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Oracle Application Server パフォーマンス・ガイド
10gリリース3(10.1.3.1.0)

B31836-02
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A 組込みパフォーマンス・ツールを使用した監視

この付録には、次の項が含まれています。

A.1 Oracle Application Serverの組込みパフォーマンス・メトリックの要約

パフォーマンスの監視には、Application Server Controlコンソールの「パフォーマンス」サブタブを使用するか、「管理」サブタブの「JMX」領域からシステムMBeanブラウザを使用できます。または、Oracle Application Serverの組込みパフォーマンス・メトリックを表示します。

この付録では、Oracle Application Server AggreSpyサーブレットまたはdmstoolコマンドを使用した、組込みパフォーマンス・メトリックの参照方法について説明します。

表A-1は、パフォーマンス・メトリックの参照に使用できる組込みツールを要約したものです。

表A-1    Oracle Application Serverの組込み監視コマンド 
コマンド  説明 

AggreSpy 

AggreSpyは、Oracle Application Serverインスタンスのパフォーマンス・メトリックをレポートするパッケージ済のサーブレットです。AggreSpyを実行できるのは、OC4Jのホーム・インスタンスが実行されている場合に限ります。ホームという名前のOC4Jインスタンスは、デフォルトでAggreSpyをサポートしています。

注意: 場合によっては、AggreSpyの使用には、ホーム・インスタンスの起動が必要なことがあります。 

dmstool 

1つのパフォーマンス・メトリック、すべてのパフォーマンス・メトリック、または任意の数のパフォーマンス・メトリックを監視できます。オプションを使用すると、リクエストしたメトリックをレポートするレポート間隔を指定できます。さらに、このコマンドでは、サイト上で使用可能なすべての組込みパフォーマンス・メトリックのリストをテキスト形式のレポートで表示します。dmstoolコマンドは、$ORACLE_HOME/binディレクトリ(UNIXシステムの場合)または%ORACLE_HOME%¥binディレクトリ(Windowsシステムの場合)にあります。 

関連項目

付録C「パフォーマンス・メトリック」 

A.2 基本インストールでのAggreSpyを使用したパフォーマンス・メトリックの表示

AggreSpyサーブレットは、OC4J、Oracle Process Manager and Notification Serverおよびその他のOracle Application Serverコンポーネント・プロセスを含む、Oracle Application Serverプロセスのメトリックを表示します。

A.2.1 AggreSpy表示の使用方法

AggreSpyは、DMS Spiesおよびメトリック表の2つの領域にメトリックを編成します。

DMSメトリック表は、oc4j_servletopmn_processなどの名前で識別されます。AggreSpyでは、メトリック表という用語は、組込みパフォーマンス・メトリックの表名を示します。

パフォーマンス・メトリックには、次のURLからAggreSpyを使用してアクセスできます。

http://host:port/dmsoc4j/AggreSpy

ここで、

hostは、HTTPリスナーを提供するOC4Jのホストを示します。たとえば、tv.us.oracle.comです。

portは、OC4JのHTTPリスナー・ポートを示します。たとえば、8888です。


注意

AggreSpyを実行できるのは、OC4Jのホーム・インスタンスが実行されている場合に限ります。ホームという名前のOC4Jインスタンスは、デフォルトでAggreSpyをサポートしています。 


図A-1に、サンプルのAggreSpyの表示を示します。ここには、2つのフレームが表示されています。1つにはDMS SpiesとDMSメトリック表のリストが表示され、もう1つにはDMS Spiesまたはメトリック表の選択した値が表示されます。

AggreSpyには、次のようなナビゲーションと表示オプションが用意されています。

AggreSpyの起動後は、ブラウザをリフレッシュして組込みメトリック・データを表示する必要があります。AggreSpyを最初に使用する場合、多くのフィールドやDMS Spiesのリストに、現在のメトリック表が完全に含まれていない場合があります。しばらくして表示をリフレッシュすると、データが利用できるようになり、AggreSpyにメトリック表の完全なリストが表示されます。


注意

AggreSpyを使用するには、OC4Jのホーム・インスタンスが実行されている必要があります。

基本インストールでは、ホーム・インスタンスはopmnctl startallコマンドで、またはApplication Server Controlコンソールを使用して「起動」をクリックすることで起動されます。  


図A-1    AggreSpyによるパフォーマンス・メトリックの表示


画像の説明

A.3 WebサーバーでのAggreSpyを使用したパフォーマンス・メトリックの表示

AggreSpyサーブレットは、Oracle HTTP Server、OC4J、Oracle Process Manager and Notification Server、およびその他のOracle Application Serverコンポーネント・プロセスを含む、Oracle Application Serverプロセスのメトリックを表示します。


注意

この項では、AggreSpyによるパフォーマンス・メトリックをOracle HTTP Serverを使用して表示する方法について説明します。Oracle HTTP Serverは、選択した拡張インストールのタイプに基づいてシステムにインストールされます。Oracle HTTP Serverがシステムにインストールされていない場合は、この項で説明するコマンドは機能しません。 


この項には、次の項目が含まれています。

A.3.1 WebサーバーでのAggreSpy表示の使用

AggreSpyは、DMS Spiesおよびメトリック表の2つの領域にメトリックを編成します。

DMSメトリック表は、Oracle HTTP Serverメトリックに対するohs_serverのような名前で識別されます。AggreSpyでは、メトリック表という用語は、組込みパフォーマンス・メトリックの表名を示します。

パフォーマンス・メトリックには、次のURLからAggreSpyを使用してアクセスできます。

http://host:port/dms0/AggreSpy

ここで、

hostは、Oracle HTTP Serverホストを示します。たとえば、tv.us.oracle.comです。

portは、Oracle HTTP Serverのリスナー・ポートを示します。たとえば、7777です。


注意

AggreSpyを実行できるのは、OC4Jのホーム・インスタンスが実行されている場合に限ります。ホームという名前のOC4Jインスタンスは、デフォルトでAggreSpyをサポートしています。OracleAS Infrastructureを使用する場合は、ホーム・インスタンスを起動しないとAggreSpyを使用できません。ホーム・インスタンスはデフォルトでOracleAS Infrastructureとともにインストールされますが、起動はされないためです。 


図A-1に、サンプルのAggreSpyの表示を示します。ここには、2つのフレームが表示されています。1つにはDMS SpiesとDMSメトリック表のリストが表示され、もう1つにはDMS Spiesまたはメトリック表の選択した値が表示されます。

AggreSpyには、次のようなナビゲーションと表示オプションが用意されています。

AggreSpyの起動後は、ブラウザをリフレッシュして組込みメトリック・データを表示する必要があります。AggreSpyを最初に使用する場合、多くのフィールドやDMS Spiesのリストに、現在のメトリック表が完全に含まれていない場合があります。しばらくして表示をリフレッシュすると、データが利用できるようになり、AggreSpyにメトリック表の完全なリストが表示されます。


注意

AggreSpyを使用するには、OC4Jのホーム・インスタンスが実行されている必要があります。ホーム・インスタンスが停止しているときに、http://<host>:<port>:/dms0/AggreSpyからAggreSpyをリクエストすると、HTTP 500内部サーバー・エラーが返されます。

J2EEインストールでは、ホーム・インスタンスはopmnctl startallコマンドで、またはApplication Server Controlコンソールを使用して「起動」をクリックすることで起動されます。  


図A-2    AggreSpyによるパフォーマンス・メトリックの表示


画像の説明

A.3.2 WebサーバーでのAggreSpyのURL(プロキシ・サーバーが設定されている場合)

ブラウザがプロキシ・サーバーを使用するように構成されている場合、ローカルホストのAggreSpyにアクセスするには、ローカルホストでのプロキシの使用を無効化するようにブラウザを構成する必要があります。ローカルホストでのプロキシ・サーバーの使用を無効化する手順は、使用しているブラウザによって異なります。

A.3.3 WebサーバーでのAggreSpyのURLとアクセス制御

デフォルトでは、dms0/AggreSpy URLがリダイレクトされ、このリダイレクト先は保護されます。そして、ローカルホスト(127.0.0.1)からのみ、AggreSpyサーブレットへアクセスできます。

ローカルホスト以外のシステムからメトリックを表示するには、UNIXシステム上では$ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/dms.confファイルを、Windowsシステム上では%ORACLE_HOME%¥Apache¥Apache¥conf¥dms.confファイルを変更して、監視するOracle Application Serverを実行するシステムのDMS構成を変更する必要があります。

例A-1に、dms.confのサンプルのデフォルト構成を示します。この構成では、AggreSpyは、ローカルホスト(127.0.0.1)からメトリックにアクセスするように制限されます。表示されているポート7200は、ご使用のインストールによって異なる場合があります。

例A-1    DMSメトリックへのローカルホスト・アクセスが設定されたサンプルのdms.confファイル

# proxy to DMS AggreSpy
Redirect /dms0/AggreSpy http://localhost:7200/dmsoc4j/AggreSpy
#DMS VirtualHost for access and logging control
Listen 127.0.0.1:7200
OpmnHostPort http://127.0.0.1:7200
<VirtualHost 127.0.0.1:7200>
    ServerName 127.0.0.1

dms.confの構成を変更して、DMSメトリックを提供または表示するホストを指定すると、ローカルホスト以外のシステム上のユーザーが、http://host:port/dms0/AggreSpyからDMSメトリックにアクセスできるようになります。


注意

dms.confを変更すると、セキュリティに影響します。サイトに対するセキュリティの影響を理解している場合のみ、このファイルを変更してください。ローカルホスト以外のシステムにメトリックを公開した場合、重要なOracle Application Server内部のステータスおよびランタイム情報が、他のサイトに表示される可能性があります。 


ローカルホスト(127.0.0.1)以外のシステムからメトリックを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 例A-1に示すローカルホスト127.0.0.1の値を、メトリックを提供するサーバーの名前に変更して、dms.confを変更します。サーバー名はhttpd.confファイルのServerNameディレクティブから取得します(たとえば、tv.us.oracle.comです)。

  2. 例A-2に、ローカルホスト(127.0.0.1)以外のシステムからアクセスできるように設定が更新されたdms.confのサンプルを示します。

    例A-2    DMSメトリックへのリモートホスト・アクセスが設定されたサンプルのdms.confファイル

    # proxy to DMS AggreSpy
    Redirect /dms0/AggreSpy http://tv.us.oracle.com:7200/dmsoc4j/AggreSpy
    #DMS VirtualHost for access and logging control
    Listen tv.us.oracle.com:7200
    OpmnHostPort http://tv.us.oracle.com:7200
    <VirtualHost tv.us.oracle.com:7200>
    ServerName tv.us.oracle.com
    
    
  3. Application Server Controlコンソールまたはopmnctlコマンドを使用して、Oracle HTTP Serverを再起動するか、一度停止してから起動します。次に例を示します。

    %opmnctl restartproc process-type=HTTP_Server
    
    

    または

    %opmnctl stopproc process-type=HTTP_Server
    %opmnctl startproc process-type=HTTP_Server
    
    

    関連項目

    Oracle HTTP Serverのアクセス制御の詳細は、『Oracle Application Serverセキュリティ・ガイド』を参照してください。 

A.3.4 複数のインスタンスでロード・バランシングを行う際のAggreSpyの制限

Oracle Application Serverで複数のインスタンスが実行されている場合、AggreSpyは期待どおりに動作しません。Oracle HTTP Serverのmod_oc4jコンポーネントが、OC4Jに対するリクエストのロードを複数のインスタンス間で分散するとき、AggreSpyは、ローカルホスト(127.0.0.1)ではないシステムの結果をレポートすることがあります。


注意

この場合は、AggreSpyではなく、dmstoolを使用することをお薦めします。 


A.4 dmstoolを使用したパフォーマンス・メトリックの表示

dmstoolコマンドを使用すると、Oracle Application Serverインスタンスの1つのパフォーマンス・メトリック、すべてのパフォーマンス・メトリック、または任意の数のパフォーマンス・メトリックを表示できます。dmstoolコマンドでは、メトリックのレポートをt秒ごとに更新するため、レポートの作成間隔を秒単位で指定するオプションもサポートされています。

たとえば、特定のサーブレット、JSP、EJB、EJBメソッドまたはデータベース接続のパフォーマンスを監視しながら、これらのコンポーネントに関するメトリックの定期的なスナップショットをリクエストすることができます。

組込みパフォーマンス・メトリックの表示に使用するdmstoolの書式は、次のとおりです。

% dmstool [options] metric metric ...

または

% dmstool [options] -list

または

% dmstool [options] -dump

表A-2に、dmstoolのコマンドライン・オプションを示します。表A-2の後のセクションでは、いくつかのパフォーマンス・メトリックに関する使用方法のサンプルを示します。dmstoolコマンドは、$ORACLE_HOME/binディレクトリ(UNIXの場合)または%ORACLE_HOME%¥binディレクトリ(Windowsの場合)にあります。


注意

dmstoolをスクリプト内で、または他の監視ツールと組み合せて使用して、パフォーマンス・データの収集やアプリケーション・パフォーマンスのチェックを行ったり、パフォーマンス・メトリックの値に基づいてシステムの修正ツールを作成することができます。 


関連項目

「すべてのメトリック名をリストするためのdmstoolの使用方法」

DMSメトリックのリストとその説明は、付録C「パフォーマンス・メトリック」を参照してください。 

A.4.1 dmstoolのアクセス制御

デフォルトでは、dmstoolをローカルホスト(127.0.0.1)から実行している場合のみ、メトリックが表示されます。リモートホストで実行されているOracle Application Serverからメトリックを表示する場合、ローカルホストで-aオプションを使用してdmstoolを実行し、リモートOracle Application Serverインスタンスのdms.confファイルを更新する必要があります。このファイルは、$ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/ディレクトリ(UNIXの場合)または%ORACLE_HOME%¥Apache¥Apache¥conf¥ディレクトリ(Windowsの場合)にあります。

dmstoolを使用したメトリックへのアクセス制御に必要な構成の変更は、dms0/AggreSpyへのアクセスの場合と同様です。

関連項目

「WebサーバーでのAggreSpyのURLとアクセス制御」 

表A-2    dmstoolのコマンドライン・オプション 
オプション  説明 

-a[ddress] opmn:// host[:port

デフォルトでは、-aオプションがない場合、dmstoolは、同じ$ORACLE_HOMEを持つOracle Application Serverインスタンスからメトリックを取得します。dmstoolがOracle Process Manager and Notification Server(OPMN)と同じ$ORACLE_HOMEで実行されている場合、-aオプションは必要ありません。

左記のようにopmn://接頭辞と引数を使用して-aを指定すると、DMSメトリックを作成するOPMN制御下にあるOracle Application Serverプロセスを監視できます(たとえば、OPMNにより制御される一部のプロセス、Oracle Web CacheではDMSメトリックは公開されていません)。

ここで、

hostは、OPMNプロセスが稼動しているホストのドメイン名またはIPアドレスです。

portには、メトリックを提供するOPMNリクエストのポートを指定します。このリクエスト・ポートは、$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xmlで指定します。

たとえば、次のように、opmn.xmlでリクエスト・ポート(request="6003")を指定します。

<notification-server>
<port local="6100" remote="6200" request="6003"/>
.
.
</notification-server>

dmstool -aを使用してリモート・システムからメトリックをリクエストする場合、システムがメトリックを提供するように構成されている必要があります(デフォルトでは、ローカルホストからDMSメトリックにアクセスできます)。

関連項目: 「WebサーバーでのAggreSpyのURLとアクセス制御」 

-c[ount] num 

メトリックを監視する際に、値を取得する回数を指定します。指定しない場合、dmstoolは、プロセスが停止されるまでメトリック値を取得し続けます。

-countオプションは、-listオプションとともに使用できません。 

-dump [format=xml] 

-dumpオプションを使用してdmstoolを実行すると、使用可能なすべてのメトリックが標準出力にレポートされます。-dumpオプションを使用したコマンドを15〜20分などの間隔で定期的に実行して、Oracle Application Serverサーバーのパフォーマンス・データを取得し、記録を保存しておくことをお薦めします。

-dumpオプションでは、format=xml問合せもサポートしています。この問合せをコマンドラインの最後で使用すると、XML形式でメトリックが出力されます。 

-help 

dmstoolのコマンドライン・オプションをリストします。 

-i[nterval] secs 

メトリックを取得してから、次に取得するまで待機する秒数を指定します。デフォルトは5秒です。interval引数は、-listオプションとともに使用できません。指定する時間間隔は近似値になります。

注意: システムの負荷が高い場合、-intervalオプションを使用して指定した間隔が実際の間隔と異なることがあります。 

-l[ist] [-table]  

使用可能なすべてのメトリックのリストを生成します。-listオプションを-tableオプションとともに使用して、すべてのメトリック表の名前をリスト表示します。

-listオプションを使用してdmstoolを実行すると、コマンドラインで指定しているメトリック名は無効になります。 

-reset [-table metric_table] 

指定したメトリックをリセットします。-tableオプションを使用して実行すると、指定したメトリック表にあるすべてのメトリックがリセットされます。

EventおよびphaseEventメトリックは0にリセットされます(更新されなかったことになる)。Stateメトリックは現在の値にリセットされます(現在の値で開始されたことになる)。

注意: resetオプションを使用すると、Application Server Controlコンソールが値の計算とレポートに使用する情報がリセットされる場合があります。 

-table metric_table 

metric_tableで指定した名前のメトリック表にある、すべてのパフォーマンス・メトリックを含みます。

メトリック表の名前のリストは、付録C「パフォーマンス・メトリック」を参照するか、AggreSpyを実行してください。 

A.4.2 すべてのメトリック名をリストするためのdmstoolの使用方法

Oracle Application Serverの各パフォーマンス・メトリックには一意の名前があります。-listオプションを使用してdmstoolを実行すると、すべてのメトリック名のリストが作成されます。-listによる出力には、1つのメトリックまたは複数のメトリックの監視をリクエストするときに、dmstoolで使用可能なメトリック名が含まれています。

次のコマンドを使用すると、dmstoolでは、サーバーで取得可能なすべてのメトリックのリストを表示します。

% dmstool -list

このコマンドにより、取得可能なメトリックのリストが表示されます。

関連項目

付録C「パフォーマンス・メトリック」 

A.4.3 特定のパフォーマンス・メトリックの値をレポートするためのdmstoolの使用方法

1つのメトリックまたは複数のメトリックを監視するには、コマンドラインでメトリック名を指定してdmstoolを使用します。たとえば、JVMの稼動時間を監視するには次の手順を実行します。

  1. -listオプションを使用し、dmstoolを次のように実行して、JVMのアップタイムを示すメトリック名を検出します。

    % dmstool -list | grep JVM/upTime.value
    /system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value
    
    
  2. 次のように、引数としてこのメトリックの完全なパス名を指定して、dmstoolを実行し、メトリックの値を表示します。

    % dmstool /system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value
      Wed Dec 21 15:37:08 PST 2005
    /system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value   159312  msecs
    
    

dmstoolを使用して、更新されたメトリックを表示します。デフォルトの繰返し間隔は5秒なので、次のコマンドでは5秒ごとに更新されたメトリック値が表示されます。-countオプションを使用して、dmstoolで値をレポートする回数を制限します。

次に例を示します。

% dmstool /system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value -count 2
Wed Dec 21 15:39:38 PST 2005
/system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value   310031  msecs
Wed Dec 21 15:39:43 PST 2005
/system1/OC4J:12502:6100/JVM/upTime.value   314516  msecs


注意

場合によっては、メトリック名のフルパスにスペースが含まれることがあります。パスにスペースが含まれる場合は、シェルがそのメトリック名を1つの引数としてdmstoolに渡せるように、dmstoolコマンドラインでパスを引用符で囲む必要があります。 


A.4.4 IntervalおよびCountオプションを使用したdmstoolの実行

アプリケーションで完了したリクエストを1分間隔で監視するには、次のdmstoolコマンドを使用して、コマンドラインでメトリック名を指定します。

% dmstool -i 60 -c 120 ¥ 
/system1/OC4J:3301:6003/oc4j/default/WEBs/processRequest.completed

このコマンドでは、コマンドラインでリストしたメトリックの出力が120回レポートされ、同時に60秒間隔でデータが収集されます。

Tue Oct 12 14:43:43 PDT 2004
/system1/OC4J:3301:6003/oc4j/default/WEBs/processRequest.completed    8576 ops

Tue Oct 12 14:44:43 PDT 2004
/system1/OC4J:3301:6003/oc4j/default/WEBs/processRequest.completed    8581 ops

Tue Oct 12 14:45:43 PDT 2004
/system1/OC4J:3301:6003/oc4j/default/WEBs/processRequest.completed    8588 ops
.
.
.

A.4.5 すべてのメトリックとそのメトリック値をレポートするためのdmstoolの使用方法

-dumpオプションを使用してdmstoolを実行すると、Oracle Application Serverインスタンスからすべてのメトリックが標準出力に表示されます。

次のコマンドは使用可能なすべてのメトリックを表示します。

% dmstool -dump

-dumpオプションを使用してdmstoolコマンドを15〜20分などの間隔で定期的に実行して、パフォーマンス・データを取得し、記録を保存しておくことをお薦めします。一定の期間にわたってパフォーマンス・データを保存しておけば、パフォーマンス改善のためにシステムの動作を分析したり、問題が発生した場合に役立てることができます。

A.4.6 すべてのメトリックとそのメトリック値をXML形式でレポートするためのdmstoolの使用方法

メトリック・データを処理する必要がある場合、dmstoolコマンドラインでformat=xml問合せを使用して、すべてのメトリック・データをXML形式でレポートします。

次のコマンドは、使用可能なすべてのメトリックをXML形式で表示します。

% dmstool -dump format=xml

A.4.7 メトリック値をリセットするためのdmstoolの使用方法

メトリック値をリセットする場合は、dmstoolコマンドラインでresetオプションを使用して、複数のメトリックの値、または指定されたメトリック表のすべてのメトリックの値をリセットします。

resetオプションを使用すると、EventおよびphaseEventメトリックは0にリセットされます(更新されなかったことになる)。Stateメトリックは現在の値にリセットされます(現在の値で開始されたことになる)。

次のコマンドは、指定したメトリックをリセットします。

% dmstool -reset /system1/OC4J:3000:6004/JVM/upTime.value

次のコマンドは、指定したメトリック表をリセットします。

% dmstool -reset /system1/OC4J:3000:6004/JVM/upTime.value


注意

resetオプションによって、Application Server Controlコンソールが値の計算とレポートに使用する情報がリセットされる場合があります。 


A.4.8 リモートにあるOracle Application Serverシステムのメトリックを表示するためのdmstoolの使用方法

-aオプションを使用してdmstoolを実行すると、リモートにあるOracle Application Serverインスタンスからメトリックがレポートされます。


注意

Oracle Application Serverでは、デフォルトで、dmstoolはローカルホストからのみメトリックにアクセスできます。ローカルホスト以外のシステムからのアクセスをサポートするには、dms.confを編集する必要があります。DMSのアクセス制御の詳細は、「WebサーバーでのAggreSpyのURLとアクセス制御」を参照してください。 


次のコマンドにより、-aオプションで指定したように、Oracle Application Serverインスタンスで取得可能なすべてのメトリックおよびメトリック値が表示されます。

% dmstool -a opmn://system1:6003 -list

dmstoolの-aオプションを使用する場合、接頭辞opmn://とともに引数を指定し、メトリックを取得するホスト名とOPMNリクエストのポート番号も含めます。ポートは、Oracle Application Serverのメトリックを提供するOPMNリクエスト・ポートを指定します。これは、$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml(UNIXの場合)および%ORACLE_HOME%¥opmn¥conf¥opmn.xml(Windowsの場合)内の<notification-server>要素のrequest属性で指定します。

関連項目

「WebサーバーでのAggreSpyのURLとアクセス制御」 

A.5 AggreSpyを使用したパフォーマンス・メトリックの表示(スタンドアロンOC4Jの場合)

Oracle Application Serverを使用せずに、スタンドアロン・モードでOC4Jを使用している場合は、AggreSpyサーブレットを使用してOC4Jメトリックにアクセスできます。

OC4Jをスタンドアロンで実行している場合、次のURLからAggreSpyを使用してパフォーマンス・メトリックにアクセスします。

http://myhost:myport/dms0/AggreSpy


注意

AggreSpyを実行できるのは、OC4Jがこれをサポートするように構成されており、OC4Jが実行中の場合に限られます。デフォルトでは、OC4JはAggreSpyをサポートしています。 


表A-3に、スタンドアロン・モードのOC4Jにのみ適用するdmstoolオプションを示します。さらに、表A-2に示されるオプションも、dmstoolに適用されます(ただし、opmn://接頭辞を持つ-aオプションを除く)。

表A-3    dmstoolコマンドライン・オプション(スタンドアロンOC4Jのみ) 
オプション  説明 

-a[ddress] host[:port][path],... 

スタンドアロンOC4Jシステムでは、-aオプションを使用します。これはhttp://プロトコルを指定します。次のようになります。

hostは、Oracle HTTP Serverが稼動しているホストのドメイン名またはIPアドレスです。portは、関連するポートを指定します。 

A.6 Windowsシステムにおける組込みパフォーマンス・メトリックの使用方法

WindowsシステムでOracle Application Serverを使用する場合、特定のDMSメトリックを表示するには統計の収集を有効にする必要があります。0以外の値が予測されるときにDMSメトリックが0をレポートした場合、システムで統計の収集が無効になっていることがあります。統計の収集が無効になっているWindowsシステムで統計の収集を有効にするには、次のレジストリ・エントリの値を0に設定します。

HKEY_LOCAL MACHINE¥SYSTEM¥CurrentControlSet¥Services¥PerfProc¥Performance¥Disable 
Performance Counters


注意

レジストリの編集に誤りがあると、システムに深刻な問題が発生する場合があります。レジストリを変更する前に、コンピュータの重要なデータをバックアップしておいてください。 



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