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Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1)

E05700-03
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10 Recovery Manager操作に関するレポート

この章では、Recovery Manager操作に関してレポートする方法について説明します。この章の内容は、次のとおりです。

Recovery Managerレポートの概要

この項では、Recovery Managerレポートの目的および基本的な概念について説明します。

Recovery Managerレポートの目的

バックアップおよびリカバリ計画の一部として、バックアップした内容を示すレポートを定期的に実行する必要があります。また、バックアップが必要なデータファイルまたは最近バックアップされていないファイルを確認しておく必要もあります。また、問題発生時にRecovery Managerでリストアする必要があるバックアップをプレビューすることもできます。

バックアップおよびリカバリのもう1つ重要な側面は、領域の使用状況の監視です。ディスクにバックアップする場合は、そのディスクが一杯になる可能性があるため、パフォーマンス上の問題が発生したり、データベースが停止することもあります。Recovery Managerを使用すると、バックアップが不要なバックアップで、削除可能かどうかを確認できます。

また、Recovery Managerジョブについての履歴情報を取得する必要がある場合もあります。たとえば、発行されたバックアップ・ジョブの数、各バックアップ・ジョブのステータス(失敗したか完了したかなど)、ジョブの開始日時と終了日時、および実行されたバックアップのタイプについて確認する必要がある場合があります。

Recovery Managerレポートの基本的な概念

Recovery Managerは、操作の実行対象となる各ターゲット・データベースの制御ファイルに、そのメタデータのRecovery Managerリポジトリを常に格納します。たとえば、Recovery Managerを使用して、prod1およびprod2データベースをバックアップするとします。Recovery Managerは、prod1のバックアップ用メタデータをprod1の制御ファイルに、prod2のバックアップ用メタデータをprod2の制御ファイルに格納します。

必要に応じて、リカバリ・カタログとともにRecovery Managerを使用できます。この場合、Recovery Managerは、別のリカバリ・カタログ・データベース内の一連の表に、追加のメタデータ・リポジトリを保持します。たとえば、prod3にリカバリ・カタログを作成するとします。このリカバリ・カタログには、複数のターゲット・データベースを登録できます。たとえば、prod1およびprod2prod3に格納されているリカバリ・カタログに登録すると、Recovery Managerは、prod1およびprod2のバックアップに関するメタデータをリカバリ・カタログ・スキーマに格納します。

次に示す様々な方法で、Recovery Managerリポジトリからメタデータにアクセスできます。

第11章「Recovery Managerバックアップおよびリポジトリ・レコードのメンテナンス」で説明されているように、Recovery Managerリポジトリがディスクおよびテープ上の実情を反映していない場合があります。たとえば、ユーザーがオペレーティング・システムのユーティリティを使用してバックアップを削除した場合、そのバックアップは、Recovery Managerリポジトリでは誤って使用可能と表示されます。

CHANGECROSSCHECKDELETEなどのコマンドを使用すると、使用可能なバックアップの実際の状態を反映してRecovery Managerリポジトリを更新できます。そうしない場合、コマンドおよびビューの出力が誤って表示され、データベースをリストアおよびリカバリするためのバックアップをRecovery Managerで検出できない可能性があります。

参照:

  • Recovery Managerリポジトリを最新の状態に保つ方法については、「Recovery Managerリポジトリのクロスチェック」を参照してください。

  • LIST構文については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

  • REPORT構文については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

  • RESTORE PREVIEW構文については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

 

Data Guard環境でのレポート

「Data Guard環境でのRecovery Managerによるファイル管理」で説明されているように、すべてのバックアップがそのバックアップを作成したプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースに関連付けられています。たとえば、standby1DB_UNIQUE_NAMEを使用してデータベースをバックアップすると、standby1データベースがこのバックアップに関連付けられます。

Data Guard環境では、Data Guardを使用しない場合と同様に、LISTREPORTおよびSHOWコマンドを使用できます。FOR DB_UNIQUE_NAME句を指定してこれらのコマンドを実行すると、指定したデータベースに関連付けられているバックアップを表示できます。たとえば、次のコマンドでは、sfstandbyにのみ関連付けられているアーカイブREDOログが表示されます。

LIST ARCHIVELOG ALL FOR DB_UNIQUE_NAME sfstandby;

Data Guard環境でFOR DB_UNIQUE_NAME句を指定せずにLISTREPORTおよびSHOWコマンドを使用すると、Recovery Managerによって、ターゲット・データベースでアクセス可能なファイルが表示されます。Recovery Managerでバックアップにアクセス可能であるとみなされる場合については、「Data Guard環境でのバックアップの関連付け」を参照してください。

Data Guard環境では、Recovery Managerをリカバリ・カタログとともに使用する必要があります。Recovery Managerでは、すべてのバックアップおよびリカバリ・ファイルのメタデータがリカバリ・カタログのData Guard環境に格納されます。Recovery Managerのレポート・コマンドの実行時に、マウントまたはオープンされているデータベースにRecovery ManagerをTARGETとして接続するか、またはSET DBIDコマンドを使用してデータベースを識別することができます。

参照:

Data Guard環境でRecovery Manager操作に関してレポートする方法については、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 

バックアップおよびリカバリ関連オブジェクトの表示

LISTコマンドは、Recovery Managerリポジトリの情報を使用して、バックアップやバックアップとリカバリに関連するその他のオブジェクトのリストを表示します。この項の内容は、次のとおりです。

LISTコマンド

LISTコマンドの主な目的は、バックアップおよびコピーを表示することです。たとえば、次の内容を表示できます。

LISTコマンドの主な目的は、バックアップおよびコピーを表示することです。Recovery Managerでは、バックアップおよびコピーのみでなく、他のタイプのデータも表示できます。次の表に、表示できる有効なオブジェクトをいくつか示します。

表10-1    LISTオブジェクト 
リストの内容  コマンド  説明 

バックアップ・セットおよびプロキシ・コピー 

LIST BACKUP 

データベース、表領域、データファイル、アーカイブREDOログ、制御ファイルまたはサーバー・パラメータ・ファイルのすべてのバックアップ・セット、コピーおよびプロキシ・コピーを表示できます。 

イメージ・コピー 

LIST COPY 

データファイル・コピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルを表示できます。デフォルトでは、LIST COPYによってすべてのデータベース・ファイルおよびアーカイブREDOログのコピーが表示されます。出力には、リストアできないイメージ・コピー、期限切れのイメージ・コピーまたは使用不可能なイメージ・コピーも含め、使用可能なイメージ・コピーおよび使用不可能なイメージ・コピーの両方が含まれます。 

アーカイブREDOログ・ファイル 

LIST ARCHIVELOG 

アーカイブREDOログ・ファイルを表示できます。 

データベース・インカネーション 

LIST INCARNATION 

データベースのすべてのインカネーションを表示できます。RESETLOGSオプションを使用してオープンすると、新しいデータベース・インカネーションが作成されます。 

Data Guard環境のデータベース 

LIST DB_UNIQUE_NAME 

Data Guard環境のデータベースは、そのDB_UNIQUE_NAME初期化パラメータ設定によって識別されます。同じDBIDを持つすべてのデータベースを表示できます。 

Data Guard環境のプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースのバックアップおよびコピー 

LIST ... FOR DB_UNIQUE_NAME 

Data Guard環境内の指定したデータベースまたはすべてのデータベースのすべてのバックアップおよびコピーを表示できます。

Recovery Managerでは、指定したDB_UNIQUE_NAMEを持つデータベースに排他的に関連付けられているファイルまたはオブジェクトに出力が制限されます。たとえば、FOR DB_UNIQUE_NAMEを指定してLISTを使用すると、特定のスタンバイ・データベースまたはプライマリ・データベースに関連付けられているアーカイブREDOログのリストを表示できます。データベースによって所有されていないオブジェクト(リカバリ・カタログ・ビューのSITE_KEY列がNULL)は表示されないことに注意してください。 

リストア・ポイント 

LIST RESTORE POINT 

Recovery Managerリポジトリで認識されるリストア・ポイントを表示できます。 

ストアド・スクリプトの名前 

LIST SCRIPT NAMES 

CREATE SCRIPTまたはREPLACE SCRIPTコマンドを使用して作成されたリカバリ・カタログ・スクリプトの名前を表示できます。リカバリ・カタログが必要です。 

データ・リカバリ・アドバイザとともに使用する場合の障害 

LIST FAILURE 

障害とは、修復オプションにマッピングされている永続的なデータの破損のことです。LIST FAILUREADVISEおよびREPAIRコマンドとともに使用する方法については、第14章「データ・リカバリ・アドバイザを使用した障害の診断および修復」を参照してください。 

LISTコマンドでは、出力の表示方法を制御できる多くのオプションがサポートされています。次の表に、最も一般的なLISTのオプションを示します。

表10-2    最も一般的なLISTのオプション 
LISTのオプション  説明 

LIST EXPIRED 

Recovery Managerリポジトリに記録されているバックアップまたはコピーで、最後にクロスチェックを実行したときに、ディスクまたはテープ上の予測した位置に存在しなかったものを表示します。このようなバックアップは、Recovery Managerの外部で削除された可能性があります。 

LIST ... BY FILE 

各データファイル、アーカイブREDOログ・ファイル、制御ファイルおよびサーバー・パラメータ・ファイルのバックアップを表示します。各行にファイルのバックアップの説明が示されます。 

LIST ...SUMMARY 

各バックアップの1行のサマリーを表示します。 

前述の表に、すべてのLISTオブジェクトおよびオプションが示されているわけではありません。たとえば、時間、パス名、デバイス・タイプ、タグまたはリカバリ可能性で制限されたバックアップを表示できます。

参照:

LISTコマンドの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 

バックアップおよびコピーの表示

listObjListまたはrecordSpec句(『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照)を使用して、必要なオブジェクトを指定します。オブジェクトを指定しないと、Recovery Managerは、すべてのデータベース・ファイルとアーカイブREDOログ・ファイルのコピーを表示します。

デフォルトでは、Recovery Managerは、各バックアップまたはプロキシ・コピーを連続して表示した後、そのバックアップに含まれているファイルを識別します。また、ファイルごとにバックアップを表示することもできます。

デフォルトでは、Recovery Managerは冗長モードで表示を行います。つまり、様々な情報を複数行にわたって表示します。冗長モードによる出力が多すぎる場合は、サマリー・モードでバックアップを表示することもできます。

バックアップおよびコピーを表示する手順
  1. Recovery Managerを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ(使用している場合)に接続します。

  2. すべてのバックアップおよびコピーのサマリー・レポートを表示するには、SUMMARYオプションを指定してLISTコマンドを実行します。

    次のコマンドを実行すると、すべてのRecovery Managerバックアップのサマリーが出力されます。

    LIST BACKUP SUMMARY;
    
    

    出力例を次に示します。

    List of Backups
    ===============
    Key     TY LV S Device Type Completion Time #Pieces #Copies Compressed Tag
    ------- -- -- - ----------- --------------- ------- ------- ---------- ---
    1       B  A  A SBT_TAPE    21-OCT-07       1       1       NO         
    TAG20071021T094505
    2       B  F  A SBT_TAPE    21-OCT-07       1       1       NO         
    TAG20071021T094513
    3       B  A  A SBT_TAPE    21-OCT-07       1       1       NO         
    TAG20071021T094624
    4       B  F  A SBT_TAPE    21-OCT-07       1       1       NO         
    TAG20071021T094639
    5       B  F  A DISK        04-NOV-07       1       1       YES        
    TAG20071104T195949
    
    
  3. バックアップおよびコピーの詳細な出力を表示するには、SUMMARYオプションを指定せずにLISTコマンドを実行します。

    次のコマンドを実行すると、デフォルトの詳細な出力でRecovery Managerバックアップおよびコピーが表示されます。

    LIST BACKUP;
    LIST COPY;
    
    

    LIST BACKUPおよびLIST COPYの出力例を次に示します。

    List of Backup Sets
    ===================
    
    BS Key  Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
    ------- ---------- ----------- ------------ ---------------
    7       136M       DISK        00:00:20     04-NOV-06      
            BP Key: 7   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20071104T200759
            Piece Name: /d2/RDBMS/backupset/2007_11_04/o1_mf_annnn_TAG20071104T200759_
    ztjxx3k8_.bkp
    
      List of Archived Logs in backup set 7
      Thrd Seq     Low SCN    Low Time  Next SCN   Next Time
      ---- ------- ---------- --------- ---------- ---------
      1    1       173832     21-OCT-06 174750     21-OCT-06
      1    2       174750     21-OCT-06 174755     21-OCT-06
      1    3       174755     21-OCT-06 174758     21-OCT-06
    
    BS Key  Type LV Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
    ------- ---- -- ---------- ----------- ------------ ---------------
    8       Full    2M         DISK        00:00:01     04-NOV-06      
            BP Key: 8   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20071104T200829
            Piece Name: /disk1/oracle/dbs/c-774627068-20071104-01
      Controlfile Included: Ckp SCN: 631510       Ckp time: 04-NOV-06
      SPFILE Included: Modification time: 21-OCT-06
    
    List of Datafile Copies
    =======================
     
    Key     File S Completion Time Ckp SCN    Ckp Time
    ------- ---- - --------------- ---------- ---------------
    1       7    A 11-OCT-06       360072     11-OCT-06
            Name: /work/orcva/RDBMS/datafile/o1_mf_tbs_2_2lv7bf82_.dbf
            Tag: DF7COPY
     
    2       8    A 11-OCT-06       360244     11-OCT-06
            Name: /work/orcva/RDBMS/datafile/o1_mf_tbs_2_2lv7qmcj_.dbf
            Tag: TAG20071011T184835
     
    List of Control File Copies
    ===========================
     
    Key     S Completion Time Ckp SCN    Ckp Time
    ------- - --------------- ---------- ---------------
    3       A 11-OCT-06       360380     11-OCT-06
            Name: /d2/RDBMS/controlfile/o1_mf_TAG20071011T185335_2lv80zqd_.ctl
            Tag: TAG20071011T185335
     
    List of Archived Log Copies for database with db_unique_name RDBMS
    =====================================================================
     
    Key     Thrd Seq     S Low Time
    ------- ---- ------- - ---------
    1       1    1       A 11-OCT-06
            Name: /work/arc_dest/arcr_1_1_603561743.arc
     
    2       1    2       A 11-OCT-06
            Name: /work/arc_dest/arcr_1_2_603561743.arc
     
    3       1    3       A 11-OCT-06
            Name: /work/arc_dest/arcr_1_3_603561743.arc
    
    
  4. ファイルごとにバックアップを表示するには、表示するオブジェクトおよびオプションをBY FILEオプションとともに指定してLISTを実行します。たとえば、次のように入力します。

    LIST BACKUP BY FILE;
    
    

    出力例を次に示します。

    List of Datafile Backups
    ========================
    
    File Key     TY LV S Ckp SCN    Ckp Time  #Pieces #Copies Compressed Tag
    ---- ------- -  -- - ---------- --------- ------- ------- ---------- ---
    1    5       B  F  A 631092     04-NOV-06 1       1       YES        
    TAG20071104T195949
         2       B  F  A 175337     21-OCT-06 1       1       NO         
    TAG20071021T094513
    2    5       B  F  A 631092     04-NOV-06 1       1       YES        
    TAG20071104T195949
         2       B  F  A 175337     21-OCT-06 1       1       NO         
    TAG20071021T094513
    
    ... some rows omitted
    
    List of Archived Log Backups
    ============================
    
    Thrd Seq     Low SCN    Low Time  BS Key  S #Pieces #Copies Compressed Tag
    ---- ------- ---------- --------- ------- - ------- ------- ---------- ---
    1    1       173832     21-OCT-06 7       A 1       1       NO         
    TAG20071104T200759
                                      1       A 1       1       NO         
    TAG20071021T094505
    1    2       174750     21-OCT-06 7       A 1       1       NO         
    TAG20071104T200759
                                      1       A 1       1       NO         
    TAG20071021T094505
    ... some rows omitted
    1    38      575472     03-NOV-06 7       A 1       1       NO         
    TAG20071104T200759
    1    39      617944     04-NOV-06 7       A 1       1       NO         
    TAG20071104T200759
    
    
    List of Controlfile Backups
    ===========================
    CF Ckp SCN Ckp Time  BS Key  S #Pieces #Copies Compressed Tag
    ---------- --------- ------- - ------- ------- ---------- ---
    631510     04-NOV-06 8       A 1       1       NO         TAG20071104T200829
    631205     04-NOV-06 6       A 1       1       NO         TAG20071104T200432
    
    List of SPFILE Backups
    ======================
    Modification Time BS Key  S #Pieces #Copies Compressed Tag
    ----------------- ------- - ------- ------- ---------- ---
    21-OCT-06         8       A 1       1       NO         TAG20071104T200829
    21-OCT-06         6       A 1       1       NO         TAG20071104T200432
    

    参照:

    LIST出力の様々な列ヘッダーについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 

選択したバックアップおよびコピーの表示

様々な条件を指定して、LIST出力を制限できます。

選択したバックアップおよびコピーを表示する手順
  1. Recovery Managerを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ(使用している場合)に接続します。

  2. listObjListまたはrecordSpec句を指定して、LIST COPYまたはLIST BACKUPを実行します。たとえば、次のいずれかのコマンドを実行します。

    # lists backups of all files in database
    LIST BACKUP OF DATABASE; 
    # lists copy of specified datafile    
    LIST COPY OF DATAFILE 'ora_home/oradata/trgt/system01.dbf'; 
    # lists specified backup set
    LIST BACKUPSET 213; 
    # lists datafile copy
    LIST DATAFILECOPY '/tmp/tools01.dbf';
    
    

    maintQualifierまたはRECOVERABLE句を指定して、検索を制限することもできます。たとえば、次のいずれかのコマンドを実行します。

    # specify a backup set by tag
    LIST BACKUPSET TAG 'weekly_full_db_backup';
    # specify a backup or copy by device type
    LIST COPY OF DATAFILE 'ora_home/oradata/trgt/system01.dbf' DEVICE TYPE sbt;
    # specify a backup by directory or path
    LIST BACKUP LIKE '/tmp/%';
    # specify a backup or copy by a range of completion dates
    LIST COPY OF DATAFILE 2 COMPLETED BETWEEN '10-DEC-2002' AND '17-DEC-2002';
    # specify logs backed up at least twice to tape
    LIST ARCHIVELOG ALL BACKED UP 2 TIMES TO DEVICE TYPE sbt;
    
    
  3. 出力を確認します。

    出力は、LISTコマンドに指定したオプションによって異なります。たとえば、次のコマンドでは、データファイル1のコピーが表示されます。

    RMAN> LIST BACKUP OF DATAFILE 1;
    
    List of Backup Sets
    ===================
    
    BS Key  Type LV Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
    ------- ---- -- ---------- ----------- ------------ ---------------
    2       Full    230M       SBT_TAPE    00:00:49     21-OCT-06
            BP Key: 2   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20071021T094513
            Handle: 02f4eatc_1_1   Media: /smrdir
      List of Datafiles in backup set 2
      File LV Type Ckp SCN    Ckp Time  Name
      ---- -- ---- ---------- --------- ----
      1       Full 175337     21-OCT-06 /oracle/dbs/tbs_01.f
    
    BS Key  Type LV Size       Device Type Elapsed Time Completion Time
    ------- ---- -- ---------- ----------- ------------ ---------------
    5       Full    233M       DISK        00:04:30     04-NOV-06
            BP Key: 5   Status: AVAILABLE  Compressed: NO  Tag: TAG20071104T195949
            Piece Name: /disk1/2007_11_04/o1_mf_nnndf_TAG20071104T195949_ztjxfvgz_.bkp
      List of Datafiles in backup set 5
      File LV Type Ckp SCN    Ckp Time  Name
      ---- -- ---- ---------- --------- ----
      1       Full 631092     04-NOV-06 /oracle/dbs/tbs_01.f
    
    

    参照:

    • listObjListおよびrecordSpec構文については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

    • LIST出力の列については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

     

データベース・インカネーションの表示

データベースに対してOPEN RESETLOGS操作を実行するたびに、新しいデータベース・インカネーションが作成されます。データベース・インカネーションと、それによってデータベース・リカバリが受ける影響については、「データベース・インカネーション」を参照してください。

増分バックアップの実行時、Recovery Managerは、前回のインカネーションまたは現行のインカネーションからのバックアップを、後続の増分バックアップの基礎として使用できます。リストアおよびリカバリの実行時、すべてのアーカイブ・ログが使用可能なかぎり、Recovery Managerは、現行のインカネーションからのバックアップを使用するのと同様に、リストアまたはリカバリ操作で前回のインカネーションからのバックアップを使用できます。

データベース・インカネーションを表示する手順
  1. Recovery Managerを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ(使用している場合)に接続します。

  2. 次の例に示すように、LIST INCARNATIONコマンドを実行します。

    LIST INCARNATION;
    
    

    リカバリ・カタログを使用している場合、および同じカタログに複数のターゲット・データベースを登録している場合は、OF DATABASEオプションを使用して、それらを区別することができます。

    LIST INCARNATION OF DATABASE prod3;
    
    

    LIST出力の様々な列ヘッダーについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。出力例は次のとおりです。

    RMAN> LIST INCARNATION OF DATABASE;
    
    List of Database Incarnations
    DB Key  Inc Key DB Name  DB ID            STATUS  Reset SCN  Reset Time
    ------- ------- -------- ---------------- ------  ---------- ----------
    1       1       RDBMS    774627068        PARENT  1          21-OCT-06
    2       2       RDBMS    774627068        CURRENT 173832     21-OCT-06
    
    

    この出力例では、RESETLOGSが、SCN 164378でデータベースtrgtに対して実行され、新しいインカネーションが作成されたことが示されています。インカネーションは、インカネーション・キー(Inc Key列)で区別されます。

リストア・ポイントの表示

LISTコマンドを使用して、特定のリストア・ポイント、またはRecovery Managerリポジトリで認識されるすべてのリストア・ポイントを表示できます。このコマンドの例を次に示します。

LIST RESTORE POINT restore_point_name;
LIST RESTORE POINT ALL;

Recovery Managerは、リストア・ポイントのSCNおよび時刻、リストア・ポイントのタイプおよびリストア・ポイントの名前を表示します。出力例を次に示します。

RMAN> LIST RESTORE POINT ALL;
 
using target database control file instead of recovery catalog
SCN              RSP Time  Type       Time      Name
---------------- --------- ---------- --------- ----
341859           28-JUL-06            28-JUL-06 NORMAL_RS
343690           28-JUL-06 GUARANTEED 28-JUL-06 GUARANTEED_RS

また、次のようにV$RESTORE_POINTビューを問い合せて、現在定義されているリストア・ポイントのリストを表示することもできます。

SELECT NAME, SCN, TIME, DATABASE_INCARNATION#,
       GUARANTEE_FLASHBACK_DATABASE,STORAGE_SIZE
FROM   V$RESTORE_POINT;

各リストア・ポイントの名前、リストア・ポイントが作成されたSCN、実時間およびデータベース・インカネーション番号、各リストア・ポイントが保証付きリストア・ポイントであるかどうか、およびそのリストア・ポイントに対するフラッシュバック・データベース操作に必要なデータに使用されているリカバリ領域の量を表示できます。

また、次の問合せを使用して、保証付きリストア・ポイントのみを表示することもできます。

SELECT NAME, SCN, TIME, DATABASE_INCARNATION#,
       GUARANTEE_FLASHBACK_DATABASE, STORAGE_SIZE
FROM   V$RESTORE_POINT
WHERE  GUARANTEE_FLASHBACK_DATABASE='YES';

通常のリストア・ポイントの場合、STORAGE_SIZEが0(ゼロ)になります。保証付きリストア・ポイントの場合、STORAGE_SIZEは、フラッシュ・リカバリ領域のディスク領域の容量を示します。この領域は、そのリストア・ポイントに対するFLASHBACK DATABASEを保証するために必要なログの保持に使用されます。

参照:

 

バックアップおよびデータベース・スキーマに関するレポート

Recovery ManagerのREPORTコマンドを使用すると、使用可能なバックアップおよびデータベースが分析されます。この項の内容は、次のとおりです。

Recovery Managerバックアップに関するレポート

REPORTコマンドを使用すると、次の重要な質問に回答することができます。

レポートを使用すると、バックアップおよびリカバリ計画が実際にデータベースのリカバリ可能性の要件を満たしていることを確認できます。データベースがリカバリ可能であるかどうかを判断するために使用するREPORTには、主に次の2つの形式があります。

Recovery Managerリポジトリには、REPORTコマンドを使用してアクセスできる他の情報が含まれています。REPORTオプションの概要は、表10-3を参照してください。

表10-3    REPORTのオプション 
レポートの内容  コマンド  説明 

不要なバックアップ 

REPORT OBSOLETE 

Recovery Managerリポジトリに記録され、不要になったため削除できる全体バックアップ、データファイルのコピーおよびアーカイブREDOログ。 

データベース・スキーマ 

REPORT SCHEMA 

指定した時点のターゲット・データベースに対するすべてのデータファイル(永続的および一時的)および表領域の名前。Data Guard環境でRecovery Managerを使用する場合は、指定したDB_UNIQUE_NAMEのスキーマをレポートできます。 

参照:

REPORTコマンドについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 

保存方針に基づくバックアップが必要なファイルに関するレポート

REPORT NEED BACKUPコマンドを使用して、特定の保存方針に基づくバックアップが必要なデータベース・ファイルを判断します。

引数を指定せずにREPORT NEED BACKUPを実行すると、現行の保存方針でバックアップが必要なオブジェクトがレポートされます。REDUNDANCYが1に設定されている構成済の保存方針の出力は、次の例のようになります。

RMAN> REPORT NEED BACKUP;

RMAN retention policy will be applied to the command
RMAN retention policy is set to redundancy 1
Report of files with less than 1 redundant backups
File #bkps Name
---- ----- -----------------------------------------------------
2    0     /oracle/oradata/trgt/undotbs01.dbf


注意:

CONFIGURE RETENTION POLICY TO NONEを使用して保存方針を無効にしている場合、REPORT NEED BACKUPはエラー・メッセージを戻します。これは、保存方針がないと、Recovery Managerはバックアップする必要のあるファイルを決定できないためです。 


様々な保存方針でのRecovery ManagerのREPORT NEED BACKUPの使用

次のいずれかの形式のコマンドを使用して、REPORT NEED BACKUPに様々な条件を指定できます。

表領域およびデータファイルでのRecovery ManagerのREPORT NEED BACKUPの使用

REPORT NEED BACKUPを使用して、データベース全体の確認、指定された表領域のスキップ、または様々な保存方針に対する特定の表領域またはデータファイルのみの確認を行うことができます。次に例を示します。

REPORT NEED BACKUP RECOVERY WINDOW OF 2 DAYS DATABASE SKIP TABLESPACE TBS_2;
REPORT NEED BACKUP REDUNDANCY 2 DATAFILE 1;
REPORT NEED BACKUP TABLESPACE TBS_3; # uses configured retention policy
REPORT NEED BACKUP INCREMENTAL 2; # checks entire database

参照:

REPORT NEED BACKUPの使用可能なすべてのオプションおよび出力の様々な列ヘッダーについては、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 

テープまたはディスク上のバックアップのみでのREPORT NEED BACKUPの使用

REPORT NEED BACKUPでテストするバックアップをディスクベースまたはテープベースのバックアップのみに制限できます。次に例を示します。

REPORT NEED BACKUP RECOVERY WINDOW OF 2 DAYS DATABASE DEVICE TYPE sbt;
REPORT NEED BACKUP DEVICE TYPE DISK;
REPORT NEED BACKUP TABLESPACE TBS_3 DEVICE TYPE sbt; 

リカバリ不能な操作によって影響を受けるデータファイルに関するレポート

ダイレクト・ロード・インサートなどのリカバリ不能な操作によってデータファイルが変更されている場合、リカバリ不能な操作ではREDOが生成されないため、通常のメディア・リカバリを使用してファイルをリカバリすることはできません。このような操作の後に影響を受けるデータファイルの全体バックアップまたは増分バックアップのいずれかを実行して、リカバリ不能な操作の影響を受けるデータ・ブロックをRecovery Managerを使用してリカバリできるようにする必要があります。

リカバリ不能な操作の影響を受けるデータファイルを識別する手順
  1. Recovery Managerを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ(使用している場合)に接続します。

  2. REPORT UNRECOVERABLEコマンドを実行します。

    出力例を次に示します。

    RMAN> REPORT UNRECOVERABLE;
    
    Report of files that need backup due to unrecoverable operations
    File Type of Backup Required Name
    ---- ----------------------- -----------------------------------
    1    full                    /oracle/oradata/trgt/system01.dbf
    

不要なバックアップに関するレポート

OBSOLETEキーワードを指定すると、不要な(指定した保存方針を満たす必要がない)バックアップ・セット、バックアップ・ピースおよびデータファイルのコピーをレポートできます。

不要なバックアップをレポートする手順
  1. Recovery Managerを起動し、ターゲット・データベースおよびリカバリ・カタログ(使用している場合)に接続します。

  2. CROSSCHECKコマンドを実行して、ディスク上のバックアップのステータスと比較してリポジトリのバックアップのステータスを更新します。

    最も簡単な方法としては、次のいずれかのコマンドを使用して、ディスクまたはテープ(あるいはその両方)上のすべてのバックアップをクロスチェックすることができます。

    CROSSCHECK BACKUP DEVICE TYPE DISK;
    CROSSCHECK BACKUP DEVICE TYPE sbt;
    CROSSCHECK BACKUP; # crosshecks all backups on all devices 
    
    

    実際に使用可能なバックアップ・セットが含まれるようにRecovery Managerリポジトリを更新する方法の詳細は、第11章「Recovery Managerバックアップおよびリポジトリ・レコードのメンテナンス」を参照してください。

  3. REPORT OBSOLETEを実行して、リカバリの必要がなくなったために不要となったバックアップを識別します。

    他のオプションを指定せずにREPORT OBSOLETEを実行すると、現行の保存方針で不要とみなされるバックアップが表示されます。次に例を示します。

    RMAN> REPORT OBSOLETE;
    
    Datafile Copy        44     08-FEB-06          /backup/ora_df549738566_s70_s1
    Datafile Copy        45     08-FEB-06          /backup/ora_df549738567_s71_s1
    Datafile Copy        46     08-FEB-06          /backup/ora_df549738568_s72_s1
    Backup Set           26     08-FEB-06
      Backup Piece       26     08-FEB-06          /backup/ora_df549738682_s76_s1
    .
    .
    .
    
    

    RECOVERY WINDOWおよびREDUNDANCYオプションを指定してREPORT OBSOLETEを使用することによって、様々なリカバリ期間ベースまたは冗長性ベースの保存方針に基づいて不要とみなされるバックアップを確認できます。次に例を示します。

    REPORT OBSOLETE RECOVERY WINDOW OF 3 DAYS;
    REPORT OBSOLETE REDUNDANCY 1;
    

    参照:

     

データベース・スキーマに関するレポート

REPORT SCHEMAコマンドを実行すると、データベース・ファイル、表領域などに関する情報が表示されます。REPORT SCHEMAの出力については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

FOR DB_UNIQUE_NAMEREPORT SCHEMAとともに指定しない場合、リカバリ・カタログ接続は任意ですが、ターゲット・データベース接続は必須です。Data Guard環境では、REPORT SCHEMA FOR DB_UNIQUE_NAMEを指定して環境内のデータベースのスキーマをレポートできます。この場合、Recovery Managerをターゲット・データベースに接続する必要はありません。かわりに、Recovery Managerをリカバリ・カタログに接続し、DBIDを設定できます。

データベース・スキーマに関してレポートする手順
  1. Recovery Managerを起動し、対象となるデータベースに接続します。

  2. 前の手順でRecovery Managerをターゲット・データベースに接続しておらず、REPORT SCHEMAFOR DB_UNIQUE_NAME句を指定する場合は、データベースDBIDを設定します。たとえば、次のコマンドを入力します。

    RMAN> SET DBID 28014364;
    
    
  3. 次の例に示すように、REPORT SCHEMAコマンドを実行します。

    RMAN> REPORT SCHEMA;
     
    Report of database schema for database with db_unique_name DGRDBMS
     
    List of Permanent Datafiles
    ===========================
    File Size(MB) Tablespace           RB segs Datafile Name
    ---- -------- -------------------- ------- ------------------------
    1    450      SYSTEM               YES     /disk1/oracle/dbs/t_db1.f
    2    141      SYSAUX               NO      /disk1/oracle/dbs/t_ax1.f
    3    50       UD1                  YES     /disk1/oracle/dbs/t_undo1.f
    4    50       TBS_11               NO      /disk1/oracle/dbs/tbs_111.f
    5    50       TBS_11               NO      /disk1/oracle/dbs/tbs_112.f
     
    List of Temporary Files
    =======================
    File Size(MB) Tablespace           Maxsize(MB) Tempfile Name
    ---- -------- -------------------- ----------- --------------------
    1    40       TEMP                 32767       /disk1/oracle/dbs/t_tmp1.f
    
    

    リカバリ・カタログを使用すると、atClauseを使用して、過去の時刻、SCNまたはログ順序番号を指定できます。次に例を示します。

    RMAN> REPORT SCHEMA AT TIME 'SYSDATE-14';     # schema 14 days ago
    RMAN> REPORT SCHEMA AT SCN 1000;              # schema at scn 1000
    RMAN> REPORT SCHEMA AT SEQUENCE 100 THREAD 1; # schema at sequence 100
    RMAN> REPORT SCHEMA FOR DB_UNIQUE_NAME standby1; # schema for database standby1
    

V$ビューを使用したバックアップ・メタデータの問合せ

LISTおよびREPORTコマンドでは表示できない情報がV$ビューに表示される場合があります。この項では、V$ビューが特に役立つ場合について説明します。

過去および現行のRecovery Managerジョブの詳細の問合せ

Recovery Managerジョブは、Recovery Managerセッション内で実行されるコマンドのセットです。したがって、1つのRecovery Managerジョブに複数のコマンドを含めることができます。たとえば、2つの別々のコマンドBACKUPおよびRECOVER COPYを、1つのセッションで実行できます。Recovery Managerバックアップ・ジョブは、1つのRecovery Managerジョブで実行されるBACKUPコマンドのセットです。たとえば、同じRecovery Managerジョブで実行されるBACKUP DATABASEおよびBACKUP ARCHIVELOG ALLコマンドで、1つのRecovery Managerバックアップ・ジョブが構成されます。

V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSV$RMAN_BACKUP_SUBJOB_DETAILSの各ビューおよびこれらに対応するリカバリ・カタログのバージョンによって、Recovery Managerバックアップ・ジョブの詳細が提供されます。たとえば、これらのビューには、バックアップにかかった時間、発行されたバックアップ・ジョブの数、各バックアップ・ジョブのステータス(失敗したか完了したかなど)、ジョブの開始日時と終了日時、および実行されたバックアップのタイプが表示されます。SESSION_KEY列は、バックアップ・ジョブが発生したRecovery Managerセッションの一意のキーです。

多くの場合、Recovery Managerによるバックアップでは、書込みを読取りほど行いません。Recovery Manager圧縮のため、OUTPUT_BYTES_PER_SEC列をバックアップ速度の測定には使用できません。バックアップ速度の測定に適した列はINPUT_BYTES_PER_SECです。読取りデータと書込みデータの比率はCOMPRESSION_RATIO列に示されます。

過去および現行のRecovery Managerジョブの詳細を問い合せる手順
  1. 問い合せるバックアップ履歴を持つデータベースにSQL*Plusを接続します。

  2. バックアップのタイプ、ステータスおよび開始日時と終了日時についての情報を表示するためにV$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSビューを問い合せます。

    次の問合せによって、バックアップ・ジョブの履歴が、Recovery Managerセッションの主キーであるセッション・キーの順序で表示されます。

    COL STATUS FORMAT a9
    COL hrs    FORMAT 999.99
    SELECT SESSION_KEY, INPUT_TYPE, STATUS,
           TO_CHAR(START_TIME,'mm/dd/yy hh24:mi') start_time,
           TO_CHAR(END_TIME,'mm/dd/yy hh24:mi')   end_time,
           ELAPSED_SECONDS/3600                   hrs
    FROM V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILS
    ORDER BY SESSION_KEY;
    
    

    次に、バックアップ・ジョブの履歴の出力例を示します。

    SESSION_KEY INPUT_TYPE    STATUS    START_TIME     END_TIME           HRS
    ----------- ------------- --------- -------------- -------------- -------
              9 DATAFILE FULL COMPLETED 04/18/07 18:14 04/18/07 18:15     .02
             16 DB FULL       COMPLETED 04/18/07 18:20 04/18/07 18:22     .03
            113 ARCHIVELOG    COMPLETED 04/23/07 16:04 04/23/07 16:05     .01
    
    
  3. Recovery Managerセッションのバックアップ・ジョブの割合を表示するためにV$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSビューを問い合せます。

    次の問合せによって、バックアップ・ジョブの速度が、Recovery Managerセッションの主キーであるセッション・キーの順序で表示されます。列in_secおよびout_secに、1秒当たりのデータの入力と出力が表示されます。

    COL in_sec FORMAT a10
    COL out_sec FORMAT a10
    COL TIME_TAKEN_DISPLAY FORMAT a10
    SELECT SESSION_KEY, 
           OPTIMIZED, 
           COMPRESSION_RATIO, 
           INPUT_BYTES_PER_SEC_DISPLAY in_sec,
           OUTPUT_BYTES_PER_SEC_DISPLAY out_sec, 
           TIME_TAKEN_DISPLAY
    FROM   V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILS
    ORDER BY SESSION_KEY;
    
    

    次に、バックアップ・ジョブの速度の出力例を示します。

    SESSION_KEY OPT COMPRESSION_RATIO IN_SEC     OUT_SEC    TIME_TAKEN
    ----------- --- ----------------- ---------- ---------- ----------
              9 NO                  1     8.24M      8.24M  00:01:14
             16 NO         1.32732239     6.77M      5.10M  00:01:45
            113 NO                  1     2.99M      2.99M  00:00:44
    
    
  4. Recovery Managerセッションのバックアップのサイズを表示するためにV$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSビューを問い合せます。

    BACKUP DATABASEを実行すると、V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILS.OUTPUT_BYTESによって、バックアップ中のデータベースのバックアップ・ジョブによって書き込まれるバックアップ・セットの合計サイズが表示されます。登録されているすべてのデータベースのバックアップ・セットのサイズを表示するには、RC_RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSを問い合せます。

    次の問合せによって、バックアップ・ジョブのサイズが、Recovery Managerセッションの主キーであるセッション・キーの順序で表示されます。列in_secおよびout_secに、1秒当たりのデータの入力と出力が表示されます。

    COL in_size  FORMAT a10
    COL out_size FORMAT a10
    SELECT SESSION_KEY, 
           INPUT_TYPE,
           COMPRESSION_RATIO, 
           INPUT_BYTES_DISPLAY in_size,
           OUTPUT_BYTES_DISPLAY out_size
    FROM   V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILS
    ORDER BY SESSION_KEY;
    
    

    次に、バックアップ・ジョブのサイズの出力例を示します。

    SESSION_KEY INPUT_TYPE    COMPRESSION_RATIO IN_SIZE    OUT_SIZE
    ----------- ------------- ----------------- ---------- ----------
             10 DATAFILE FULL                 1   602.50M    602.58M
             17 DB FULL              1.13736669   634.80M    558.13M
    

    参照:

    V$RMAN_BACKUP_JOB_DETAILSビューについては、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 

バックアップ・ピースの暗号化ステータスの確認

V$BACKUP_PIECEおよびRC_BACKUP_PIECEENCRYPTED列は、バックアップ・ピースが暗号化されているか(YES)、暗号化されていないか(NO)を示します。たとえば、SQL*Plusで次の問合せを実行すると、暗号化されているバックアップ・ピースを確認できます。

COL BS_REC    FORMAT 99999
COL BP_REC    FORMAT 99999
COL MB        FORMAT 9999999
COL ENCRYPTED FORMAT A7
COL TAG       FORMAT A25

SELECT S.RECID AS "BS_REC", P.RECID AS "BP_REC", P.ENCRYPTED, 
       P.TAG, P.HANDLE AS "MEDIA_HANDLE"
FROM   V$BACKUP_PIECE P, V$BACKUP_SET S
WHERE  P.SET_STAMP = S.SET_STAMP
AND    P.SET_COUNT = S.SET_COUNT;

次に、バックアップが暗号化されていることを示す出力例を示します。

BS_REC BP_REC ENCRYPT TAG
------ ------ ------- -------------------------
MEDIA_HANDLE
--------------------------------------------------------------------------------
     1      1 YES     TAG20070711T140124
/disk1/c-39525561-20070711-00
 
     2      2 YES     TAG20070711T140128
/disk1/c-39525561-20070711-01
 
     3      3 YES     TAG20070711T140130
/disk1/c-39525561-20070711-02

参照:

V$BACKUP_PIECEビューについては、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 

リカバリ・カタログ・ビューの問合せ

LISTREPORTおよびSHOWコマンドを使用すると、制御ファイルおよびリカバリ・カタログ内のデータに簡単にアクセスできます。また、リカバリ・カタログ・ビューから有効な情報を取得できる場合もあります。リカバリ・カタログ・ビューとは、リカバリ・カタログ・スキーマ内に存在するRC_接頭辞が付いたビューのことです。

リカバリ・カタログ・ビュー

Recovery Managerは、ターゲット・データベースの制御ファイルからバックアップおよびリカバリのメタデータを取得し、リカバリ・カタログの表に格納します。リカバリ・カタログ・ビューは、これらの表から導出されます。リカバリ・カタログ・ビューは、ユーザーによる問合せに対して正規化または最適化されていません。

通常、リカバリ・カタログ・ビューは、Recovery Managerのレポート・コマンドほど簡単に使用できません。たとえば、Recovery Managerを起動してターゲット・データベースに接続した場合、LISTREPORTおよびSHOWコマンドを発行するのみでこのターゲット・データベースの情報を取得できます。同じリカバリ・カタログに10個の異なるターゲット・データベースを登録している場合、カタログ・ビューの問合せによって、10個すべてのデータベースのすべてのインカネーションのメタデータが表示されます。多くの場合、ビュー間で複雑な選択および結合を実行して、データベース・インカネーションに関する使用可能な情報を抽出する必要があります。

ほとんどのカタログ・ビューには、対応するV$がデータベース内に存在します。たとえば、RC_BACKUP_PIECEV$BACKUP_PIECEに対応しています。リカバリ・カタログ・ビューと対応するV$ビューとの主な違いとしては、各リカバリ・カタログ・ビューにはリカバリ・カタログに登録されているすべてのターゲット・データベースに関するメタデータが含まれていることがあげられます。V$には、ビュー自体の情報のみが含まれています。

参照:

リカバリ・カタログ・ビューの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。 

登録されているデータベースの一意の識別子

ほとんどのリカバリ・カタログ・ビューには、列DB_KEYおよびDBINC_KEYが含まれています。リカバリ・カタログに登録されている各データベースは、主キー(DB_KEY列値)またはDBID(32ビットの一意のデータベース識別子)のいずれかによって一意に識別できます。データベースの各インカネーションは、DBINC_KEY列によって一意に識別されます。

DB_KEYおよびDBINC_KEYを使用すると、ターゲット・データベースの特定のインカネーションのレコードを取得できます。その後、他のほとんどのカタログ・ビューとの結合を実行して、このインカネーションに属するレコードを分離できます。

カタログ・ビューとV$ビューとの主な違いとしては、バックアップ・ファイルおよびリカバリ・ファイルに使用される一意の識別子の形式が異なることがあげられます。たとえば、V$ARCHIVED_LOGなどの多くのV$ビューでは、RECID列およびSTAMP列によって連結主キーが構成されます。対応するリカバリ・カタログ・ビューでは、導出された値が主キーとして使用され、この値は単一の列に格納されます。たとえば、RC_ARCHIVED_LOGの主キーはAL_KEY列です。AL_KEYの列値は、LISTコマンドの出力に表示される主キーです。

Data Guard環境の一意の識別子

Data Guard環境でリカバリ・カタログを問い合せる場合は、特別な考慮事項が適用されます。Data Guard環境では、複数のデータベースで同じDBIDが共有されます。複数のビューに、(レコードが含まれているデータベース・インカネーションのDB_UNIQUE_NAMEを示す)DB_UNIQUE_NAME列が含まれています。Data Guard環境のすべてのデータベースで同じDBIDが共有されますが、DB_UNIQUE_NAMEの値は異なります。

データベース名がカタログで認識されない場合は、リカバリ・カタログに登録されているOracle9i データベースの場合と同様に、DB_UNIQUE_NAMEの値はnullになります。また、データベースをOracle Database 11g にアップグレードしたにもかかわらず、リカバリ・カタログのスキーマとすべてのファイルのデータベース名が一致していない場合も、列値はnullになります。

リカバリ・カタログ・ビューでは、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースは同じDB_KEYを共有します。ただし、Data Guard環境のすべてのデータベースに、一意のRC_SITE.SITE_KEY値があります。たとえば、プライマリ・データベースprodおよびスタンバイ・データベースstandby1の両方に値が1のDB_KEYがある場合がありますが、prodSITE_KEYは3で、standby1SITE_KEYは30です。

一部のリカバリ・カタログ・ビューには、DB_UNIQUE_NAME列はありませんが、SITE_KEY列はあります。SITE_KEY列を使用してRC_SITE.SITE_KEYと結合し、ファイルに関連付けられているデータベースのDB_UNIQUE_NAMEを決定できます。「Data Guard環境でのRecovery Managerによるファイル管理」で説明されているように、Data Guard環境では、すべてのファイルがそのファイルを作成したプライマリ・データベースまたはスタンバイ・データベースに関連付けられています。

参照:

Data Guard環境でのファイルのレポート方法および管理方法については、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。 

カタログ・ビューへのターゲットDB_KEY値またはDBID値の問合せ

DB_KEY値は、登録されているデータベースの主キーであり、リカバリ・カタログでのみ使用されます。DB_KEYを取得する最も簡単な方法は、ターゲット・データベースのDBIDを使用する方法です。このDBIDは、Recovery ManagerをTARGETとしてデータベースに接続するたびに表示されます。DBIDによって、Recovery Managerのリカバリ・カタログ内に登録されているデータベースが識別されます。

リカバリ・カタログに登録されているいずれかのデータベースに関する情報を取得するとします。

データベースの現行のインカネーションに関する情報をカタログに問い合せる手順
  1. レコードを表示するデータベースのDBIDを確認します。

    DBIDは、Recovery Managerをデータベースに接続したときに表示される出力を参照するか、V$RMAN_OUTPUTを問い合せるか、またはV$DATABASEビューを問い合せることによって取得できます。次の例では、SQL*Plusを目的のデータベースに接続してDBIDを問い合せます。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    SQL> SELECT DBID 
      2  FROM   V$DATABASE;
    
    DBID
    ---------
    598368217
    
    
  2. SQL*Plusを起動し、リカバリ・カタログの所有者としてリカバリ・カタログ・データベースに接続します。

  3. 手順1で取得したDBIDを持つデータベースの、データベース・キーを取得します。

    その後、次の問合せを実行して、データベースのDB_KEYを取得することができます。ここで、dbid_of_targetは、手順1で取得したDBIDです。

    SELECT DB_KEY 
    FROM   RC_DATABASE 
    WHERE  DBID = dbid_of_target;
    
    
  4. 手順1でDBIDを取得したデータベースの現行のインカネーションのレコードを問い合せます。

    ターゲット・データベースの現行のインカネーションに関する情報を取得するには、ターゲット・データベースのDB_KEY値を指定し、RC_DATABASE_INCARNATIONとの結合を実行します。WHERE条件を使用して、CURRENT_INCARNATION列値がYESである条件を指定します。たとえば、DB_KEY値を1に指定して、ターゲット・データベースの現行のインカネーションに設定されたバックアップ・セットに関する情報を取得するには、次の問合せを実行します。

    SELECT BS_KEY, BACKUP_TYPE, COMPLETION_TIME
    FROM   RC_DATABASE_INCARNATION i, RC_BACKUP_SET b
    WHERE  i.DB_KEY = 1
    AND    i.DB_KEY = b.DB_KEY
    AND    i.CURRENT_INCARNATION = 'YES';
    

    参照:

     

RC_BACKUP_FILESの問合せ

ビューRC_BACKUP_FILESに対しては、リカバリ・カタログに登録されているデータベースのすべてのバックアップに関する情報を問い合せることができます。ただし、RC_BACKUP_FILESを問い合せる前に、DBMS_RCVMAN.SETDATABASEをコールする必要があります。次の例に示すように、リカバリ・カタログに登録されているいずれかのデータベースのDBIDを指定します。

SQL> CALL DBMS_RCVMAN.SETDATABASE(null,null,null,2283997583);

4番目のパラメータは、リカバリ・カタログに登録されているデータベースのDBIDにする必要があります。その他のパラメータは、すべてNULLにする必要があります。

参照:

  • RC_BACKUP_FILESビューの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』を参照してください。

  • データベースのDBIDを確認する方法については、「データベースのDBIDの確認」を参照してください。

 


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