Solstice Backup 5.1 管理者ガイド

ファイルのマイグレート方法

「Migration」リソースでマイグレートクライアントのためのマイグレートポリシーを指定すると、Backup は次の方法でファイルをマイグレートします。

  1. Backup サーバーが定期的にスケジュールされたバックアップを実行する際に、バックアップグループ内の各クライアントを調べて、マイグレート対象のファイルがないかどうかを調べます。スケジュールされたバックアップの際に事前マイグレートコマンドの nsrpmig によって、マイグレートクライアントファイルシステムの中でマイグレートの基準を満たすファイルが探し出されます。

    事前マイグレート処理ではリソースを大量に使用します。マイグレートクライアントを含んでいるグループに対してスケジュールされたバックアップを行う場合には、システムがあまり使用されない時間帯に開始するようにします。

  2. マイグレートの基準を満たすファイルが事前マイグレートされます。この事前マイグレートの際には、ファイルは Backup の格納場所 (マイグレートボリューム) にコピーされますが、元のファイルはクライアントマシンに残ったままです。

  3. クライアントファイルシステムが上限値に達すると、nsrexecd デーモンがマイグレートコマンドの nsrmig を起動し、マイグレート処理が自動的に行われます。nsrmig コマンドは事前マイグレートされたファイルを調べて、これがマイグレートの基準をまだ満たしているかどうかを確認します。事前マイグレートされたファイルが依然としてマイグレートの対象となっていれば、nsrmig コマンドは次の操作を行います。

    • クライアントファイルシステム上の元のファイルを一時的な名前に変更する

    • クライアントファイルシステム上に、マイグレートメディア上のマイグレートファイルを指すスタブファイルを作成する

    • クライアントファイルシステムから元のファイルを削除する

  4. マイグレート処理は下限値に達するまで続行されます。マイグレート基準を満たすファイルの数が少ない場合には、下限値にまで達しないことがあります。

  5. マイグレートレポートが管理者に対して電子メールで送信されます。

    Backup は、マイグレートファイルのエントリをクライアントインデックスの中に作成します。ただし、これらのエントリは復旧プログラムの GUI には表示されません。Backup はこれらのエントリを使って、マイグレートファイルとクライアントファイルシステムの中のスタブファイルとの間の関連を追跡し、呼び戻しの際にもこれを利用します。マイグレートファイルはユーザーの要求に従って呼び戻せなくてはならないので、マイグレートされたデータのインデックスエントリは、Backup クライアントに対して設定される自動データ再利用ポリシーの対象からは除外されます。Backup がクライアントファイルシステムから削除されたファイルを処理する方法については、「HSM による名前変更または削除されたファイルの処理」を参照してください。