Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

最初の管理作業

Solstice Backup 5.1 ご使用にあたって』の指示に従って Backup のインストールを終えたら、Backup を使ってデータのバックアップを始める前に、いくつかの作業を行わなければなりません。

Backup サーバーの基本構成

Backup サーバーの構成には、Backup 管理プログラムの GUI 版 (nwadmin) またはキャラクタベースインタフェース版 (nsradmin) を使用する方法と、コマンド行でコマンドを入力する方法があります。それぞれのインタフェースの使用方法については、オンラインヘルプか Backup のマニュアルページを参照してください。Backup を実行する前に、ユーザーの環境に合わせて、いくつかの構成を行う必要があります。

構成の作成または適用は、管理特権を持つユーザーだけが行えます。デフォルトで Backup の管理特権を持っているのは root@server-name だけなので、Backup の管理プログラムまたはタスクを起動するためには、Backup サーバーマシンのスーパーユーザーになる必要があります。承認された Backup 管理者のリストにあとから他のユーザーを追加できます。

Backup サーバーは、リソース割り当てプロトコル (Resource Allocation Protocol, RAP) により、ネットワーク上のクライアントを管理します。サーバーはユーザーが入力した構成をリソースとして保持します。各リソースには、属性と、それに割り当てられている値のセットが含まれています (たとえば、Backup リソースの「Name」属性には、そのリソースの名前を定義する値が含まれる)。

Backup ソフトウェアの構成と管理は、次の方法で行います。

イネーブラコードの入力

Backup をインストールしたら、Backup 管理プログラムか nsrcap コマンドを使って、Backup ソフトウェア製品用に購入したイネーブラコードを入力します。イネーブラコードは、ソフトウェアに添付されているイネーブラ証明書に記載されています。オートチェンジャソフトウェアモジュールなどの追加機能のイネーブラコードを入力する前に、Backup サーバーの基本イネーブラコードを入力してください。

ソフトウェアのイネーブラコードを入力したら、45 日間、Backup を使用してバックアップの構成と操作を行うことができますが、それ以降も使用を継続したい場合には認証コードを入力する必要があります。

Backup をインストールしたあとも、アーカイブアプリケーションや Backup HSM などの追加機能や、ネットワークに追加する新たなクライアントやオートチェンジャのサポートのためのイネーブラを追加購入できます。

コマンド行を使ってソフトウェアを有効にするには

nsrcapの項に、nsrcap コマンドを使ってソフトウェアを有効にする方法の説明があります。

GUI を使ってソフトウェアを有効にするには

GUI 版の Backup 管理プログラムを使ってソフトウェアを有効にするには、次の操作を行います。

  1. Backup サーバーマシンでスーパーユーザーになります。

  2. nwadmin コマンドを入力して、 GUI 版の Backup 管理プログラムを起動します。

  3. 「Registration」ウィンドウを開きます。

  4. 「Create」をクリックします。

  5. イネーブラコードを入力します。

  6. 「Apply」をクリックします。

ソフトウェアを登録し認証を受けるには

Backup 製品の使用が有効になってから 45 日以内に製品の登録と認証申請を行わないと、バックアップ機能を継続して使用することはできません。ソフトウェアを登録するには、次の操作を行います。

  1. Backup サーバーソフトウェアをインストールしたシステムでスーパーユーザーになります。

  2. シェルプロンプトで nwadmin コマンドか nsradmin -c コマンドを入力して、Backup 管理プログラムを起動します。

  3. 「Server」ウィンドウで自分の会社と製品の情報を入力する (nwadmin の場合) か、あるいは「NSR License」リソースを選択し、編集します (nsradmin の場合)。

    「Server」リソースに会社と製品に関する必要な情報をすべて入力しないと、製品を正しく登録できません。

  4. 「Server」ウィンドウを表形式のビューに変更し、「Server」リソースの内容を印刷します。

  5. この登録情報を license@Sun.com に電子メールで送信します。

    あるいは、「製品登録フォーム」をサンライセンスセンター (+1-801-431-3657) にファクシミリで送信します。

  6. ライセンスセンターから認証コードを受け取ったら、Backup サーバーでスーパーユーザーになり、管理プログラムを起動します。

  7. 「Registration」ウィンドウを開き、「Auth Code」フィールドに認証コードを入力し、変更を保存します。

    購入した各 Backup 製品について、この入力プロセスを繰り返します。

    認証コードを入力すると、Backup ソフトウェアの使用が認証されます。


    注 -

    認証コードの手続きについて不明な点があれば、サンライセンスセンター (+1-800-872-4786) までお問い合わせください。カナダからの場合は +1-800-722-4786 です。Web アドレスは http://www.sun.com/licensing です。この製品の認証コードの発行は米国のサンライセンスセンターがまとめて行なっています。


イネーブラコードを削除するには

あとでイネーブラコードを削除する必要が生じた場合は、次の操作を行います。イネーブラコードが一時的に有効になっている場合でも、操作の手順は同じです。

  1. Backup サーバーソフトウェアをインストールしたシステムでスーパーユーザーになります。

  2. シェルプロンプトで nwadmin コマンドを入力して Backup 管理プログラムを起動します。あるいは、nsradmin -c コマンドを入力して、キャラクタベースのインタフェースをビジュアルモードで起動します。

  3. 「Registration」ウィンドウを開くか (nwadmin の場合)、あるいは「NSR_license」リソースを編集します (nsradmin の場合)。

  4. 削除するイネーブラコードを強調表示し、「Delete」オプションを選択します。


    注意 - 注意 -

    基本イネーブラを削除することはできません。基本イネーブラの更新には nsrcap -v -c コマンドを使用します。


デバイスの構成

Backup サーバーでストレージデバイスを使用するためには、個々のストレージデバイスを構成しておく必要があります。デバイスにはスタンドアロンのもの、ファイル、およびオートチェンジャまたはサイロテープライブラリ (Silo Tape Library, STL) に格納されているものがあります。デバイスの構成方法は、デバイスのタイプ (スタンドアロン、オートチェンジャ、またはサイロ) によって決まります。

Backup ソフトウェアをインストールすると、Backup はユーザーが選択したデバイスに基づいて SCSI デバイスの構成を行います。Backup のインストール後に、Backup ストレージデバイスの追加、削除、または変更を行う場合には、「Devices」リソースまたは「Jukeboxes」リソースを編集します。これには Backup 管理プログラムの nwadmin (GUI 版) か nsradmin (キャラクタベース版) を使用します。


注意 - 注意 -

STL に格納されているデバイスでは、構成の追加、削除、または変更に、nwadminnsradmin は使用できません。サイロ内のデバイスの構成方法については、第 10 章「サイロサポートモジュール」を参照してください。


nwadmin プログラムまたは nsradmin プログラムを使ってバックアップデバイスを構成する方法については、それぞれのプログラムのオンラインヘルプを参照してください。

「Devices」リソース

スタンドアロンデバイスの構成には「Devices」リソースを使用します。デバイス名とメディアタイプを入力します。「Devices」リソースに追加したデバイスは、Backup 管理プログラムの「Devices」ディスプレイに表示されます。デバイスの構成の詳細は、「デバイスの構成」を参照してください。

「Jukeboxes」リソース

オートチェンジャに関して必要な構成作業のほとんどは、『Solstice Backup 5.1 ご使用にあたって』で説明している jb_config コマンドで行います。jb_config コマンドが終了すると、構成されたオプションが管理プログラムの「Jukeboxes」リソースに表示されます。「Jukeboxes」リソースには、オートチェンジャの名前、モデル、制御ポートのパス名、デバイスのパス名、バーコードラベルの選択肢、および Backup のインストール時にユーザーが作成したスロットが表示されます。

「Jukeboxes」リソースでオートチェンジャで変更できるのは、空きスロット、デバイス、およびバーコードラベルの属性だけです。それ以外に変更したい場合は、リストからオートチェンジャを削除したあとに、jb_config を再度実行します。これらの属性の詳細は、「オートチェンジャデバイスの構成」を参照してください。

ストレージデバイスがサイロ内にある場合は、Backup でのサイロの使用方法について第 10 章「サイロサポートモジュール」を参照してください。

ボリュームラベル

Backup がボリュームを使用するためには、有効な Backup ラベルがそのボリュームに付けられている必要があります。Backup は、バックアップ、アーカイブ、およびマイグレートに使用するメディアを識別するために、内部的なボリュームラベルを使用します。Backup には、ボリュームのラベル付けに使用できる、あらかじめ構成されているラベルテンプレートがいくつか用意されています。この事前構成済みのラベルテンプレートの設定については、「「Label Template」リソース」を参照してください。

ボリュームにラベルを付けるには、まずそのボリュームをデバイスにマウントする必要があります。nwadmin プログラムの GUI のメインウィンドウに表示されている「Mount」スピードバーボタンを選択するか、シェルプロンプトで nsrmm -m コマンドを入力します。