2 JRE MSIインストーラの構成ファイルを使用したJREのインストール

Java Runtime Environment (JRE)をコマンドラインからインストールするときは、JRE MSIインストーラ・コマンドライン・オプションを補足するために構成ファイルを使用できます。

構成ファイルを作成および使用して、インストールを標準化すること、およびコマンドラインで使用できないオプションを指定することができます。

この項には次のトピックが含まれます:

JRE MSIインストーラ構成オプション

次の表にJRE MSIインストーラの構成オプションがリストされ、構成ファイルで使用できるオプション、およびコマンドラインで使用できるオプションが識別されます。

次の表にリストされている構成ファイルの作成に使用できるオプションは、「構成ファイルで使用」列に「Y」というフラグが付けられます。「コマンドラインで使用」列に「Y」というフラグが付いたオプションは、JRE MSIインストーラの実行時にコマンドラインで使用できます。コマンドラインで使用できないオプションは、構成ファイルで指定できます。「JRE MSIインストーラの実行」を参照してください。

ノート:

1のかわりに値Enableを、0のかわりにDisableを使用できます。

表2-1 構成オプション

オプション 構成ファイルで使用 コマンドラインで使用 説明 ランタイム構成ファイルに保存?
DEPLOYMENT_RULE_SET= path Y Y

組織のデプロイメント・ルール・セットのパスおよびファイル名を指定します。Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイドデプロイメント・ルール・セットを参照してください。

yes
EULA= 10 Y Y EULA=1を設定すると、JavaアプレットまたはJava Web Startアプリケーションが起動される場合、インストーラは、ユーザーにエンド・ユーザー・ライセンス契約(EULA)の承諾を求めます。

デフォルト: 0

yes
INSTALLDIR= path Y Y ファイルのインストール先のフォルダまたはディレクトリを指定します。
  • JRE 8u421以降では、デフォルトで、JREの32ビット・バージョンがC:\Program Files (x86)\Java\jreNにインストールされます。Nは、Java SEの完全なリリースおよび更新番号です。たとえば、JRE Release 8 Update 421の場合、N1.8.0_421です。

    同様に、デフォルトでは、JREの64ビット・バージョンがC:\Program Files\Java\jreNにインストールされます。

  • JRE 8u371とJRE 8u411の間のリリースでは、デフォルトのインストール・ディレクトリは\Program Files\Java\jre-$family (jre-1.8)です。JRE 8u381 b32以降では、RETAIN_ALL_VERSIONS=1オプションを使用して、既存のJREバージョンを削除せずに、インストール済JREファミリの新しいバージョンをインストールします。RETAIN_ALL_VERSIONSオプションは、JRE 8u421で非推奨になりました。
no
NOSTARTMENU= 10 Y Y NOSTARTMENU=1を設定すると、インストーラは、Javaの起動項目を設定せずにJDKまたはJREをインストールします。

デフォルト: 0

no
REBOOT= 10 Y Y REBOOT=1を設定すると、インストーラは、モードに応じて次のように動作します:
  • UIモード: JREのインストール後、再起動が必要なことが検出された場合のみ、インストーラはコンピュータの再起動を求めます。
  • サイレント・モード: JREのインストール後、再起動が必要なことが検出された場合、インストーラはコンピュータを自動的に再起動します。

デフォルト: 1

no
REMOVEOLDERJRES= 「説明」を参照 「説明」を参照 「説明」を参照

ノート:

8u371は、このオプションのサポートを終了しました。8u371からREMOVEOLDERJRESオプションは無視されます。古いJREバージョンを保持する必要があるお客様は、8u381 b32以降に含まれているRETAIN_ALL_VERSIONSオプションを使用する必要があります。

8u371より前では、REMOVEOLDERJRES=1を使用すると、JREのインストール時に、静的にインストールされていない既存のJavaバージョンをすべてシステムからアンインストールできます。

no
RETAIN_ALL_VERSIONS= 10 N Y

ノート:

  • オプションRETAIN_ALL_VERSIONSは、JRE 8u421で無効になっています。このオプションを使用すると、インストーラでは無視され、警告が生成されます。かわりにSTATIC=1を設定して、手動アップグレードまたは自動更新中に古いJRE 8バージョンがアンインストールされないようにします(Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイドのJavaコントロール・パネルの更新に関する項を参照してください)。
  • JRE 8u371以降のJRE MSIインストーラによって、すでにディスクにインストールされている古いJREバージョンを保持する機能が削除されました。(これらのバージョンではREMOVEOLDERJRESオプションが無効になりました。)古いJREバージョンを保持する必要があるお客様は、My Oracle SupportからダウンロードされたJRE 8u381 b32とJRE 8u411の間のリリースのRETAIN_ALL_VERSIONSオプションを使用する必要があります。

コマンドラインでRETAIN_ALL_VERSIONS=1を設定すると、他のバージョンのJRE 8を削除せずに、同じファミリの複数のJREをインストールできます。JRE MSIインストーラは、デフォルトのjre-1.8共有ディレクトリではなく、jre$fullversionというディレクトリにJRE 8をインストールします。たとえば、RETAIN_ALL_VERSIONS=1が設定されている場合、JRE 8u381はデフォルトのjre-1.8共有ディレクトリではなく、jre1.8.0_381というディレクトリにインストールされます。

デフォルト: 0

ノート:

  • RETAIN_ALL_VERSIONS=1が設定されている場合、INSTALLDIRProgram Files\Java\jre-$familyに設定できません。
  • RETAIN_ALL_VERSIONS=0が設定されている場合、INSTALLDIRProgram Files\Java\jre$fullversionに設定できません。
no
STATIC= 10 Y Y STATIC=1を設定すると、インストーラは、JREの静的インストールを実行します。つまり、Java自動更新機能によって手動アップグレードまたは自動更新が実行されると、そのJREはインストールされたままになります。このオプションでは、製品の特定のバージョンのJREを必要とするベンダーが、確実にJREが新しいバージョンで上書きされないようにすることを保証します。

Java自動更新機能の詳細は、Java Platform, Standard Editionデプロイメント・ガイドのJavaコントロール・パネルの更新に関する項を参照してください。

JREインストーラによりジャンクションが作成され、それが、インストールされている最新のJRE 8バージョンへのショートカットまたはシンボリック・リンクのように機能します。32ビット・バージョンと64ビット・バージョンのどちらのJREにもジャンクションがあります。これらのジャンクションの名前は、『Java Platform, Standard Editionインストレーション・ガイド』デフォルトのJREインストール・ディレクトリに関する項を参照してください。

 
USAGETRACKER_CFG= path Y Y Java Usage Trackerのプロパティ・ファイルのパスおよびファイル名を指定します。『Java Usage Trackerガイド』を参照してください。 yes
WEB_ANALYTICS= 10 Y Y

WEB_ANALYTICS=1を設定すると、インストーラは、インストール関連の統計をOracleサーバーに送信します。

デフォルト: 1

yes
WEB_JAVA= 10 Y Y

WEB_JAVA=1を設定すると、インストーラは、ダウンロード済のJavaアプリケーションがWebブラウザまたはJava Web Startでの実行を許可されるように、インストールを構成します。

デフォルト: 1

yes
WEB_JAVA_SECURITY_LEVEL= H (高), VH (非常に高) Y Y

ブラウザまたはJava Web Startで実行中のJavaアプリケーションのインストールのセキュリティ・レベルを構成します。

デフォルト: VH

yes

JRE MSIインストーラ構成ファイルの作成

構成ファイルは、JRE MSIインストーラの実行時にコマンドラインでオプションを設定するための代替を提供します。

この構成ファイルを使用して、インストールを標準化すること、およびコマンドラインで使用できない追加のインストール・オプションを指定することができます。

  1. 新しいファイルを作成するか、ASCIIテキスト・エディタで既存の構成ファイルを開きます。
  2. 構成ファイルのオプションを追加または編集します。使用可能なオプションは、「構成オプション」表を参照してください。
  3. 構成ファイルを任意のディレクトリにテキスト・ファイルとして保存します。
  4. JRE MSIインストーラ(JRE MSIインストーラの実行を参照)を実行するときに、JRE MSIインストーラ・コマンドで構成ファイルのパスとファイル名を指定します。

次の例は、Windows用の単純なJRE MSIインストーラ構成ファイルです。次のことを指定します。

  • JREをディレクトリC:\java\jreにインストールする
  • ダウンロード済のJavaアプリケーションがWebブラウザまたはJava Web Startでの実行を許可されないように、JREを構成します。
INSTALLDIR=C:\java\jre 
WEB_JAVA=0

システム・ランタイム構成ファイル

JRE MSIインストーラは、JRE 8バージョンの新しいビルドをインストールした後で、システム・ランタイム構成ファイルを作成します。

構成ファイルを使用してJREをインストールした後、JRE MSIインストーラはそれをシステム・ランタイム構成ファイルとしてC:\Program Files (x86)\Common Files\Oracle\Java\java_settings.cfgに保存します

表2-1「構成オプション」では、システム・ランタイム構成ファイルに保存されるオプションおよび値を識別します。