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iPlanet Calendar Server 管理ガイド



付録 A   コマンドラインユーティリティ


ここでは、iPlanet Calendar Server のコマンドラインユーティリティで使用できるコマンド、オプション、値、構文表記、および使用規則について詳しく説明します。ここで説明する内容は、第 3 章「iPlanet Calendar Server の管理」で説明したトピックを補足するものです。

iPlanet Calendar Server の管理は、コマンドラインユーティリティを使って行います。各ユーティリティでは、コマンドラインからオプションを指定できます。また、バッチ、シェル、および Perl などのスクリプトプログラムからも起動できます。使用可能なオプションのデフォルト値は、ics.conf 構成ファイルから取得されます。



コマンドラインユーティリティの構文



iPlanet Calendar Server のコマンドラインユーティリティでは、次の構文を使用します。

utility [-option [value]] command [target]

解説

  • utility は、cscal などのユーティリティの実行可能ファイル名です。

  • option には、コマンドが実行するアクションを指定します。オプションは、-d のように、ハイフン (-) の後に小文字で指定します。角カッコ ([]) で囲まれたオプションは、必須ではないことを示します。使用可能な場合は、同時に複数のオプションを組み合わせて使用できます。

  • value は、-d オプションで使用する説明など、オプションで指定したアクションを詳細に修飾します。角カッコ ([]) で囲まれた値は、必須ではないことを示します。スペースを含む値は、二重引用符 (" ") で囲む必要があります。複数の値を指定する場合は、二重引用符 ("") で囲み、各値をスペースで区切る必要があります。

  • command は、list などのユーティリティで実行可能なアクション (コマンド) です。縦棒 (|) で区切られたコマンドは、どちらかのコマンドを使用できることを示します (両方を一度に使用することはできません)。

  • target は、CALID (カレンダー ID) や USERID など、コマンドの実行対象となるオブジェクトです。


使用規則

次の規則は、コマンドラインユーティリティを使うときの一般的なガイドラインです。

  • コマンドを指定しない場合、すべてのオプション、コマンド、および使用例が一覧表示されます。

  • 必須パスワードを指定しない場合、パスワードの入力を求めるプロンプトが表示されます。

  • -v (冗長) および -q (詳細メッセージを表示させない) オプションは、すべてのユーティリティで使用できます。

  • コマンドが危険を伴う場合 (データを喪失する可能性がある場合) は、コマンドを実行する前に確認を求めるプロンプトが表示されます。カレンダーやユーザを削除するコマンドがその例です。ただし、-q (詳細メッセージを表示させない) オプションを指定すると、確認プロンプトは抑止されます。

  • version コマンドは、すべてのコマンドラインユーティリティで使用できます。


コマンドラインユーティリティの要約

表 A-1 は、コマンドラインユーティリティを要約したものです。


表 A-1 コマンドラインユーティリティの要約 

ユーティリティ

実行するマシン

目的

csattribute  

ローカルマシン  

カレンダーの LDAP 属性の管理  

csbackup  

ローカルマシン  

個々のカレンダー、個々のユーザ、およびカレンダーデータベースのバックアップ  

cscal  

ローカルマシン  

カレンダーとそのプロパティの管理  

cscomponents  

ローカルマシン  

カレンダー内のコンポーネント (イベントおよび仕事) の管理  

csdb  

ローカルマシン  

カレンダーデータベースの管理  

csexport  

ローカルマシン  

カレンダーを iCalendar 形式または XML 形式でエクスポートする  

csimport  

ローカルマシン  

カレンダーを iCalendar 形式または XML 形式でインポートする  

csplugin  

ローカルマシンまたはリモートマシン  

構成されている Calendar Server API (CSAPI) プラグインの表示、有効/無効  

csresource  

ローカルマシンまたはリモートマシン  

会議室や装置などのカレンダーリソースオブジェクトの管理  

csrestore  

ローカルマシン  

個々のカレンダー、個々のユーザ、およびカレンダーデータベースの復元  

csschedule  

ローカルマシン  

Group Scheduling Engine (GSE) キュー内のスケジューリングエントリの管理  

csstart  

ローカルマシン  

iPlanet Calendar Server の起動。Windows NT では、コントロールパネルのサービスダイアログを使用してサーバを起動することもできる  

csstats  

ローカルマシン  

Calendar Server のカウンタの表示  

csstop  

ローカルマシンまたはリモートマシン  

iPlanet Calendar Server の停止。Windows NT では、コントロールパネルのサービスダイアログを使用してサーバを停止することもできる  

cstool  

ローカルマシンまたはリモートマシン  

iPlanet Calendar Server インスタンスの実行の ping、またはサーバ構成の再読み込み  

csuser  

ローカルマシンまたはリモートマシン  

カレンダーユーザの管理  



csattribute



csattribute は、LDAP サーバの iPlanet Calendar Server 属性を管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • add。指定されたオブジェクトの LDAP 属性および値を作成する

  • delete。指定されたオブジェクトの LDAP 属性を削除する

  • list。指定されたオブジェクトの LDAP 属性を表示する


構文
csattribute [-q|-v] -a attr[=val] [-t resource|user] add|delete target

または

csattribute [-q|-v] [-t resource|user] list target


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているローカルマシンで実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない



csattribute -a icsCalendar=calA add userA

上記のコマンドは、値が calA の LDAP 属性 icsCalendar を、ユーザ ID userA に追加します。

csattribute -a icsCalendar delete userA

上記のコマンドは、LDAP 属性 icsCalendaruserA から削除します。

csattribute list userA

上記のコマンドは、userA の属性を表示します。

cstool ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-2 で説明します。


表 A-2 csattribute ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

add target  

LDAP 属性および値を指定されたオブジェクトに追加する  

list target  

ターゲットオブジェクトの属性を一覧表示する  

delete target  

ターゲットオブジェクトから属性を削除する  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csattribute ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-3 で説明します。


表 A-3 csattribute ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力 (詳細メッセージを表示させない) モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-a attr[=val]  

LDAP 属性とオプションの値  

-t user|resource  

ターゲットのタイプ (ユーザカレンダーまたはリソースカレンダー)。デフォルトは user  



csbackup



csbackup は、個々のカレンダー、個々のユーザ、およびカレンダーデータベースをバックアップするためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • database。カレンダーデータベースをバックアップする

  • calendar。指定されたカレンダーをバックアップする

  • defcal。ユーザのデフォルトカレンダーをバックアップする

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する



注  バージョンファイル caldb.conf は、指定されたバックアップディレクトリに作成されます。このファイルには、バックアップしたデータベースのバージョン番号が記録されます。

iPlanet Calendar Server バージョン 2.x でバックアップしたデータをバージョン 5.0 で復元しないでください。バージョン 2.x とバージョン 5.0 のユーティリティには互換性がないため、データが一部失われる可能性があります。




構文
csbackup [-q|-v] [-f] database target

または

csbackup [-q|-v] -c CALID calendar target

または

csbackup [-q|-v] -a USERID defcal target


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csbackup database backupdir

カレンダーデータベースを backupdir という名前のディレクトリにバックアップします。

csbackup -c calA calendar calA.ics

CALID が calA であるカレンダーを、ファイル calA.ics text/calendar 形式でバックアップします。

csbackup -a userA defcal userA.xml

ユーザ userA のデフォルトカレンダーを、ファイル userA.xml text/xml 形式でバックアップします。

csbackup ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-4 で説明します。


表 A-4 csbackup ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

database target  

カレンダーデータベースを指定されたターゲットデータベース出力ディレクトリにバックアップする  

calendar CALID target  

指定された CALID を指定されたターゲット出力ファイルにバックアップする。ファイルのデータ形式は、ファイルの拡張子によって決定される。つまり、.ics text/calendar 形式、.xml text/xml 形式  

defcal USERID target  

指定された USERID のデフォルトカレンダーを指定されたターゲットファイルにバックアップする。ファイルのデータ形式は、ファイルの拡張子によって決定される。つまり、.ics text/calendar 形式、.xml text/xml 形式  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csbackup ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-5 で説明します。


表 A-5 csbackup ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-a USERID  

バックアップするカレンダーユーザの USERID。defcal コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  

-c CALID  

バックアップする CALID。calendar コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  

-f  

直前のバックアップが失敗した場合、iPlanet Calendar Server サービスを強制的に停止して、既存のバックアップファイルを削除する。UNIX では、kill -9 コマンドに相当する。Windows NT タスクマネージャでは、サービスの停止に相当する。

注 : Calendar Server を停止および起動する場合は、stop-cal および
start-cal ユーティリティを使用することをお勧めします。
 



cscal



cscal は、カレンダーおよびそのプロパティを管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • create。カレンダーを作成する

  • delete。カレンダーを削除する

  • disable。カレンダーを無効にする

  • enable。カレンダーを有効にする

  • list。カレンダーを一覧表示する

  • modify。カレンダーのプロパティおよびグループスケジューリングのアクセスコントロールを変更する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
cscal [-q|-v] [-a aces] [-c charset] [-d description] [-g categories] [-k no|yes] [-l langcode] [-m email] [-n name] [-o owner] [-y otherowners] create|modify CALID

または

cscal [-q|-v] [-o owner] delete|disable|list| [CALID]

または

cscal [-q|-v] [-k no|yes] [-o owner] enable [CALID]



注  カレンダー ID では、大文字と小文字が区別されます。たとえば、実際のカレンダー ID が jsmith のときに、JSMITH と入力すると、正しいカレンダーは見つかりません。一方、電子メールアドレスでは、大文字と小文字は区別されません。たとえば、jsmith@siroe.com と
JSMITH@SIROE.COM は同じアドレスと見なされます。




要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



cscal -o userA -n calA create calA

上記のコマンドは、ics.conf ファイルの calstore.calendar.default.acl 設定によって定義されているデフォルトのアクセスコントロールを使用して、CALID が calA、主な所有者が userA、表示名が exampleA のカレンダーを作成します。

cscal -a "@^a^rw^g" -g sports -y userB modify calA

上記のコマンドは、カレンダー calA を、すべてのユーザが読み込みおよび書き込みを行うことができるようにし、カテゴリ sports に関連付けます。また、userB を共同の所有者にします。

cscal delete calA

上記のコマンドは、calA をカレンダーデータベースから削除します。

cscal -o userA delete

上記のコマンドは、主な所有者が userA であるすべてのカレンダーを、カレンダーデータベースから削除します。

cscal disable calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーを無効にします。これにより、ユーザインタフェースを使用して、このカレンダーの読み込み、書き込み、または検索を行うことができなくなります。

cscal -k no enable calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーを有効にします。これにより、ユーザインタフェースを使用して、このカレンダーの読み込みまたは書き込みを行うことができるようになります。ただし、二重予約は許可されません。

cscal list calA

上記のコマンドは、calA のプロパティを一覧表示します。

cscal -v list calA

上記のコマンドは、calA のすべてのプロパティを一覧表示します。

cscal list

上記のコマンドは、データベース内のすべてのカレンダーを一覧表示します。

cscal reset calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーを、デフォルトの構成の設定にリセットします。

cscal -d "" modify calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーから説明を削除します。

cscal -g "" modify calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーからすべてのカテゴリを削除します。

cscal -y "" modify calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーからほかの所有者を削除します。

cscal ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-6 で説明します。


表 A-6 cscal ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

create CALID  

CALID で指定されたカレンダーを作成する  

delete [CALID]  

CALID で指定されたカレンダーを削除する

-o owner オプションを指定した場合、指定した所有者が主な所有者に設定されているすべてのカレンダーが削除される  

enable [CALID]  

CALID で指定されたカレンダーを有効にする

-o owner オプションを指定した場合、指定した所有者が主な所有者に設定されているすべてのカレンダーが有効になる  

disable [CALID]  

CALID で指定されたカレンダーを無効にする

-o owner オプションを指定した場合、指定した所有者が主な所有者に設定されているすべてのカレンダーが無効になる  

list [CALID]  

指定された CALID を持つカレンダーのプロパティを一覧表示する

-o owner オプションを指定した場合、指定した所有者が主な所有者に設定されているすべてのカレンダーが一覧表示される  

modify CALID  

CALID で指定されたカレンダーのプロパティを変更する  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

cscal ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-7 で説明します。


表 A-7 cscal ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-a  

指定されたカレンダーに関するアクセスコントロールエントリ (ACE)。グループスケジューリング用のカレンダーへのアクセス権、および作成、削除、読み込み、書き込みなどの権限を決定する。ACE 文字列は二重引用符 ("") で囲む必要がある

デフォルト "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^sf^g"

ACE 形式の詳細は、「アクセスコントロール」を参照  

-c charset  

文字セット。デフォルトは文字セットなし  

-d description  

説明。カレンダーの目的に関する表示可能なコメント。デフォルトは説明なし  

-g category  

カテゴリ。複数のカテゴリを指定する場合は、二重引用符 ("") で囲み、スペースで区切る必要がある。デフォルトはカテゴリなし  

-k yes|no  

会議室などのリソースオブジェクトに関連付けられたカレンダーに対して、二重予約を許可するかどうかを指定する。yes の場合は、リソースカレンダーの同じ時間枠に複数のイベントスケジュールを作成できる。デフォルトは yes

このオプションは、リソースに関連付けられたカレンダーにだけ使用できる。ユーザのカレンダーに対して発行した場合は、エラーが返される  

-l langcode  

言語コード。デフォルトは言語コードなし  

-m email  

電子メールアドレス。デフォルトは電子メールなし  

-n name  

名前。デフォルトは名前なし  

-o owner  

主な所有者  

-y otherowners  

他の所有者。複数の所有者を指定する場合は、二重引用符 ("") で囲み、各所有者をスペースで区切る必要がある。デフォルトは他の所有者なし  



cscomponents



cscomponents は、カレンダー内のコンポーネント (イベントおよび仕事) を管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • delete。カレンダー内のイベントおよび仕事を削除する

  • list。カレンダー内のイベントおよび仕事を一覧表示する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
cscomponents [-v|-q] [-e endtime] [-s starttime] [-t event|task] delete|list CALID


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



cscomponents -s 19980101T000000Z -e 19981231T000000Z delete calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーから、1998 年のイベントをすべて削除します。

cscomponents -v list calA

上記のコマンドは、CALID が calA であるカレンダーに含まれる、すべてのイベントおよび仕事の詳細を一覧表示します。

cscomponent ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-8 で説明します。


表 A-8 cscomponent ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

delete CALID  

指定された CALID のカレンダーのイベントを削除する  

list CALID  

指定された CALID のカレンダーのイベントを一覧表示する  

version  

ユーティリティのバージョンを画面に出力する  

cscomponent ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-9 で説明します。


表 A-9 cscomponent ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-e endtime  

コンポーネントの終了日時。終了時刻が 0 の場合は、1 日の最後まで対象となる。デフォルトは 0  

-s starttime  

コンポーネントの開始日時。開始時刻が 0 の場合は、1 日の最初から対象となる。デフォルトは 0  

-t event|task  

アクションを実行するコンポーネントのタイプ (イベントまたは仕事)。デフォルトはイベントおよび仕事の両方  



csdb



csdb は、カレンダーデータベースを管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • create。新しいデータベースを作成する。サーバの起動時にデータベースが存在しない場合は、iPlanet Calendar Server によってデータベースが自動的に作成される

  • delete。カレンダーデータベースを削除する。データベースを開いているとき、つまり iPlanet Calendar Server の実行中は、そのデータベースは削除できない

  • list。データベースに関する情報を一覧表示する

  • recover。損傷したカレンダーデータベースを回復する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csdb [-v|-q] [-t cal|sessdb|statdb] create|delete|recover [dbdir]

または

csdb [-v|-q] [-t caldb|sessdb|statdb] list [dbdir]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • データベースの作成中または削除中は、iPlanet Calendar Server は実行できない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csdb -t caldb create

上記のコマンドは、新しい空のデータベースを現在のディレクトリに作成します。

csdb -t caldb delete

上記のコマンドは、現在のディレクトリにあるデータベースを削除します。

csdb -v -t caldb list

上記のコマンドは、現在のディレクトリのカレンダーデータベースに関する情報を一覧表示します。

csdb recover

上記のコマンドは、現在のディレクトリにある損傷したすべてのデータベースの回復を試みます。

csdb -t sessdb list

上記のコマンドは、現在のディレクトリのセッションデータベースに関する情報を一覧表示します。

csdb -t statdb recover

上記のコマンドは、現在のディレクトリにある損傷した統計データベースの回復を試みます。

csdb ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-10 で説明します。


表 A-10 csdb ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

create [dbdir]  

指定されたデータベースディレクトリにデータベースを作成する。データベースディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリが使用される  

delete [dbdir]  

指定されたデータベースディレクトリのデータベースを削除する。データベースディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリが使用される  

list [dbdir]  

指定されたデータベースディレクトリのデータベースに関する情報を一覧表示する。データベースディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリが使用される  

recover [dbdir]  

指定されたデータベースディレクトリにある損傷したデータベースを回復する。データベースディレクトリを指定しない場合は、現在のディレクトリが使用される  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csdb ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-11 で説明します。


表 A-11 csdb ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-t caldb|sessdb|statdb  

アクションを実行するデータベースのタイプ

  • caldb (カレンダー)

  • sessdb (セッション)

  • statdb (統計)

注 : -t を指定しない場合は、すべてのデータベースが指定されたと見なされる  



csexport



csexport は、カレンダーを iCalendar 形式または XML 形式でファイルにエクスポートするためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • calendar。指定されたカレンダーをエクスポートする

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csexport [-v|-q] -c CALID calendar outputfile


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csexport -c calA calendar calA.ics

CALID が calA であるカレンダーを、calA.ics という名前のファイルに iCalendar (text/calendar) 形式でエクスポートします。

csexport -c calA calendar calA.xml

CALID が calA であるカレンダーを、calA.xml という名前のファイルに XML (text/xml) 形式でエクスポートします。

csexport ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-12 で説明します。


表 A-12 csexport ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

calendar outputfile  

カレンダーを指定された出力ファイルにエクスポートする。ファイルのデータ形式は、指定されたファイル名の拡張子によって決定される

.ics の場合は iCalendar (text/calendar)

.xml の場合は XML (text/xml)  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csexport ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-13 で説明します。


表 A-13 csexport ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-c CALID  

エクスポートするカレンダーの CALID。calendar コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  



csimport



csimport は、csexport ユーティリティを使って保存された iCalendar 形式または XML 形式のファイルから、カレンダーをインポートするためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • calendar。指定されたカレンダーをインポートする

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csimport [-v|-q] -c CALID calendar inputputfile


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csimport -c calA calendar calA.ics

iCalendar (text/calendar ファイル) 形式で保存されたファイル calA.ics から、CALID が calA であるカレンダーをインポートします。

csimport -c calA calendar calA.xml

XML (text/xml) 形式で保存されたファイル calA.xml から、CALID が calA であるカレンダーをインポートします。

csimport ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-14 で説明します。


表 A-14 csimport ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

calendar inputfile  

指定された入力ファイルからカレンダーをインポートする。ファイルのデータ形式は、ファイル名の拡張子によって決定される

.ics の場合は iCalendar (text/calendar)

.xml の場合は XML (text/xml)  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csimport ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-15 で説明します。


表 A-15 csimport ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-c CALID  

インポートするカレンダーの CALID。calendar コマンドを使用する場合、このオプションは必須。

注 : 指定した CALID がすでに存在する場合、インポートするデータは現在のカレンダーとマージされる。デフォルトはなし  



csplugin



csplugin は、iPlanet Calendar Server インストールに設定された CSAPI プラグインを管理するためのユーティリティです。csplugin ユーティリティにコマンドはありませんが、以下で説明するようにオプションがいくつかあります。


構文
csplugin [-q|-v] [-r] -t ac|attr|auth|locate|lookup|xlate activate|deactivate plugin

csplugin [-q|-v] list


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているリモートマシンまたはローカルマシンで実行できること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない



csplugin -v list

サポートされているすべてのプラグインに関する詳細を一覧表示します。このサーバインスタンス用に設定されている各プラグインのタイプ、名前、および起動ステータスを出力します。

csplugin activate -t lookup mylookup

タイプが lookup で、ファイル名が mylookup のプラグインを読み込んで有効にします。

csplugin deactivate -t lookup mylookup -r

タイプが lookup で、ファイル名が mylookup のプラグインを無効にし、さらに、plugin ディレクトリから削除します。

csplugin ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-16 で説明します。


表 A-16 csplugin ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

activate -t type name  

指定されたタイプおよび名前のプラグインを読み込んで有効にする。サポートされているプラグインタイプの詳細は、表 A-17 の "-t" オプションを参照  

deactivate -t type name  

指定されたタイプおよび名前のプラグインを停止して無効にする。サポートされているプラグインタイプの詳細は、表 A-17 の "-t" オプションを参照  

list  

サポートされているすべてのプラグインのタイプ、名前、および起動ステータスを一覧表示する。サポートされているプラグインタイプの詳細は、表 A-17 の "-t" オプションを参照  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csplugin ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-17 で説明します。


表 A-17 csplugin ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-r  

activate コマンドで使用した場合は、そのプラグインが iPlanet Calendar Server plugin ディレクトリに物理的にコピーされる

deactivate コマンドで使用した場合は、そのプラグインが plugin ディレクトリから削除される  

-t type  

サポートされているプラグインタイプの中の 1 つを指定する

  • ac − デフォルトのグループスケジューリングアクセスコントロールメカニズムを追加またはオーバーライドする

  • attr − ユーザ属性の保存および取得メカニズムを追加またはオーバーライドする

  • auth − ログイン認証メカニズムを追加またはオーバーライドする

  • locate − 指定された修飾 URL のカレンダー ID を取得する

  • lookup − デフォルトのカレンダー検索メカニズムを追加またはオーバーライドする

  • xlate − 受信および送信データの形式変換を追加またはオーバーライドする

 



csresource



csresource は、LDAP サーバおよび iPlanet Calendar Server のカレンダーデータベースに保存されている、カレンダーリソースオブジェクトを管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • create。指定されたカレンダー ID に新しいリソースを追加する

  • delete。特定のリソースまたはすべてのリソースを削除する

  • disable。特定のリソースまたはすべてのリソースを無効にする

  • enable。特定のリソースまたはすべてのリソースを有効にする

  • list。単一のリソースまたはすべてのリソースのリストを表示する



    注  csresource ユーティリティは、リソースに関連するカレンダーにだけ使用できます。ユーザのカレンダーに対して発行した場合は、エラーが返されます。

    カレンダー ID では、大文字と小文字が区別されます。たとえば、実際のカレンダー ID が room1 のときに、ROOM1 と入力すると、正しいカレンダーは見つかりません。一方、電子メールアドレスでは大文字と小文字は区別されません。たとえば、jsmith@siroe.com と
    JSMITH@SIROE.COM は同じアドレスと見なされます。




構文
csresource [-q|-v] [-a aces] [-b no|yes] -c CALID [-d description] [-o owner] [-y otherowners] create name

csresource [-q|-v] delete|disable|enable|list [name]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csresource list

すべてのリソースカレンダーとその LDAP 属性のリストを表示します。

csresource -c room1 create meetingroom1

カレンダー ID が room1、表示名 (LDAP cn 属性) が meetingroom1 であるリソースカレンダーを作成します。

csresource delete meetingroom1

表示名 meetingroom1 であるリソースカレンダーを削除します。

csresource disable meetingroom1

表示名 meetingroom1 であるリソースカレンダーを無効にします。

csresource -b enable meetingroom1

表示名 meetingroom1 のリソースカレンダーを有効にして、二重予約を許可します。これにより、ユーザインタフェースを使用して、このカレンダーの読み込みまたは書き込みを行うことができるようになります。

csresource -a "@^a^rw^g" -y userB modify meetingroom1

カレンダー calA を、すべてのユーザが読み込みおよび書き込みを行うことができるようにし、カテゴリ sports に関連付けます。また、userB を共同の所有者にします。

csresource -v list meetingroom1

表示名が meetingroom1 であるリソースカレンダーの LDAP 属性を表示します。

csresource ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-18 で説明します。


表 A-18 csresource ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

create name  

指定されたカレンダー ID に新しいリソースを作成する。name にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (" ") で囲む必要がある  

delete [name]  

リソースを削除する。name にリソース名を指定しない場合は、すべてのリソースが削除される。name にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (" ") で囲む必要がある  

enable [name]  

リソースを有効にする。name を指定しない場合は、すべてのリソースが有効になる。name にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (" ") で囲む必要がある  

disable [name]  

リソースを無効にする。name にリソース名を指定しない場合は、すべてのリソースが無効になる。 name にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (" ") で囲む必要がある  

list [name]  

リソースカレンダーを表示する。name にリソース名を指定しない場合は、すべてのリソースカレンダーが一覧表示される。name にスペースが含まれる場合は、二重引用符 (" ") で囲む必要がある  

csresource ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-19 で説明します。


表 A-19 csresource ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-a  

指定されたカレンダーに関するアクセスコントロールエントリ (ACE)。グループスケジューリング用のカレンダーへのアクセス権、および作成、削除、読み込み、書き込みなどの権限を決定する。ACE 文字列は二重引用符 ("") で囲む必要がある

デフォルト "@@o^a^r^g;@@o^c^wdeic^g;@^a^sf^g"

ACE 形式の詳細は、「アクセスコントロール」を参照  

-b baseDN  

すべての LDAP ユーザに使用する基本 DN。デフォルトは、ics.conf ファイルで定義されている local.ugldapbasedn の設定から取得される。

基本 DN (Distinguished Name、識別名) は、LDAP ディレクトリ内のエントリの 1 つで、検索の起点として使用される。たとえば、ou=people, o=siroe.com を基本 DN として指定すると、iPlanet Calendar Server によって実行されるすべての LDAP 検索処理は、o=siroe.com ディレクトリツリー内の ou=people サブツリーだけが対象となる  

-c CALID  

icsCalendar 属性。create コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  

-d description  

説明 (カレンダーの目的に関する表示可能なコメント)。デフォルトは説明なし  

-k yes|no  

会議室などのリソースオブジェクトに関連付けられたカレンダーに対して、二重予約を許可するかどうかを指定する。yes の場合は、リソースカレンダーの同じ時間枠に複数のイベントスケジュールを作成できる。デフォルトは yes  

-o owner  

主な所有者  

-y otherowners  

ほかの所有者。複数の所有者を指定する場合は、二重引用符 ("") で囲み、各所有者をスペースで区切る必要がある。デフォルトはほかの所有者なし  

version [name]  

ユーティリティのバージョンを表示する  



csrestore



csrestore は、個々のカレンダー、個々のユーザ、およびカレンダーデータベースを復元するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • database。カレンダーデータベースを復元する

  • calendar。カレンダーを復元する

  • defcal。ユーザのデフォルトカレンダーを復元する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する



注  指定したバックアップディレクトリに作成されるバージョンファイル caldb.conf には、バックアップしたデータベースのバージョン番号が記録されます。

iPlanet Calendar Server バージョン 2.x でバックアップしたデータをバージョン 5.0 で復元しないでください。バージョン 2.x とバージョン 5.0 のユーティリティには互換性がないため、データが一部失われる可能性があります。




構文
csrestore [-v|-q] [-f] database inputdir

または

csrestore [-v|-q] -c CALID calendar inputfile

または

csrestore [-v|-q] -a USERID [-b BASEDN] defcal inputfile


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • カレンダーデータベースの復元中は、iPlanet Calendar Server は実行できない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csrestore database backupdir

上記のコマンドは、ディレクトリ backupdir に保存されているカレンダーデータベースを復元します。このカレンダーデータベースは、以前に csbackup コマンドラインユーティリティを使用して保存されたものです。

csrestore -c calA calendar backupdir/calA.ics

上記のコマンドは、ディレクトリ backupdir 内のファイル calA.ics から、CALID が calA であるカレンダーを復元します。このファイルは、以前に csbackup または csexport ユーティリティを使用して、iCalendar (text/calendar ファイル) 形式で保存されたものです。

csrestore -c calA calendar backupdir

上記のコマンドは、ディレクトリ backupdir に保存されているカレンダーデータベースから calA を復元します。このカレンダーデータベースは、以前に csbackup を使用して保存されたものです。

csrestore -a userA defcal backupdir/userA.ics

上記のコマンドは、ディレクトリ backupdir 内のファイル userA.ics から、userA が所有するデフォルトのカレンダーを復元します。このファイルは、以前に csbackup または csexport ユーティリティを使用して、iCalendar (text/calendar ファイル) 形式で保存されたものです。

csrestore ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-20 で説明します。


表 A-20 csrestore ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

database inputdir  

バックアップカレンダーデータベースが保存されている、指定された入力ディレクトリまたは入力ファイルから、カレンダーデータベースを復元する。復元すると、現在のカレンダーデータベースの以前の内容がすべて破棄および上書きされる  

calendar inputfile  

指定された入力ファイルから指定された CALID を復元する。ファイルのデータ形式は、ファイル名の拡張子によって決定される

.ics の場合は iCalendar (text/calendar)

.xml の場合は XML (text/xml)

指定した CALID がすでに存在する場合、そのカレンダーのデータは復元される前に消去される  

defcal inputfile  

指定された入力ファイルから指定された USERID のデフォルトカレンダーを復元する。ファイルのデータ形式は、ファイル名の拡張子によって決定される

.ics の場合は iCalendar (text/calendar)

.xml の場合は XML (text/xml)  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csrestore ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-21 で説明します。


表 A-21 csrestore ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-a USERID  

復元する USERID。defcal コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  

-b baseDN  

すべての LDAP ユーザに使用する基本 DN。デフォルトは、ics.conf ファイルで定義されている local.ugldapbasedn の設定から取得される

基本 DN (Distinguished Name、識別名) は、LDAP ディレクトリ内のエントリの 1 つで、検索の起点として使用される。たとえば、ou=people, o=siroe.com の基本 DN を指定すると、iPlanet Calendar Server によって実行されるすべての LDAP 検索処理は、o=siroe.com ディレクトリツリー内の ou=people サブツリーだけが対象となる  

-f  

直前の復元が失敗した場合、iPlanet Calendar Server サービスを強制的に停止して、既存のデータベースファイルを削除する。UNIX では、kill -9 コマンドに相当する。Windows NT タスクマネージャでは、サービスの停止に相当する。

注 : Calendar Server を停止および起動する場合は、stop-cal および
start-cal ユーティリティを使用することをお勧めします。
 

-c CALID  

復元する CALID。calendar コマンドを使用する場合、このオプションは必須。デフォルトはなし  

-p port  

LDAP サーバがリッスンするポート番号。デフォルトは、ics.conf ファイルで定義されている local.ugldapport の設定から取得される  

-u adminDN  

LDAP サーバへの管理権限を持つユーザの LDAP 識別名 (DN)。この iPlanet Calendar Server からアクセスされるユーザ認証情報が保存されている。デフォルト値は、ics.conf ファイルで定義されている local.enduseradmindn の設定から取得される。例 :
uid=admin,ou=Administrators,ou=TopologyManagement,o=NetscapeRoot
 

-w adminpassword  

-u オプションで指定された LDAP 管理者 DN のパスワード。デフォルト値は、ics.conf ファイルで定義されている local.enduseradmincred の設定から取得される。-u オプションを使用する場合、このオプションは必須  



csschedule



csschedule は、Group Scheduling Engine (GSE) キューに格納されているスケジューリングエントリを管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • list。指定されたカレンダー ID によって要求されている Group Scheduling Engine キューに保持されているエントリを表示する

  • delete。指定されたカレンダー ID によって要求されている Group Scheduling Engine キューからエントリを削除する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csschedule [-q|-v] [-c count] [-s startTime] [-e endTime] list [CALID]

または

csschedule [-q|-v] [-t scheduleTime -u uid [-r rid -n sequenceNumber]] list CALID

または

csschedule [-q|-v] [-t scheduleTime -u uid -r rid -n sequenceNumber] delete CALID

または

csschedule [-q|-v] [-s startTime -e endTime] delete [CALID]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server が停止していること



csschedule -v list

GSE キューに格納されているすべてのエントリの詳細を一覧表示します。

csschedule -c 10 list

GSE キューに格納されている最初の 10 エントリを一覧表示します。

csschedule -s 20001231T103045Z -e 20001231T113045Z list

GSE キューのエントリのうち、2000 年 12 月 31 日の 10 時 30 分 45 秒〜 11 時 30 分 45 秒に予定されているエントリを一覧表示します。

csschedule -v -t 20001231T103045Z -u 1111 -r 0 -n 0 list calA

カレンダー calA の GSE キュー内のエントリのうち、2000 年 12 月 31 日の 10 時 30 分 45 秒に予定され、UID が 1111、RID が 0、シーケンス番号が 0 であるエントリを一覧表示します。

csschedule -v -t 20001231T103045Z -u 1111 -r 0 -n 0 delete calA

カレンダー calA の GSE キューに格納されているエントリのうち、2000 年 12 月 31 日の 13 時 30 分 45 秒に予定され、UID が 1111、RID が 0、シーケンス番号が 0 であるエントリを削除します。

csschedule -v -s 20001231T103045Z -e 20001231T163045Z delete

2000 年 12 月 31 日の 10 時 30 分 45 秒〜 16 時 30 分 45 秒に予定されている GSE キューのエントリを削除します。

csschedule -v delete

GSE キューのすべてのエントリを削除します。

csschedule ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-22 で説明します。


表 A-22 csschedule ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

list  

指定されたカレンダー ID によって要求されている Group Scheduling Engine キューに保持されているエントリを削除する  

delete  

指定されたカレンダー ID によって要求されている Group Scheduling Engine キューから、特定のエントリを削除する  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csschedule ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-23 で説明します。


表 A-23 csschedule ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-c count  

一覧表示する GSE キュー エントリの数。たとえば、キュー内の 10 エントリを調べる場合は、10 と入力する  

-e end time  

イベントまたは仕事の終了トリガの日付/時刻。次の書式で指定する 19991231T080000Z

注 : 0 の場合は、1 日の最後まで対象となる。デフォルトは 0  

-n sequence Number  

キュー内のイベントまたは仕事のシーケンス番号  

-r rid  

イベントまたは仕事の RID。RID (繰り返し識別子) は、定期的なイベントや仕事を識別する文字列をセミコロンで区切ったリスト

 

-s start time  

イベントまたは仕事の開始トリガの日付/時刻。次の書式で指定する 19991231T080000Z

注 : 0 の場合は、1 日の最初から対象となる。デフォルトは 0  

-t scheduleTime  

スケジュールの時間を次の書式で指定する 20001231T103045Z

 

-u uid  

イベントまたは仕事の UID。UID (一意識別子) は、イベントや仕事を識別する文字列をセミコロンで区切ったリスト  



csstart



csstart は、iPlanet Calendar Server を起動するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • check。すべての iPlanet Calendar Server サービスまたは指定された
    iPlanet Calendar Server サービスが実行されているかどうかを確認する

  • list。すべての iPlanet Calendar Server サービスを表示する

  • service。すべてのサービスまたは指定された iPlanet Calendar Server サービスを起動する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csstart [-q|-v] check|list|service [servicename]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server が停止していること (check コマンドを除く)



csstart service

デフォルトのポート番号と起動順序を使用して、すべての iPlanet Calendar Server サービスを起動します。

csstart service http

ローカル iPlanet Calendar Server HTTP サービスを起動し、ics.confservice.http.port に定義されているデフォルトの http ポート番号、および service.admin.port で定義されている管理ポート番号でリッスンします。

csstart check

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスが起動されていることを確認します。

csstart list

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスを一覧表示します。

csstart service

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスを起動します。

csstart ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-24 で説明します。


表 A-24 cscstart ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

check [servicename]  

指定された iPlanet Calendar Server サービスが起動されていることを確認する。サービス名が指定されていない場合は、すべての Calendar Server サービスが確認される。servicename には、次のサービス名のどれかを指定する

  • enpd − 汎用イベント登録および通知サービス。ほかの iPlanet サーバと共有できる

  • csnotifyd − Calendar Server 通知デーモン

  • csadmind − Calendar Server 管理デーモン。すべてのサーバマシンにインストールされている必要がある

  • csdwpd − Calendar Server データベースデーモン。リモートデータベース構成の場合にだけ起動する

  • cshttpd − Calendar Server デーモン。1 つ以上必要

 

list  

すべての iPlanet Calendar Server サービスおよびそのセッション ID を一覧表示する  

service [servicename]  

指定された iPlanet Calendar Server サービスを起動する。サービス名を指定しない場合は、すべてのサービスが起動される。iPlanet Calendar Server 5.0 のサービスは、次の順序で起動する必要がある

  1.  enpd − 汎用イベント登録および通知サービス。ほかの iPlanet サーバと共有できる

  2.  csnotifyd − Calendar Server 通知デーモン

  3.  csadmind − Calendar Server 管理デーモン。すべてのサーバマシンにインストールされている必要がある

  4.  csdwpd − Calendar Server データベースデーモン。リモートデータベース構成の場合にだけ起動する

  5.  cshttpd − Calendar Server デーモン。1 つ以上必要

iPlanet Calendar Server サービスの詳細は、次の節を参照。

 

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csstart ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-25 で説明します。


表 A-25 csstart ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  



csstats



csstats は、iPlanet Calendar Server の統計を表示するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • list。iPlanet Calendar Server のカウンタとして記録されるさまざまな統計を表示する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


    注  カウンタの詳細は、「カウンタ」を参照してください。




構文
csstats [-q|v] [-r registry] [-i iterations] [-s delay] list [subsystem]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているマシンでローカルに実行すること

  • iPlanet Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csstats list

カウンタに関する基本情報と使用可能なカウンタのタイプを表示します。

csstats list http

HTTP サービスサブシステム (httpstat) に関するカウンタ統計を一覧表示します。

csstats -i 360 -s 10 list wcap

wcap サブシステム (wcapstat) に関するカウンタ統計を 10 秒ごとに 1 時間 (360 回) 一覧表示します。

csstats ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-26 で説明します。


表 A-26 csstats ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

list [subsystem]  

指定された iPlanet Calendar Server サブシステムに関するカウンタ統計を一覧表示する。サブシステムを指定しない場合は、使用可能なサブシステムに関する次の基本情報が表示される

  • auth − ログイン認証

  • db − カレンダーデータベース

  • http − HTTP トランスポート

  • wcap − Web カレンダーアクセスプロトコル

  • gse − GSE (Group Scheduling Engine)

 

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csstats ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-27 で説明します。


表 A-27 csstats ユーティリティのコマンドオプション

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-i iterations  

統計検索を繰り返す回数。デフォルトは 1  

-r registry  

カウンタ統計を保存するファイルの名前とその場所。デフォルトは、server-root/cal/bin/counter/counter 例えば、 /opt/SUNWics5/cal/bin/counter/counter
 

-s delay  

統計検索の表示間隔 (秒単位)。デフォルトは 1 秒  



csstop



csstop は、iPlanet Calendar Serverを停止するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • service。iPlanet Calendar Server のすべてのサービスまたは指定されたサービスを停止する

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
csstop [-q|-v] [-f] check|list| service [servicename]


要件

  • iPlanet Calendar Server がインストールされているローカルマシンで、またはリモートマシンから実行できること

  • iPlanet Calendar Server が動作していること

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



csstop service

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスを停止します。

csstop service http

ローカル iPlanet Calendar Server HTTP サービスを停止します。

csstop check

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスが起動されていることを確認します。

csstop list

すべてのローカル iPlanet Calendar Server サービスを一覧表示します。

csstop ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-28 で説明します。


表 A-28 csstop ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

check [servicename]  

指定された iPlanet Calendar Server サービスが実行されていることを確認する。サービス名を指定しない場合は、すべての Calendar Server サービスの実行が確認される。servicename には、次のサービス名のどれかを指定できる

  • enpd − 汎用イベント登録および通知サービス。ほかの iPlanet サーバと共有できる

  • csnotifyd − Calendar Server 通知デーモン

  • csadmind − Calendar Server 管理デーモン。すべてのサーバマシンにインストールされている必要がある

  • csdwpd − Calendar Server データベースデーモン。リモートデータベース構成の場合にだけ起動する

  • cshttpd − Calendar Server デーモン。1 つ以上必要

 

list  

すべての iPlanet Calendar Server サービスおよびそのセッション ID を一覧表示する  

service [servicename]  

指定された iPlanet Calendar Server サービスを停止する。サービス名を指定しない場合は、すべてのサービスが停止される。iPlanet Calendar Server 5.0 のサービスは、次の順序で起動し、この逆の順序で停止する必要がある

  1.  enpd − 汎用イベント登録および通知サービス。ほかの iPlanet サーバと共有できる

  2.  csnotifyd − Calendar Server 通知デーモン

  3.  csadmind − Calendar Server 管理デーモン。すべてのサーバマシンにインストールされている必要がある

  4.  csdwpd − Calendar Server データベースデーモン。リモートデータベース構成の場合にだけ起動する

  5.  cshttpd − Calendar Server デーモン。1 つ以上必要

iPlanet Calendar Server サービスの詳細は、次の節を参照すること

 

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csstop ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-29 で説明します。


表 A-29 csstop ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-f  

直前の停止が失敗した場合、iPlanet Calendar Server サービスを強制的に停止する。UNIX では、kill -9 コマンドに相当する。Windows NT タスクマネージャでは、サービスの停止に相当する。

注 : Calendar Server を停止および起動する場合は、stop-cal および start-cal ユーティリティを使用することをお勧めします  



cstool



cstool は、iPlanet Calendar Server を ping したり、サーバ構成を再度読み込むためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • ping。指定されたポートで Calendar Server サービスがリッスンしていることを確認する

  • refresh。Calendar Server サービスの構成の設定を再度読み込む

  • version。現在インストールされているユーティリティのバージョン番号を表示する


構文
cstool [-q|-v] [-h host] [-p port] [-t timeout] ping [servicename]

または

cstool [-q|-v] [-h host] refresh [servicename]


要件

  • Calendar Server が動作していること

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



cstool ping http

上記のコマンドは、cshttpd サービスを ping します。

cstool -p 80 ping http

上記のコマンドは、ホスト名が calserver のマシンを ping して、iPlanet Calendar Server の cshttpd サービスがポート 80 でリッスンしているかどうかを確認します。

cstool refresh

ローカル iPlanet Calendar Server に cshttpd サービスの構成を再度読み込みます。

cstool ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-30 で説明します。


表 A-30 cstool ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

ping [servicename]  

指定された iPlanet Calendar Server サービスまたはすべての iPlanet Calendar Server サービスを ping する。iPlanet Calendar Server サービスでは、次のオプションを使用できる

  • admin (csdamind サービス)

  • dwp (csdwpd サービス)

  • ens (enpd サービス)

  • http (cshttpd サービス) − サービスが指定されていない場合のデフォルト

  • notify (csnotifyd サービス)

 

refresh [hostname]  

指定されたサービスの構成を iPlanet Calendar Server に再度読み込む。サービスを指定しない場合は、すべての iPlanet Calendar Server サービスの設定が再度読み込まれる  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

cstool ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-31 で説明します。


表 A-31 cstool ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-h host  

iPlanet Calendar Server を実行しているマシンのホスト名を指定する。デフォルト値は、ics.conf ファイルでインストール時に定義されている local.hostname の設定から取得される。リモートマシンで動作している iPlanet Calendar Server にアクセスする場合は、このオプションを使用する  

-p port  

指定したサービスがリッスンするポート。サービスを指定しない場合は、ics.conf ファイルで定義されているポート番号のデフォルト値が使用される  

-t timeout  

サーバからの応答の待機時間 (秒単位)。デフォルトは 120 秒  



csuser



csuser は、LDAP ディレクトリサーバおよび iPlanet Calendar Server のカレンダーデータベースに保存されているカレンダーユーザ情報を管理するためのユーティリティです。このユーティリティでは、次のコマンドを使用できます。

  • check。ユーザにカレンダー操作が許可されているかどうかを確認する

  • create。ユーザを作成してカレンダー操作を許可する

  • delete。ユーザを削除する

  • disable。ユーザの iPlanet Calendar Server へのログインを無効にする

  • enable。ユーザの iPlanet Calendar Server へのログインを許可する

  • list。ユーザのカレンダー属性を一覧表示する

  • reset。ユーザのカレンダー属性をデフォルトの設定にリセットする



注  このツールは、便宜上提供されています。管理者は、ユーザ属性を設定するときに、ディレクトリサービスまたはカスタマイズしたユーザ規定メカニズムを使用することをお勧めします。




構文
csuser [-q|-v] [-b basedn] [-c CALID] -g givenname -s surname -y userpassword create USERID

または

csuser [-q|-v] [-b basedn] check|delete|disable|enable|list|reset [USERID]


要件

  • Calendar Server は動作中でも停止中でもかまわない

  • カレンダーユーザ情報を保存している LDAP サーバが動作していること

  • UNIX システムで実行する場合は、iPlanet Calendar Server が動作しているユーザおよびグループのうち、インストール時に指定したユーザおよびグループ (たとえば、icsusericsgroup など) としてログインすること。または、root としてログインすること



    注  ユーザ ID の大文字小文字の区別は、アプリケーションに依存します。たとえば、iPlanet Calendar Server 5.0 では、jsmith というユーザは、JSMITH または jsmith としてログインできますが、ほかのユーザがこのユーザを出席者として招待する場合は、jsmith と指定する必要があります。JSMITH として招待することはできません。





csuser check JSmith

このコマンドは、カレンダーユーザ JSmith がカレンダー操作を許可されているかどうかを確認します。つまり、既存のカレンダーユーザが、この iPlanet Calendar Server のカレンダーデータへのアクセス権を持っているかどうかを確認します。

csuser -g John -s Smith -y password -c JSmithcal create JSmith

このコマンドは、名前が John、姓が Smith、CALID が JSmithcal、ユーザ ID が JSmith である LDAP ユーザを作成します。

csuser delete JSmith

このコマンドは、ユーザ JSmith を削除します。

csuser disable JSmith

このコマンドは、カレンダーユーザ JSmith が iPlanet Calendar Server にログインできないようにします。



注  この例のコマンドによって、JSmith はカレンダーデータにアクセスするための iPlanet Calendar Server へのログインができなくなりますが、JSmith のデータはローカルカレンダーデータベースからは削除されません。JSmith が iPlanet Calendar Server に現在ログインしている場合は、そのユーザがログオフするか、管理者によってログオフされるまで、JSmith はカレンダーデータにアクセスできます。管理者がユーザをログオフするには、csstart ユーティリティの logout コマンドを使用します。詳細は、「csstart」を参照してください。



csuser enable JSmith

このコマンドは、JSmith にカレンダー操作を許可します。つまり、既存のカレンダーユーザ JSmith が、iPlanet Calendar Server にログオンできるようにします。

csuser -v list JSmith

このコマンドは、JSmith に関するすべてのカレンダー属性を一覧表示します。

csuser reset JSmith

このコマンドは、JSmith に関するすべてのカレンダー属性をデフォルトの設定にリセットします。

csuser ユーティリティで使用可能なコマンドについて、表 A-32 で説明します。


表 A-32 csuser ユーティリティのコマンド 

コマンド

説明

check [USERID]  

指定された USERID にカレンダー操作が許可されているかどうかを確認する。USERID を指定しない場合は、すべてのユーザが確認される  

create USERID  

指定された USERID を作成して、このユーザの iPlanet Calendar Server へのログインを有効にする  

delete [USERID]  

指定された USERID を削除する。USERID を指定しない場合は、すべてのユーザが削除される  

disable [USERID]  

指定された USERID のカレンダー操作を無効にする。http という文字列が
nswcalDisallowAccess 属性の値として定義されている。USERID を指定しない場合は、すべてのユーザが無効になる
 

enable [USERID]  

指定された USERID のカレンダー操作を有効にする。指定した CALID は nswcalCALID 属性に追加される。USERID を指定しない場合は、すべてのユーザが有効になる  

list [USERID]  

指定された USERID に関するすべてのカレンダー属性を一覧表示する。USERID を指定しない場合は、有効なユーザがすべて一覧表示される  

reset [USERID]  

USERID に関するすべてのカレンダー属性をデフォルトの設定にリセットする。USERID を指定しない場合は、すべてのユーザの属性がリセットされる  

version  

ユーティリティのバージョンを表示する  

csuser ユーティリティのコマンドオプションについて、表 A-33 で説明します。


表 A-33 csuser ユーティリティのコマンドオプション 

オプション

指定する内容

-v  

冗長モード。実行されたコマンドに関するすべての情報を表示する。デフォルトはオフ  

-q  

非出力モード

  • 正常に処理された場合は情報を表示しない。エラーが発生した場合に、情報を表示する

  • 危険を伴うコマンドに関する確認プロンプトを抑止する

デフォルトはオフ  

-b baseDN  

すべての LDAP ユーザに使用される基本 DN。デフォルトは、ics.conf ファイルで定義されている local.ugldapbasedn の設定から取得される。

基本 DN (Distinguished Name、識別名) は、LDAP ディレクトリ内のエントリの 1 つで、検索の起点として使用される。たとえば、ou=people, o=siroe.com を基本 DN として指定すると、iPlanet Calendar Server によって実行されるすべての LDAP 検索処理は、o=siroe.com ディレクトリツリー内の ou=people サブツリーだけが対象となる。

このオプションは、2 つ以上のツリー接尾辞に属している複数のユーザが Calendar Server にアクセスする必要がある場合に使用する。たとえば、local.authldapbasedn"ou=people,dc=siroe,dc=com" に設定されていて、さらに、次の 2 つのツリー接尾辞の LDAP に複数のユーザが格納されていると仮定する。

"ou=people,dc=siroe,dc=com"

"ou=managers,dc=siroe,dc=com"

これらの両方のツリー接尾辞に属しているユーザがカレンダーサーバにアクセスできるようにするには、-b オプションで次の DN を設定する "dc=siroe,dc=com"

 

-c CALID  

指定した USERID に関連付けるデフォルトカレンダーの CALID。デフォルトは USERID

注 : このコマンドでは、カレンダーは作成されません。  

-g givenname  

ユーザの LDAP 名 (名前)。このオプションは必須。デフォルトはなし  

-s surname  

ユーザの LDAP 姓 (名字)。このオプションは必須。デフォルトはなし  

-y userpassword  

カレンダーユーザのパスワード。このオプションは必須。デフォルトはなし  


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Last Updated May 21, 2001