Sun Management Center の管理ドメインは任意のリソース (サイト全体、個別ビルディング、ホスト、ネットワーク、サブネット、リンクなど) 集合で、1 つの管理ドメインの集合が階層に組織化されています。
このマニュアルでは、管理ドメイン はSun Management Center の管理ドメインを指します。従って、他の Sun 製品やドキュメントで使用されるドメインと混同しないようにしてください。
この章の内容は次のとおりです。
Sun Management Center ソフトウェアは多数のホストを監視することができます。監視タスクを効果的に実行するために、Sun Management Center ソフトウェアではホストをグループ化します。その最大 (最上位) のグループは管理ドメイン (ホスト、サブネット、ネットワーク、ビルディングなどの任意のグループ) です。
ユーザは 1 つまたは複数の管理ドメインを作成して、それぞれに一意の名前をつけることができます。個々の管理ドメインは、階層化された 1 つ以上のメンバーから構成されます。例えば 1 つの管理ドメインの構成メンバーとして、1 つのビル内の全ホストを含めることも、キャンパス内の全ホストを含めることも可能です。
複数のホストを別々の管理ドメインに配置する場合は、事前に計画を立ててから実行してください。
管理ドメインの下にグループを追加するかどうかを決定します。例えば、1 つの管理ドメインに数百のホストを 1 つずつ配置するのは非現実的な方法です。
管理ドメインは、いくかの小グループ (キャンパスなど) に分割できます。例えば、本社管理ドメインがいくつかのキャンパスロケーションから構成される場合、各キャンパスロケーションをより小さなグループ (ビルディングなど) に分割することができます。同様に、個々のビルディングも小グループ (ネットワーク、サブネット、グループなど) に分割することが可能です。最終的なグループの構成メンバーは個々のホストになります。
上記例を上位から下位の階層順に並べると、次のようになります。
管理ドメイン
キャンパス
ビルディング
ネットワーク
サブネット
グループ
個別ホスト
管理ドメインの詳しい作成方法については、管理ドメインを作成するを参照してください。
ホームドメインは、ユーザが特定のサーバにログインしたときに表示される管理ドメインです。
Sun Management Center のサーバソフトウェアは、インストール後にサーバシステムをリブートすると自動的に起動します。サーバへはコンソールからアクセスします。
Sun Management Center のコンソールを起動するには、次のコマンドを入力します。
% installed-root-directory/sbin/es-start -c |
ルートディレクトリのデフォルト設定は /opt/SUNWsymon です。
ログイン画面が表示されます。
一部の Sun Management Center 機能へは Web ブラウザからもアクセスできます。詳細については、第 15 章「Web コンソールを使用したオブジェクトの管理」 を参照してください。
有効なユーザ名、パスワード、サーバホスト名を該当するフィールドに入力します。
ユーザアカウントは、Sun Management Center サーバの /var/opt/SUNWsymon/cfg/esusers ファイルに一覧表示されます。
サーバのポート番号や通信セキュリティレベルを変更する場合は、「オプション」をクリックしてください。
Return キーを押すか「ログイン」ボタンをクリックします。
指定サーバに予めログインしていない場合やホームドメインが未設定の場合は、「ホームドメインの設定」ウィンドウ が表示されます。ホームドメインは、ユーザが特定サーバにログインすると表示される管理ドメインです。「ホームドメインの設定」ダイアログボックスは、コンソールの起動のたびに、ユーザがホームドメインを設定するまで毎回表示されます。
インストール時は、デフォルトドメインという名前のデフォルト管理ドメインが作成されます。デフォルトドメインは 1 つのオブジェクト (ご使用のサーバホスト) から構成されます。デフォルト管理ドメインを使用するためには、「デフォルトドメイン」を選択して 「ジャンプ先」ボタンをクリックします。ホームドメインの設定方法については、ホーム管理ドメインを設定するを参照してください。
この時点でユーザ独自の管理ドメインを生成したり他のタスクを実行したい場合は、次を参照してください。
独自の管理ドメインのオブジェクトを作成する方法については、管理ドメインの生成を参照してください。
メインコンソールウィンドウの使用方法については、第 5 章「Sun Management Centerでのオブジェクト管理」を参照してください。
監視機能の使用方法については、第 8 章「データプロパティの監視」を参照してください。
新規管理ドメインの作成方法については、管理ドメインを作成するを参照してください。
「ホームドメインの設定」ウィンドウへアクセスするには、メインコンソールウィンドウの「ファイル」メニューから「ホームドメインの設定」を指定します。
指定サーバに予めログインしていない場合やホームドメインが未設定の場合は、「ホームドメインの設定」ウィンドウが自動的に表示されます。
「ホームドメインの設定」ウィンドウで、ホームドメインとして設定する管理ドメイン名を選択します。
選択した管理ドメインが強調表示されます。
「ホームの設定」ボタンをクリックします。
「ホームドメインの設定」ダイアログボックスの下部に、次のメッセージが表示されます。
ホームドメインを設定しています...お待ちください。 |
ホームドメインが設定されると、メッセージが変わります。
ホームドメインを設定しました。 |
デフォルト管理ドメインがホームドメインとして設定され、メインコンソールウィンドウにホームドメインの情報が表示されます。詳細については、管理ドメインの概念を参照してください。
ホームドメインを設定せずに管理ドメインを使用する場合は、「ジャンプ先」ボタンをクリックして、選択した管理ドメインをメインコンソールウィンドウに表示します。この場合ホームドメインは設定されません。再びコンソールを起動すると「ホームドメインの設定」ウィンドウ が表示されます。
「閉じる」ボタンをクリックします。
メインコンソールウィンドウに選択したホームドメインが表示されます。
「ドメインマネージャ」ウィンドウを使用して、Sun Management Center の管理ドメインを作成します。
メインコンソールウィンドウの「ファイル」メニューから「ドメインマネージャ」を指定します。
「ドメインマネージャ」が表示されます。
「ドメインマネージャ」で「追加」ボタンをクリックします。
「ドメインの作成」ダイアログボックスが表示されます。
「ドメイン名」フィールドに新規の管理ドメイン名を入力します。
管理ドメインをすぐに生成しない場合は、「今すぐ生成」チェックボックスの選択を解除します。
Sun Management Center ソフトウェアのデフォルト設定では、管理ドメインの作成後すぐに検出マネージャを起動するダイアログボックスが表示されます。検出マネージャについての詳細は、第 4 章「検出マネージャを使用したオブジェクトのトポロジデータベースへの追加」を参照してください。
新規の管理ドメインを作成するには、「作成」ボタンをクリックします。
管理ドメインを作成せずにウィンドウを閉じる場合は、「取消し」ボタンをクリックします。
管理ドメインの作成に必要なアクセス権がないと、エラーメッセージが表示されます。セキュリティについての詳細は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
管理ドメインの作成後は、これらの管理ドメインと下位グループの生成を行います。
管理ドメインを生成するためには、esdomadm の特権が必要です。詳細は、Sun Management Center のグループ を参照してください。
管理ドメインにホストやその他のリソースを追加するために、次のいずれかの方法を使用します。
デフォルトでは、リソースのネットワークを検索する検出マネージャを使用して、新規の管理ドメインを生成します。検索時間を短縮するために、制限を生成することができます。詳細は、第 4 章「検出マネージャを使用したオブジェクトのトポロジデータベースへの追加」を参照してください。
ネットワーク上の新たな管理オブジェクトを定期的に検索する場合は、スケジュール機能で検索頻度 (毎時、毎日、毎週、毎月) を設定します。詳細は、検出要求の作成と変更を参照してください。
オブジェクトを個別に追加する場合は、「オブジェクトの作成」オプションを使用します。このオプションは、少数の既存リソースを追加するときに便利です。例えば、新規にインストールしたホストを、「オブジェクトの作成」を利用して即座にローカル管理ドメインに追加することができます。詳細は、第 3 章「オブジェクトのトポロジデータベースへの手動追加」を参照してください。
Sun Management Center では、作成した管理ドメインを管理することができます。
管理ドメインは、「ドメインマネージャ」ウィンドウまたは Sun Management Center のメインコンソールウィンドウを通じて、一覧表示することができます。
次のいずれかの方法で、メインコンソールウィンドウから「ドメインマネージャ」にアクセスします。
「ファイル」メニューから「ドメインマネージャ」を指定する。
「Sun Management Center ドメイン」プルダウンメニューをクリックする。
現在の管理ドメインのリストが表示されます。
表示したい管理ドメインを選択します。
メインコンソールウィンドウに選択した管理ドメインが表示されます。「Sun Management Center ドメイン」ボタンが指定した管理ドメイン名に切り替わります。
管理ドメインの属性エディタは、指定された管理ドメインとその動作を制御する規則に関する追加情報を提供します。管理ドメインのセキュリティ情報の編集には、この属性エディタを使用します。
属性エディタは、それぞれ指定されたオブジェクトタイプに応じて 1 つ以上のタブボタンを表示します。
次のいずれかの方法で属性エディタにアクセスします。
メインコンソールウィンドウの階層表示から選択した管理ドメインのアイコン上で、マウスボタン 3 を押します。次に、ポップアップメニューから「属性エディタ」を指定します。
メインコンソールウィンドウで、「ファイル」メニューから「ドメインマネージャ」を指定します。次に、管理ドメインを指定して「セキュリティ」ボタンをクリックします。
選択されていない場合は、「属性エディタ」ウィンドウの「セキュリティ」タブをクリックします。
「属性エディタ」ウィンドウにセキュリティ情報が表示されます。
ユーザ名と管理者グループ名を該当するフィールドに入力します。
ユーザとグループについての詳細は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
変更に同意して「属性エディタ」ウィンドウを閉じるには、「了解」ボタンをクリックします。
管理ドメインを削除する場合は、付属するメンバーも全て削除することになります。
「ドメインマネージャ」ウィンドウで、削除したい管理ドメイン名を指定します。
管理ドメインを削除するためには、適切なアクセス権を持っている必要があります。Sun Management Center のセキュリティについての詳細は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
「削除」ボタンをクリックします。
「ドメイン削除の確認」ダイアログボックスが表示されます。
「ドメイン削除の確認」ダイアログボックスは 、削除する対象によって 2 通り (全ての管理ドメイン、現在表示中の管理ドメイン) あります。
削除したい管理ドメインを確認して、「削除」ボタンをクリックします。
「ドメイン削除の確認」ダイアログボックスに次のメッセージが表示されます。
ドメインを削除しています...お待ちください。 |
削除が成功すると、ダイアログボックスが消えて、ドメインマネージャが管理ドメインリストを更新します。
「閉じる」ボタンをクリックして「ドメインマネージャ」ウィンドウを閉じます。
遠隔管理ドメインは、異なる Sun Management Center のサーバコンテキストで作成された Sun Management Center の管理ドメインです。サーバコンテキストの説明は、サーバコンテキスト を参照してください。
異なるサーバコンテキストのオブジェクトに関心がある場合、遠隔リソースを監視することができます。遠隔リソースを監視するためには、ローカル管理ドメイン内の遠隔管理ドメインを参照します。また遠隔リソースを 管理する場合は、現在の Sun Management Center のサーバコンテキストからログアウトして、遠隔サーバコンテキストにログインします。リソース上の監視プロパティは、コンソールに接続したサーバによってエージェントが管理されている場合にのみ管理することが可能です。デフォルトでは、Sun Management Center のセキュリティは、遠隔管理ドメインに対する “ 読み取り専用 ” の権限をユーザに付与します。セキュリティについての詳細は、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
遠隔リソースは、所属する遠隔管理ドメインを参照することによって 監視 できます。ただし、遠隔リソース上の監視プロパティを管理することはできません。
例えば、現在の Sun Management Center サーバコンテキストが本社管理ドメインに基づき、遠隔の Sun Management Center サーバコンテキストが支社 1 に基づくと仮定します。支社 1 に従業員が不在の場合は、本社サーバコンテキスト内の遠隔管理ドメインを参照することで、本社から支社管理ドメインを監視することができます。そのため、緊急事態が発生しても、本社の管理者は 支店 1 の管理者に即座に通知することができます。
遠隔管理ドメインを通じて、重要なリソースを常時監視することが可能です。
図 2–3 は、遠隔モニタリングの流れを示しています。管理ドメイン A は、ドメイン A に割り当てられたオブジェクト 1 と 2 を監視します。さらに管理ドメイン A は、ドメイン B に割り当てられたオブジェクト3 と 4 を遠隔で監視します。ただし、この場合は遠隔管理ドメイン B を仲介する必要があります。
自らを参照対象とする管理ドメインは作成しないでください。例えば、管理ドメイン A を作成する場合、参照対象である管理ドメイン B からも参照されるような関係は成立できません。
2 つの管理ドメインを相互に監視する必要がある場合は、循環型のドメイン参照ではなく、ドメイン A とドメイン B の下にドメインメンバー (グループなど) を作成してください (次の図を参照)。
上図で遠隔参照を行う場合、ドメイン A はドメイン B の下位グループ 2 を参照し、ドメイン B はドメイン A の下位グループ 1 を参照します。
メインコンソールウィンドウの「ファイル」メニューから「リモートドメインマネージャ」を指定します。
「リモートドメインマネージャ」ダイアログボックスが表示されます。
「ホスト」フィールドに遠隔サーバ名を入力します。
必要に応じて、「ポート」フィールドに遠隔トポロジマネージャのポート番号を入力します。
デフォルトでは、トポロジマネージャはポート 164 のサーバにインストールされます。
「ドメイン一覧」ボタンをクリックします。
遠隔サーバ上の管理ドメインが一覧表示されます。
参照したい管理ドメインを選択します。
選択した管理ドメインが強調表示されます。
「参照」ボタンをクリックします。
メインコンソールウィンドウで現在選択されている管理ドメインの参照管理ドメインが作成されます。