Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド

第 1 章 Sun Management Center の概要

この章では、SunTM Management Center 3.5 製品のコンポーネントレイヤとその関係について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

Sun Management Center の概要

Sun Management Center ソフトウェアは、オープンで拡張性に優れた監視、管理ソリューションです。このソリューションは、Simple Network Management Protocol (SNMP)、Java 遠隔メソッド呼び出し (RMI)、Hypertext Transfer Protocol (HTTP) などのツールを使用して、Sun 製品、サブシステム、コンポーネント、および周辺機器に対する統合的かつ包括的なエンタープライズ規模の管理機能を提供します。

Sun のハードウェアソリューションとソフトウェアソリューションの管理機能を拡張し強化する Sun Management Center 技術は、次のような機能領域に分類されます。

システム管理

システムをハードウェアとオペレーティングシステムのレベルで監視、管理します。監視されるハードウェアは、ボード、テープ、電源、ディスクなどです。

オペレーティングシステム管理

オペレーティングシステムパラメータ (負荷、リソース使用状況、ディスク容量、ネットワーク統計など) を監視、管理します。

アプリケーションおよびビジネスシステム管理

ビジネスアプリケーション (取引システム、経理システム、在庫システム、制御システムなど) を監視します。

スケーラビリティ

オープンでスケーラブルな柔軟性の高いソリューションを通じて、複数の管理ドメインを構成、管理します。これらのドメインは、企業全体にわたる多くのシステムとスパンから構成されます。管理者は、複数のユーザをサポートするために、ソフトウェア構成を一元化することも分散化することも可能です。

Sun Management Center 3.5 ソフトウェアの重要な変更

Sun Management Center 製品の 3.5 では、以下の点が大幅に変更されています。

Sun Management Center のアーキテクチャ

Sun Management Center ソフトウェアは、3 つのコンポーネントレイヤ (コンソール、サーバ、エージェント) を持つ、マネージャとエージェントのアーキテクチャに基づいた製品です。

次の図は 3 つのコンポーネントレイヤを示したものです。

図 1–1 Sun Management Center のコンポーネントレイヤ

コンポーネントレイヤ間での情報の流れを示した図。

次に、Sun Management Center の主要レイヤとその機能について説明します。

コンソールレイヤ

Sun Management Center のコンソールレイヤ (Java コンソール、Web コンソール、CLI) は、ユーザと Sun Management Center ソフトウェアの他のコンポーネントレイヤとを結ぶインタフェースです。これにより、同一の Sun Management Center サーバで、複数のユーザをサポートする複数のコンソールを持つことができます。コンソールの機能は、次のとおりです。

サーバレイヤ

サーバレイヤは、コンソールから受け取った要求を該当するエージェントに送信し、さらにエージェントからの応答をコンソールに戻します。

例えば、ホストにアクセスしているユーザ数の情報を要求すると、サーバレイヤはコンソールからこの要求を受け取って、該当ホストのエージェントに送信します。次にエージェントが要求に対する答えをサーバに返し、サーバがその情報をコンソールに転送します。

同様にあるホスト上でエラー状態が生成されると、該当ホストのエージェントからサーバに通知され、サーバからコンソールにアラームとして転送されます。

さらにサーバレイヤは、コンソールに対して、エージェントとのインタフェース接続に必要なセキュリティ保護されたエントリーポイントを提供します。

サーバレイヤは、以下のコンポーネントから構成されます (図 1–2 を参照)。

図 1–2 Sun Management Center サーバレイヤ

上述のサーバレイヤコンポーネント間の通信と、ローカルエージェントと遠隔エージェント間の SNMP 経由の通信を示した図。

サーバコンポーネントは、サーバレイヤの中核となる構成要素で、2 つのマルチスレッドサーバ (Java サーバ、Web サーバ) から構成されています。これらのサーバは、Sun Management Center ユーザの多種多様なデータ要求を処理することが可能です。

トポロジマネージャ は、ユーザ管理ドメインの管理や管理オブジェクトトポロジの配列などを行います。

トラップハンドラ は、一元化された SNMP トラップのレセプターとしてトラップを記録し該当コンポーネントに転送します。さらに、全てのアラーム通知を受信する役割を果たします。

構成マネージャ は、サーバとエージェントに対するセキュリティ機能を提供します。

イベントマネージャ は、エージェントからイベント情報を受け取ります。これらのイベントが引き金となって出されたアラームは、コンソールに転送されます。

エージェントレイヤ

エージェントレイヤは、Sun Management Center ソフトウェアが管理するノード上のオブジェクトに関する情報を監視、収集、管理します。サーバレイヤは、SNMP 経由のエージェントレイヤとの対話を通じて、管理オブジェクトにアクセスします。

スケーラブルで拡張性に優れた SNMP ベースの Sun Management Center エージェントは、特定のシステム局面やアプリケーションの健全性と性能に対応したモジュールを読み込むことで、オブジェクト (ハードウェア、オペレーティングシステム、アプリケーションなど) の監視と管理を行います。

エージェントでは、規則を使用して管理オブジェクトの状態を判断します。例えば、規則で状態が真になると、ソフトウェアは自動的にアラームを生成し、規則に従って処理を起こします。

サーバコンテキスト

サーバレイヤとエージェントレイヤは、ともに Sun Management Center サーバコンテキストとして参照されます。ユーザは、特定のサーバコンテキストにログインしてコンソールを起動します。ログインサーバに情報を送信するエージェントの管理オブジェクトは、同一のサーバコンテキストに属しています。

管理オブジェクトは、同一サーバコンテキストまたは遠隔サーバコンテキストに属します。遠隔サーバコンテキストの管理オブジェクトは、異なるサーバに情報を送信します。一方、同一サーバコンテキストの管理オブジェクトは、ご使用のコンソールに接続されたサーバホストに情報を送信します。

デフォルトでは、Sun Management Center ソフトウェアは同一サーバコンテキストのオブジェクトを管理 し、遠隔サーバコンテキストのオブジェクトは監視 するだけです。“管理” と “監視,” の正確な定義については、用語集を参照してください。また、サーバコンテキストとセキュリティについての詳細は、Sun Management Center の遠隔サーバアクセスを参照してください。

図 1–3 コンソールからサーバコンテキストへのログイン

2 つのサーバコンテキストから 1 つのコンソールに送信される情報の流れを示した図。

Sun Management Center の概念

以下は、Sun Management Center ソフトウェアを理解するための基本的な概念です。


注 –

このマニュアルでは、“ドメイン”は Sun Management Center の管理ドメインを指します。従って、他の Sun 製品やドキュメントで使用される “ドメイン” と混同しないようにしてください。詳細については、第 2 章「Sun Management Center の管理ドメインの使用」を参照してください。


管理ドメイン

管理ドメイン は、ユーザが監視や管理の対象とするリソース (キャンパス全体、個々のビルディング、ホスト、ネットワーク、サブネット、リンクなど) の集合を階層化したものです。各管理ドメインを構成するこれらのリソースは、他のリソースと連結して管理ドメイン内でグループを形成します。これらの各グループは、新たにリソースグループを追加して、複数レベルに階層化された管理ドメインを構成することができます。

ユーザは、ビジネスニーズに基づいて 1 つまたは複数の管理ドメインを作成できます。例えば、全ての実験装置を包含した実験管理ドメインや、経理で使用する全システムを包含した経理管理ドメインなどを作成することが可能です。

Sun Management Center ソフトウェアは、管理ドメインとメンバーをビジュアル表示します。図 1–4 はその例です。

次の例では、ホスト Payroll2 は、Payroll Servers 1 管理ドメイン内の ビル B グループに属しています。

図 1–4 Java コンソールウィンドウに表示された管理ドメインとメンバー

管理ドメインとメンバーを表示した Sun Management Center ウィンドウ。

管理情報ベース (MIB)

管理情報ベース (MIB) は、エージェントからアクセスできる階層型のデータベーススキーマです。Sun Management Center エージェントは 、MIB を使用して遠隔からアクセス可能なデータを格納します。

Sun Management Center モジュール

Sun Management Center のエージェントは、ほとんどのエージェントとは異なり、MIB の実行にモノリシックコード (膨大な関数を持つ単一プログラム) を使用しません。その代わりに、Sun Management Center ソフトウェアは各エージェントごとにモジュールと呼ばれるいくつかのコンポーネントを使用します。各モジュールは、それぞれ独自の MIB を実装します。従って、全てのモジュールとその MIB を総合したものが Sun Management Center のエージェント MIB となります (次の図を参照)。

図 1–5 Sun Management Center のエージェント MIB

1 つずつ MIB を持つ 3 つのモジュールを包含したエージェントから 1 つのエージェント MIB が形成される過程を示した図。

Sun Management Center モジュールは、システム、アプリケーション、ネットワークデバイスなどのリソースを監視、管理します。モジュールには、特定のシステムコンポーネントを個別に監視するために、カーネル監視用、プリンタ監視用、プロセス監視用などがあります。モジュールの基本的な役割は、これらのリソースを監視して、エラー状態が発生したりパフォーマンス調整が必要な場合に、アラームを通じてこれらの情報をユーザに通知することです。アラームについての詳細は、アラームと規則を参照してください。

各モジュールは、1 つまたは複数の監視可能なプロパティを持っています。例えば、インストール時に読み込まれるデフォルトモジュールのうちのカーネルリーダは、カーネルプロパティを監視します。これ以外にも、ユーザ統計、ディスク統計、ファイルシステムの使用状況などのプロパティがあります。


注 –

モジュールは動的に追加したり削除したりできます。これにより、ユーザのニーズに応じて、各エージェント (オブジェクト) に読み込まれたモジュールをカスタマイズすることが可能です。


アラームと規則

アラームは異常イベントの通知です。Sun Management Center ソフトウェアは、さまざまな重大度のアラームを使用してユーザシステムを監視します。これらのアラームを生成するしきい値はモジュールで定義されます。ユーザは、単純アラームの基準となるしきい値を設定できます。

例えばカーネルリーダモジュールのプロパティのうちのユーザセッション数にしきい値を設定する場合、7 以上のユーザセッションで重大アラーム、5 または 6 のユーザセッションで警告アラームを生成するように指定することが可能です。

アラーム条件はデフォルト設定されています。ユーザは、単純な rCompare (比較) 規則に基づくような単純アラームのしきい値を独自に設定したり定義することができます。

複合規則もまたアラームを生成します。例えば、ディスクが 75% 以上ビジー状態で平均キュー長が 10 エントリ以上になり、待ち行列が増加し続けると、複合規則は警告アラームを生成します。この場合、規則は 3 つの条件から成り立っています。

単純規則とは異なり、これらの複合規則は予め定義されており変更できません。従って、ユーザが複合アラームのしきい値を設定することはできません。

アラームが生成されると、メインコンソールウィンドウおよびアラーム処理 (電子メールメッセージの送信、スクリプトの起動など) を通じてユーザに通知されます。また、アラーム状態の発生を別の方法で通知するカスタマイズプログラムを作成することも可能です。

アラームについての詳細は第 12 章「アラームの管理」、規則についての詳細は付録 D 「Sun Management Center ソフトウェアの規則」を参照してください。

Sun Management Center の管理機能と監視機能

Sun Management Center ソフトウェアには、以下の監視機能と管理機能が用意されています。

一般的なサポート機能

この節では、ユーザ環境の管理と監視をサポートする機能について説明します。

自立型エージェント

Sun Management Center のエージェントは、ホストシステムの主要データを積極的に抽出することで独自に機能します。これらのエージェントは、監視データの現在の状況に対する SNMP get 要求を通じてポーリングできます。

エージェントは、監視リソースのデータを収集すると、そのリソースに設定されたアラームしきい値と照合して、データがアラーム条件を構成するかどうかを判断します。監視データがアラームしきい値と一致すると、エージェントはアラーム条件に応じた処理を起こします。エージェントは非同期メッセージ (SNMP トラップ) をサーバに送信し、サーバは監視データの状態の変化を通知します。

ユーザセキュリティ

Sun Management Center のセキュリティ機能は、ユーザやグループのログインおよびアクセス制御権の認証を行います。これにより、管理ドメイン、グループ、ホスト、モジュールの各レベルでセキュリティ(アクセス権)を設定することが可能です。

ユーザは、各種のアクセス権を設定してアクセスを制御することができます。例えば、あるユーザグループにはホスト上のプロパティの表示と変更を許可し、別のグループにはホストの確認のみを許可することが可能です。Sun Management Center のセキュリティについての一般情報は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。

Sun Management Center のセキュリティ機能へは、コンソール内の属性エディタまたは CLI からアクセスすることができます。属性エディタについての詳細は、第 10 章「データプロパティ属性の監視」を参照してください。CLI についての詳細は、第 20 章「コマンド行インタフェースの使用」を参照してください。

固有の管理機能と監視機能

この節では、固有の管理機能と監視機能について説明します。これらの機能へはコンソールからアクセスできますが、一部の機能については CLI からもアクセス可能です。

検出機能

Sun Management Center には検出機能が用意されています。この機能は、監視や管理の対象となる Sun Management Center のネットワークリソースを自動的に検索します。ユーザは、いくつかの値 ( IP 範囲、ホスト名、読み込まれたモジュール、オペレーティングシステム、ハードウェアタイプ、これらを組み合わせた値) に基づいて、検出条件を設定することができます。詳細については、第 4 章「検出マネージャを使用したオブジェクトのトポロジデータベースへの追加」を参照してください。

メインコンソールウィンドウ

Sun Management Center ソフトウェアは、Java インタフェースや Web インタフェースを通じてソフトウェアの表示、監視、対話を行います。ユーザは、複数のコンソールウィンドウを介して、さまざまな場所にわたって複数の管理ドメインを監視することができます。Java コンソールについての詳細は、第 5 章「Sun Management Centerでのオブジェクト管理」を参照してください。Web コンソールについての詳細は、第 15 章「Web コンソールを使用したオブジェクトの管理」を参照してください。


注 –

Web コンソールは、Java コンソールで使用可能な機能のサブセットを提供します。このマニュアルで説明するほとんどの機能は Java コンソールで使用可能です。ただし、Web コンソール固有の情報については特別に明記しています。


階層表示とトポロジ表示

Sun Management Center ソフトウェアには、以下の表示が用意されています。

ユーザは、階層表示で管理ドメインまたはホストをナビゲートして、該当オブジェクトを検索することができます。トポロジ表示とコンテンツ表示は、階層で選択されたオブジェクトのメンバーを表示します。

管理ドメインの場合、階層表示とトポロジ表示はメインコンソールウィンドウに表示されます。また、管理ドメインのトポロジ表示は、バックグラウンドを追加したり、管理ドメイン内のオブジェクトをリンクしたりして、カスタマイズすることが可能です。

オブジェクトの場合、階層表示とコンテンツ表示は「詳細」ウィンドウに表示されます。「詳細」ウィンドウは一連のタブから構成されており、指定オブジェクトのタイプによって使用可能なタブが異なります。以下は、典型的なホストオブジェクトに対して表示されるタブの例です。

「ログ表示」、「アプリケーション」、「ハードウェア」の各タブについては、以下で概要を説明します。「詳細」ウィンドウについての詳細は、第 6 章「管理オブジェクトの詳細表示」を参照してください。

「ログ表示」タブの概要

「ログ表示」タブは、ホストに関するメッセージ (エラーメッセージなど) を表示します。

「アプリケーション」タブの概要

「アプリケーション」タブは、指定したホストまたはノード上で稼動するプロセスを表示して、詳細な情報を選択するときに使用します。また、カスタムアプリケーションまたはサン以外のアプリケーションがインストール済みの場合も、該当アプリケーションで実行中のプロセスの詳細を表示することができます。表示内容は常に更新されます。

「ハードウェア」タブの概要

「ハードウェア」タブは、ホストの正面、背面、側面を写真のようにリアルに表示する物理表示機能を提供します。ユーザは、ホストのコンポーネンを個別にクリックして、コンポーネントの詳細を確認することができます。例えば、サーバボードをクリックすると、そのボードの詳細 (CPU、メモリー、ボート温度など) を確認できます。


注 –

物理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。


Sun Management Center ソフトウェアは、ホストのハードウェア構成全体を表示する論理表示機能も備えています。この機能も物理表示と同様に、該当するコンポーネントを個別にクリックして詳細を表示します。


注 –

論理表示は、一部のハードウェアプラットフォームにのみ使用可能です。


トポロジのインポート機能とエクスポート機能

トポロジのインポート機能とエクスポート機能は、トポロジデータベースを XML マークアップを使用する ASCII ファイルからインポートしたり、同ファイルにエクスポートしたりします。これらの機能を使用して、簡単に Sun Management Center サーバから他のサーバへ管理ドメインを移動したり、サーバの情報をバックアップすることができます。詳細については、第 19 章「トポロジ情報のインポートとエクスポート」を参照してください。

グラフ機能

Sun Management Center ソフトウェアは、数値を持つ全ての監視データプロパティの二次元グラフを作成することができます。詳細については、第 9 章「データプロパティのグラフ表示」を参照してください。

データ表示機能

「属性エディタ」ウィンドウでは、管理オブジェクトタイプを個別に選択して、単一エージェントの管理プロパティを表示することができます。Sun Management Center は、カスタマイズ表示やダッシュボードを作成するためのデータ表示機能も提供します。このカスタマイズ表示では、別々の Sun Management Center ホストに読み込まれた Sun Management Center の各種モジュールに属するプロパティを個別表示している画面を統合することができます。詳細については、第 14 章「データ表示」を参照してください。

管理ジョブ機能

「ジョブの管理」ウィンドウでは、トポロジオブジェクトの固定ジョブを作成することができます。この機能を使用すると、複数エージェント (グループ) でも単一エージェントと同じように簡単に管理することができます。「ジョブの管理」ウィンドウでは、ジョブに含めるオブジェクト、実行するタスク、ジョブの実行スケジュールなどを定義します。詳細については、第 13 章「グループ関連ジョブの管理」を参照してください。

Module Configuration Propagation (MCP) 機能

MCP サポートは、個々のエージェント構成の固定スナップショットを作成するための機能です。MCP サポートとジョブの管理機能を組み合わせることにより、エージェント構成を複数のエージェントに簡単に割り当てることができます。詳細については、構成タスクを作成するを参照してください。

Sun Management Center のソフトウェア環境

Sun Management Center ソフトウェアには、次の 2 つの環境が用意されています。

稼動環境は、ハードウェア (サブシステム、コンポーネント、周辺機器など) の管理と監視を行うアクティブな環境です。

一方、開発者 環境は、Sun Management Center ソフトウェア用に開発したモジュールをテスト (デモンストレーション) するための環境です。開発者環境は、本稼動環境と似ていますが、その唯一の目的は Sun Management Center モジュールの開発にあります。開発者環境についての詳細は、『Sun Management Center 3.5 Developer Environment Reference Manual』を参照してください。

Sun Management Center ソフトウェアのインストール

Sun Management Center 3.5のインストール情報は、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』を参照してください。

Sun Management Center ソフトウェアのインストール後は、さまざまなウィンドウ間を移動したり機能をテストしたりする時間をとってください。これにより、Sun Management Center ソフトウェアの理解が深まり、システム監視のための効果的なカスタマイズが可能となります。

Sun Management Center ソフトウェアの起動

この節では、Sun Management Center ソフトウェアの設定と使用の推奨方法について、典型的なタスクの概要と実行順も含めて説明します。各タスクの手順はこのマニュアルのなかで詳しく説明していますが、実際にはユーザのビジネスニーズに応じて変化します。

以下のタスク手順は、ユーザが実際の監視環境を設定する前に、ソフトウェアの機能を一通り習得していることを想定しています。

  1. Sun Management Center ソフトウェアをインストールします。ソフトウェアのインストールと設定についての詳細は、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』を参照してください。

  2. ユーザと Sun Management Center ソフトウェアへのアクセス権を確認します。詳細は、アクセス制御の使用を参照してください。セキュリティの概要については、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。

  3. Sun Management Center コンソールを起動します。コンソールは、ネットワークの管理と監視を行なうためのグラフィカルインタフェースを提供します。端末ウィンドウから Java コンソールを起動する場合は、次のコマンドを入力します。/opt/SUNWsymon/sbin/es-start -c。詳細は、第 5 章「Sun Management Centerでのオブジェクト管理」を参照してください。Web コンソールにアクセスする場合は、Web ブラウザに該当する URL を入力します。詳細については、第 15 章「Web コンソールを使用したオブジェクトの管理」 を参照してください。

  4. 管理と監視の対象となるソフトウェアのネットワークオブジェクト群を定義します。詳細は、管理ドメインを作成するを参照してください。

  5. Sun Management Center データベースの管理ドメインに、サーバやルーターなどのネットワークオブジェクトを追加します。手動でオブジェクトを作成してドメインを設定する方法については、第 3 章「オブジェクトのトポロジデータベースへの手動追加」を参照してください。検出マネージャを使用してドメインを生成する方法については、第 4 章「検出マネージャを使用したオブジェクトのトポロジデータベースへの追加」を参照してください。

  6. コンソールウィンドウをよく理解して、階層表示やトポロジ表示をナビゲートします。詳細は、第 5 章「Sun Management Centerでのオブジェクト管理」 または 第 15 章「Web コンソールを使用したオブジェクトの管理」を参照してください。

  7. 管理オブジェクトの詳細を表示します。詳細は、第 6 章「管理オブジェクトの詳細表示」第 7 章「管理オブジェクト情報の表示」を参照してください。特定のデータプロパティの詳しい表示方法については、第 8 章「データプロパティの監視」第 9 章「データプロパティのグラフ表示」第 10 章「データプロパティ属性の監視」を参照してください。

  8. モジュール機能を追加または削除することにより、監視機能をカスタマイズします。詳細は、第 11 章「モジュールの管理」を参照してください。本製品内で使用可能なモジュールの情報については、付録 C 「Sun Management Center ソフトウェアのモジュール」を参照してください。

  9. アラームを生成する条件と対応する処理を定義します。詳細は、第 12 章「アラームの管理」を参照してください。アラームに関する定義済み規則については、付録 D 「Sun Management Center ソフトウェアの規則」を参照してください。

  10. ユーザ定義のオブジェクトグループの管理機能と監視機能を作成します。詳細は、第 13 章「グループ関連ジョブの管理」を参照してください。


注 –

ご使用のハードウェア固有の情報については、補足資料を参照してください。


補足情報

このマニュアルでは、Sun Management Center 3.5 製品で使用可能な基本機能および最新機能について説明します。ただし、ご使用の環境で使用可能な機能には、追加のソフトウェアモジュールや固有のハードウェア情報が含まれる場合があります。

ハードウェア関連情報

Sun Management Center は、複数のハードウェアプラットフォームをサポートします。ハードウェアプラットフォームの詳しいサポート情報は、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』を参照してください。

この『Sun Management Center 3.5 ユーザーガイド』では、サポートする全ハードウェアプラットフォーム共通のソフトウェア機能について説明します。プラットフォーム固有の情報については、補足資料を参照してください。例えば、『Sun Management Center Suppliment for Sun Enterprise Midrange Servers』では、以下のプラットフォームに固有の Sun Management Center 機能について説明しています。

この補足情報は、Sun Management Center 3.5 CD および Sun Management Center Web サイト (http://www.sun.com/sunmanagementcenter/) で入手できます。


注 –

Sun Management Center ソフトウェアでご使用のマシンを管理、監視する方法を完全に理解するために、このマニュアルと該当するハードウェア補足情報の両方 をお読みください。


アドオン製品

Sun Management Center 環境は、いくつかの製品によって機能を強化できます。詳細については、関連マニュアルを参照してください。

最新情報

最新機能について説明した『Sun Management Center 3.5 ソフトウェアご使用にあたって』は、次のいずれかの方法で入手することができます。