この節では、Backup で使用するサイロのインストールと、構成方法について説明します。
サイロ管理ソフトウェアをサイロサーバーにインストールします。
次に示すモデルでは、Backup のインストール時に、必要なソフトウェアがすべてインストールされています。この場合には手順 4 に進んでください。
Solaris、AIX、および HP-UX 上の StorageTek
Solaris、AIX、HP-UX、および Windows NT 上の EMASS/Grau
Solaris および AIX 上の IBM 3494
サイロが上記モデル以外の場合は、サイロを使用する Backup サーバーまたはストレージノードに、STLI ライブラリをインストールします。
この手順は、ベンダーのマニュアルに従ってください。
Backup サーバーまたはストレージノードが、Backup が使用するサイロ内のメディアデバイスに正しく接続されていることを確認します。
jb_config プログラムを実行して、サイロ内のデバイスを Backup で使用できるように構成します。
手順は、「サイロを構成するには」を参照してください。
サイロサポートモジュールのイネーブラ証明書に記載されている手順に従って、サイロサポートモジュールを有効にします。
サイロサポートモジュールを登録して認証を受けます。
手順は、「ソフトウェアを登録し認証を受けるには」を参照してください。
サイロを構成するには、jb_config プログラムを使います。次の情報を入力するようにプロンプトが表示されます。
サイロのタイプ
サイロの名前 (英数字の文字列)
サイロサーバーマシンのホスト名 (StorageTek、EMASS/Grau の場合)
/etc/ibmatl.conf ファイルに定義されているサイロの記号名 (IBM 3494 の場合)
自動デバイスクリーニング機能を有効にするかどうか (no と入力します。サイロ管理ソフトウェアが、サイロ内のデバイスのクリーニングを制御)
STL ライブラリソフトウェアのパス名 (サイロインタフェースライブラリソフトウェアが常駐する Backup サーバーまたはストレージノード上のフルパス)
構成するデバイスの数
構成するデバイスごとに、次の情報を入力するようにプロンプトが表示されます。
デバイスのパス名
デバイスのメディアタイプ (まだデバイスが構成されていない場合)
デバイスのサイロ名 (各デバイスに対して入力するサイロ名の詳細は、「サイロデバイスの命名規則」を参照)
次に示す例は、Solaris の Backup サーバーで作成されたものです。jb_config プログラムの出力は、オペレーティングシステムとサイロのタイプによってわずかに異なります。
# jb_config 1) Install an Autodetected SCSI Jukebox. 2) Install a Serial Jukebox. 3) Install an SJI Jukebox. 4) Install an RLM Jukebox 5) Install an STL Silo. What kind of Jukebox are you installing? [1] 5 Supported Silo types for this system are: 1) ACSLS Silo (StorageTek) 2) DAS Silo (Emass/Grau) 3) 3494 Silo (IBM) Enter the number corresponding to the type of silo you are installing: Choice? 1 Installing a StorageTek Silo. Name you would like to assign to the Silo device? stk_silo Name of the host running the ACSLS software? [] expo1 Pathname of the STL library for the ACSLS silo? [/usr/lib/nsr/libstlstk.so] [Return] Do you want automated device cleaning support enabled? (yes/no) n How many devices are to be configured for this silo (1 to 64)? [4] 1 Enter pathname of media drive 1: ? /dev/rmt/0mbn This media device has not been configured yet. Please select a media device type for /dev/rmt/0mbn. a) himt b) qic c) 4mm d) 8mm e) 8mm 5GB f) 3480 g) dlt h) optical Choice? h Enter corresponding silo name of media drive 1: ? 0,0,2,0 Since this is a silo, the barcode reader is enabled, and volume labels are set to match barcode labels Jukebox has been added successfully |
サイロの構成結果は、Backup 管理プログラム nwadmin または nsradmin プログラムの「Jukeboxes」リソースで確認できます。Jukeboxes リソースの各属性の詳細は、オンラインヘルプか、nsr_jukebox のマニュアルページを参照してください。
jb_config プログラムによって、ストレージデバイスのサイロ名、つまりサイロ内のデバイス名を入力するようプロンプトが表示されます。このサイロ名は、サイロ管理ソフトウェアがデバイスを指すときに使われる名前です。サイロのタイプによって、デバイス名の形式が異なります。この節では、現在サポートされているサイロの命名規則を説明します。
StorageTek (STK) 用のサイロ管理ソフトウェアは、UNIX システムでは ACSLS という名前で、MVS システムでは Library Attach という名前で呼ばれているプログラムです。どちらも、サイロ内のデバイスの物理的位置を表す座標系に基づいてデバイスに名前を付けます。
テープドライブの名前は、4 桁の数字をコンマで区切って表します。先頭の数字は、ドライブが関連付けられている自動カートリッジシステム (Automated cartridge System, ACS) を表します。2 番目の数字は、ドライブが置かれているライブラリストレージモジュール (Library Storage Module, LSM) を表します。3 番目と 4 番目の数字は、それぞれドライブが置かれているパネルとスロットの位置を表します。典型的な STK ドライブ名の例は、1,0,1,0 です。
Backup に使用できるデバイスのドライブ名については、サイロ管理者にお問い合わせください。この情報は、Backup システムからは得られません。複数のドライブを接続する場合は、各ドライブの SCSI ID を調べて、ID をサイロ名に正しく対応させます。サイロ名にオペレーティングシステムで使うデバイス名を使った場合は、ボリュームのマウントとマウント解除はできますが、マウントしたあとのボリュームの読み取りと書き込みはできません。デバイス名を正しく構成し直すには、Backup 管理プログラムを使って、「Jukeboxes」リソースの「STL Device Names」属性内のデバイス名の順序を変えます。
IBM 3494 のサイロ管理ソフトウェアでは、サイロ内の 3590 ドライブ を識別するために、デバイス名に 8 桁の数字を付けます。IBM 提供の mtlib コマンドを使って、3494 内の全デバイス名を指定します。
# mtlib -l library-name -D |
どのデバイスが Backup 用に予約されているかをサイロ管理者に尋ねるか、あるいはどのサイロドライブ名がどの Solaris デバイス名に対応しているかを調べてください。
EMASSサイロ(北米の場合) または Grauサイロ用のサイロ管理ソフトウェアは、DAS と呼ばれるプログラムです。DAS は、サイロを制御する AMU のプログラムのフロントエンドとして動作します。サイロ管理者は、サイロを構成する際に、各ドライブに記号名を付けます。記号名には、英数字を使用します。
DAS を Backup で使用するには、次のように設定します。
サイロ管理者に、Backup サーバーまたはストレージノードマシンから送るコマンドを受け取れるように DAS を構成するよう依頼します。
サイロ管理者に、次のどちらかを依頼します。
dasadmin allocd コマンドを使って、1 つまたは複数のデバイスを Backup サーバーまたはストレージノードに割り当てます。
Backup サーバーまたはストレージノードを管理者として構成します。こうすると、ユーザーが自分の Backup サーバーまたはストレージノードマシンから dasadmin allocd コマンドを入力して、デバイスを割り当てることができます。
サイロ内のデバイスに割り当てられた名前を探すには、dasadmin ユーティリティを使います。
次の 2 つの環境変数を設定します。
DAS_SERVER - DAS を実行するサイロ管理サーバーのホスト名
DAS_CLIENT - Backup サーバーまたはストレージノードのホスト名
ACI_MEDIA_TYPE - 3480、CD_THICK、CD_THIN、DECDLT、8MM、4MM、D2、VHS、3590、CD、TRAVAN、DTF、BETACAM、AUDIO_TAPE、および DAS_MEDIUM のいずれかで、ACI_MEDIA_TYPE と同じ値
次のコマンドを使って、ドライブと、ドライブが割り当てられているホスト名の一覧を表示します。
dasadmin ld |