HSM が使用する「Migration」リソースの値を設定することによって、マイグレートの開始と停止を決定するクライアントファイルシステムの容量についての基準を指定できます。nwadmin プログラムの GUI を使って「Clients」メニューで「Migration Setup」を選択します。各マイグレートクライアントについて、次の条件を指定します。
クライアントファイルシステムが指定された上限値に達すると、Backup HSM アプリケーションによって、定義された基準に合致するファイルが自動的にマイグレートされます。
上限値と下限値に加えて、マイグレートの候補となるファイルが満たさなければならない基準を 1 つ以上設定する必要があります。複数の基準を設定した場合には、指定されたすべての基準を満たすファイルがマイグレートの候補となります。たとえば、クライアントファイルシステムが 70% になったときに、過去 60 日間にアクセスがなく、大きさが 2 K バイト以上の /home ディレクトリ内のファイルを自動的にマイグレートするというようなポリシーを設定できます。管理者が設定できるマイグレート基準には、次のものがあります。
前回のアクセス時間 - ファイルが最後にアクセスされてからの経過時間
最小ファイルサイズ - マイグレートの対象と見なされるファイルの最小サイズ。これよりも小さいファイルは、マイグレートを行なってスタブファイルで置き換えても、十分なディスク領域は得られない
ファイル所有者 - マイグレートの対象と見なされるファイルの所有者名。すべての所有者を対象にしたい場合は、このテキストボックスは空にしておく。owner_name 以外のすべての所有者を対象にしたい場合は、このフィールドに -owner_name と入力する
ファイルグループ - マイグレートされるファイルへのアクセス権を持つグループ名。group_name 以外のすべてのグループを対象にしたい場合は、このフィールドに -group_name と入力する
マイグレート対象外のファイル - マイグレートの対象から外すファイル。ファイルのエントリは完全パス名で指定し、UNIX シェルのワイルドカード文字を使用できる