Instant Messaging には Sun JavaTM System Calendar Server が統合されているので、Instant Messenger ユーザーにカレンダのイベントとタスクの両方を知らせる自動ポップアップリマインダを利用できます。
この節では、次の事項について説明します。
この節では、カレンダのポップアップリマインダについて、次の各トピックで説明します。
カレンダ上のイベントとタスクの予定日が近づくと、ユーザーは Instant Messenger のポップアップリマインダを受信できます。ポップアップリマインダを有効にするには、次の作業が必要です。
ポップアップ通知を許可するように、管理者が Calendar Server と Instant Messaging サーバーを設定する。
エンドユーザーが Calendar Express または Communications Express の「オプション」タブで電子メールリマインダを指定する。これにより、イベント通知システムにアラームが設定される。
エンドユーザーが Instant Messenger でカレンダリマインダを有効にする。
ポップアップが有効に設定されている場合、イベントやタスクが近づくと、イベント通知システムに設定されたアラームに基づいて、Calendar Server は電子メール通知を送信し、Instant Messaging はポップアップリマインダを表示します。
Instant Messaging でポップアップリマインダが設定されると、次のアーキテクチャーフローに従って動作します。
Instant Messaging JMS サブスクライバが、イベント通知サービス (ENS) 内の Calendar Server のイベントと通知を受け取るよう登録される。
Calendar Server がイベントまたはタスクの通知を text/xml または text/calendar の形式で ENS に公開する。
Instant Messaging JMS サブスクライバがカレンダイベントまたはタスクの通知を受信し、text/calendar 形式でメッセージを生成する。
エンドユーザーがオンラインであれば、Instant Messaging サーバーがメッセージをカレンダの所有者に送信する。
受信者が有効な場合、Instant Messenger はメッセージに基づいて HTML ポップアップリマインダをエンドユーザーのデスクトップに生成する。
受信者が無効な場合、Instant Messaging サーバーはメッセージを破棄します。
Instant Messaging をインストールするときに、デフォルトで、カレンダエージェントで使用されるいくつかの設定パラメータが iim.conf に追加されます。configure ユーティリティーを実行するときに、カレンダエージェントを有効にして、関連する設定情報を指定することもできます。ただし、たとえば、Instant Messenger のリソースファイルをカスタマイズしている場合などは、ポップアップを手動で設定するとよいでしょう。configure を再実行する場合は、リソースファイルを再配備する必要があります。configure ユーティリティーを実行する代わりに、Instant Messaging サーバーを手動で設定してカレンダのポップアアップを使用する場合は、次のパラメータの値を指定する必要があります。configure ユーティリティーについては、第 1 章「インストール後の Instant Messaging の設定」を参照してください。
表 16–1 は、カレンダのポップアップを使用するために Instant Messaging サーバーおよびカレンダエージェントを設定する際に使用する設定パラメータの一覧です。
表 16–1 カレンダポップアップを設定するための iim.conf パラメータ
iim.conf のパラメータまたはセクション |
説明および適切な値 |
---|---|
JMS コンシューマセクション |
|
jms.consumers |
アラームの名前。 次の値に設定します。 cal_reminder |
jms.consumer.cal_reminder.destination |
アラームの宛先。 ics.conf ファイル内の caldb.serveralarms.url 設定パラメータと同じ値であることが必要です。たとえば、次のようになります。 enp:///ics/customalarm |
jms.consumer.cal_reminder.provider |
プロバイダの名前。 ens に設定します。 JMS プロバイダセクションの jms.providers パラメータと同じ名前であることが必要です。 |
jms.consumer.cal_reminder.type |
設定するアラームの種類。次の値に設定します。 topic |
jms.consumer.cal_reminder.param |
アラームパラメータ。引用符を含めて次のように値を設定します。 "eventtype=calendar.alarm" |
jms.consumer.cal_reminder.factory |
新しいカレンダリマインダメッセージのリスナー。自身を登録します。 次の値に設定します。 com.iplanet.im.server.JMSCalendarMessageListener 値を 1 行で入力します。 |
JMS プロバイダセクション |
|
jms.providers |
プロバイダの名前です。 値を ens に設定します。 JMS コンシューマセクションの jms.consumer.cal_reminder.provider パラメータと同じ値であることが必要です。 |
jms.provider.ens.broker |
ENS のホスト名と、ENS が受信する要求を待機するポートの番号です。 ics.conf ファイルのパラメータ service.ens.port で指定されるポートに設定します。デフォルト値は 57997 です。 たとえば、次のようになります。 jms.provider.ens.broker=cal.example.com:57997 |
jms.provider.ens.factory |
トピック接続オブジェクトの作成に使用されるファクトリクラスです。 次の値に設定します。 com.iplanet.ens.jms.EnsTopicConnFactory |
Instant Messaging の一般的なパラメータ |
|
iim_agent.enable |
Instant Messaging のカレンダエージェントを有効にします。デフォルトでは、このパラメータは False に設定されています。 引用符を含めて次のように値を設定します。 iim_agent.enable="true" |
iim_agent.agent-calendar.enable |
カレンダエージェントを有効にするコンポーネントを読み込みます。 引用符を含めて次のように値を設定します。 iim_agent.agent-calendar.enable="true" |
agent-calendar.jid |
カレンダエージェントの JID。 この値を次のように設定します。 agent-calendar.jid=calimbot.server .domain |
agent-calendar.password |
このパラメータには、カレンダエージェントが Instant Messaging サーバーに接続するために使用するパスワードを設定します。 この値を次のように設定します。 agent-calendar.password=password |
iim_server.components |
この値を次のように設定します。 iim_server.components=agent-calendar |
この節では、次の設定方法について説明します。
configure を実行します。
configure ユーティリティーの詳細については、「設定チェックリストの確認」を参照してください。
カレンダエージェントの設定画面で、「カレンダエージェントを有効にする」チェックボックスを選択します。
通知サーバーのホスト名とポート番号を入力します。
Calendar Server の ics.conf ファイルの service.ens.port パラメータで指定されているポート番号と同じポート番号を使用します。
指定する値の組み合わせは、jms.provider.ens.broker パラメータの値として iim.conf に格納されます。たとえば、ホスト名に localhost を、また、ポート番号に 57997 を入力すると、jms.provider.ens.broker パラメータは次のように設定されます。
jms.provider.ens.broker=localhost:57997 |
カレンダアラームの URL を入力します。
この URL は、アラームの送信先です。たとえば、次のように入力します。
enp:///ics/customalarm |
Calendar Server の ics.conf ファイルの caldb.serveralarms.url パラメータで指定されている URL と同じ URL を使用します。
指定する値は、jms.consumer.cal_reminder.destination パラメータの値として iim.conf に格納されます。
「次へ」をクリックして、設定を継続します。
configure ユーティリティーの詳細については、第 1 章「インストール後の Instant Messaging の設定」を参照してください。
表 16–1 に示されている情報を収集します。
表 16–1 に示される iim.conf ファイルのパラメータを編集します。
iim.conf ファイルを変更する手順については、「iim.conf ファイルの構文」を参照してください。
記載されるパラメータ値は、イベントとタスクの両方についてポップアップリマインダを設定することを前提にしています。これらのパラメータが iim.conf に存在しない場合は、追加してください。
imadmin を使用してカレンダエージェントを起動します。
imadmin start agent-calendar |
imadmin コマンド行ユーティリティーは、次のディレクトリ内に格納されています。
im-svr-base/sbin
im-svr-base は Instant Messaging のインストール先ディレクトリです。
Calendar Server に、設定を変更できる権限を持つ管理者としてログインします。
cal-svr-base/SUNWics5/cal/config ディレクトリに移動します。
cal-svr-base は Calendar Server のインストール先ディレクトリです。
古い ics.conf ファイルをコピーし、別の名前で保存します。
次の表に記載されているパラメータに、示されている値が設定されていることを確認します。設定されていない場合、それらを編集する必要があります。
パラメータ |
説明およびデフォルト値 |
---|---|
caldb.serveralarms |
カレンダアラームをキューに入れられるようにします。デフォルト値は "1" (有効) です。 |
caldb.serveralarms.contenttype |
アラームの内容の出力形式です。デフォルト値は "text/xml" です。 |
caldb.serveralarms.dispatch |
カレンダアラームを発信できるようにします。デフォルト値は "yes" です。 |
caldb.serveralarms.dispatchtype |
発信するサーバーアラームの種類です。デフォルト値は "ens" です。 |
caldb.serveralarms.url |
アラームの内容を取得するためのアラームの URL です。デフォルト値は、"enp:///ics/customalarm" です。 |
ics.conf ファイルを保存します。
Calendar Server を再起動します。
cal-svr-base /SUNWics5/cal/sbin/start-cal
cal-svr-base は Sun Java System Calendar Server のインストール先ディレクトリです。
Instant Messenger のメインウィンドウで、「ツール」->「設定」を選択します。
「設定」ウィンドウで、「アラート」タブをクリックします。
「カレンダリマインダーを表示」オプションをオンにします。
「了解」をクリックします。
これで、ユーザーがオンラインのときに Instant Messenger からカレンダポップアップを受け取ることができます。
サーバープール配備でカレンダのポップアップが機能するように設定するには、プール内の 1 つのサーバーのカレンダエージェントを設定するだけで済みます。プール内の設定済みの各カレンダエージェントにポップアップが配信されます。
カレンダエージェントは、Instant Messaging のコンポーネントで、カレンダと Instant Messaging ユーザーにポップアップ機能を提供します。また、Instant Messaging に付属するツールを使用すると、カレンダエージェントの起動、停止、再起動、およびステータス確認を行うことができます。また、ログファイルによってアクティビティーを監視することもできます。カレンダエージェントコンポーネントの管理については、「Instant Messaging コンポーネントの停止、起動、更新、および確認」を参照してください。また、カレンダエージェントのログについては、第 13 章「Instant Messaging のロギングの管理」を参照してください。この節では、Instant Messaging エージェントの有効化および無効化について説明します。
iim.conf を開きます。
iim.conf の場所、およびこのファイルを変更する手順については、「iim.conf ファイルの構文」を参照してください。
iim_agent.enable パラメータを true に設定します。
iim_agent.enable="true"
iim.conf を保存して閉じます。
サーバーを再起動します。
imadmin refresh server |