Sun Management Center ソフトウェアは、3 つのコンポーネントレイヤ (コンソール、サーバ、エージェント) を持つ、マネージャとエージェントのアーキテクチャに基づいた製品です。
コンソールレイヤは、管理タスクを開始するためのユーザインタフェース (Java コンソール、Web コンソール、コマンド行インタフェース (CLI) ) を提供します。
サーバ (マネージャ) は、管理アプリケーションを実行したりエージェントに要求を送信するなど、ユーザに代わって管理タスクを遂行します。
次の図は 3 つのコンポーネントレイヤを示したものです。
次に、Sun Management Center の主要レイヤとその機能について説明します。
Sun Management Center のコンソールレイヤ (Java コンソール、Web コンソール、CLI) は、ユーザと Sun Management Center ソフトウェアの他のコンポーネントレイヤとを結ぶインタフェースです。これにより、同一の Sun Management Center サーバで、複数のユーザをサポートする複数のコンソールを持つことができます。コンソールの機能は、次のとおりです。
管理オブジェクトのビジュアル表示 (ホスト、ネットワークなど)
管理オブジェクトに関連する属性とプロパティの操作 (アラームしきい値の作成など)
管理タスクの起動 (動的再構成など)
サーバレイヤは、コンソールから受け取った要求を該当するエージェントに送信し、さらにエージェントからの応答をコンソールに戻します。
例えば、ホストにアクセスしているユーザ数の情報を要求すると、サーバレイヤはコンソールからこの要求を受け取って、該当ホストのエージェントに送信します。次にエージェントが要求に対する答えをサーバに返し、サーバがその情報をコンソールに転送します。
同様にあるホスト上でエラー状態が生成されると、該当ホストのエージェントからサーバに通知され、サーバからコンソールにアラームとして転送されます。
さらにサーバレイヤは、コンソールに対して、エージェントとのインタフェース接続に必要なセキュリティ保護されたエントリーポイントを提供します。
サーバレイヤは、以下のコンポーネントから構成されます (図 1–2 を参照)。
Sun Management Center サーバ
Sun Management Center Web サーバ
トポロジマネージャ
トラップハンドラ
構成マネージャ
イベントマネージャ
サーバコンポーネントは、サーバレイヤの中核となる構成要素で、2 つのマルチスレッドサーバ (Java サーバ、Web サーバ) から構成されています。これらのサーバは、Sun Management Center ユーザの多種多様なデータ要求を処理することが可能です。
トポロジマネージャ は、ユーザ管理ドメインの管理や管理オブジェクトトポロジの配列などを行います。
トラップハンドラ は、一元化された SNMP トラップのレセプターとしてトラップを記録し該当コンポーネントに転送します。さらに、全てのアラーム通知を受信する役割を果たします。
構成マネージャ は、サーバとエージェントに対するセキュリティ機能を提供します。
イベントマネージャ は、エージェントからイベント情報を受け取ります。これらのイベントが引き金となって出されたアラームは、コンソールに転送されます。
エージェントレイヤは、Sun Management Center ソフトウェアが管理するノード上のオブジェクトに関する情報を監視、収集、管理します。サーバレイヤは、SNMP 経由のエージェントレイヤとの対話を通じて、管理オブジェクトにアクセスします。
スケーラブルで拡張性に優れた SNMP ベースの Sun Management Center エージェントは、特定のシステム局面やアプリケーションの健全性と性能に対応したモジュールを読み込むことで、オブジェクト (ハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなど) の監視と管理を行います。
エージェントでは、規則を使用して管理オブジェクトの状態を判断します。例えば、規則で状態が真になると、ソフトウェアは自動的にアラームを生成し、規則に従って処理を起こします。
サーバレイヤとエージェントレイヤは、ともに Sun Management Center サーバコンテキストとして参照されます。ユーザは、特定のサーバコンテキストにログインしてコンソールを起動します。ログインサーバに情報を送信するエージェントの管理オブジェクトは、同一のサーバコンテキストに属しています。
管理オブジェクトは、同一サーバコンテキストまたは遠隔サーバコンテキストに属します。遠隔サーバコンテキストの管理オブジェクトは、異なるサーバに情報を送信します。一方、同一サーバコンテキストの管理オブジェクトは、ご使用のコンソールに接続されたサーバホストに情報を送信します。
デフォルトでは、Sun Management Center ソフトウェアは同一サーバコンテキストのオブジェクトを管理 し、遠隔サーバコンテキストのオブジェクトは監視 するだけです。“管理” と “監視,” の正確な定義については、用語集を参照してください。また、サーバコンテキストとセキュリティについての詳細は、Sun Management Center の遠隔サーバアクセスを参照してください。