この章では、SPARC 版 Solaris 8、Solaris 7 - 5/99 またはそれ以降、または、KUパッチ 105181-11 以降をインストールした SPARC 版 Solaris 2.6 - 5/98 リリースを実行しているシステム上に Solaris Resource Manager 1.3 をインストールする方法について詳しく説明します。
必ずソフトウェア使用許諾書に規定されている諸条件を読んで、理解し、合意してから、Solaris Resource Manager をインストールしてください。
インストールを始める前に、次の点にご注意ください。
Solaris 8 (SPARC 版) オペレーティング環境が実行されているシステムに Solaris Resource Manager をインストールする前に、パッチ 108995-04 (またはそれ以降) をインストールしてください。このパッチがインストールされていなくても、資源キャッピングデーモンのパッケージをインストールする際には、インストールスクリプトにより自動的にシステムへインストールされます。
SPARC 版 Solaris 2.6 がすでに実行されているシステムに Solaris Resource Manager をインストールする前に、このシステムが SPARC 版 Solaris 2.6 - 5/98 リリースにアップグレードされていることを確認してください。また、KU パッチ 105181-11 (またはそれ以降) がインストールされていることも確認してください。
SPARC 版 Solaris 7 が現在実行されているシステムに Solaris Resource Manager をインストールする前に、このシステムが SPARC 版 Solaris 7 - 5/99 またはそれ以降のリリースにアップグレードされていることを確認してください。
現在、SPARC 版 Solaris 2.6 で Solaris Resource Manager 1.0 を実行しており、 SPARC 版 Solaris 7 - 5/99 以降、または Solaris 8 で実行する Solaris Resource Manager 1.2 にアップグレードするには、まず最初に Solaris Resource Manager 1.0 のアップグレードを参照してください。
Solaris 2.6 オペレーティング環境を実行しているシステム上で現在 Solaris Resource Manager 製品を使用している場合、次の条件を満たしている場合のみ Solaris Resource Manager 1.2 CD をインストールしてください。
オペレーティングシステムを Solaris 7 - 5/99 以降、または Solaris 8 にアップグレードしたい場合
Solaris Resource Manager 1.3 リリースで改訂されたマニュアルまたは、AnswerBook を読み込みたい場合 (詳細は、CD から Solaris Resource Manager 1.3 のマニュアルだけをインストールするを参照)
Solaris 8 よりも以前のオペレーティング環境を実行しているシステム上で現在 Solaris Resource Manager 製品を使用している場合、この CD では一部のソフトウェアに必要な修正機能が含まれていないものがあります。この場合は、次の条件を満たさない限り Solaris Resource Manager 1.3 CD をインストールしないでください。
オペレーティングシステムを Solaris 8 にアップグレードしたい場合
Solaris Resource Manager 1.3 リリースで強化された機能に関して、AnswerBook などのマニュアル類を読み込みたい場合 (詳細は、「CD から Solaris Resource Manager 1.3 のマニュアルだけをインストールする」を参照)
Solaris Resource Manager は、Sun Microsystems が開発したすべての SPARC 4U および 4U-1 の UltraSPARCTM プロセッサシステムにインストールできます。これには主に次のシステムが含まれます。
Sun FireTM 15K、Sun Fire 12K、Sun EnterpriseTM 10000 サーバー
Sun Fire 3800、Sun Fire 4800、Sun Fire 6800 サーバー
Sun Enterprise 3500、Sun Enterprise 4500、Sun Enterprise 5500、Sun Enterprise 6500 サーバー
Sun Fire 280R、Sun Fire V480、Sun Fire V880 サーバー
Sun Enterprise 250、Sun Enterprise 420R、Sun Enterprise 450 サーバー
NetraTM 1200T システムプラットフォーム
Solaris Resource Manager と Sun Cluster 製品は併用することができ、これらはどのような順序でもインストールできます。インストールについては、第 2 章「Solaris Resource Manager 1.3 の Sun Cluster の 3.0 アップデート環境へのインストール」のガイドラインを参照してください。また、docs.sun.com Web サイトの『Sun Cluster 2.2 ソフトウェアのインストール』も参照してください。
Solaris Resource Manager をインストールする前に既存システムのパックアップをとっておいてください。
Solaris Resource Manager 1.2 を SPARC 版 Solaris 2.6 - 5/98 にインストールする前に、次のパッチをインストールしてください。
KU パッチ 105181-11 (またはそれ以降)。Solaris 2.6 環境で Solaris Resource Manager を使用できるようにするカーネルの機能強化のために必要です。
パッチ 106123-04 (またはそれ以降)。Solaris 2.6 システム上で SUNWsrmm パッケージに含まれている Solaris Resource Manager のマニュアルページを表示するのに必要です。
パッチ 107122-01 は、Solaris 2.6 システム上で日本語版のマニュアルページ (SUNWjesrm パッケージ) を表示するのに必要です。
これらのパッチは、http://sunsolve.sun.com およびご購入先から入手することができます。
動的な再構成を Sun Enterprise 3500、Sun Enterprise 4500、Sun Enterprise 5500、または Sun Enterprise 6500 システムにおいて行う予定がある場合は、3.2.22 版以上の CPU PROM で実行する必要があります。これよりも低いバージョンの CPU PROM でシステムが実行されている場合、103346-22 以降のパッチをダウンロードして、パッチの README ファイルの説明に従ってインストールしてください。Solaris Resource Manager 1.3 をインストールする前に、このパッチをシステムにインストールしておく必要があります。
Solaris 8 上で Solaris Resource Manager を実行する場合には、パッチ 108995-04 (またはそれ以降) をインストールしておく必要があります。このパッチがインストールされていなくても、資源キャッピングデーモンのパッケージをインストールする際には、インストールスクリプトにより自動的にシステムへインストールされます。
Solaris 7 上で Solaris Resource Manager を実行する場合には、パッチ 109256-01 をインストールする必要があります。このパッチをを使用すると srmadm ユーティリティでは、delta や maxusage などのパラメータに負の値をとることはできません。これらの不適切な値をパラメータとして設定すると Solaris 7 システムにインストールされた Solaris Resource Manager は使用できなくなります。
Solaris 7 - 5/99 リリース以降には、KU パッチ 106541-04 が組み込まれています。このパッチには、Solaris 7 環境で Solaris Resource Manager を使用できるようにするカーネルの拡張機能が含まれています。使用しているリリースのパッチが将来更新された場合は、システムにこの更新版をインストールすることを推奨します。
表 1-1 を参考に、システムで Solaris Resource Manager を実行するために必要なおおよそのディスク容量を求め、必要なディスク容量を確保できているかどうかを確認してください。
表 1-1 必要なディスク容量
ボリューム: / (ルート) |
サイズ (K バイト) |
/platform/sun4?/kernel 内のシステム拡張 /etc 内の構成ファイル / (ルート) ボリュームの合計 |
216 62 260 |
ボリューム: /usr/lib |
サイズ (K バイト) |
/usr/lib 内のライブラリ |
138 |
ボリューム: /usr |
サイズ (K バイト) |
/usr/lib/class/SHR 内のクラスファイル /usr/srm 内のソフトウェア /usr ボリュームの合計 |
2152 36 235 |
ボリューム: /var |
サイズ (K バイト) |
/var/srm/srmDB 内の l ノードデータベース 計算方法: システムのユーザー数に 2K バイトをかけます。たとえば、ユーザーが 200 人であれば、400K バイトが必要です。 |
271
|
Solaris Resource Manager をインストールすると、次のシステムファイルが変更されます。
表 1-2 追加または変更されるシステムファイル表 1-3 追加または変更されるシステムファイル (続き)
追加されるファイル (続き) |
/usr/srm/sbin/limadm /usr/srm/sbin/srmadm /usr/lib/class/SHR/SHRdispadmin /usr/lib/class/SHR/SHRpriocntl /usr/lib/security/pam_srm.so /usr/lib/security/pam_srm.so.1 |
更新されるファイル |
/etc/devlink.tab /etc/pam.conf /etc/passwd /etc/shadow /etc/system |
更新されないファイル1 |
/usr/srm/unsupport/limid2 /usr/srm/unsupport/passwd_lnodes /usr/srm/unsupport/schedtree |
1. 有用ですが、サポートされていないファイルです。
CD-ROM ドライブに Solaris Resource Manager 1.3 CD を挿入します。Solaris ボリュームマネージャ (vold(1M) を参照) によって、ファイルシステムに自動的に CD-ROM がマウントされます。
Sun Enterprise 10000、Sun Fire 15K、または Sun Fire 12K サーバーの場合は、次の節の手順に従ってください。
Sun Enterprise 10000 サーバーには、直接接続された CD-ROM ドライブは付属していません。その代わりに、SSP (System Service Processor) に CD-ROM ドライブが内蔵されています。このため、Sun Enterprise 10000 サーバーの場合、CD 上のソフトウェアが関係するインストールでは、次の 2 つの追加作業が必要になります。
SSP の CD-ROM ドライブに Solaris Resource Manager 1.2 CD を挿入します。
SSP でスーパーユーザーになり、CD-ROM を共有します。
ssp# share -F nfs -o ro,anon=0 /cdrom/cdrom0 |
Sun Enterprise 10000 システムはドメインに分けられ、それぞれのドメインは独自のサーバーとして活動して、それぞれの Solaris 環境を実行します。これは、Solaris Resource Manager 1.3 の機能をもたせようとするドメインすべてに Solaris Resource Manager をインストールする必要があることを意味します。このマニュアルでは「システム」とは、Sun Enterprise 10000 サーバーの「ドメイン」のことです。
プラットフォームのすべてのドメインに Solaris Resource Manager をインストールする必要はありません。Solaris Resource Manager のサービスを必要とするドメインにだけインストールしてください。
Solaris Resource Manager 1.3 製品は以下のパッケージから構成されています (他の言語のローカリゼーションパッケージも含まれています)。これらのパッケージには、Solaris Resource Manager を使用するために必要なソフトウェアとマニュアル類、その他のファイルがすべて含まれています。
Solaris 2.6 または Solaris 7 - 5/99 を実行するシステムに Solaris Resource Manager をインストールする場合のみ、製品 CD から 3 つの Solaris AnswerBook2 v1.4 Documentation Server パッケージ (SUNWab2r、SUNWab2s、SUNWab2u) をインストールしてください。Solaris 7 - 8/99、Solaris 7 - 11/99、および Solaris 8 システムには、AnswerBook2 文書サーバーの新しいバージョンが含まれています (これを上書きしないでください)。
パッケージ |
説明 |
オペレーティングシステム |
SUNWrcapm |
Solaris Resource Capping Daemon Man Pages |
Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWrcapr |
Solaris Resource Capping Daemon (Root) |
Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWrcapu |
Solaris Resource Capping Daemon (ユーザー) |
Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWrcapx |
Solaris Resource Capping Daemon (64 ビット) |
Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWsrma |
『Solaris Resource Manager 1.3 Collection』 (英語版 AnswerBook2) |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWsrmb |
Solaris Resource Manager 1.3 のユーザーコマンド |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWsrmm |
Solaris Resource Manager 1.3 の英語版マニュアルページ |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWsrmr |
Solaris Resource Manager 1.3 のライブラリおよびシステムユーティリティ |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWab2r, SUNWab2s, SUNWab2u |
Solaris AnswerBook2 v1.4 文書サーバー |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) |
SUNWjesrr |
Solaris Resource Manager のコマンドの日本語メッセージ |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWjesrm |
Solaris Resource Manager の日本語版マニュアルページ |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
SUNWjsrma |
『Solaris Resource Manager Collection - Japanese』(日本語版 AnswerBook2) |
Solaris 2.6 (SPARC 版) Solaris 7 (SPARC 版) Solaris 8 (SPARC 版) |
パッケージをインストールするには、次の手順に従います。
Solaris Resource Manager をインストールするシステムにログインして、スーパーユーザーになります。
$ su Password: # |
システムをシングルユーザーシステム管理モードにします。
# shutdown -i 1 |
Sun Enterprise 10000 サーバーの場合、この操作は必要ありません。
CD がマウントされたディスクに移動します。
# cd /cdrom/cdrom0 |
Sun Enterprise 10000 サーバーの場合は、ディレクトリに移動する前に CD-ROM ドライブが内蔵されている SSP から、CD を NFS でマウントする必要があります。
# mkdir -p /cdrom/cdrom0 # mount -F nfs ssp:/cdrom/cdrom0 /cdrom/cdrom0 # cd /cdrom/cdrom0
CD-ROM が正しくマウントされているかどうかを調べるには、ディレクトリのリストを表示して、次のファイルがあることを確認します。
# ls Copyright SolarisResourceManager_1.1 Installer Uninstaller README_en |
製品のインストールツールの Installer を起動します。
システムにパッケージがすでにインストールしてある場合は、インストール時の問題を読んでから、次に進んでください。
Installing.....Solaris Resource Manager 1.3 (SRM) Processing package instance <SUNWsrmb> from </cdrom/srm_1_3/SolarisResourceManager_1.3/Solaris_8/sparc/Product/locale/C> Solaris Resource Manager (sparc) 1.3,REV=2002.09.12.12.52 Copyright 2002 Sun Microsystems, Inc. All rights reserved. Copyright 2002 Sun Microsystems, Inc. Tous droits reserves. ## Processing package information. ## Processing system information. ## Verifying package dependencies. ## Verifying disk space requirements. ## Checking for conflicts with packages already installed. ## Checking for setuid/setgid programs. |
Sun コンソール画面など日本語が表示できない端末で実行する場合、ロケール設定が ja になっていると文字が読めなくなります。この場合、以下のようにして Installer を実行してください。
This package contains scripts which will be executed with super-user permission during the process of installing this package. Do you want to continue with the installation of <SUNWsrmb> [y,n,?] y |
システムのパッケージのインストール中に、インストールに関するいろいろなメッセージが表示されます。パッケージのインストールは 1、2 分で完了します。
Installing Solaris Resource Manager as <SUNWsrmb> ## Installing part 1 of 1. /usr/srm/bin/liminfo /usr/srm/bin/limreport /usr/srm/bin/srmkill /usr/srm/bin/srmstat /usr/srm/bin/srmuser /usr/srm/lib/limdaemon /usr/srm/sbin/limadm /usr/srm/sbin/srmadm /usr/srm/unsupport/passwd_lnodes /usr/srm/unsupport/schedtree [ verifying class ] |
最初の 2 つのパッケージのインストールが完了すると、次のメッセージが表示されます。
Installation of <SUNWsrmr> was successful. |
インストール中に画面に表示される情報をよく読み、指示に従って作業を行なってください。間違えた場合は、Installer コマンドが終了するのを待ってから、Uninstaller を使用して、いったん Solaris Resource Manager を削除し、システムを元の状態に戻してください。その後、手順 5 の説明に従い、再度ソフトウェアをインストールします。
SUNWsrmm、SUNWab2r、SUNWab2s、SUNWab2u、および SUNWsrma パッケージをインストールするようメッセージが表示されます。Solaris 2.6 または Solaris 7 - 5/99 上で実行している場合のみ、この手順を行なってください。これらのパッケージをインストールする場合は、それぞれのメッセージに対して y を入力します。
Solaris 2.6 または Solaris 5/99 を実行していて、AnswerBook 文書サーバーをインストールするオプションを選択した場合は、ファイルの一部がすでにシステムにインストールされていて、別のパッケージによって使用されていること、また属性に変更が加えられることを示す警告メッセージがプロンプトに表示されます。このプロンプトに y を入力して、Solaris Resource Manager に提供されている新しい AnswerBook2 文書サーバーをインストールするオプションを選択してください。
サーバーは、Solaris 2.6 および Solaris 7 両方の AnswerBook2 コレクションと互換性があります。
インストール中にエラーなどの問題が発生した場合は、第 4 章「問題の解決」を参照してください。パッケージが正しくインストールされなかった場合は、システム設定作業に進まないでください。
ローカリゼーション版では、さらに以下のような必要言語に関するプロンプトが表示されます。日本語版を選択するには、Japanese に対して y を、その他に対して n を入力してください。なお、日本語版の AnswerBook をインストールするにはあらかじめ AnswerBook 文書サーバーを選択している必要があります。
Install Japanese version SRM Product, Man Pages & AB now [y|n] Install French version SRM Product, Man Pages & AB now [y|n] Install Korean version SRM Product, Man Pages & AB now [y|n] Install Chinese version SRM Product, Man Pages & AB now [y|n]
SUNWsrmr パッケージのインストール中に、srmidle、srmlost、srmother の (idle、lost、other の l ノードに対する) 3 つの特殊なユーザー情報が作成されます。
ユーザー名 |
ユーザー ID |
---|---|
srmidle |
41 |
srmlost |
42 |
srmother |
43 |
次のコマンドを入力して、これらのユーザー ID がシステムの既存のユーザー ID と衝突していないことを確認します。
# /usr/bin/egrep 41\|42\|43 /etc/passwd |
衝突している場合は、パスワードファイル (/etc/passwd) とシャドウファイル (/etc/shadow) のユーザー ID を変更してください。
これらの特別なユーザーには、ホームディレクトリやログインアクセスは必要ありません。名前の srmlost および srmidle は、推奨するデフォルト名です。必要ならば、別の名前を使用することができます。そのためには、/etc/init.d/init.srm 内の LostLnode および IdleLnode の設定を追加することによって、デフォルト名を無効にします。srmother はシステムによって割り当てられる名前で、変更することはできません。
システムを再起動します。再起動中にエラーが発生した場合は、そのメッセージ (特にデバイスドライバの設定に関係するメッセージ) を書き留めておいてください。
# reboot |
Solaris Resource Manager を有効にした状態でシステムを初めて起動すると、必要な初期設定が自動的に行われます。この初期設定では、システムに登録されているユーザー用のパスワードファイルを走査することによって、新しい Solaris Resource Manager データベースが作成され、完了するまでに多少時間がかかることがあります。この間、画面には次のようなメッセージが表示されます。
SunOS Release 5.7 Version Generic [UNIX(R) System V Release 4.0] Copyright (c) 1983-1999, Sun Microsystems, Inc. Solaris Resource Manager v1.1b3 (allocated 266 lnodes) configuring network interfaces: le0. Hostname: patchtest-4m Configuring the /devices directory Configuring the /dev directory Configuring the /dev directory (compatibility devices) The system is coming up. Please wait. Enabling Solaris Resource Manager v1.1. SRM database '/var/srm/srmDB' not present - creating empty database SRM - creating user lnodes; may take a while uid 37 Solaris Resource Manager v1.1 Enabled. ... The system is ready. |
システムが起動し、コンソールからログインすると、次のようなメッセージが表示されます。
Last login: Mon Mar 3 08:40:09 on console Sun Microsystems Inc. SunOS 5.7 |
再起動中あるいはログインしているときにエラーなどの問題が発生した場合は、第 4 章「問題の解決」を参照してください。
Solaris Resource Manager をインストールして、システムが正常に動作し、正しくログインできることを確認したら、次の作業を順番に行なってください。
『Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理』を参照して、システム上の Solaris Resource Manager を設計、設定、および管理します。
システムの性能テストを行なって監視し、使用条件に最も合った設定を確認します。Solaris Resource Manager が提供するシステム資源の管理能力について調べてください。
現在、SPARC 版 Solaris 2.6 で Solaris Resource Manager 1.0 を実行しており、SPARC 版 Solaris 8 または Solaris 7 の Solaris Resource Manager 1.2 にアップグレードしたい場合は、この節の説明に従ってください。
Solaris Resource Manager 1.0 の l ノードデータベースは、Solaris Resource Manager 1.1 とは互換性がありません。これをアップグレードするには、次のスクリプトを使用して、このデータベースを変換しなければなりません。このスクリプトは、savelnodes という名前で作成する必要があります。
#!/bin/sh /usr/srm/bin/limreport 'flag.real' - lname preserve | \ sed 's/,/:/g' | sed 's/services.flag.xterm=.*://g' | sed 's/umask=[0-9]*://g'
Solaris Resource Manager 1.0 を実行している Solaris 2.6 システムをアップグレードする場合は、次の手順に従ってください。
savelnodes スクリプトを実行します。
# savelnodes > /export/home/savelnodes.out |
l ノードデータベースを削除します。
# rm /var/srm/srmDB |
システムから Solaris Resource Manager 1.0 を削除します。
詳細は、第 3 章「Solaris Resource Manager の削除」を参照してください。
Solaris 2.6 から Solaris 8 にアップグレードします。
詳細は、「Solaris 8 Install Collection」 を参照してください。
Solaris Resource Manager 1.3 をインストールします。
詳細は、第 1 章「Solaris Resource Manager 1.3 のインストール」を参照してください。
limadm コマンドを実行して l ノードを復元します。
# /usr/srm/sbin/limadm set -f /export/home/savelnodes.out |
Solaris Resource Manager 1.3 リリースでは、マニュアルが改訂されています。この内容は、Solaris Resource Manager 1.0 と Solaris Resource Manager 1.1 および Solaris Resource Manager に適用できるため、Solaris Resource Manager 1.0 または 1.1 または 1.2 を今回アップグレードしない場合でも、最新のマニュアルを使用できます。
この節で説明しているように、マニュアルを更新するには、Solaris Resource Manager をインストールしてあるシステムにログインして、スーパーユーザーになります。
オンラインマニュアルページを置き換えるには、次の手順に従ってください。
次のように入力して、Solaris Resource Manager 1.0 または 1.1、または 1.2 のマニュアルページを削除します。
日本語版
# pkgrm SUNWjsrmm |
英語版
# pkgrm SUNWsrmm |
CD-ROM からのインストールまたは Sun Enterprise 10000 サーバー上での CD のマウントの説明に従って、Solaris Resource Manager 1.3 CD をマウントします。
日本語版は、ディレクトリ /SolarisResourceManager_1.3/Solaris_2.6+/sparc/Product/locale/ja に移動して、次のように入力します。
# pkgadd -d . SUNWjesrm |
英語版は、ディレクトリ /SolarisResourceManager_1.2/Solaris_2.6+/sparc/Product/locale/C に移動して、次のように入力します。
# pkgadd -d . SUNWsrmm |
『Solaris Resource Manager 1.3 ご使用にあたって』の「オンラインマニュアルページの使用」で説明しているように、使用している環境の MANPATH 変数に /usr/srm/man を追加します。
新しい Solaris Resource Manager 1.3 コレクションをインストールするには、次の手順に従ってください。
次のように入力して、既存の Solaris Resource Manager 1.0 コレクションまたは Solaris Resource Manager 1.1 コレクション、または Solaris Resource Manager 1.2 コレクションを削除します。
日本語版
# pkgrm SUNWjsrma |
英語版
# pkgrm SUNWsrma |
必要に応じて、手順 2 で説明したように、CD をマウントします。
次に、日本語版はディレクトリ /SolarisResourceManager_1.3/Solaris_2.6+/sparc/Product/locale/ja に移動して、次のように入力します。
# pkgadd -d . SUNWjsrma |
英語版はディレクトリ /SolarisResourceManager_1.3/Solaris_2.6+/sparc/Product/locale/C に移動して、次のように入力します。
# pkgadd -d . SUNWsrma |
『Solaris Resource Manager 1.3 のシステム管理』の PDF 版を、システムにコピーする場合は、次の手順に従ってください。
必要に応じて、手順 2 で説明したように、CD をマウントします。
日本語版はディレクトリ /SolarisResourceManager_1.3/Solaris_2.6+/common/Docs/locale/ja に移動します。
英語版はディレクトリ /SolarisResourceManager_1.3/Solaris_2.6+/common/Docs/locale/C に移動します。
システムにファイルをコピーします。