Oracle Solaris Trusted Extensions ユーザーズガイド

ProcedureTrusted CDE でラベル間でファイルを移動する

標準的な Solaris システムの場合と同様に Trusted Extensions でファイルを移動できます。ファイルを別のラベルに移動するときは、ファイルに含まれる情報の機密度を昇格または降格することになります。

始める前に

サイトのセキュリティーポリシーでこのような転送が許可され、含まれるゾーンでラベルの付け直しが許可されている必要があります。また、ユーザーはラベル間のファイル移動を承認されている必要があります。

したがって、管理者は次の手順を完了している必要があります。

Trusted CDE のマルチレベルセッションにログインしている必要があります。移動させるファイルは閉じておく必要があります。ほかにこのファイルを使用している人がいないことを確認します。

  1. 両方のラベルでワークスペースを作成します。

    詳細は、「特定のラベルのワークスペースを追加する」を参照してください。

  2. 両方のラベルでファイルマネージャーを開きます。

    詳細は、「ラベル付きワークスペースにファイルを表示する」を参照してください。

  3. ソース側のファイルマネージャーで、ラベルを変更するファイルを表示します。

  4. ターゲット側のファイルマネージャーで、ファイルの新しいディレクトリを表示します。

  5. 2 つのファイルマネージャーを 1 つのワークスペースに移動します。

    詳細は、「ウィンドウを別のワークスペースに移動する」を参照してください。

    図 3–16 1 つのワークスペース内のラベルの異なるファイルマネージャー

    図は、同じワークスペース内にある 2 つの異なるラベルのファイルマネージャーを示しています。

  6. ファイルをターゲットディレクトリにドラッグしてドロップします。

    図 3–17 異なるラベルのファイルマネージャー間でのファイルのドラッグ

    図は、2 つの異なるラベルのファイルマネージャーと、1 つのマネージャーからもう 1 つのマネージャーにドラッグされるファイルを示しています。

    図 3–18 に示すように、ファイルマネージャーの確認ダイアログボックスが表示されます。

    このダイアログボックスは選択マネージャーの確認ダイアログボックスと似ていますが、タイマーはありません。このダイアログボックスには、次の情報が表示されます。

    • トランザクションの確認が必要な理由。

    • ソースファイルのラベルと所有者。

    • ターゲットファイルのラベルと所有者。

    • 転送用に選択されたデータの種類、ターゲットファイルの種類、およびデータのサイズ (バイト単位)。

    図 3–18 ファイルマネージャーの確認ダイアログボックス

    ドラッグされたファイルのソース、ターゲット、転送情報が表示された「ファイルマネージャーのドラッグアンドドロップ確認」というタイトルで「トラステッドパス」というラベルのウィンドウ

  7. ファイルのラベルを変更するかどうかを確定します。

    • トランザクションを中止するには「取り消し (Cancel)」をクリックします。

    • ファイルを新しいラベルに移動するには「適用 (Apply)」をクリックします。


例 3–5 別のラベルへのファイルのリンク

別のラベルにファイルをリンクする操作は、ラベルの低いファイルを高いラベルで表示するときに便利です。ファイルへの書き込みは、低い方のラベルでのみ実行できます。

ファイルをリンクするには、Shift キーと Control キーを押しながら、ソース側のファイルマネージャーからターゲット側のファイルマネージャーに、ファイルのアイコンをドラッグします。次に、リンクを確定するか、操作を取り消します。


注意事項

システムがラベルの昇格または降格を許可するように設定されていない場合は、転送が承認されないことを示すダイアログボックスが表示されます。このような場合は、管理者に確認してください。