save プログラムは、各 Backup クライアントにあり、ファイルを保存する場合に使用します。save 処理の進行状況は、X Window System ベースの nwadmin プログラム、または curses(3X) ベースの nsrwatch 管理プログラムを使用して監視できます。
コマンド行で、あるいは -I オプションを使ってパス引数を指定しない場合は、save を呼び出した現在使用中のディレクトリが保存されます。save プログラムでは、ファイルとそのファイルに含まれているサブディレクトリをすべて保存することにより、ディレクトリを保存します。save プログラムでは、マウントポイントを通過したり、シンボリックリンクをたどったりすることはありません。指定したパスがネットワークファイルサーバーからマウントされている場合は、save プログラムにより、save プログラムをリモートマシンで実行するか、あるいは -L オプションを使用するように指示するメッセージが表示されます。
パスオプションで指定したサブディレクトリ構造の各ファイルは、Backup セーブストリーム内にカプセル化されます。このデータストリームは、Backup サーバーの受信プロセスに送信されます。この受信プロセスでは、データが処理され、ストリームのファイルごとにクライアントファイルインデックスにエントリが追加されます。次に、このデータは、サーバーまたは指定したストレージノードの長期保存用ストレージに送信されます。
サーバーのブートストラップとクライアントファイルインデックスは、savegrp プログラムを呼び出したスケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップにおいてのみ、自動的にバックアップされます。スケジュールされたバックアップまたは手動のバックアップで savegrp プログラムを実行しないと、障害復旧処理に不可欠のサーバーブートストラップやクライアントファイルインデックスがないことになります。
save プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
save [-BEiLnqvx] [-s server] [-c client-name] [- N name] [-e expiration] [-f directory-file] [-b pool] [-F file] [-I input-file] [-g group] [-l level] [-t date] [-m masquerade] [-W width] [path...] |
-b pool オプションを使用すると、セーブセットの特別な宛先プールを指定できます。
-B option オプションを使用すると、ルート (/) から呼び出しポイントまでの接続ディレクトリ情報をすべて強制的に保存できます。
-c client-name オプションを使用すると、保存セッションを開始するクライアント名を指定できます。このオプションは、複数のネットワークインタフェースを備えている複数のホスト名が存在するクライアントの場合に便利です。このオプションを使用すると、同じ物理クライアントマシンに、複数のクライアントファイルインデックスを作成できます。このオプションは、使用するネットワークインタフェースを指定するものではありません。ネットワークインタフェースは、「NSR client」リソースの「Network Interface」属性で指定します。
-e expiration オプションを使用すると、保存データの有効期限が切れる日を指定できます。セーブセットに明示的な有効期限がある場合は、そのセーブセットは、有効期限が切れるまではブラウズ可能ですが再利用不可能です。有効期限が切れると、そのセーブセットはブラウズ不可能になります。有効期限が切れて、さらにその保持期限も切れると、そのセーブセットは再利用可能になります。デフォルトでは、セーブセットの明示的な有効期限は指定されていません。
-E オプションを使用すると、保存処理が実際に実行される前に、各セーブセットによって生成されるデータの量を見積もることができます。このオプションを使用すると、ファイルシステムは 2 回処理されます。1 回目は見積もりを生成するためで、2 回目は実際の保存処理を実行するためです。見積もり処理は、i ノード情報にアクセスして実行されるため、データそのものは最終パスが実行されるディスクからのみ読み込まれます。
-f dirfile オプションを使用すると、save プログラムがプロトタイプのデフォルトディレクティブを読み込むファイルを指定できます。dirfile の値が - である場合は、標準入力からデフォルトのディレクティブが読み込まれます。
-F file オプションを使用すると、指定したファイルの変更日付以降に変更されたファイルだけを保存できます。
-g group オプションを使用すると、保存するグループを指定できます。このオプションは、指定したグループのセーブセットが書き込まれる特定のプールを指定する場合に使用します。
-i オプションを使用すると、save コマンドが保存されているサブディレクトリ構造内にある .nsr ディレクティブファイルをすべて無視するように指定できます。
-I input-file オプションを使用すると、コマンド行に指定したパスに加えて、指定したテキストファイルから、保存するパスを読み込むことができます。1 行に 1 つずつパスを指定します。コマンド行にパスを指定しないと、入力ファイルに指定されているパス内に格納されているファイルだけが保存されます。
-l level オプションを使用すると、保存レベルを指定できます。
-L オプションを使用すると、たとえファイルがネットワークのファイルサーバーのものであっても、ローカルのバックアップクライアントから保存処理を実行できます。ファイルを復旧するには、データの保存時に使用したのと同じ -c client 引数を指定して recover プログラムを実行します。
-LL オプションを使用すると、バックアップをローカルでの保存として処理し、完了レポートの末尾にさらにもう 1 行が complete savetime=number の形式で追加されて出力されます。この number には、このバックアップによって作成されたセーブセットの保存時間が入ります。このオプションは、自動的にクローンが作成される savegrp コマンドで使用するためのものです。
-m masquerade オプションを使用するとdsavegrp の完了レポートの、サマリー行の前に付けるタグを指定できます。
-n オプションを使用すると、実際の保存処理は実行せずに、データの量を見積もることができます。
-N オプションを使用すると、セーブセットの記号名を指定できます。デフォルトでは、パス引数の冒頭部分のうち最も頻繁に使用されるものがセーブセット名として使用されます。
-q オプションを使用すると、save プログラムをクワイエットモードで実行できます。このオプションでは、サマリー情報とエラーメッセージだけが生成されます。
-t date オプションを nsr_getdate(3) の形式で使用すると、保存用として識別するためにファイルを変更しなければならない期日を指定できます。
-v オプションを使用すると、save プログラムを冗長モードで実行できます。
-W width オプションを使用すると、サマリー情報の出力を書式化できます。