳細は、ページE-17の「集計」を参照)。
  • 外部システムにデータを適切なタイム・ゾーン情報とともにエクスポートして、外部システムが異なるタイム・ゾーンの様々なサービス・ポイントのデータを使用できるようにする機能

デフォルトでは、単一のタイム・ゾーンのみがサポートされていると想定されています。複数のタイム・ゾーンのサポートを有効にするには、「システム構成全般」機能構成に適切なエントリを追加する必要があります。

日時の格納および表示

システムのすべての日時は基準タイム・ゾーンで格納されます。日時は標準時または法定時間で格納され、この決定はデータのタイプに基づいて行われます(たとえば、測定の日時は標準ですが、取付イベントの日時は法定です)。

すべての日時は法定時間で表示されます。設備、サービス・ポイントまたは使用連係に関連する主要な機能日時は、設備が存在するタイム・ゾーンの法定時間で表示されます。

タイム・ゾーン階層および保守

タイム・ゾーンは、設備内の多数のポイントで使用連係階層に定義できます。これにより、その設備の取付ステータス(未取付、取付済だが未請求、請求済など)に基づいてタイム・ゾーンを正確に表すことができます。階層の各ステージで、タイム・ゾーンが一致する必要があります。

タイム・ゾーン階層および保守

階層が確立された後、その階層の一部を階層の他のレベルと異なるタイム・ゾーンに変更することはできません。確立された設備のタイム・ゾーンを使用連係階層に変更するには、サービス・ポイントに対して変更を行う必要があります。サービス・ポイントのタイム・ゾーンが変更されると、その変更は階層の他のすべてのレベルにカスケードされます。

設備がサービス・ポイントに取り付けられている場合、設備を異なるタイム・ゾーンの異なるサービス・ポイントに移動するには、新しいサービス・ポイントのタイム・ゾーンで新しい設備構成を作成する必要があります。これは、設備構成は、それぞれ設備構成と異なるタイム・ゾーンを持つ2つの異なるサービス・ポイントに関連付けることはできないためです。

注意: 既存の測定を持つ設備のタイム・ゾーンを変更した場合、基礎となる測定データに自動調整は行われません。測定データを変更する必要がある場合は、手動操作が必要となります。

注意: 計量コンポーネントにはタイム・ゾーンがありますが、そのタイム・ゾーンはサービス・ポイントに取り付けられている物理設備に移入されません。このタイム・ゾーンはスタンドアロンの計量コンポーネントに使用されます。

集計への影響

集計では、異なるタイム・ゾーンに存在するサービス・ポイントのデータを集計する方法について、2つのユース・ケースがあります。

  • 絶対時間: 計量コンポーネントまたは計量コンポーネント・タイプにタイム・ゾーンが指定されている場合、異なるタイム・ゾーンのサービス・ポイントにわたって集計範囲日時が使用されます。たとえば、US/太平洋の4/1/2010 12AMインターバルは、US/東部の4/1/2010 3AMインターバルと組み合されます。すべての日時は基準タイム・ゾーンに格納されるため、タイム・ゾーン変換を行う必要はありません。
  • ローカル時間: タイム・ゾーンが指定されていない場合、消費量は、集計範囲を各サービス・ポイントの適切なタイム・ゾーンに変換することによって集計されます。たとえば、US/太平洋の4/1/2010 12AMインターバルは、US/東部の4/1/2010 12AMインターバルと組み合されます。

通常、集計計量コンポーネントには、他のマスター構成オブジェクトに対するタイム・ゾーン関連の依存はありません。ただし、集計が使用連係で直接チャネル計量コンポーネントとしてリストされている場合は、使用連係と同じタイム・ゾーンを共有します。

TOUマップ生成への影響

TOUマッピング・テンプレート(TOU)に定義された日時にはタイム・ゾーンが関連付けられておらず、処理されている特定のTOUマップのTOUマップ・タイプのタイム・ゾーンに基づいて解釈されます。これにより、様々なタイム・ゾーンに適用できるTOUスケジュールの単一の定義が可能になります。

特定のTOUマップ・テンプレートのTOUマップ・データの生成時に、日時は、TOUマップのタイム・ゾーンから「インストール・オプション - フレームワーク」に定義された基準タイム・ゾーンで定義されたタイム・ゾーンに変換されます。たとえば、1/1/2010 5:00PMがピーク時とみなされ、システムのタイム・ゾーンがUTC -08:00、TOUマップ・タイム・ゾーンがUTC -05:00であった場合、TOUマップ・データ・エントリは1/1/2010 2:00PMとして書き込まれます。

係数への影響

係数発効日には関連付けられたタイム・ゾーンがなく、検証されているデータのローカル・タイム・ゾーンにあると想定されます。たとえば、4/1/2010 12:00AMに有効な係数は、各メーターのタイム・ゾーンに基づいて、4/1/2010 12:00AM UTC -08:00および4/1/2010 12:00AM UTC -05:00に有効であるとみなされます。これにより、単一の係数を多数のタイム・ゾーンに適用し、均一に動作させることができます。

休日への影響

休日発効日には関連付けられたタイム・ゾーンがなく、検証されているデータのローカル・タイム・ゾーンにあると想定されます。たとえば、12/25/2010の休日は、各メーターのタイム・ゾーンに基づいて、12/25/2010 12:00AM UTC -08:00および12/25/2010 12:00AM UTC -05:00から有効であるとみなされます。

定期推定への影響

初期測定作成オンラインへの影響

360度表示ポータルから初期測定オンラインを作成する場合、初期測定は、基準タイム・ゾーン以外のタイム・ゾーンを持つ計量コンポーネントにあわせて作成されます。

たとえば、あるタイム・ゾーンの計量コンポーネントから別のタイム・ゾーンの計量コンポーネントに測定をコピーする場合、測定は絶対時間で移動されます(つまり、UTC -08:00の3:00 PMはUTC -05:00の6:00PMに変更されます)。

機器への影響

バッジ管理機器とバッジ管理外機器の消費量は、サービス・ポイントの設備タイプ使用量および複数機器セクションの構成によって制御されます。

  • 設備タイプ使用量: 使用量の発効日にはタイム・ゾーンがなく、関連付けられているサービス・ポイントのローカル・タイム・ゾーンにあると想定されます(バッジ管理機器の取付イベントによるか、サービス・ポイントでの直接構成によるかのいずれか)。たとえば、1/1/2010 5:00PMの発効日時は、各メーターのタイム・ゾーンに基づいて、1/1/2010 5:00PM UTC -08:00および1/1/2010 5:00PM UTC -05:00から有効であるとみなされます。
  • サービス・ポイント複数機器: 複数機器リストの開始日時と終了日時は基準タイム・ゾーンの法定時間で格納され、サービス・ポイントのタイム・ゾーンの法定時間で表示されます。