この節では、Sun Cluster Geographic Edition 製品内で Sun StorageTek Availability Suite による複製を構成する前に行う必要がある当初の作業について説明します。
この節で使用する保護グループ例 avspg は、2 つのクラスタ cluster-paris および cluster-newyork からなるパートナーシップ上にすでに構成されています。apprg1 リソースグループ内にカプセル化されたアプリケーションは、avspg 保護グループによって保護されています。アプリケーションデータは avsdg デバイスグループに格納されています。avsdg デバイスグループ内のボリュームは、Solaris Volume Manager ボリューム、VERITAS Volume Manager ボリューム、または raw デバイスボリュームになる可能性があります。
リソースグループ apprg1 とデバイスグループ avsdg は、cluster-paris クラスタと cluster-newyork クラスタのどちらにも存在します。avspg 保護グループは、cluster-paris クラスタと cluster-newyork クラスタ間でデータを複製することによって、アプリケーションデータを保護します。
デバイスグループを個別に複製するには、論理ホストがローカルクラスタ上とパートナークラスタ上に 1 つずつ必要です。
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは、クラスタタグ内でスラッシュ (/) を使用することはできません。raw DID デバイスを使用している場合、dsk/s3 などの、バックスラッシュのあるあらかじめ定義された DID デバイスグループ名を使用することはできません。
DID を raw デバイスグループで使用する場合は、「Sun Cluster Geographic Edition システム用の raw ディスクデバイスグループを設定する」を参照してください。
この節では、次の内容について説明します。
「Sun Cluster Geographic Edition システム用の raw ディスクデバイスグループを設定する」
「Sun Cluster で Sun StorageTek Availability Suite ボリュームを構成する」
「Sun StorageTek Availability Suite で制御される Sun Cluster デバイスグループを構成する方法」
「Sun StorageTek Availability Suite 用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムを構成する方法」
Sun StorageTek Availability Suite ボリュームセットを定義するには、次のものを決定する必要があります。
複製するデータボリューム。たとえば、cluster-paris 上の avsdg 内の vol-data-paris や、cluster-newyork 上の avsdg 内の vol-data-newyork など。
複製に必要なビットマップボリューム。たとえば、cluster-paris 上の avsdg 内の vol-bitmap-paris や、cluster-newyork 上の avsdg 内の vol-bitmap-newyork など。
デバイスグループ avsdg の複製専用の論理ホスト。たとえば、cluster-paris 上の論理ホスト logicalhost-paris-1 や、cluster-newyork 上の論理ホスト logicalhost-newyork-1 など。
Sun StorageTek Availability Suite 複製に使用する論理ホストは、Sun Cluster Geographic Edition インフラストラクチャー論理ホストとは異なる必要があります。論理ホスト名の構成については、「Configuring Logical Hostnames」 in 『Sun Cluster Geographic Edition System Administration Guide 』を参照してください。
volset ファイルは、保護グループの主クラスタと二次クラスタのすべてのノード上の /var/cluster/geo/avs/devicegroupname-volset.ini にあります。たとえば、デバイスグループ avsdg の volset ファイルは、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini にあります。
次の表では、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアで処理されるボリュームセットファイルのフィールドについて説明します。ボリュームセットのその他のパラメタ (ディスクキュー、メモリーキューのサイズ、非同期スレッドの数など) は、Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは処理されません。これらのパラメータは、Sun StorageTek Availability Suite コマンドで手動で調整する必要があります。
|
フィールド |
意味 |
説明 |
|---|---|---|
|
phost |
主ホスト |
主ボリュームが存在するサーバーの論理ホスト。 |
|
pdev |
主デバイス |
主ボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 |
|
pbitmap |
主ビットマップ |
主パーティションのビットマップが格納されるボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 |
|
shost |
二次ホスト |
二次ボリュームが存在するサーバーの論理ホスト。 |
|
sdev |
二次デバイス |
二次ボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 |
|
sbitmap |
二次ビットマップ |
二次パーティションのビットマップが格納されるボリュームパーティション。必ず完全パス名を指定してください。 |
|
ip |
ネットワーク転送プロトコル |
IP アドレス。 |
|
sync | async |
動作モード |
sync モードでは、二次クラスタ上のボリュームが更新されるまで、入出力操作が完了したとは見なされません。 async モードでは、二次クラスタ上のボリュームが更新される前に、主ホストの入出力操作が完了したと見なされます。 |
|
g iogroupname |
入出力グループ名 |
I/O グループ名。このセットは、主クラスタおよび二次クラスタ両方の上の同じ入出力グループ内に構成する必要があります。このパラメタはオプションであり、I/O グループがある場合にのみ構成する必要があります。 |
|
C |
C タグ |
ボリューム名からデバイスグループ名が判断できない場合の、ローカルデータおよびビットマップボリュームのデバイスグループ名またはリソースタグです。たとえば、/dev/md/avsset/rdsk/vol からは、デバイスグループ名が avsset であることがわかります。また、/dev/vx/rdsk/avsdg/vol からは、デバイスグループ名が avsdg であることがわかります。 |
Sun Cluster Geographic Edition ソフトウェアでは、Sun StorageTek Availability Suite パラメタの値は変更されません。このソフトウェアでは、スイッチオーバーとテイクオーバーの操作中に、ボリュームセットの役割が制御されるだけです。
ボリュームセットファイルの書式については、Sun StorageTek Availability Suite のマニュアルを参照してください。
Sun Cluster Geographic Edition では、各種のボリュームマネージャーに加えて raw ディスクデバイスグループの使用がサポートされています。Sun Cluster を最初に構成する際、クラスタ内の raw デバイスごとにデバイスグループが自動的に構成されます。ここで説明する手順を使用して、これらの自動作成されたデバイスグループを Sun Cluster Geographic Edition で使用できるように再構成します。
使用する各デバイスについて、定義済みのデバイスグループの構成を解除します。
次のコマンドは、d7 および d8 に対する定義済みのデバイスグループを除去します。
phys-paris-1# cldevicegroup disable dsk/d7 dsk/d8 phys-paris-1# cldevicegroup offline dsk/d7 dsk/d8 phys-paris-1# cldevicegroup delete dsk/d7 dsk/d8 |
必要なデバイスを含む、新しい raw ディスクデバイスグループを作成します。
新しい DID にスラッシュが含まれていないことを確認します。次のコマンドでは、 d7 および d8 を含むグローバルデバイスグループ rawdg を作成します。
phys-paris-1# cldevicegroup create -n phys-paris-1,phys-paris-2 \ -t rawdisk -d d7,d8 rawdg phys-paris-1# /usr/cluster/lib/dcs/dgconv -d d7 rawdg phys-paris-1# /usr/cluster/lib/dcs/dgconv -d d8 rawdg |
パートナークラスタ上で、使用するデバイスに対する定義済みのデバイスグループの構成を解除します。
各クラスタで同じ DID を使用することができます。次のコマンドで、newyork クラスタは paris クラスタのパートナーです。
phys-newyork-1# cldevicegroup disable dsk/d5 dsk/d6 phys-newyork-1# cldevicegroup offline dsk/d5 dsk/d6 phys-newyork-1# cldevicegroup delete dsk/d5 dsk/d6 |
パートナークラスタ上で raw ディスクデバイスグループを作成します。
主クラスタ上で使用したものと同じデバイスグループ名を使用します。
phys-newyork-1# cldevicegroup create -n phys-newyork-1,phys-newyork-2 \ -t rawdisk -d d5,d6 rawdg |
デバイスグループ名が必要な場合には、この新しいグループ名を使用します。
次のコマンドは、rawdg を AVS 保護グループ rawpg に追加します。
phys-paris-1# geopg add-device-group -p local_logical_host=paris-1h \ -p remote_logical_host=newyork-1h rawdg rawpg |
ここで説明する手順を実行して、Sun Cluster 環境で Sun StorageTek Availability Suite ボリュームを構成します。これらのボリュームは、Solaris Volume Managerボリューム、VERITAS Volume Manager ボリューム、または raw デバイスボリュームのいずれかです。
ボリュームは、Sun Cluster のデバイスグループレベルでカプセル化されます。Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアは、このデバイスグループインタフェースを介して、Solaris Volume Managerディスクセット、VERITAS Volume Manager ディスクグループ、または raw デバイスと対話します。ボリュームのパスは、次の表に示すように、ボリュームタイプによって異なります。
|
ボリュームタイプ |
パス |
|---|---|
|
Solaris Volume Manager |
/dev/md/disksetname /rdsk/d# (# は 1 桁の数字) |
|
VERITAS Volume Manager |
/dev/vx/rdsk/diskgroupname /volumename |
|
raw デバイス |
/dev/did/rdsk/d#s# |
Solaris Volume Managerまたはディスクグループ avsdg のどちらか、VERITAS Volume Manager、または cluster-paris と cluster-newyork 上の raw デバイスのどちらかを使用し、ディスクセット avsset を作成します。
たとえば、raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-paris と cluster-newyork 上の raw デバイスグループ dsk/d3 を選択します。
cluster-paris 上のディスクセットまたはディスクグループ内にボリュームを 2 つ作成します。
システムがロギングモードの場合、Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアはデータボリュームの変更を追跡するため、データボリュームごとに専用のビットマップボリュームを必要とします。
raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-paris 上のデバイス /dev/did/rdsk/d3 に、/dev/did/rdsk/d3s3 と /dev/did/rdsk/d3s4 の 2 つのパーティションを作成します。
cluster-newyork 上のディスクセットまたはディスクグループ内にボリュームを 2 つ作成します。
raw デバイスを使用してボリュームを構成する場合は、cluster-paris 上のデバイス /dev/did/rdsk/d3 に、/dev/did/rdsk/d3s5 と /dev/did/rdsk/d3s6 の 2 つのパーティションを作成します。
Sun StorageTek Availability Suite ボリュームセットは、次の 2 つのうちいずれかの方法で有効にできます。
デバイスグループを保護グループ avspg に追加する際に、自動的に有効にする
Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアを最初に設定するときは、この方法で devicegroupname-volset.ini ファイルを準備します。ファイルの準備が完了し、デバイスグループを保護グループに追加するとき、デバイスグループの Enable_volume_set プロパティーを True に設定します。Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアは devicegroupname-volset.ini ファイルの情報を読み取り、自動的にデバイスグループを有効にします。
デバイスグループを保護グループ avspg に追加したあと、手動で有効にする
構成が完了しているシステム上にボリュームを作成するときは、この方法でボリュームセットを有効にします。
この例では、主クラスタを cluster-paris、Solaris Volume Managerディスクセットを含むデバイスグループを avsset と想定します。
この例では、/var/cluster/geo/avs/avsset-volset.ini に次のエントリが入っていると想定します。
logicalhost-paris-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 logicalhost-newyork-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 ip async C avsset |
avsset-volset.ini ファイルには、次のエントリがあります。
lh-paris-1 – 主ホスト
/dev/md/avsset/rdsk/d100 – 主データ
/dev/md/avsset/rdsk/d101 – 主ビットマップ
lh-newyork-1 – 二次ホスト
/dev/md/avsset/rdsk/d100 – 二次データ
/dev/md/avsset/rdsk/d101 – 二次ビットマップ
ip – プロトコル
async – モード
C – C タグ
avsset – ディスクセット
このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、このファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用して、cluster-paris の d100 を cluster-newyork の d100 に複製します。
この例では、主クラスタを cluster-paris、VERITAS Volume Manager ディスクグループを含むデバイスグループを avsdg と想定します。
この例では、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini ファイルに次のエントリが入っていると想定します。
logicalhost-paris-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris logicalhost-newyork-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-ny ip async C avsdg |
avsdg-volset.ini ファイルには、次のエントリがあります。
lh-paris-1 – 主ホスト
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris – 主データ
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris – 主ビットマップ
lh-newyork-1 は二次ホスト。
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork – 二次データ
/dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-ny – 二次ビットマップ
ip – プロトコル
async – モード
C – C フラグ
avsdg – デバイスグループ
このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、cluster-paris の vol-data-paris を cluster-newyork のvol-data-newyork に複製します。このボリュームセットは、ファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用します。
この例では、主クラスタを cluster-paris、raw デバイスディスクグループ /dev/did/rdsk/d3 を含むデバイスグループの名前を rawdg と想定します。
この例では、/var/cluster/geo/avs/avsdg-volset.ini ファイルに次のエントリが入っていると想定します。
logicalhost-paris-1 /dev/did/rdsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s4 logicalhost-newyork-1 /dev/did/rdsk/d3s5 /dev/did/rdsk/d3s6 ip async C rawdg |
そして、rawdg-volset.ini ファイルには次のエントリがあるとします。
logicalhost-paris-1 – 主ホスト
/dev/did/rdsk/d3s3 – 主データ
/dev/did/rdsk/d3s4 – 主ビットマップ
logicalhost-newyork-1 – 二次ホスト
/dev/did/rdsk/d3s5 – 二次データ
/dev/did/rdsk/d3s6 – 二次ビットマップ
ip – プロトコル
async – モード
C – C フラグ
rawdg – デバイスグループ
このサンプル構成ファイルに定義されているボリュームセットは、cluster-paris の d3s3 を cluster-newyork のd3s5 に複製します。このボリュームセットは、ファイル内に指定されているビットマップボリュームと論理ホスト名を使用します。
保護グループ avspg にデバイスグループを追加したところで、Sun StorageTek Availability Suite ボリュームセットを手動で有効にすることができます。Sun Availability Suite のコマンドはサポートされているソフトウェアバージョンごとに異なる場所にインストールされているため、次の例ではソフトウェアバージョンごとにボリュームセットを有効にする方法を示します。
この例では、Sun StorageTek Availability Suite 4.0 を使用している場合に Solaris Volume Manager ボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 \ logicalhost-newyork-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 \ /dev/md/avsset/rdsk/d101 ip async C avsset |
この例では、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用している場合に Solaris Volume Manager ボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/md/avsset/rdsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d101 \ logicalhost-newyork-1 /dev/md/avsset/rdsk/d100 \ /dev/md/avsset/rdsk/d101 ip async C avsset |
この例では、Sun StorageTek Availability Suite 4.0 を使用している場合に VERITAS Volume Manager ボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris \ logicalhost-newyork-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork \ /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-newyork ip async C avsdg |
この例ではSun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用している場合に VERITAS Volume Manager ボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-paris \ logicalhost-newyork-1 /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-newyork \ /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-bitmap-newyork ip async C avsdg |
この例では、Sun StorageTek Availability Suite 4.0 を使用している場合に raw デバイスボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/did/rdsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s4 logicalhost-newyork-1 /dev/did/rdsk/d3s5 \ /dev/did/rdsk/d3s6 ip async C dsk/d3 |
この例では、Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用している場合に raw デバイスボリュームセットを手動で有効にします。
phys-paris-1# /usr/opt/SUNWesm/sbin/sndradm -e logicalhost-paris-1 \ /dev/did/rdsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s4 logicalhost-newyork-1 /dev/did/rdsk/d3s5 \ /dev/did/rdsk/d3s6 ip async C dsk/d3 |
sndradm コマンドの実行に関する情報は、次の場所にある Sun StorageTek Availability Suite のログファイルに書き込まれます。
/var/adm/ds.log (Sun StorageTek Availability Suite 4.0 を使用している場合)
/var/opt/SUNWesm/ds.log (Sun StorEdge Availability Suite 3.2.1 を使用している場合)
ボリュームセットを手動で有効にする過程でエラーが発生した場合は、このファイルを参照してください。
Sun StorageTek Availability Suite ソフトウェアは、Solaris Volume Manager、VERITAS Volume Manager、および raw デバイスボリュームをサポートします。
複製するボリュームセットを含むデバイスグループが Sun Cluster ソフトウェアに登録されていることを確認します。
# cldevicegroup show -v dg1 |
このコマンドの詳細は、cldevicegroup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
VERITAS Volume Manager デバイスグループを使用している場合は、Sun Cluster コマンド clsetup または cldevicegroup を使用して VERITAS Volume Manager 構成を同期させます。
cldevicegroup show コマンドの出力にデバイスグループが表示されることを確認します。
# cldevicegroup show -v dg1 |
このコマンドの詳細は、cldevicegroup(1CL) のマニュアルページを参照してください。
cluster-paris と cluster-newyork の両方のクラスタで、手 順 1 〜 3 を繰り返します。
前の手順で作成したボリュームセット vol-data-paris 上に、必要なファイルシステムを作成します。
アプリケーションは、このファイルシステムに書き込みを行います。
マウント位置などの情報を含む /etc/vfstab ファイルにエントリを追加します。
このファイル内の mount at boot フィールドの値は no に設定する必要があります。この値を設定することによって、クラスタの起動時、ファイルシステムは二次クラスタにマウントされないようになります。代わりに、Sun Cluster ソフトウェアと Sun Cluster Geographic Edition フレームワークは、主クラスタ上でアプリケーションがオンラインになる場合に HAStoragePlus リソースを使用してファイルシステムをマウントします。二次クラスタにはデータをマウントしないでください。主クラスタ上のデータが二次クラスタに複製されなくなります。
新しいファイルシステムを処理するには、アプリケーションリソースグループ apprg1 に HAStoragePlus リソースを追加します。
このリソースを追加することで、必要なファイルシステムがアプリケーションの起動前に再マウントされます。
HAStoragePlus リソースタイプについての詳細は、『Sun Cluster Data Services Planning and Administration Guide for Solaris OS』を参照してください。
cluster-paris と cluster-newyork の両方で、手順 1 〜 3 を繰り返します。
この例では、Solaris Volume Manager ボリューム用の高可用性クラスタグローバルファイルシステムを構成します。この例では、リソースグループ apprg1 がすでに存在すると仮定します。
UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。
# newfs /dev/md/avsset/rdsk/d100 |
このコマンドによって、次のエントリが /etc/vfstab ファイルに作成されます。
/dev/md/avsset/dsk/d100 /dev/md/avsset/rdsk/d100 /global/sample ufs 2 no logging |
HAStoragePlus リソースを追加します。
# clresource create -g apprg1 -t SUNWHAStoragePlus \ -p FilesystemMountPoints=/global/sample -p Affinityon=TRUE rs-hasp |
この例では、apprg1 リソースグループがすでに存在すると仮定します。
UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。
# newfs /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris |
このコマンドによって、次のエントリが /etc/vfstab ファイルに作成されます。
/dev/vx/dsk/avsdg/vol-data-paris /dev/vx/rdsk/avsdg/vol-data-paris /global/sample ufs 2 no logging |
HAStoragePlus リソースを追加します。
# clresource create -g apprg1 -t SUNWHAStoragePlus \ -p FilesystemMountPoints=/global/sample -p Affinityon=TRUE rs-hasp |
この例では、apprg1 リソースグループがすでに存在すると仮定します。
UNIX ファイルシステム (UFS) を作成します。
# newfs /dev/did/rdsk/d3s3 |
このコマンドによって、次のエントリが /etc/vfstab ファイルに作成されます。
/dev/did/dsk/d3s3 /dev/did/rdsk/d3s3 /global/sample ufs 2 no logging |
HAStoragePlus リソースを追加します。
# clresource create -g apprg1 -t SUNWHAStoragePlus \ -p FilesystemMountPoints=/global/sample -p Affinityon=TRUE rs-hasp |