Sun JavaTM System Instant Messaging をインストール後、使用を開始する前にいくつかの設定手順を実行する必要があります。この章では、これらの設定手順について次の各節で説明します。
Instant Messaging を設定する前に、『Sun Java Communications Suite 5 配備計画ガイド』の説明を読んで理解し、『Sun Java Communications Suite 5 インストールガイド』に従ってインストールを実行し、設定チェックリストの内容をすべて完了して、最後にソフトウェアを設定することをお勧めします。さらに、Instant Messaging を Sun Cluster for High Availability とともに設定する場合には、この章の手順を実行する前に、第 4 章「高可用性に対応した Instant Messaging の設定 (Solaris のみ)」を読んでおく必要があります。
開始前に、次に示す情報を収集してください。インストールするコンポーネントによって異なりますが、次の情報の一部またはすべてを入力するよう指示されます。
次の表を印刷し、該当の箇所に配備の値を記入してください。このチェックリストは、複数の Instant Messaging をインストールする場合にも再利用できます。この表にはパスワードなどの機密情報も含まれるので、安全な場所に保管することをお勧めします。
(Solaris のみ) Instant Messaging の高可用性 (HA) サービスを設定する場合には、「Instant Messaging HA の概要」を参照し、これらのパラメータで使用可能な値やチェックリストの追加パラメータに関する具体的な情報を確認してください。
表 1–1 Instant Messaging の設定パラメータ
パラメータ |
説明 |
値 |
---|---|---|
im-svr-base Instant Messaging がインストールされるディレクトリです。 デフォルトでは、Instant Messaging は /opt ディレクトリ内の次の場所にインストールされます。 Solaris の場合: /opt/SUNWiim Linux の場合: /opt/sun/im (Solaris のみ) Instant Messaging の高可用性サービスを設定する場合、「インストールディレクトリ (im-svr-base) の選択」を参照し、インストールディレクトリの選択に関する情報を確認してください。 | ||
Instant Messaging のインストール先のホスト名と、ホストに関連付けられるドメイン名です。 たとえば、次のようになります。 ホスト名: instantmessaging.siroe.com ドメイン名: siroe.com (Solaris のみ) Instant Messaging の高可用性サービスを設定する場合は、論理ホスト名を使用してください。 | ||
Instant Messaging サーバーがマルチプレクサから受信する要求を待機するポートの番号です。 デフォルト: 45222 | ||
Instant Messaging サーバーがほかの Instant Messaging サーバーから受信する要求を待機するポートの番号です。また、マルチプレクサがインストールされていない場合、サーバーはこのポート上の Instant Messenger クライアントから受信する要求を待機します。 デフォルト: 5269 | ||
マルチプレクサのポート番号 |
Instant Messaging サーバーが Instant Messenger クライアントから受信する要求を待機するポートの番号です。 デフォルト: 5222 | |
インストールするインスタンスをサーバーではなくマルチプレクサとして機能させる場合、このオプションを選択します。このオプションを選択した場合は、リモート Instant Messaging サーバーのホスト名の値を指定する必要があります。 | ||
リモート Instant Messaging サーバーのホスト名 (マルチプレクサ設定時のみ) |
マルチプレクサがメッセージを配信する対象となる Instant Messaging サーバーのホスト名です。同じホストにマルチプレクサとサーバーをインストールする場合は、localhost を使用してください。(Solaris のみ) Instant Messaging の高可用性サービスを設定する場合は、論理ホスト名を使用してください。 依存性: サーバーの無効化パラメータを選択する必要があります。すなわち、サーバーの機能を無効にします。 | |
Sun Java System Access Manager 設定 |
configure ユーティリティーによって Access Manager SDK がインストールされていることが検出されると、ユーザーは、Access Manager に関する次の各質問に対する答えを入力するよう求められます。
| |
Sun Java System Calendar Server およびカレンダエージェントの設定 |
configure ユーティリティーは、カレンダエージェントを有効にするかどうかをユーザーに尋ねます。カレンダエージェントを有効にすることにした場合、次の情報を指定する必要があります。
カレンダエージェントを有効にしないことにした場合も、カレンダエージェントをあとで手動で設定できます。カレンダエージェントの設定パラメータと使用可能な値の詳細については、第 16 章「カレンダのポップアップリマインダの使用」を参照してください。 | |
Instant Messaging アーカイブを有効 (オプション) |
このオプションを選択した場合、Instant Messaging に対して Sun Java System Portal Server の検索元となるアーカイブを有効にします。 依存性: Sun Java System Portal Server および Sun Java System Access Manager。 | |
LDAP ホスト名 |
配備環境で LDAP サーバーを使用する場合の、Instant Messaging のユーザーとグループの情報を持つ LDAP サーバーのホスト名です。たとえば、directory.siroe.com などです。 依存性: Sun Java System Directory Server などの LDAP サーバー。 | |
LDAP ポート番号 |
配備環境で LDAP サーバーを使用する場合の、ディレクトリサーバーが受信する要求を待機するポートの番号です。たとえば、389 などです。 依存性: Sun Java System Directory Server などの LDAP サーバー。 | |
ベース DN |
配備環境で LDAP サーバーを使用する場合の、Instant Messaging のユーザーとグループの情報が格納されているディレクトリツリー内のベース識別名です。たとえば、o=airius.com などです。 依存性: Sun Java System Directory Server などの LDAP サーバー。 | |
バインド DN |
配備環境で Sun Java System Access Manager を使用する場合、インストール時に Directory Manager のバインド DN とパスワードを提供する必要があります。このバインド DN は、ディレクトリスキーマを 、Instant Messaging および Presence サービステンプレート、および属性のみで更新するために使用されます。これには、Directory Manager のアクセスが必要です。Directory Manager のバインド DN およびパスワードが、インストールと初期設定の後で保存または使用されることはありません。 配備環境で LDAP サーバーを使用するが Access Manager を使用しない場合、Instant Messaging は、このバインド DN を使ってディレクトリ内のユーザーやグループの検索を行います。ディレクトリを匿名で検索できる場合は、空欄にしてください。「Instant Messaging サーバーのバインド資格を設定する」で説明しているように、このバインド資格はあとで必要に応じて変更できます。 依存性: Sun Java System Directory Server などの LDAP サーバー。 | |
バインドパスワード |
配備環境で LDAP サーバーを使用する場合の、バインド DN パスワードです。 | |
SMTP サーバーのホスト名 (オプション) |
オフラインユーザーに電子メールメッセージの通知を送信する SMTP サーバーのホスト名です。たとえば、mail.siroe.com などです。SMTP サーバーがポート 25 以外を使用している場合は、ホスト名とポート番号を指定してください。たとえば、SMTP サーバーがポート 1025 を使用している場合は次のように指定します。 mail.siroe.com:1025 依存性: Sun Java System Messaging Server などの SMTP サーバー。 | |
データベース、ログ、および実行時ファイルのパス名 |
実行時ファイル、データベース、および ログが格納されている場所です。im-runtime-base とも呼ばれます。実行時ファイルは、サーバーの通常動作中にサーバーによって読み取り、作成、変更が行われます。一例として、ログファイル、アラートメッセージなどのクライアントアクションに関連付けられた持続状態情報、名簿情報、会議室、ニュースチャネルなどが挙げられます。 Instant Messaging で高可用性 (HA) を設定する場合、このパスはグローバルに利用可能である必要があります。HA の詳細については、第 4 章「高可用性に対応した Instant Messaging の設定 (Solaris のみ)」を参照してください。 configure ユーティリティーは、ユーザーが実行時ファイル用に指定したパスの末尾にディレクトリ (/default) を追加します。このディレクトリの名前は、実行時ファイルの適用先となるインスタンスを表します。あとで、異なる名前 (/secure など) を持つ追加のインスタンスディレクトリを作成し、/default インスタンスの実行時ディレクトリからファイルをコピーすることで、複数の Instant Messaging インスタンスを作成できます。具体的な手順については、「単一の Instant Messaging インストールからの複数インスタンスの作成」を参照してください。 configure 実行時に次のデフォルトを受け入れたとします。 Solaris の場合: /var/opt/SUNWiim/ Linux の場合: /var/opt/sun/im/ configure ユーティリティーは、実行時ファイル用に次のディレクトリを作成します。 Solaris の場合: /var/opt/SUNWiim/default Linux の場合: /var/opt/sun/im/default さらに、この実行時ディレクトリの下に次の 2 つのサブディレクトリが作成されます。 |
|
|
データベースディレクトリ (im-db-base) のデフォルトは、次のとおりです。 Solaris の場合: /var/opt/SUNWiim/default/db Linux の場合: /var/opt/sun/im/default/db ログディレクトリのデフォルトは次のとおりです。 Solaris の場合: /var/opt/SUNWiim/default/log Linux の場合: /var/opt/sun/im/default/log | |
リソース、ヘルプファイル、および HTTP ゲートウェイのパス名 |
リソースのディレクトリです。 リソースファイル、オンラインヘルプ、および XMPP/HTTP ゲートウェイ がインストールされるディレクトリです。 配備環境のリソースファイルをカスタマイズする場合は、まず、configure ユーティリティーを実行し、次に必要なファイルのカスタマイズを行い、次にリソースファイルの再配備を行なってください。configure ユーティリティーによって、インデックスの一部とカスタマイズ可能な .jnlp ファイルが作成されるので、最初に configure を実行する必要があります。詳細は、「リソースファイルの再配備」を参照してください。 デフォルト: im-svr-base/html | |
XMPP/HTTP ゲートウェイの配備 |
XMPP/HTTP ゲートウェイを配備するかどうかを決定します。ゲートウェイを配備することにした場合、configure ユーティリティーは、Instant Messaging サーバーのデフォルトインスタンスの im-cfg-base ディレクトリ内にデフォルトのゲートウェイ設定ファイル (httpbind.conf) がまだ存在していなければ、それを作成します。httpbind.conf がすでに存在している場合、configure ユーティリティーはこのファイルの変更や上書きを行いません。 デフォルト: True (ゲートウェイが配備される) | |
XMPP/HTTP ゲートウェイ URI |
XMPP/HTTP ゲートウェイの HTTP コンポーネントの URI を定義します。 デフォルト: http://web-svr-host:80/httpbind | |
コードベース |
Instant Messanger がリソースにアクセスするための URL です。Instant Messaging クライアントの初期ダウンロードの開始ページも含まれます。 インストールプログラムによって、リソースファイルは次の場所にインストールされます。 Linux の場合: /opt/sun/im/html Solaris の場合: /opt/SUNWiim/html configure ユーティリティーはコードベースを使用して、どの Web コンテナインスタンスを使うかを決定します。Web コンテナが決定した場合、configure ユーティリティーは指定された URL に基づいて、Web コンテナ内の Web アプリケーションとして Instant Messenger リソースを配備します。サポートされる Web コンテナが検出されなかった場合、リソースをコピーまたはリンクするファイルシステムの場所を入力するように要求があります。 Instant Messaging を Sun Java System Application Server または Sun Java System Web Server に配備して使用する場合、configure ユーティリティーは Web コンテナにリソースファイルを自動的に配備します。Sun Java System Application Server の場合、configure ユーティリティーは asadmin コマンドを使用し、Sun Java System Web Server 6 の場合、configure ユーティリティーは wdeploy コマンドを使用し、Sun Java System Web Server 7 の場合、configure ユーティリティーは wadm コマンドを使用します。 異なる Web コンテナを使用している場合、configure ユーティリティーは指定された場所にファイルをコピーします。この場所に Web コンテナのドキュメントルートを含めることをお勧めします。その代わりに、Web コンテナの設定でリソースファイルのインストールディレクトリをドキュメントルートとして追加することもできます。その方法の詳細については、Web コンテナのマニュアルを参照してください。 |
|
|
また、シンボリックリンクを使用して、Web コンテナがリソースを認識できるようにすることも可能です。たとえば Solaris では、次のようなシンボリックリンクを作成すると、Web コンテナはリソースを認識できます。 ln -s /opt/SUNWiim/html docroot /im docroot は Web コンテナのドキュメントルートで、/opt/web などです。 SSO と Sun Java System Access Manager を使用している場合、Access Manager Server と Instant Messaging Server が同じ Web コンテナを使用するように設定する必要があります。 リソースファイルを Web アプリケーションとして配備する方法については、Web コンテナのマニュアルを参照してください。初期設定後にリソースファイルの場所を変更する必要がある場合は、「コードベースの変更」を参照してください。 |
システムユーザーが特定のサーバープロセスを実行します。これらのユーザーがプロセスを実行するための適切なアクセス権を持っていることを保証するために、ユーザーに特定の権限を指定する必要があります。通常、configure ユーティリティーによって、次のユーザーとグループが作成されます。
ユーザー: inetuser
グループ: inetgroup
configure ユーティリティーによって Instant Messaging の UNIX ユーザーとグループが作成されない場合、この節の説明に従ってそれらを手動で作成する必要があります。Instant Messaging のユーザーとグループを作成したら、そのユーザーが所有するディレクトリとファイルに適切な権限を設定してください。
配備環境で Access Manager を使用する場合を除き、サーバーユーザー ID として root を選ばないでください。Access Manager を使用する場合は、Access Manager の設定情報にアクセスするために root を使用する必要があります。
スーパーユーザーとしてログインします。
システムユーザーを所属させるグループを作成します。
たとえば、Solaris で imgroup という名前のグループを作成するには、次のように入力します。
# groupadd imgroup |
システムユーザーを作成し、前の手順で作成したグループにそれを関連付けます。さらに、このユーザーのパスワードを設定します。
たとえば、Solaris で imuser という名前のユーザーを作成し、imgroup というグループに関連付けるには、次のように入力します。
# useradd -g imgroup imuser |
ユーザーとグループの追加の詳細については、オペレーティングシステムのマニュアルを参照してください。
ユーザーとグループが /etc/groups ファイルに追加されていることを確認します。
ソフトウェアのインストール後に configure ユーティリティーを使って、配備に関する情報の設定と、Instant Messaging の管理と実行に使用される設定ファイルの生成を行います。
配備環境のリソースファイルをカスタマイズする場合は、まず、configure ユーティリティーを実行し、次に必要なファイルのカスタマイズを行い、次にリソースファイルの再配備を行なってください。configure ユーティリティーによって、インデックスの一部とカスタマイズ可能な .jnlp ファイルが作成されるので、最初に configure を実行する必要があります。詳細は、「リソースファイルの再配備」を参照してください。また、「設定チェックリストの確認」も参照し、設定後にこれらのファイルを特定する方法を確認してください。
ユーティリティーは、ユーザーに情報の入力を求めるパネル、および Instant Messaging システムを設定するための追加手順を示すパネルを表示します。
Instant Messaging ソフトウェアは、インストーラでは設定されません。そのため、ソフトウェアのインストール後に configure ユーティリティーを実行する必要があります。
BEA Web コンテナを使用している場合、Instant Messaging を設定する前に PASSFILE を作成する必要があります。BEA Web コンテナを使用しない場合は、「インストール後に Instant Messaging を設定する」に進んでください。
<installation directory>/SUNWiim/lib/PASSFILE という名前のファイルを作成します。
作成したファイルに次の行を追加します。
DS_DIRMGR_DN=ディレクトリマネージャーのバインド DN DS_DIRMGR_PASSWORD=ディレクトリマネージャーのバインドパスワード DS_HOST=LDAP ホスト名 DS_PORT=LDAP ポート番号 DS_BASE_DN=ベース DN |
各変数の値を入力します。
Instant Messaging のインストール先ディレクトリに移動します。
デフォルトでは、Solaris のインストール先ディレクトリは /opt/SUNWiim、Linux のインストール先ディレクトリは /opt/sun/im です。
configure ユーティリティーを、次のいずれかの方法で実行します。
グラフィカルユーザーインタフェース:
configure |
コマンド行:
configure --nodisplay |
状態ファイルを用いる場合:
configure --nodisplay --noconsole --state statefile |
statefile は、使用する状態ファイルへのパスです。状態ファイルを使用した設定時には、設定情報の入力は要求されません。その代わり、状態ファイル内の値を使用してソフトウェアが設定されます。状態ファイルの生成方法については、「Instant Messaging のサイレント設定の実行」を参照してください。
グラフィカルユーザーインタフェースまたはコマンド行を使用した設定時には、Instant Messaging の初期設定をセットアップするための一連の情報を入力するよう要求されます。入力の要求は、インストールしたコンポーネントによって異なります。Instant Messaging のチェックリストの値を使用して、要求された情報を入力してください。「設定チェックリストの確認」を参照してください。
Instant Messaging サーバーとは別のホストに Sun Java System Access Manager をインストールする場合は、configure ユーティリティーの実行後に Instant Messaging サーバーのホストから Access Manager のホストに imServices ファイルを手動でコピーする必要があります。
次の手順に従ってください。
Access Manager を使って Instant Messaging ポリシーを管理する場合は、imadmin assign_services コマンドを実行します。
imadmin assign_services |
ユーザーエントリが格納される組織のベース DN の入力を求められます。このコマンドは、ユーザーが指定した組織の下の既存ユーザーに、Instant Messaging および Presence サービスを追加します。
Sun Java System Application Server を再起動します。
Instant Messaging が Sun Java System Application Server 配備内の Access Manager ポリシーを使用する場合、Instant Messaging の設定完了時に Application Server を再起動する必要があります。Application Server を再起動しないと、Access Manager コンソール (amconsole
) 内に Instant Messaging サービスが表示されません。
XMPP/HTTP ゲートウェイ を使用する予定であれば、次の場合に、httpbind_log4j.conf 内で XMPP/HTTP ゲートウェイのデフォルトログファイルの場所を変更する必要がある可能性があります。
Solaris 上でデフォルト以外のログの場所を使用することにした場合
Linux 上の場合 (選択したパスには無関係)
次の手順に従ってください。
httpbind_log4j.conf ファイルを開きます。
このファイルは、httpbind.conf ファイル内で httpbind.log4j.config パラメータの値として指定された場所に格納されています。このファイルはデフォルトで、Instant Messaging のデフォルトインスタンス下の次のディレクトリ内に格納されています。
im-cfg-base/httpbind_log4j.conf |
log4.appender.appender_ID.file パラメータの値を、ログファイルの格納場所に設定します。
Linux 上ではデフォルトで、この値は /var/opt/sun/im/default/log になります。configure の実行時に別のログファイルの場所を選択した場合は、そのパスをパラメータの値として入力してください。
必要であれば、SSO およびポリシー管理用の Access Manager ベースのサービスを設定します。
詳細は、「シングルサインオンおよびポリシー管理をサポートするための Access Manager のサブ組織への Instant Messaging および Presence サービスの追加」を参照してください。
Instant Messaging をサポートするように Web コンテナとクライアントシステムを設定します。
手順については、第 2 章「Instant Messenger のセットアップと起動」を参照してください。
Messaging Server など、Communications Suite のその他のサーバー製品とともに Instant Messaging を使用している場合に、Access Manager を使ってシングルサインオン (SSO) やポリシー管理を行うには、Access Manager ベースの Instant Messaging サービスを手動で設定する必要があります。これは、Messaging Server など、一部の Communications Suite 製品の設定時に、Access Manager 内のトップレベル組織の下に 1 つ以上のドメインが作成されるからです。configure ユーティリティーはそれらのサービスをトップレベル組織に自動的に追加するだけであり、しかもそれが行われるのは、SSO またはポリシー管理用に Access Manager 配備を利用する予定かどうかを尋ねられたときに、yes を選択した場合だけです。
Web ブラウザで、Access Manager の管理コンソールにログインします。
http://hostname:port/amconsole |
たとえば、次のように入力します。
http://amserver.company22.example.com:80/amconsole |
ナビゲーション区画 (左側のペイン) の「表示」ドロップダウンリストから「組織」を選択します。
トップレベル組織の下にあるドメインの一覧が、左側の区画に表示されます。
ナビゲーション区画のトップレベル組織の下で、サービスを追加するドメインの名前をクリックします。
たとえば、次のようになります。
mydomain.example.com |
ナビゲーション区画の「表示」ドロップダウンリストから「サービス」を選択します。
このドメインに割り当てられているサービスの一覧が、ナビゲーション区画に表示されます。
ナビゲーション区画で「追加」をクリックします。
データ区画 (右側の区画) に、このドメインに追加できるサービスの一覧が表示されます。
データ区画の「Instant Messaging 設定」の下で「Instant Messaging サービス」および「Presence サービス」チェックボックスを選択し、「了解」をクリックします。
すると、選択したサービスがナビゲーション区画に表示され、トップレベル組織の下のドメインに割り当てられます。
サイレント設定を実行するには、最初に仮の設定を完了させて、「状態ファイル」を作成します。この仮の設定セッションの間、configure ユーティリティーへの応答が状態ファイルに記録されますが、ソフトウェアは変更されません。状態ファイルには、応答がパラメータリストとして保持されます。各パラメータはそれぞれの確認事項を表します。次に、プラットフォームに対応した状態ファイル ID を作成し、この ID を含むように状態ファイルの内容を変更します。
これで、多くのホストで状態ファイルを入力として使用して、configure ユーティリティーを実行できるようになります。この手順によって、企業の複数のホストに同一の設定を迅速に移植できます。状態ファイルを使用して Instant Messaging の新しいインスタンスを設定する方法については、「インストール後またはアップグレード後の Instant Messaging の設定」を参照してください。
スーパーユーザーとしてログインします。
Instant Messaging のインストール先ディレクトリに移動します。
デフォルトでは、Solaris のインストール先ディレクトリは /opt/SUNWiim、Linux のインストール先ディレクトリは /opt/sun/im です。
コマンド行で次のように入力して、configure ユーティリティーを実行します。
configure -no [--nodisplay] -saveState statefile |
statefile は、状態ファイルに付ける名前です。
状態ファイルを別の Instant Messaging のインストールの設定に使用するには、次のコマンドを使用します。
configure --nodisplay --noconsole --silent -state statefile |
configure ユーティリティーの継続中に入力した回答は状態ファイルに記録されます。設定が完了すると、状態ファイルは指定した場所に作成されます。
次の条件のいずれかを満たす場合、プラットフォームに適した新しい状態ファイル ID を生成しなければいけない可能性があります。
Instant Messaging の以前のバージョンまたはパッチ向けに生成された状態ファイルがすでに存在している。
以前のバージョン向けに生成された状態ファイルがすでに存在しており、かつ新しいバージョンまたは変更されたバージョンの config.class を含むパッチが適用されている。
いずれの場合も、古い状態ファイル ID はすでに有効ではなくなっています。新しい ID を生成し、古い ID を置き換えるには、次の手順を実行します。
configure ユーティリティーを再度実行します。ただし、今回は次のように --id オプションを指定します。
configure --id |
このコマンドによって、暗号化された識別子が生成されます。
識別子をコピーし、状態ファイルの STATE_BEGIN パラメータと STATE_DONE パラメータの値としてペーストします。
状態ファイルを使用して別の Instant Messaging のインストールを設定する方法については、「インストール後またはアップグレード後の Instant Messaging の設定」を参照してください。
単一のホスト上で、1 つのインストールから複数の Instant Messaging インスタンスを作成できます。これが必要になる可能性があるのは、セキュリティー保護された Instant Messaging を作成する場合や、複数のディレクトリ名前空間をサポートする場合です。名前空間とは、配下の各 UID が一意になるような、ディレクトリ内のノードのことです。単一ホスト上のすべての Instant Messaging インスタンスは、バイナリは共有しますが、実行時ファイルや設定ファイルはそれぞれ一意のものを使用します。
次の手順は、im-svr-base と im-runtime-base でデフォルトのインストール値や設定値を使用したものと仮定しています。デフォルト値を使ってインストールした場合、元の実行時ディレクトリは次のようになります。
Solaris の場合: /var/opt/SUNWiim/default
Linux の場合: /var/opt/sun/im/default
デフォルト以外のパスを使用した場合は、この手順で使用しているパスの代わりにそのパスを使用してください。
新しいインスタンスの実行時ディレクトリを作成します。
たとえば、インスタンス xyz の新しい実行時ディレクトリを作成するには、次のようにします。
Solaris の場合: mkdir /var/opt/SUNWiim/xyz
Linux の場合: mkdir /var/opt/sun/im/xyz
新しいインスタンスのログディレクトリを作成します。
たとえば、インスタンス xyz の新しいログディレクトリを作成するには、次のように入力します。
Solaris の場合: mkdir /var/opt/SUNWiim/xyz/log
Linux の場合: mkdir /var/opt/sun/im/xyz/log
ファイルベースのプロパティーストアをユーザーデータ用として使用する場合、新しいインスタンスのデータベースディレクトリ (im-db-base) を作成する必要があります。
たとえば、インスタンス xyz の新しいデータベースディレクトリを作成するには、次のように入力します。
Solaris の場合: mkdir /var/opt/SUNWiim/xyz/db
Linux の場合: mkdir /var/opt/sun/im/xyz/db
im-svr-base ディレクトリとそのサブディレクトリのすべての内容を、新しく作成したディレクトリ内にコピーします。
たとえば、次のように入力します。
Solaris の場合: cp -r /etc/opt/SUNWiim/default /etc/opt/SUNWiim/xyz
Linux の場合: cp -r /etc/opt/sun/im/default /etc/opt/sun/im/xyz
新しいインスタンスの imadmin スクリプトをテキストエディタで開きます。
このスクリプトはデフォルトで、前の手順で作成した、新しいインスタンス用の im-svr-base ディレクトリの下に格納されています。
Solaris の場合: /etc/opt/SUNWiim/xyz/imadmin
Linux の場合: /etc/opt/sun/im/xyz/imadmin
imadmin スクリプトで、設定ファイルのパスを新しいインスタンスの新しい設定ファイルのパスに変更します。
たとえば、次のように入力します。
Solaris の場合、/etc/opt/SUNWiim/default/config/iim.conf を /etc/opt/SUNWiim/xyz/config/iim.conf に変更します。
Linux の場合、/etc/opt/sun/im/default/config/iim.conf を /etc/opt/sun/im/xyz/config/iim.conf に変更します。
imadmin スクリプトを保存して閉じます。
新しいインスタンスの iim.conf ファイルをテキストエディタで開きます。
iim.conf ファイルはデフォルトで、新しいインスタンス用に作成した im-cfg-base ディレクトリ内に格納されています。
Solaris の場合: /etc/opt/SUNWiim/xyz/config/iim.conf
Linux の場合: /etc/opt/sun/im/xyz/config/iim.conf
iim.conf 内のポート番号を変更し、それらが元のインスタンスと衝突しないようにします。
デフォルトのポート番号は次のとおりです。
サーバーポート (iim_server.port) – 5269
マルチプレクサの待機ポート (iim_mux.listenport) – 5222
マルチプレクサ/サーバー間通信のポート (iim_mux.serverport) – 45222
これらのパラメータの詳細については、付録 A 「iim.conf の Instant Messaging の設定パラメータ」を参照してください。
iim.instancedir が im-svr-base を指すように変更します。
im-svr-base については、「Instant Messaging サーバーのディレクトリ構造」を参照してください。
iim.instancevardir が新しいインスタンスの実行時ディレクトリを指すように変更します。
たとえば、次のように入力します。
Solaris の場合、/var/opt/SUNWiim/default を /var/opt/SUNWiim/xyz に変更します。
Linux の場合、/var/opt/sun/im/default を /var/opt/sun/im/xyz を変更します。
iim.conf を保存して閉じます。
ファイルおよびディレクトリの所有権とアクセス権が、すべてのインスタンスで同じであることを確認します。
im-svr-base/html/locale/im.html、im.jnlp、および index.html リソースファイルのコピーを作成して名前を変更し、それらのコピーが新しいインスタンスのポート番号を指すように変更します。
名前を変更したリソースファイルを再配備します。
手順については、「リソースファイルの再配備」を参照してください。
新しいインスタンスを起動します。
Solaris の場合: /etc/opt/SUNWiim/xyz/imadmin start
Linux の場合: /etc/opt/sun/im/xyz/imadmin start