この章では、Microsoft Word XMLファイルが添付された電子メール・メッセージを送信するBPELプロセスと相互運用できるスマート・ドキュメントの作成方法を説明します。
内容は次のとおりです。
スマート・ドキュメントを使用すると、ブラウザとMicrosoft Officeアプリケーションを切り替えなくても、Microsoft Officeアプリケーションからセルフサービス・タスクを実行できます。スマート・ドキュメントは、データの自動入力が可能なので、フォームへのデータの入力やテンプレートを使用した作業が容易です。また、スマート・ドキュメントは、外部データに自動的にアクセスしてドキュメント内の適切な場所にそのデータを挿入したり、ドキュメントの準備においてコンテキスト・ヘルプを提供してユーザーを支援したりすることもできます。詳細は、2.2.1項「スマート・ドキュメント」を参照してください。
Oracle BPEL Process Managerは、BPELビジネス・プロセスの設計、デプロイ、および管理のためのユーザー・フレンドリで信頼性の高いソリューションを提供します。組込み統合サービスにより、XSLTおよびXQuery変換と、J2EE Connector Architecture(JCA)アダプタおよびネイティブ・プロトコルによるレガシー・システムへのバインドをサポートする標準BPELプロセスの高度な接続性および変換機能を使用できます。ユーザー・タスク・サービスは、組込みBPELサービスとして提供されます。これにより、BPELワークフローに参加できます。詳細は、http://www.oracle.com/technology/bpel
を参照してください。
この章で説明する手順を実行するには、次のソフトウェアがインストールされている必要があります。
Oracle BPEL Process Manager 10gリリース2(10.1.2.0.2)。
Microsoft Office 2003 Professional。
注意: Microsoft Officeをインストールする前に.NET Frameworkをインストールする必要があります。すでにMicrosoft Officeをインストール済の場合は、必ず、http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/dno2k3ta/html/OfficePrimaryInteropAssembliesFAQ.asp にある『Installing and Using the Office 2003 Primary Interop Assemblies』という記事の「Getting the Office 2003 PIAs When Installing .NET Framework 1.1 After Installing Office 2003」という項を参照してください。 |
.NET Frameworkおよびソフトウェア開発キット(バージョン1.1以上)。
このソフトウェアのダウンロードの詳細は、1.3.3項「Microsoftのソフトウェア開発キット、ユーティリティおよびリファレンス」を参照してください。
Microsoft Office WordprocessingML Transform Inference Tool(wml2xslt.exe)。
このソフトウェアのダウンロードの詳細は、1.3.3項「Microsoftのソフトウェア開発キット、ユーティリティおよびリファレンス」を参照してください。
電子メール・サーバー構成。このビジネス・プロセスは、電子メール通知を送信し、電子メール設定を必要とします。詳細は、4.3.1項「電子メール・サーバーの構成」を参照してください。
selfservice
デモ・フォルダ内のサポート・ファイル。デモ・サポート・ファイルの詳細は、「はじめに」の「デモ・サポート・ファイルへのアクセス」を参照してください。selfservice
デモ・フォルダ内のサポート・ファイルおよびフォルダとその説明を表4-1に示します。
表4-1セルフサービス・ファイル
ファイルまたはフォルダ | 説明 |
---|---|
|
このデモのREADMEファイル。ファイルのインストールおよび構成に関する指示が記載されています。 |
|
ANT構築スクリプト・ファイル。 |
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このフォルダには、スマート・ドキュメント・ソリューションを構築するために必要なサンプル・コードが含まれています。 |
|
このフォルダには、AutoLoanCreditRatingService BPELファイルが含まれています。 |
|
このフォルダには、AutoLoanFlow BPELファイルが含まれています。 |
|
このフォルダには、UnionLoan BPELファイルが含まれています。 |
|
このフォルダには、UnionLoanUI BPELファイルが含まれています。 |
|
このフォルダには、WesternLoan BPELファイルが含まれています。 |
注意: selfservice フォルダのコンテンツをBPEL_ORACLE_HOME \integration\orabpel\samples\demos フォルダ内のMSOfficeIntegration という名前の新しいフォルダ(C:\OraBPELPM_1\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\ など)にダウンロードしてください。 |
この使用例では、Fast Loanローン仲介業者経由で自動車ローンの利用を考えているローン希望者が、Microsoft Wordスマート・ドキュメントを使用してローン申込書を提出します。Wordドキュメントは、最初に申込者の信用度を取得するBPELプロセス・ワークフローを起動します。
申込者の信用度に問題がない場合、BPELプロセスは、ローン申込みの詳細をWestern LoanとUnion Loanという2つの異なるローン会社に送信します。一方の会社では、ローン承認プロセスが自動化されています。もう一方の会社では、ローンが手動で承認されます。
BPELプロセスは、2つのローン会社からの返答を得て、金利の低い方の返答をMicrosoft Word 2003 XMLドキュメントを使用してローン申込者に送信します。
ローン申込者の信用度に問題がある場合、プロセスは、ローン拒否メッセージが記載された電子メールをローン申込者に送信します。
この章では、スマート・ドキュメントのローン申込みフォームの作成、ローン結果通知のためのMicrosoft Wordテンプレートの作成、電子メール・サーバーの設定、および必要なBPELプロセスのデプロイの方法を説明します。
図4-1に、この章で詳しく説明するこのローン申込みの例を処理するためにスマート・ドキュメントによって使用されるBPELプロセスの概要を示します。スマート・ドキュメントは、BPELプロセスを起動し、予期される入力を提供します。BPELプロセスは、入力を得て、その入力をgetAutoLoanCreditRating機能に送信します。この機能は、詳細をcreditRatingServiceに送信します。その後、ローン申込みの詳細がWesternLoanServiceおよびUnionLoanServiceに渡されます。2つの会社からのローン提案が評価され、条件のよい方の提案がNotificationServiceに渡されます。ここからローン申込者に返答が送信されます。
BPELワークフロー・プロセスと相互作用するスマート・ドキュメント・テンプレートを作成するには、次の項の手順を実行します。
BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\system\services\config
ディレクトリのns_emails.xml
ファイルには、電子メール・アカウントの構成が含まれています。各EmailAccount
要素は、特定の電子メール・アカウントの構成を設定します。EmailAccount
要素のname
属性は、アカウントの名前です。
デフォルトの電子メール・アカウントは、電子メール構成ファイルで指定されます。このアカウントは、電子メール通知の送信先として指定されているアカウントがない場合に使用されます。このアカウントは、タスク関連通知のためにも使用されます。デフォルトの電子メール・アカウントは、常に、構成ファイルで指定されている必要があります。
EmailAccount
要素には、OutgoingServerSettings
およびIncomingServerSettings
属性が含まれています。ワークフロー・プロセスでのアクションを必要とする通知には、IncomingServerSettings
とOutgoingServerSettings
の両方の属性が必要です。
表4-2に、ns_emails.xml
ファイルに格納されている電子メール通知構成のXML要素とその説明を示します。
表4-2 電子メール・サーバー構成のXML要素
名前 | 説明 |
---|---|
EmailAccount/Name |
アカウントの名前。任意の名前を使用できますが、このサーバー内で一意である必要があります。 |
EmailAccount/GeneralSettings/FromName |
|
EmailAccount/GeneralSettings/FromAddress |
|
EmailAccount/OutgoingServerSettings/SMTPHost |
送信SMTPサーバーの名前。 |
EmailAccount/OutgoingServerSettings/SMTPPort |
送信SMTPサーバーのポート。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/Server |
受信電子メール・サーバーの名前。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/Port |
受信電子メール・サーバーのポート。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/UserName |
電子メール・アドレスのユーザーID。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/Password |
ユーザー・パスワード。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/Password[encrypted] |
パスワードの暗号化属性。パスワードが暗号化されている場合は |
EmailAccount/IncomingServerSettings/UseSSL |
Secure Sockets Layer(SSL)属性。受信サーバーがSSLを必要とする場合は |
EmailAccount/IncomingServerSettings/Folder |
受信メッセージが読み取られるフォルダの名前。 |
EmailAccount/IncomingServerSettings/PollingFrequency |
受信メッセージ・フォルダからメッセージを読み取るポーリング間隔。 |
関連資料: http://www.oracle.com/technology/documentation/appserver101202.html にあるOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2.0.2)のドキュメント・ライブラリの『Oracle BPEL Process Manager開発者ガイド』に記載されている電子メール・サーバーの構成に関する情報
Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2.0.2)の表で「View Library」をクリックして、「E-Business Integration」タブをクリックしてください。 |
BPELプロセスをデプロイするには、次の手順を実行します。
OTNからサンプル・デモ・サポート・ファイルをダウンロードして、BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos
フォルダ(C:\OraBPELPM_1\integration\orabpel\samples\demos\
など)に保存します。
デモZIPファイルのダウンロードの詳細は、「はじめに」の「デモ・サポート・ファイルへのアクセス」を参照してください。
Oracle BPEL Process Managerサーバーを起動します。「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle - ORACLE_HOME」→「Oracle BPEL Process Manager 10.1.2」→「Start BPEL PM Server」をクリックします。
コマンド・プロンプト・ウィンドウを開くか、Oracle BPEL Process Managerの開発者プロンプトを起動します。「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle - ORACLE_HOME」→「Oracle BPEL Process Manager 10.1.2」→「Developer Prompt」をクリックします。
BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\
フォルダにナビゲートします。
次のコマンドを実行します。
BPEL_ORACLE_HOME\integration\orabpel\bin\obant
コマンド・プロンプトにBUILD SUCCESSFUL
メッセージが表示されます。たとえば、次のようになります。
BUILD SUCCESSFUL Total time: 33 seconds
次の手順を実行して、BPELプロセスがデプロイされていることを検証およびテストします。
「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle - ORACLE_HOME」→「Oracle BPEL Process Manager 10.1.2」→「BPEL Console」をクリックします。
BPEL開発者資格証明を指定してログインします。
図4-2に示すようなOracle BPEL Controlページが表示されます。AutoLoanFlow、UnionLoan、WesternLoan、およびAutoLoanCreditRatingServiceプロセスがデプロイ済プロセスのリストに表示されるようにします。
スマート・ドキュメントは、Microsoft Officeドキュメントを使用して作業する際のユーザー・エクスペリエンスを拡張するソリューションです。この項では、自動ローン・プロセスが使用できるローン申込みフォームの作成に必要な手順について説明します。
スマート・ドキュメントを作成するには、次の手順を実行します。
BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demo\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD
フォルダに移動します。この例では、提供されているLoanDemo.doc
ファイルを使用するか、Microsoft Wordで新しいドキュメントを作成することができます。
Microsoft Wordを起動します。
空白のドキュメントをLoanDemo.doc
としてLoanDemoWordSD
フォルダに保存するか、提供されているLoanDemo.doc
ファイルを使用します。
AutoLoanTypes.xsd
スキーマをLoanDemo.doc
にアタッチします。これには、次の手順を実行します。
Microsoft Wordのメニュー・バーから、「Tools」をクリックして、「Templates and Add-Ins」を選択します。
「Templates and Add-ins」ダイアログ・ボックスで、「XML Schema」タブを選択します。
「Schema Library」をクリックします。
名前空間のhttp://www.autoloan.com/ns/autoloanを使用するすべてのスキーマを削除します。そのようなスキーマがあれば、選択して、「Delete Schema」をクリックしてください。
「Add Schema」をクリックして、BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demo\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD\AutoLoanTypes.xsd
を参照します。図4-3に示すように、スキーマをAutoLoanと命名し、「OK」をクリックします。
「OK」をクリックし、もう一度「OK」をクリックして終了します。
図4-4に示すように、バナーや表などの形式でLoanDemo.doc
ファイルにコンテンツを追加します。
XML要素をWordドキュメントにマッピングすることによって、構造をWordドキュメントに追加します。これには、次の手順を実行します。
「View」→「Task Pane」をクリックして、作業ウィンドウで「XML Structure」を選択します。
図4-5に示すように、適切な要素をドキュメントに追加します。イメージのすぐ下にカーソルを移動します。カーソルがこの位置にあるときは、XMLスキーマ・ドキュメント(XSD)で定義されているルート要素である3つの要素のみをマッピングできます。
loanApplication要素をクリックします。メッセージが表示されたら、「Apply to Entire Document」をクリックします。
カーソルが<loanApplication>
タグ内の別の場所にある場合、「XML Structure」ペインには、loanApplication
要素の子要素が表示されます。図4-6に示すように、子要素を、対応する表のセルに追加します。
次の手順を実行して、XMLオプションを設定します。
「XML Structure」ペインで、「XML Options」リンクをクリックします。図4-7に示すような「XML Options」ダイアログ・ボックスが表示されます。
ドキュメントに非構造化テキストとXML要素の両方が含まれている場合は、「Ignore Mixed Content」を選択します。ドキュメントのXML要素を非表示にするには、「Show placeholder text for all empty elements」を選択します。スキーマに適合しないXMLを保存する場合は、「Allow saving as XML even if not valid」を選択してください。
「OK」をクリックします。
「XML Structure」ペインで、「Show XML tags in the document」オプションの選択を解除してXML構造を非表示にします。
ManagedManifest.xml
というXMLファイルを作成し、A.2項「第4章のManagedManifest.xmlのコンテンツ」のコードをこのファイルに追加します。
スマート・ドキュメント・マニフェスト・ファイルのマニフェスト・セキュリティ・チェックを有効または無効にします。マニフェスト・セキュリティ・チェックを有効にするには、6.3.4.2項「マニフェスト・セキュリティ・チェックの有効化」に示されている手順を実行します。
マニフェスト・セキュリティ・チェックを無効にするには、次の手順を実行します。
重要: XML拡張パック・マニフェスト・セキュリティ・チェックの無効化は、必ず、テスト環境内のみで行ってください。エンド・ユーザーのコンピュータでは行わないでください。XML拡張パック・セキュリティ・チェックを無効化するオプションを使用すると、開発段階でスマート・ドキュメントを容易にテストできるので便利です。XML拡張パックのセキュリティ・チェックの詳細は、 |
Windowsレジストリをバックアップします。レジストリ・エディタで、「レジストリ」をクリックし、「レジストリ ファイルの書き出し」をクリックして、適切な場所に保存します。
HKEY_LOCAL_MACHINE/Software/Microsoft/Office
にナビゲートします。
Commonというキーを作成します。
Commonの下に、Smart Tagというキーを作成します。
右側のペインで、右クリックして「新規」を選択し、「DWORD値」を選択します。
「名前」フィールドにDisableManifestSecurityCheck
と入力します。
DisableManifestSecurityCheckを右クリックして、「変更」をクリックします。
「値のデータ」フィールドに00000001
と入力します。
ドキュメントを保存します。
MicrosoftのWSDL.exe
ツールを使用してWebサービス・プロキシを生成します。これには、Windowsのコマンド・プロンプト・ウィンドウを開き、C:\OraBPELPM_1\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD
フォルダにナビゲートして、次のコマンドを実行します。
"C:\Program Files\Microsoft.NET\SDK\v1.1\Bin\WSDL" /l:CS /protocol:SOAP http://localhost:9700/orabpel/default/AutoLoanFlow/1.0/AutoLoanFlow?wsdl
これにより、LoanDemoWordSD
フォルダにAutoLoanFlow.cs
というプロキシ・クラス・ファイルが作成されます。
シリアライズのためにAutoLoanFlow.cs
ファイルにWSDLのルート要素を含めます。例4-1に示すように、行のすぐ下に、太字で示されているテキストを挿入します。
例4-1 AutoLoanFlow.csファイルのWSDLルート要素
/// <remarks/>
[System.Xml.Serialization.XmlTypeAttribute(Namespace="http://www.autoloan.com/ns/autoloan")]
[XmlRoot (ElementName="loanApplication", Namespace="http://www.autoloan.com/ns/autoloan")]
public class LoanApplicationType {
スマート・ドキュメントがこのWebサービス・プロキシを起動し、このプロキシがWebサービスをローカル・サービスのように起動します。
Webサービス・プロキシは、BPELサービスがポート9700
の同じホスト上で動作していることを前提としています。これが適切でない場合は、BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos\
MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD\AutoLoanFlow.cs
ファイルで変更します。例4-2において太字で示されているように、ファイルを適切なポート番号で更新する必要があります。
例4-2 AutoLoanFlow.csファイルのホストおよびポートのエントリ
public class AutoLoanFlowBinding : System.Web.Services.Protocols.SoapHttpClientProtocol {
public EndpointReferenceType ReplyTo;
public AttributedURI MessageID;
/// <remarks/>
public AutoLoanFlowBinding() {
this.Url = "http://localhost:9700/orabpel/default/AutoLoanFlow/1.0";
}
値を変更する場合は、手順16に示されているように、DLLファイルを再作成する必要があります。
A.1項「AutoLoanSmartDocument.csファイルの内容」のコードをコピーしてテキスト・ファイルに貼り付け、このファイルをLoanDemoWordSD
フォルダに保存することによって、スマート・ドキュメントの実装クラス・ファイルのAutoLoanSmartDocument.cs
を作成します。または、LoanDemoWordSD
フォルダで提供されているAutoLoanSmartDocument.cs
ファイルを使用することもできます。
コマンド・プロンプト・ウィンドウから次のコマンドを実行します。
%WINDIR%\Microsoft.NET\Framework\v1.1.4322\csc /t:library ^ /reference:"%WINDIR%\assembly\GAC\Microsoft.Office.Interop.SmartTag\ 11.0.0.0__71e9bce111e9429c\Microsoft.Office.Interop.SmartTag.dll"; "%WINDIR%\assembly\GAC\Microsoft.Office.Interop.Word\ 11.0.0.0__71e9bce111e9429c\Microsoft.Office.Interop.Word.dll" ^ AutoLoanSmartDocument.cs AutoLoanFlow.cs
csc
パスと.NET Framework SDKのバージョンが適切であることを確認します。前述のコマンドの太字のテキストを参照してください。
これにより、スマート・ドキュメントの中枢となるAutoLoanSmartDocument.dll
ファイルが作成されます。
LoanDemoWordSD
フォルダから、コマンド・プロンプト・ウィンドウで次のコマンドを実行します。
%WINDIR%\Microsoft.NET\Framework\v1.1.4322\caspol -pp off -ag 1.1 -url ^ "C:\OraBPELPM_1\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD\*" ^ FullTrust -n LoanDemo %WINDIR%\Microsoft.NET\Framework\v1.1.4322\caspol -pp on
必要に応じて、MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD
ディレクトリとcaspol
のパスを検証します。
これにより、スマート・ドキュメント・ライブラリ・ファイルに完全な信頼が与えられます。
XML拡張パックをドキュメントにアタッチします。これには、次の手順を実行します。
Microsoft Wordのメニュー・バーから、「Tools」をクリックして、「Templates and Add-Ins」をクリックします。
「Templates and Add-ins」ダイアログ・ボックスで、「XML Expansion Packs」タブを選択します。
「Add」をクリックして、BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD\ManagedManifest.xml
を選択します。
セキュリティ・ダイアログ・ボックスで、XML拡張パック・セキュリティを有効にするか無効にするかを決定します。すでにマニフェスト・セキュリティ・チェックを無効にしている場合は、必ず、「No」をクリックしてください。
「OK」をクリックします。
「Document Actions」ペインに移動して、ドキュメントを参照します。図4-8に示すように、カーソルを<loanApplication>
タグ内に移動して、「Submit for Approval」ボタンを表示させます。
この項では、4.3.3項「スマート・ドキュメント・フォームの作成」で説明した手順で作成されたスマート・ドキュメント・フォームに基づいてMicrosoft Wordテンプレートを作成する方法について説明します。このテンプレートは、ローンの詳細が記載されたMicrosoft Wordドキュメントを作成し、そのドキュメントをローン申込者の電子メール・アドレスに送信するために、AutoLoanFlowプロセスによって使用されます。
Microsoft Wordドキュメントを作成するには、次の手順を実行します。
Microsoft Wordを起動します。
空白ドキュメントをLoanResult.doc
としてBPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demo\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD
フォルダに保存します。または、LoanDemoWordSD
フォルダで提供されているLoanResult.doc
ファイルを使用することもできます。
AutoLoanTypes.xsd
をドキュメントにアタッチします。これには、次の手順を実行します。
Microsoft Wordのメニュー・バーから、「Tools」をクリックして、「Templates and Add-Ins」を選択します。
「Templates and Add-ins」ダイアログ・ボックスで、「XML Schema」タブを選択します。
「Schema Library」をクリックします。
名前空間のhttp://www.autoloan.com/ns/autoloanを使用するすべてのスキーマを削除します。そのようなスキーマがあれば、選択して、「Delete Schema」をクリックしてください。
「Add Schema」をクリックして、BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demo\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD\AutoLoanTypes.xsd
を参照します。スキーマをAutoLoanと命名し、「OK」をクリックします。
注意: 新しいXSDファイルを作成して、A.4項「AutoLoanTypes.xsdファイルの内容」のコードをそのファイルにコピーし、AutoLoadTypes.xsd として保存することもできます。その後、このスキームを追加できます。 |
「OK」をクリックし、もう一度「OK」をクリックして終了します。
図4-9に示すように、バナーや表などの形式でLoanResult.doc
ファイルにコンテンツを追加します。
XML要素をWordドキュメントにマッピングすることによって、構造をWordドキュメントに追加します。これには、次の手順を実行します。
「View」→「Task Pane」をクリックして、「XML Structure」をクリックします。
バナー・イメージのすぐ下にカーソルを移動し、loan要素をクリックします。メッセージが表示されたら、「Apply to Entire Document」をクリックします。ドキュメントは、loan
要素のloanApplication
とloanOffer
という子要素の両方からのデータを表示します。
イメージの下にカーソルを移動し、ドキュメントの2つ目の表までのコンテンツを選択します。loanApplication要素をクリックします。
「Loan Approval Information」というテキストとその後の表を選択します。loanOffer要素をクリックします。
図4-10に示すように、子要素を、対応する表のセルに追加します。
次の手順を実行して、XMLオプションを設定します。
「XML Structure」ペインで、「XML Options」リンクをクリックします。図4-7に示すような「XML Options」ダイアログ・ボックスが表示されます。
ドキュメントに非構造化テキストとXML要素の両方が含まれている場合は、「Ignore Mixed Content」を選択します。ドキュメントのXML要素を非表示にするには、「Show placeholder text for all empty elements」を選択します。スキーマに適合しないXMLを保存する場合は、「Allow saving as XML even if not valid」を選択してください。
「OK」をクリックします。
「XML Structure」ペインで、「Show XML tags in the document」オプションの選択を解除してXML構造を非表示にします。
図4-11に示すように、ドキュメントをLoanResultWordML.xml
として保存します。
BPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos\MSOfficeIntegration\LoanDemoWordSD
にナビゲートして、コマンド・プロンプト・ウィンドウで次のコマンドを実行します。
wml2xslt LoanResultWordML.xml
LoanResultWordML.xml
ドキュメントのXSLTが作成されます。デフォルトでは、wml2xslt.exe
は、C:\Program Files\Microsoft Office 2003 Developer Resources\
ディレクトリにあります。
手順9で作成されたLoanResultWordML.xsl
ファイルをBPEL_ORACLE_HOME
\integration\orabpel\samples\demos\
MSOfficeIntegration\AutoLoanFlow
ディレクトリにコピーして、次のように、AutoLoanFlow
ディレクトリからobant.bat
ファイルを実行します。
BPEL_ORACLE_HOME\integration\orabpel\bin\obant
コマンド・プロンプトにBUILD SUCCESSFUL
メッセージが表示されます。たとえば、次のようになります。
BUILD SUCCESSFUL Total time: 15 seconds
ローン申込みを処理するために、自動ローン・プロセスが使用されます。ユーザーは、Microsoft Wordドキュメントを使用してローン申込書を提出します。Wordドキュメントは、AutoLoanCreditRatingServiceプロセスからローン申込者の信用度を取得するBPELプロセスを起動し、次のいずれかを実行します。
申込者の信用度に問題がない場合、プロセスは、次の2つのローン処理ビジネス・プロセスに問合せを送信します。
UnionLoan
WesternLoan
これらの2つのプロセスからの返答を得ると、AutoLoanFlowプロセスは、金利の低い方のローン提案を選択し、ローンの詳細が記載されたMicrosoft Wordドキュメントを作成して、そのドキュメントを電子メールでローン申込者に送信します。
ローン申込者の信用度に問題がある場合、プロセスは、ローン申込み拒否メッセージが記載された電子メールをローン申込者に送信します。
4.3.3項「スマート・ドキュメント・フォームの作成」および4.3.4項「ローン結果通知のためのMicrosoft Wordテンプレートの作成」で作成されたスマート・ドキュメントを使用してローン申込みプロセスをテストするには、次の手順を実行します。
LoanDemo.doc
を開きます。
図4-12に示すように、ローン申込みの詳細を入力します。
作業ウィンドウで、「Submit for Approval」をクリックします。
Oracle BPEL ControlページでBPELプロセスを監視できます。
図4-13に示すように、ローン申込み情報を使用してローン結果ドキュメントが作成されます。
http://localhost:9700/bpelconsole
にあるUnion Loan Consoleにログインします。
ローン希望者からの電子メール・メッセージをチェックします。図4-14に、Wordドキュメントを添付ファイルとして持つ電子メールの例を示します。
http://www.oracle.com/technology/bpel/
にあるOracle BPEL Process Managerのホームページで次のドキュメントを参照してください。
『BPEL: Learn by Example』
『Quick Start Tutorial - JDeveloper 10g』
『Quick Start Tutorial - Eclipse』