最下位機密ラベルの SLD から他のラベルで作成された 2 番目以降の SLD に任意のファイルがコピーされると、そのファイルがユーザーにより編集され、異なる SLD 内に異なるバージョンのファイルが存在することになります。SLD 間のファイルのコピーが必要となるのは、たとえば異なる機密ラベルで作業しているユーザーが、ラベルごとに異なるメールエイリアスを使いたいという場合などです。各 SLD に .Xdefaults-hostname のコピーを配置するには .copy_files ファイルの一覧に.Xdefaults-hostname を加えます。詳細は、「ホームディレクトリ内の複数の SLD にスタートアップファイルを配置するには」を参照してください。
上記の手順において、管理者役割は任意のスケルトンディレクトリを作成し (またはデフォルトの /etc/skel を使用して)、そのスケルトンディレクトリにスタートアップファイルの汎用コピーを配置します。さらに、管理者はこのスケルトンディレクトリ内に、マスターの .copy_files (すべてのホーム SLD にコピーしたいスタートアップファイルの一覧を記述したもの) ならびにマスターの .link_files (すべてのホーム SLD にリンクしたいファイルの一覧を記述したもの) を作成します。その後、ユーザーアカウントの設定時に、管理者役割がこの変更されたスケルトンディレクトリのパス名を指定すると、スケルトンディレクトリ内のすべてのファイル (.link_files や .copy_files を含む) が指定のユーザーのホームディレクトリ内の最下位の機密ラベルの SLD にコピーされます。続いて .link_files ならびに .copy_files 内の情報に基づいて、最初の SLD 内の指定されたファイルが、2 番目以降に作成された各 SLD にコピーまたはリンクされることになります。