バッチアダプタ BatchFTP の接続マッププロパティーの設定
ここでは、接続マップからアクセスされる BatchFTP OTD の構成パラメータについて説明します。
BatchFTP の接続マッププロパティーに含まれるセクションは、次のとおりです。
転送前 (BatchFTP の接続マップ)
転送前処理とは、ファイル転送の前に実行される処理のことです。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「転送前」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–12 接続マップ - BatchFTP - 転送前
名前
|
説明
|
必要な値
|
転送前ディレクトリ名
|
ファイルのリネーム先またはコピー先となる、外部システム上のディレクトリの名前 (パス) を指定します。値としては、リテラルまたはパターン名を指定できます。
この設定は、「転送前コマンド」パラメータが「リネーム」または「コピー」処理の場合にのみ使用されます。
アウトバウンド転送の場合、ディレクトリがまだ存在していなければ、ディレクトリが作成されます。
「転送前ディレクトリ名がパターン」プロパティーを参照してください。
「名前パターンの使用」を参照してください。
|
ディレクトリの正確な名前 (パスを含む) を入力するか、パターン名を入力するか、あるいは次のいずれかの値を選択します。
-
%f
-
%f.%y%y%y%y%M%M%d%d
.%h%h%m%m%s%s%S%S%S
-
%f.copy
-
%f.rename
|
転送前ディレクトリ名がパターン
|
次のように、ディレクトリ名がリテラル、名前パターンのいずれとして解釈されるかを指定します。
-
はい: ユーザーが入力する名前の値が名前パターンとみなされることを示します。
「転送前ディレクトリ名」プロパティーを参照してください。
-
いいえ: 入力される名前がリテラル、つまり正確に一致すべき対象であることを示します。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
転送前ファイル名
|
ファイルのリネーム先またはコピー先となる、外部システム上のファイルの名前を指定します。値はファイル名を表します。値としては、リテラルまたはパターン名を指定できます。
この設定は、「転送前コマンド」パラメータが「リネーム」または「コピー」処理の場合にのみ使用されます。
特殊文字を使用できます。たとえば、パターン %f は元の作業ファイル名を示します。
「転送前ディレクトリ名がパターン」プロパティーを参照してください。
「名前パターンの使用」を参照してください。
|
ファイルの正確な名前を入力するか、パターン名を入力するか、あるいは次のいずれかの値を選択します。
-
%f
-
%f%#
-
%f.%y%y%y%y%M%M%d%d.%h%h
%m%m%s%s%S%S%S
-
%f.copy
-
%f.rename
|
転送前ファイル名がパターン
|
次のように、ファイル名がリテラル、名前パターンのいずれを表しているかを指定します。
-
はい: ユーザーが入力する名前の値が名前パターンとみなされることを示します。
「転送前ファイル名」プロパティーを参照してください。
-
いいえ: 入力される名前がリテラル、つまり正確に一致すべき対象であることを示します。パターンマッチングや名前の展開は実行されません。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
転送前コマンド
|
実際のファイル転送の直前に必要なアクションを実行できるようにします。インバウンド転送の場合、同じディレクトリおよびファイルのパターンまたは名前を使ってターゲットシステムに対するポーリングを行うほかのクライアントがそのファイルを使用するのを禁止できます。アウトバウンド転送の場合、既存のファイルを自動的にバックアップまたはクリーンアップできます。オプションは次のとおりです。
-
リネーム: 保護または復旧のためにターゲットファイルの名前を変更します。
-
コピー: バックアップまたは復旧のためにターゲットファイルをコピーします。
-
なし: 何も行いません。
適切な保護、バックアップ、または復旧を実現するには、目的に合った適切な設定を選択する必要があります。たとえば、アウトバウンド追加転送時の障害から復旧するには、「コピー」設定を使用します。
注 –
「リネーム」使用時にリネーム後のファイルが存在している場合の動作は、FTP サーバーごとに異なる可能性があります。たとえば、一部の UNIX FTP サーバーでは、ユーザーへの確認なしに宛先のファイルが上書きされます。つまり、エラーまたは警告メッセージが表示されません。ほかの FTP サーバー、たとえば Windows XP サーバーでは、システムによってエラーが生成され、その結果、呼び出された OTD メソッド内で例外がスローされます。対応する FTP サーバーに固有の動作を必ず熟知しておいてください。自信がない場合は、コマンド行からアクションを実行してみてください。アクション実行時にエラーメッセージが表示される場合、そのアクションによっておそらく、コラボレーション内で例外がスローされます。
|
「リネーム」、「コピー」、または「なし」を選択します。
デフォルト設定は「なし」です。
注 –
「コピー」オプションを使用すると、コピーするファイルのサイズが大きい場合は特に、システムのパフォーマンスが低下する可能性があります。
|
SOCKS (BatchFTP の接続マップ)
BatchFTP の SOCKS は NO-AUTHENTICATION、USER/PASSWORD の 2 つのネゴシエーション方式をサポートします。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「SOCKS」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–13 接続マップ - BatchFTP - SOCKS
名前
|
説明
|
必要な値
|
SOCKS が有効
|
FTP コマンド接続が SOCKS サーバーを経由するかどうかを指定します。
「いいえ」を選択した場合、アダプタは SOCKS サーバーに接続しません。この場合、「SOCKS」セクションの下にあるその他のパラメータはすべて無視されます。
注 –
このパラメータが「はい」に設定されると、「FTP」設定の下のホスト名が localhost や 127.0.0.1 などの一部の名前を正しく解決できない可能性があります。実際の IP またはマシン名を使ってホストを表してください。詳細については、「ホスト名」を参照してください。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「いいえ」です。
|
SOCKS バージョン
|
SOCKS サーバーのバージョンを指定します。「不明」を選択した場合、アダプタがユーザーに代わって実際のバージョンを検出します。
注 –
最高のパフォーマンスを得るには、バージョン番号 4 または 5 を指定します。
|
「4」、「5」、または「不明」を選択します。
デフォルト設定は「不明」です。
|
FTP (BatchFTP の接続マップ)
BatchFTP の接続マッププロパティーの「FTP」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–14 接続マップ - BatchFTP - 転送前
名前
|
説明
|
必要な値
|
コマンド接続タイムアウト
|
FTP コマンド/制御接続ソケットのタイムアウトを設定できるようにします。通常、転送するファイルのサイズが大きくなるほど、この値を高くする必要があります。もちろん、ネットワーク接続の品質もこの設定に影響を与えます。
値の単位はミリ秒です。ゼロのタイムアウトは、タイムアウトが無限であると解釈されます。
|
0 から 2147483647 までの整数。
デフォルト設定は 45000 です。
|
データ接続タイムアウト
|
FTP データ接続ソケットのタイムアウトを設定できるようにします。通常、低速または高負荷のネットワーク接続では、タイムアウトの設定を高くする必要があります。
値の単位はミリ秒です。ゼロのタイムアウトは、タイムアウトが無限であると解釈されます。
コマンド/制御接続ソケットのタイムアウトの設定方法については、パラメータ「コマンド接続タイムアウト」を参照してください。
|
0 から 2147483647 までの整数。
デフォルト設定は 45000 です。
|
ディレクトリリストスタイル
|
リモートホストを表すシステムを指定します。このパラメータは、LIST コマンドがファイルリスト情報を返す際の形式を決定するために使用されます。「ディレクトリリストスタイル」の値には、User Defined1 - User Defined10 の値が含まれます。これらのユーザー定義プロパティーを使えば、ユーザー定義の FTP ヒューリスティック設定を複数個作成し、それらを BatchFTP アダプタのプロパティーから選択できるようにすることができます。
対応するヒューリスティック設定は、FtpHeuristics.cfg ファイル内の「User Defined」セクションの下に作成できます。ユーザー定義 FTP 発見的プロパティーの設定方法の詳細については、「FTP ヒューリスティック設定ファイルを変更するには」を参照してください。
注 –
このプロパティーは、「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」プロパティーに指定された任意の値によって上書きされます (「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」プロパティーを参照)。 「ディレクトリリストスタイル」プロパティーを有効にするには、「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」プロパティーの値を空白 (空) にする必要があります。
|
次のいずれかの値。
-
UNIX
-
AS400
-
AS400-UNIX
-
HCLFTPD 6.0.1.3
-
HCLFTPD 5.1
-
HP NonStop/Tandem
-
MPE
-
MSFTPD 2.0
-
MSP PDS (Fujitsu)
-
MSP PS (Fujitsu)
-
MVS GDG
-
MVS PDS
-
MVS Sequential
-
Netware 4.11
-
NT 3.5
-
NT 4.0
-
UNIX
-
UNIX (EUC-JP
-
UNIX (SJIS)
-
User Defined
-
User Defined (1-10)
-
VM/ESA
-
VMS
-
VOS3 PDS (Hitachi)
-
VOS3 PS (Hitachi)
-
VOSK (Hitachi)
|
「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」
|
ユーザーによって作成され、Application Server 上に配置された FTP ヒューリスティック設定ファイル内で使用可能なユーザー定義ディレクトリリストスタイル (発見的) の名前を指定します。
このプロパティーは、「ディレクトリリストスタイル」および「ユーザー定義のヒューリスティック設定ファイル」プロパティーと連携して動作します。
ユーザー定義のディレクトリリストスタイルの使用方法の詳細については、「カスタムのヒューリスティック設定ファイルを作成するには」を参照してください
注 –
選択された「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」または「ユーザー定義のヒューリスティック設定ファイル」のパスが正しく定義されていないと、BatchFTP OTD から例外が生成されます。「ユーザー定義のディレクトリリストスタイル」を指定した場合、「ユーザー定義のヒューリスティック設定ファイル」プロパティーの対応する値も指定する必要があります。
|
ユーザーによって提供されたヒューリスティック設定ファイル内に定義されているディレクトリリストスタイル (発見的) の名前を表すテキスト文字列値 (デフォルトは空白)。
|
PASV の使用
|
受動、能動のいずれかのモードに入るようにアダプタに指示できます。
通常、FTP サイトへの接続時にユーザーのコンピュータへのデータ接続を確立するのは、そのサイトです。ただし、一部の FTP サイトでは、受動転送、つまりユーザーのコンピュータによるデータ接続の確立が行えます。
デフォルトでは、受動モードが使用されます。このモードをサポートする FTP サイトとの間で転送を行う場合には、このモードを使用することをお勧めします。
受動モードが必要になる可能性のある場合は、次のとおりです。
-
ネットワーク上のユーザーが、一部の種類のルーターベースファイアウォールの背後にいる場合
-
ネットワークのユーザーが、受動転送を必要とするゲートウェイの背後にいる場合
-
転送が不安定な場合
-
ユーザー環境内のあちこちでデータチャネルエラーが発生する場合
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
モード
|
FTP サーバーとの間のデータ転送に使用されるモードを指定します (Ascii、Binary、Ebcdic のいずれかのモードを使用)。
Ebcdic を選択する場合には、次の点を確認してください。
|
Ascii、Binary、または Ebcdic を選択します。
デフォルト設定は「Binary」です。
|
FTP raw コマンド (BatchFTP の接続マップ)
FTP raw コマンドとは、FTP サーバーに直接送信されるコマンドのことです。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「FTP raw コマンド」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–15 接続マップ - BatchFTP - FTP raw コマンド
名前
|
説明
|
必要な値
|
転送後 raw コマンド
|
ファイル転送コマンドの直後に使用される FTP raw コマンドを指定します。たとえば、一部の SITE コマンドでは、次の例に示すように、; (セミコロン) を使って一連のコマンドを区切ります。
SITE RECFM=FB;SITE LRECL=50;SITE BLOCKSIZE=32750;SITE
|
TRACKS;SITE PRI=5;SITE SEC=5
|
これらのコマンドは、指定された順に 1 つずつ送信されます。
注 –
転送後 raw コマンドの組み合わせによっては、FTP サーバーで障害が発生した場合にデータが失われる可能性があります。たとえば、インバウンド転送後コマンドが「削除」の場合に転送後 raw コマンドが失敗すると、その削除されたファイルは復旧できません。
|
1 つ以上の有効な FTP raw コマンド。
注 –
これらのコマンドは FTP サーバーに直接送信されるため、アダプタがそれらのコマンドを解釈することは一切ありません。
|
転送前 raw コマンド
|
ファイル転送コマンドの直前に使用される FTP raw コマンドを指定します。たとえば、一部の SITE コマンドでは、; (セミコロン) を使って一連のコマンドを区切ります。
SITE RECFM=FB;SITE LRECL=50;SITE BLOCKSIZE=32750;SITE
|
TRACKS;SITE PRI=5;SITE SEC=5
|
これらのコマンドは、指定された順に 1 つずつ送信されます。
|
1 つ以上の有効な FTP raw コマンド。
注 –
これらのコマンドは FTP サーバーに直接送信されるため、アダプタがそれらのコマンドを解釈することは一切ありません。
|
シーケンス番号 (BatchFTP の接続マップ)
BatchFTP の接続マッププロパティーの「シーケンス番号」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
注 – シーケンス番号を使用するには、「一般設定」の下にある「同期」プロパティーを「はい」に設定する必要があります。
表 1–16 接続マップ - BatchFTP - シーケンス番号
名前
|
説明
|
必要な値
|
最大シーケンス番号
|
ターゲットのディレクトリまたはファイルの名前にシーケンス番号が含まれるように設定した場合に、このパラメータを使用します。これは、この値 (最大シーケンス番号) に達した際にシーケンス番号を「開始シーケンス番号」の値にリセットするように、アダプタに指示します。
このパラメータは、名前パターン %# で使用されます。
|
1 から 2147483647 までの整数。最大シーケンス番号の値は開始シーケンス番号の値よりも大きくなければいけません。
|
開始シーケンス番号
|
ターゲットのディレクトリまたはファイルの名前にシーケンス番号が含まれるように設定した場合に、このパラメータを使用します。これは、前回実行時のシーケンス番号が存在しない場合にどの値から開始するかを、アダプタに指示します。
このパラメータは、名前パターン %# で使用されます。
この最大シーケンス番号の値に達すると、シーケンス番号が開始シーケンス番号の値にリセットされます。
|
0 から 2147483647 までの整数。開始シーケンス番号の値は最大シーケンス番号の値よりも小さくなければいけません。
|
転送後 (BatchFTP の接続マップ)
転送後処理とは、実際の FTP 転送のあとでリモート (FTP) サイト上で実行される処理のことです。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「転送後」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–17 接続マップ - BatchFTP - 転送後
名前
|
説明
|
必要な値
|
転送後ディレクトリ名
|
ファイルのリネーム先となる、外部システム上のディレクトリの名前 (パス) を指定します。値としては、リテラルまたはパターン名を指定できます。
(宛先への) アウトバウンド転送の場合、ディレクトリがまだ存在していなければ、ディレクトリが作成されます。この設定は、「転送後 コマンド」パラメータが「リネーム」処理の場合にのみ使用されます。
特殊文字を使用できます。たとえば、パターン %f は元の作業ディレクトリ名を示します。このパラメータが使用されるたびに、あらゆる特殊文字の展開が実行されます。
「転送後ディレクトリ名がパターン」プロパティーを参照してください。
|
ディレクトリの正確な名前 (パスを含む) を入力するか、パターン名を入力するか、あるいは次のいずれかの値を選択します。
-
%f
-
%f%#
-
%f.%y%y%y%y%M%M%d
%d.%h%h%m%m%s%s%S%S%S
-
%f.rename
|
転送後ディレクトリ名がパターン
|
次のように、ディレクトリに対して入力されたパターンがリテラル、名前パターンのいずれを表すかを指定します。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
転送後ファイル名
|
外部システム上のファイルのリネーム後のファイル名を指定します。値はファイル名を表します。値としては、リテラルまたはパターン名を指定できます。
この設定は、「転送後 コマンド」パラメータが「リネーム」処理の場合にのみ使用されます。
特殊文字を使用できます。たとえば、パターン %f は元の作業ファイル名を示します。
「転送後ディレクトリ名がパターン」プロパティーを参照してください。
|
ファイルの正確な名前を入力するか、パターン名を入力するか、あるいは次のいずれかの値を選択します。
-
%f
-
%f.%y%y%y%y%M%M%d%d.
%h%h%m%m%s%s%S%S%S
-
%f.rename
|
転送後ファイル名がパターン
|
次のように、ファイル名に対して入力されたパターンがリテラル、名前パターンのいずれとして解釈されるかを指定します。
-
はい: ユーザーが入力する名前の値が名前パターンであることを示します。
「転送後ファイル名」プロパティーを参照してください。
-
いいえ: 入力される名前がリテラル、つまり正確に一致すべき対象であることを示します。パターンマッチングや名前の展開は実行されません。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
転送後コマンド
|
実際のファイル転送の直前または「コミット」フェーズ中に、必要なアクションを実行できるようにします。
インバウンド転送の場合、自動バックアップを行う (リネーム) か転送済みのファイルを永続的に破棄する (削除) ことで、そのファイルを「使用済み」としてマークできます。アウトバウンド転送の場合、転送済みのファイルをリネームすることで、ほかのクライアントからそのファイルを使用できるようにすることができます。オプションは次のとおりです。
-
リネーム: 転送済みファイルの名前を変更します。
-
削除: 転送済みファイルを削除します (インバウンド転送の場合のみ)。
-
なし: 何も行いません。
注 –
「リネーム」使用時にリネーム後のファイルが存在している場合の動作は、FTP サーバーごとに異なる可能性があります。たとえば、一部の UNIX FTP サーバーでは、ユーザーへの確認なしに宛先のファイルが上書きされます。つまり、エラーまたは警告メッセージが表示されません。ほかの FTP サーバー、たとえば Windows XP サーバーでは、システムによってエラーが生成され、その結果、呼び出された OTD メソッド内で例外がスローされます。対応する FTP サーバーに固有の動作を必ず熟知しておいてください。自信がない場合は、コマンド行からアクションを実行してみてください。アクション実行時にエラーメッセージが表示される場合、そのアクションによっておそらく、コラボレーション内で例外がスローされます。
|
「リネーム」、「削除」、または「なし」を選択します。
デフォルト設定は「なし」です。
|
ターゲットの場所 (BatchFTP の接続マップ)
「ターゲットの場所」セクションでは、FTP ディレクトリおよびファイルのターゲット場所 (リモートの場所) に関するパラメータを設定できます。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「ターゲットの場所」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–18 接続マップ - BatchFTP - ターゲットの場所
名前
|
説明
|
必要な値
|
追加
|
既存ファイルにデータを上書きするか、あるいはデータを追加するかを指定します。このパラメータを使用するのは、アウトバウンド FTP 転送の場合だけです。次のように適切な設定を選択します。
-
ユーザーが「はい」を選択し、かつターゲットファイルがすでに存在していた場合には、その既存ファイルにデータが追加されます。
-
ユーザーが「いいえ」を選択した場合、アダプタはリモートシステム上の既存ファイルを上書きします。
同じ名前のファイルが存在しない場合、「はい」、「いいえ」のいずれの場合も、外部ホスト上で新しいファイルが作成されます。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「いいえ」です。
|
ターゲットディレクトリ名
|
ファイルの取得元または送信先となる、外部システム上のディレクトリを指定します。ディレクトリ名とパスを指定することをお勧めしますが、指定しなかった場合、パスは、FTP サーバーにログオンした際のホームディレクトリから見た相対パスになります。
値としては、リテラル、正規表現 (ソースの場合)、またはパターン名 (宛先の場合) を指定できます。
アウトバウンド FTP 処理 (宛先) の場合、ディレクトリがまだ存在していなければ、ディレクトリが作成されます。
「ターゲットディレクトリ名がパターン」プロパティーを参照してください。
|
ターゲット外部システム上のディレクトリ名とパス。
|
ターゲットディレクトリ名がパターン
|
次のように、ディレクトリ名がリテラルを表すか、あるいは正規表現または名前パターンを表すかを指定します。
-
はい: ユーザーが入力する名前の値が名前パターンまたは正規表現とみなされることを示します。
「ターゲットディレクトリ名」プロパティーを参照してください。
-
いいえ: 入力される名前がリテラル、つまり正確に一致すべき対象であることを示します。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「いいえ」です。
|
ターゲットファイル名
|
取得または送信されるリモート FTP ファイルの名前を指定します。値としては、リテラル、正規表現 (受信時)、またはパターン名 (送信時) を指定できます。
MVS GDG システムの場合、ターゲットファイル名としてデータセットのバージョンを指定できます。次に例を示します。
-
ターゲットディレクトリ名 = ”STC.SAMPLE.GDGSET ’
-
ターゲットファイル名 = (0) (現在のバージョンを示す)
「ターゲットディレクトリ名」プロパティーを参照してください。
|
インバウンドの場合: リテラルファイル名または正規表現。
アウトバウンドの場合: リテラルファイル名または名前パターン。
|
ターゲットファイル名がパターン
|
次のように、ターゲットファイル名がリテラルを表すか、あるいは正規表現または名前パターンを表すかを指定します。
-
はい: ユーザーが入力する名前の値が名前パターンまたは正規表現とみなされることを示します。
「ターゲットファイル名」プロパティーを参照してください。
-
いいえ: 入力される名前がリテラル、つまり正確に一致すべき対象であることを示します。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「はい」です。
|
SSH トンネリング (BatchFTP の接続マップ)
「SSH トンネリング」セクションは、SSH トンネリングのプロパティーを設定するための情報を提供します。セキュリティー保護された FTP (FTP over SSH または FTP over SSL) が必要な場合には、セキュリティー保護された FTP の OTD (BatchFTPOverSSL、BatchSFTP、および BatchSCP) を使用します。
BatchFTP の接続マッププロパティーの「SSH トンネリング」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–19 接続マップ - BatchFTP - SSH トンネリング
名前
|
説明
|
必要な値
|
SSH チャネルが確立済み
|
アダプタが SSH サブプロセスを起動する必要があるかどうかを指定します。
「いいえ」を選択した場合、それは、SSH チャネルがまだ確立されていないことを示します。アダプタは、内部的にサブプロセスを生成したあと、ユーザーに代わってチャネルを確立します。
「いいえ」を選択した場合に設定する必要のあるパラメータは、次のとおりです。
-
SSH コマンド行
-
SSH 待機ポート (環境プロパティー)
「いいえ」を選択した場合、次のパラメータの設定は省略可能となります。
-
SSH ユーザー名 (環境プロパティー)
-
SSH パスワード (環境プロパティー)
「はい」を選択した場合、それは、すでに確立された SSH チャネルが存在することを示します。つまり、アダプタの外側でチャネルがすでに起動済みであるため、アダプタがチャネルを確立する必要はありません。たとえば、サービスバスの外側でユーザーがコマンドを発行する場合もありますし、このアダプタを実行する前に別の バッチアダプタ インスタンスがすでにチャネルを確立したという情報が得られる場合もあります。
「はい」を選択した場合に設定する必要のあるパラメータは、次のとおりです。
-
SSH 待機ホスト (環境プロパティー)
-
SSH 待機ポート (環境プロパティー)
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「いいえ」です。
|
SSH コマンド行
|
SSH チャネルの確立に使用されるコマンド行を指定します。このパラメータが必要になるのは、「SSH チャネルが確立済み」パラメータを「いいえ」に設定する場合だけです。
このエントリは、SSH トンネリングをサポートするために使用している追加ソフトウェアアプリケーションが必要とする、完全で正しいコマンド行でなければいけません。このコマンド行はそのまま実行されるため、次のことを確認する必要があります。
-
必要な引数がすべて含まれている
-
構文が正しい
-
ユーザーの SSH 環境に準拠している
これらの要件を確認するには、サービスバスの外側でこのコマンド行を手動でテストし、このコマンド行が正しく動作することを確認します。このコマンド行をシェルから実行し、追加のユーザー入力がまったく要求されないことを確認します。追加入力が要求される場合は、それが要求されなくなるまで必要な追加パラメータを追加し続けたあと、そのコマンド行をアダプタの設定内で使用します。
SSH 環境に基づくその他の任意のオプションを指定できます。ただし、そうする場合にはやはり、このコマンド行が正しく完全であることを確認する必要があります。たとえば、次のコマンド行オプションを使ってポート転送を指定できます。
-L ListenPort:FtpServerHost:FtpServerPort
この例の ListenPort は、パラメータ 「SSH 待機ポート」に指定されたのと同じ値にする必要があります。FtpServerHost に指定された値は、「FTP」パラメータの下にある「ホスト名」のパラメータ設定を上書きします。FtpServerPort に指定された値は、「FTP」パラメータの下にある「サーバーポート」のパラメータ設定を上書きします。「FTP」パラメータの下にあるその他の設定はすべて、指定された FTP サーバー FtpServerHost:FtpServerPort に対して機能します。
SSH コマンド行によって確立された SSH チャネルを、異なるクライアントホスト上に配置されたほかの バッチアダプタ インスタンスと共有する必要がある場合には、ほかのホストからの非ローカル接続を許可するように SSH ポート転送を設定する必要があります。一部の SSH クライアントでは、オプション -g を使用できます。
注 –
SSH 設定ファイル内でポート転送を指定することもできます。
|
有効な SSH コマンド行。
|
SSH コマンド行
|
コマンド行の構文は、使用する SSH クライアント実装の種類に応じて異なる可能性があります。詳細については、SSH トンネリングサポートソフトウェアのユーザーマニュアルを参照してください。
例
ssh -L 3456:ftp.sun.com:21 -o BatchMode=yes apple
ssh -L 4567:apple:21 -o BatchMode=yes apple
ssh -L 5678:orange:21 -o BatchMode=yes apple
ssh -L 6789:orange:21 -g -o BatchMode=yes apple
plink -L 4567:apple:21 apple
plink -L 5678:orange:21 apple
plink -L 6789:orange:21 -g apple
|
|
SSH トンネリングが有効
|
FTP コマンド接続が SSH トンネル経由でセキュリティー保護されるかどうかを指定します。
「いいえ」を選択すると、このセクション内のその他のパラメータはすべて無視されます。
注 –
SSH ポート転送機能を使用するには、使用しているサーバーの種類やその現在の設定内容によっては FTP サーバーを設定し直さなければいけない可能性があります。
|
「はい」または「いいえ」を選択します。
デフォルト設定は「いいえ」です。
|
追加の SSH サポートソフトウェア
アダプタの SSH トンネリング (ポート転送とも呼ばれる) の機能では、Windows の Plink や UNIX の OpenSSH など、追加の既存 SSH サポートソフトウェアアプリケーションが活用されます (「追加のソフトウェア要件」を参照)
コマンドの構文や環境設定は、SSH クライアント実装ごとに異なる可能性があります。詳細については、SSH サポートアプリケーションのユーザーガイドを参照してください。
ポート転送の設定
SSH トンネリングは、セキュリティー保護された FTP コマンド接続を提供します。この機構は既存の SSH ポート転送設定に基づいています。SSH をサポートするアダプタ接続を設定する前に、SSH 待機ホスト上で SSH ポート転送を設定する必要があります。
たとえば、アプリケーションサーバークライアントホスト localhost 上で、コマンドを次のように発行することができます。
ssh -L 4567:apple:21 -o BatchMode=yes apple
|
上の例に対するアダプタの設定の下で、次の情報を指定する必要があります。
この場合、アダプタは SSH トンネル経由で FTP サーバー apple:21 に接続します。SSH トンネリングの詳細については、「SSH トンネリングのサポート」を参照してください。
注 – SOCKS と SSH トンネリングは同時に使用可能です。ただし、この方法はお勧めできません。
一般設定 (BatchFTP の接続マップ)
BatchFTP の接続マッププロパティーの「一般設定」セクションには、次の表に示す最上位パラメータが含まれています。
表 1–20 接続マップ - BatchFTP - 一般設定
名前
|
説明
|
必要な値
|
同期
|
旧バージョンのバッチアダプタプロジェクトだけに適用されます。バージョン 5.0.7 以前のバッチアダプタを使って作成されたプロジェクトを、そのアダプタの動作を変更しないでインポートおよび配備できるようにするための下位互換性を提供します。選択肢は次のとおりです。
-
はい: 旧バージョン (5.0.8 より前のバッチアダプタ) のプロジェクトに対する下位互換性を提供します。アダプタが同期モードで実行され、コラボレーションのインスタンスが一度に 1 つずつ作成されます。
-
いいえ: 新しいバッチアダプタプロジェクト用。アダプタが並列モードで実行されます。コラボレーションのインスタンスが複数作成され、それらが同時に実行されます。
1 つのプロジェクト内で使用されるすべての OTD インスタンスで、このプロパティーが同じ値になるようにしてください。
注 –
シーケンス番号を使用するには、「同期」を「はい」に設定する必要があります。
|
「はい」または「いいえ」。
デフォルト設定は「はい」ですが、この場合、バージョン 5.0.7 以前のバッチアダプタを使って作成されたプロジェクトがシミュレートされます。
|