Sun Java System Instant Messaging 7.2 管理ガイド

はじめに

Instant Messaging によって、エンドユーザーは、リアルタイムに対話型のメッセージングおよびディスカッションに参加することができます。Sun Java System Instant Messaging を使用すると、エンドユーザーの Instant Messaging やチャットセッションへの参加、ユーザー間のアラートメッセージの送信、グループニュースの共有を、迅速に行えます。このため、この製品は、イントラネットとインターネットのどちらでの使用にも適しています。『Sun JavaTM System Instant Messaging 7.2 管理ガイド』では、Instant Messaging システムの基本的な管理作業の実行方法について詳しく説明します。

対象読者

このマニュアルは、Instant Messaging を管理、設定、および配備する役割を担っている方を対象にしています。このマニュアルは、JavaScriptTM、HTML、および次のサーバーのうちで配備内に存在するすべてのサーバーについて、読者が理解していることを前提にしています。

お読みになる前に

このマニュアルを読む前に、次のマニュアルやリリースノートを熟読しておく必要があります。

このマニュアル内のタスクを実行する前に、Instant Messaging をインストールしておくようにしてください。

マニュアルの構成

このマニュアルに含まれる章は次のとおりです。

第 1 章「インストール後の Instant Messaging の設定」には、Instant Messaging のインストールまたはアップグレード後、その使用を開始する前に実行する必要のある設定手順が含まれています。

第 2 章「Instant Messenger のセットアップと起動」では、クライアントシステムの設定、Java Web Start の有効化、および追加ローカリゼーションクライアントファイルの追加に関する情報を提供します。また、クライアントの起動方法についても説明します。

第 3 章「Instant Messaging の設定ファイルとディレクトリ構造の概要」では、Instant Messaging の管理に使用する設定ファイルに関する情報を提供します。

第 4 章「高可用性に対応した Instant Messaging の設定 (Solaris のみ)」では、Sun Cluster を使って高可用性 Instant Messaging サービスをインストールおよび設定する方法について説明します。

第 6 章「サーバープールによる Instant Messaging 配備のスケーリング」では、単一ドメインのサーバープールを作成して水平方向のスケーラビリティーを高めるための手順を示します。

第 8 章「複数の Instant Messaging サーバーの連携配備」では、Instant Messaging 配備内で複数のドメインをサポートする方法について詳しく説明します。

第 9 章「Instant Messaging コンポーネントの管理」では、Instant Messaging サーバー、マルチプレクサ、カレンダエージェント、クラスタエージェント、およびウォッチドッグの管理方法について説明します。

第 10 章「Instant Messaging XMPP/HTTP ゲートウェイ の使用」では、ゲートウェイの設定および使用手順を示します。

第 11 章「Instant Messaging の LDAP アクセス設定の管理」には、Instant Messaging とともに使用するように LDAP を設定する方法に関する情報が含まれています。

第 12 章「TLS と従来の SSL による Instant Messaging のセキュリティー保護」では、Instant Messaging が従来の SSL と TLS を使ってセキュリティーを強化する方法に関する情報を提供します。

第 13 章「Instant Messaging のロギングの管理」では、Instant Messaging コンポーネントおよび XMPP のロギングを設定する方法について説明します。

第 14 章「Instant Messaging エンドユーザーの管理」では、Instant Messenger へのエンドユーザーアクセスの無効化、新しいユーザーの登録、LDAP を使用したユーザープロパティーの格納、およびエンドユーザーへの Instant Messaging および Presence サービスの割り当てを行うための手順を提供します。

第 15 章「Instant Messenger の管理」では、Instant Messenger をカスタマイズおよび管理する方法について説明します。

第 16 章「カレンダのポップアップリマインダの使用」では、Instant Messaging サーバー、カレンダエージェント、カレンダサーバー、および Instant Messenger を設定してカレンダポップアップリマインダを有効にする方法について説明します。

第 17 章「Instant Messaging ポリシーおよび Presence ポリシーの管理」では、管理者およびエンドユーザーの特権を管理する方法を、特に Sun Java System Access Manager に設定されたポリシーを使用する場合について説明します。

第 18 章「Instant Messaging アーカイブの管理」では、Instant Messaging のアーカイブを管理および設定する方法について説明します。

第 19 章「Instant Messaging のトラブルシューティングと監視」では、Instant Messaging のインストール中や配備中に発生する可能性のある一般的な問題を列挙するほか、監視エージェントの使用手順を示します。

付録 A 「iim.conf の Instant Messaging の設定パラメータ」では、Instant Messaging コンポーネントで使用可能な設定について説明します。

付録 B 「httpbind.conf の Instant Messaging XMPP/HTTP ゲートウェイ 設定パラメータ」では、XMPP/HTTP ゲートウェイ で使用可能な設定について説明します。

付録 C 「Instant Messaging imadmin ツールリファレンス」では、Instant Messaging の管理に使用される imadmin コマンドについて説明します。

付録 D 「Instant Messaging API」では、Instant Messaging によって使用される API の概要を示します。

付録 E 「Instant Messaging の LDAP スキーマ」では、Instant Messaging の LDAP スキーマに対して行われた変更を定義します。

関連するサードパーティーの Web サイトの参照

このマニュアルではサードパーティーの URL が参照されており、追加の関連情報を提供しています。


注 –

Sun は、この文書に記載されたサードパーティーの Web サイトの利用について責任を負いません。Sun は、かかるサイトまたはリソースを通じて入手できるコンテンツ、広告、製品などのマテリアルを保証せず、その責任を負いません。Sun は、かかるサイトまたはリソースを通じて入手できるコンテンツ、商品、サービスなどの利用に起因する、あるいは起因したとされる損失または損害、またはその申し立てに対して責任を負いません。


マニュアル、サポート、およびトレーニング

Sun のサービス 

URL 

内容 

マニュアル 

http://jp.sun.com/documentation/

PDF 文書および HTML 文書をダウンロードできます。 

サポートおよびトレーニング 

http://jp.sun.com/supportraining/

技術サポート、パッチのダウンロード、および Sun のトレーニングコース情報を提供します。 

表記上の規則

このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。

表 P–1 表記上の規則

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

machine_name% you have mail.

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 

machine_name% su

Password:

aabbcc123

変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 

ファイルを削除するには、rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『コードマネージャー・ユーザーズガイド』を参照してください。 

「 」 

参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 

第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 

 


sun% grep `^#define \

  XV_VERSION_STRING'

コード例は次のように表示されます。

[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。

| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。

キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。

ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-DControl キーを押したまま D キーを押すことを意味します。