この章では、Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) のインストールとアンインストールに関する問題を解決するためのヒントを提供します。
この章で説明する内容は、次のとおりです。
ここでは、問題の原因を見つけるための一般的なガイドラインについて説明します。ここでは、次の内容について説明します。
Java ES のインストールは、スタンドアロンホストではサポートされません。Java ES をインストールするには、ネットワークに接続されたホストが必要です。
Directory Server に依存するコンポーネントをインストールする場合、次のいずれかの状況によって問題が発生する可能性があります。
Directory Server に対して不正なユーザー ID およびパスワードを指定した。
不正な LDAP ポートを指定した。
Directory Server に接続できない。
「インストール後に手動で設定」モードの場合は、Directory Server に依存する製品を設定する前に、Directory Server が稼働していることを確認する必要があります。
コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、第 5 章「インストール後の設定の実行」に記述されている手順を正しく実行したかを確認します。
次のホストレベルの問題は、インストール時に問題を引き起こす可能性があります。
アップデート: 推奨サービスパックがインストールされているか。
ディスク容量: ディスクパーティションをどのように設定し、どのパーティションにインストールディレクトリを作成するか。
ネットワークポート: 設定時に、Java ES コンポーネントのポート番号を指定します。次のように、ポート情報が正しいことを確認します。
ファイル内の標準ポート番号を調べます。
サマリーログファイルを参照し、標準の設定と比較します。ポート番号を誤って入力していませんか、または通常は別のポートで使用するサーバーにそのポートを設定していませんか。
netstat -a コマンドを使用して、現在システムで使用しているポートを調べます。すでにほかで使用中のポート番号を割り当てていませんか。
設定中に、正しいホスト名とドメイン名を入力したことを確認してください。
「システム要件」を参照して、インストールに進む前にすべての要件を満たしていたかどうかチェックしてください。
DVD からのインストールでは、メディアの汚れや損傷を調べます。ディスクに汚れがあると、インストール時に問題が発生する可能性があります。
コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、ログファイルを調べます。「コンポーネントのトラブルシューティングに関する情報」には、多くのコンポーネントログファイルの一覧が示されています。
インストールまたはアンインストール中に問題が発生する場合は、%TEMP%/SunJavaES.log ファイル内の対応するログをチェックします。
%TEMP% は、そのシステム上のユーザー定義の TEMP フォルダです。
アンインストーラとインストーラのログファイルを、Java ES 設定ログとともに検証すると、問題の原因の特定に役立ちます。
インストールのサマリーファイルを参照します。このファイルには、何がインストールされ、設定されているかについての概要が記載されています。このファイルは、JavaEs-install-dir\Summary.txt にあります。問題が発生した場合は、どのコンポーネントが問題の原因であるかを確認します。複数の問題が発生している場合は、最初の問題を特定します。
詳細なログファイルを参照します。
編集済みの設定ファイルなど、カスタマイズされたファイルの上書きを防ぐため、Java ES 5 のコンポーネントは、ファイルが格納されているそれぞれのインストールディレクトリにはインストールできません。
Java ES 5 を再インストールする場合は、インストールディレクトリをチェックして、ディレクトリが空であることを確認します。ディレクトリが空でない場合は、どこか別の場所にファイルをアーカイブしてからインストールを再試行します。
インストーラは、コンポーネントごとにパスワードの入力を求めます。複数のホストに複数のコンポーネントをインストールする場合、必ず各ホストで正しいパスワードを入力してください。
パスワードの問題を解決するには、いったんアンインストールしてから再インストールすることが必要となる場合があります。アンインストールに失敗した場合は、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。
多数のコンポーネントに、インストール時の相互依存関係があります。1 つのコンポーネントに影響を与える問題は、別のコンポーネントにも影響を与える可能性があります。満たされていない相互依存関係がないかをチェックするには、「依存性の確認」をよくお読みください。そのあと、次の手順を実行してください。
サマリーファイルとログファイルを確認して、関連するコンポーネントに問題が発生していないかどうかを確認します。これにより、最初に解決すべきことの手がかりが得られる可能性があります。
正しい接続情報を指定しているかどうかチェックします。次に例を示します。
Directory Server の設定時に指定した情報は、Directory Server を使用するコンポーネントに指定したディレクトリ情報と一致しているか。
Portal Server または Portal Server Secure Remote Access に指定した Access Manager の情報は、Access Manager に指定した情報と一致しているか。
ここでは、インストール時に発生する可能性のある次の問題について説明します。
アンインストールに失敗すると、削除されるはずだったコンポーネントがホストシステム上に残る可能性があります。このような場合は、Java ES を再インストールする前に、コンポーネントを手動で削除する必要があります。
以前にインストールまたは設定解除に失敗している場合は、Java ES を再インストールする前に、次のクリーンアップ手順を実行する必要があります。
Java ES サービスがすべて停止され、「コントロール パネル」>「管理ツール」>「サービス」から削除されていることを確認します。
以前にインストールされた Sun フォルダが存在する場合は、すべて削除します。フォルダを削除できない場合は、システムを再起動してからフォルダを削除します。
残されたサービスエントリがないかどうかチェックします。「サービス」にサービスエントリが残っている場合は、エントリを削除してレジストリをクリーンアップする必要があります。次の表に、残される可能性のあるエントリを示します。
コンポーネント名 |
サービスエントリ |
---|---|
共通エージェントコンテナ |
Common Agent Container 2 (#CRC: デフォルト) |
HADB |
HADB4.4MgmtAgent |
Message Queue |
MQ3.7UR1_Broker |
Portal Server |
sra.gateway.srainstance sra.netletproxy.srainstance sra.rewriterproxy.srainstance |
WebAdminServer |
https-admserv70 |
Web Console |
Web Console 3.0.2 console |
Web Proxy Server |
Sun Java System Socks Server 4.0.4 (server1) Sun Java System Web Proxy Server 4.0.4 (proxy-server1) Sun Java System Web Proxy Server 4.0.4 Administration Server |
Web Server |
Sun Java System Web Server 7.0 (https-hostname.domainname) Sun Java System Web Server 7.0 Administration Server |
レジストリをクリーンアップします。
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Sun Microsystems\Entsys5\Installer を削除します。
上記のいずれかの手順を実行した場合は、インストールを開始する前にシステムを再起動します。
インストールは、次の Windows インストーラエラーが原因で失敗することがあります。
エラー 1603. インストール中に重大なエラーが発生しました: このエラーは、ターゲットホストが Windows 2003 Enterprise Server SP1 の場合に発生します。考えられる原因については、http://support.microsoft.com/kb/834484/ja を参照してください。
この場合は、次のリンクから Windows 2003 Enterprise Server SP1 の更新プログラムをインストールする必要があります: http://support.microsoft.com/kb/898715。
応答ファイルを編集した場合は、そのためにエラーが発生した可能性があります。たとえば、次の点をチェックしてください。
すべてのローカルホストパラメータが設定され、矛盾のない値が設定されているか。
パラメータ値の大文字、小文字の区別は適切か。
目的のパラメータを入力せずに、必須のパラメータを削除してしまっていないか。
使用するすべてのポート番号は有効であり、かつ割り当て済みではないか。
問題を解決し、「応答ファイルの作成」に説明されている方法で応答ファイルを再生成します。
使用時と同じプラットフォーム上で作成された応答ファイルを使用している場合、不明なファイルの破損エラーが原因で問題が発生している可能性があります。新しい応答ファイルを生成して再インストールしてみてください。
詳しくは、「応答ファイルの作成」を参照してください。
外部エラーの考えられる原因は、次のとおりです。
電源障害またはシステム障害
インストーラプロセスを停止させるために Control-C を押したか、タスクマネージャーからインストーラを強制終了した
インストールまたは設定プロセス中に障害が発生した場合は、おそらく一部だけがインストールされた状態になっています。アンインストールプログラムを実行してください。アンインストールプログラムが失敗する場合は、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」にある手順に従います。
これは、デフォルトの Application Server コマンドを使用して Java DB を再起動した (asadmin stop-databsse、次に asadmin start-database ) あとで、Java DB を使用する Application Server サンプルを配備したときに発生することがあります。Portal Server サンプルにアクセスできなくなります。
対処方法:次の回避策のいずれかを使用します。
Java DB を停止しないでください。
JavaDB を停止した場合は、Application Server データベースを別の場所で作成できるよう、次のコマンドを使用して JavaDB を再起動します。
asadmin start-database --dbhome JavaES-Install-Dir \portal\data\derby
デフォルトの場所のデータベースを使用するには、デフォルト以外のポートを使用して Java DB の 2 つめのインスタンスを起動し、そのポートを Application Server サンプルに指定します。たとえば、次のように入力します。
asadmin start-database --dbport 1528
ここでは、コンポーネントのトラブルシューティングについてのさまざまなヒントを提供し、役立つマニュアルを紹介します。
トピック |
詳細 |
---|---|
設定ファイル |
AccessManager-base\Config\AMConfig.properties |
ログファイルとデバッグファイル |
ログファイルのディレクトリ: AccessManager-base\Logs デバッグファイルのディレクトリ: AccessManager-base\Debug |
デバッグモード |
『Sun Java System Access Manager Developer’s Guide』を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
ログファイルのディレクトリ: JavaES-Install-Dir\appserver\domain\domain1 \logs メッセージログのファイル名: server.log (サーバーインスタンスごとに存在する) |
設定ファイル |
設定ファイルのディレクトリ: ApplicationServer-base\Config |
トラブルシューティング |
『Sun Java System Application Server Enterprise Edition トラブルシューティングガイド』を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
インストールログファイル: MessageQueue-base\var\instances\instance-name\log 『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド』を参照してください。 |
トラブルシューティング |
パフォーマンスの問題については、『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 Administration Guide』の第 11 章「Analyzing and Tuning a Message Service」を参照してください。 Message Queue のトラブルシューティングについては、『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 Administration Guide』の第 12 章「Troubleshooting Problems」、および Message Queue Forum (http://swforum.sun.com/jive/forum.jspa?forumID=24) を参照してください。 http://developers.sun.com/prodtech/msgqueue/reference/techart/index.html にあるナレッジベースでは、詳細な記事を読むこともできます。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
設定ファイル |
Monitoring Console の場合:
Monitoring Framework の場合:
|
ログファイル |
Monitoring Console の場合:
Monitoring Framework の場合:
|
トラブルシューティング |
Monitoring Console にアクセスできない場合は、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』の「Monitoring Console のトラブルシューティング」を参照してください。Monitoring Console のトラブルシューティングについては、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』の「Monitoring Framework のトラブルシューティング」を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
デバッグログ |
ポータルゲートウェイのデバッグログは、PortalServer-base\debug ディレクトリにあります。 注 – Access Manager 管理コンソールからロギングをオンにした場合、NetFile などの Portal Server サービスのログは、AccessManager-base\debug ディレクトリに作成されます。 |
トピック |
詳細 |
---|---|
ログファイル |
デフォルトのログファイル: ServiceRegistry-base\domains\registry\logs\server.log 詳しくは、『Service Registry 3.1 管理ガイド』を参照してください。 |
トラブルシューティング |
『Service Registry 3.1 管理ガイド』を参照してください。 |
トピック |
詳細 |
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ログファイル |
errors ログファイルと access ログファイルは、WebServer-base\WebServer_Install.log ディレクトリにあります。 errors ログファイルには、サーバーで発生したすべてのエラーが一覧表示されます。access ログファイルには、サーバーに対する要求と、サーバーからの応答に関する情報が記録されます。詳しくは、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。 |
トラブルシューティング |
『Sun Java System Web Server 7.0 Troubleshooting Guide』を参照してください。 |
設定ファイルのディレクトリ |
WebServer-base\https-instance-name\config |
このマニュアルに記載されている次の追加情報も、トラブルシューティングに役立ちます。
第 5 章「インストール後の設定の実行」には、インストール後設定の実行手順が含まれています。
第 6 章「インストールした Java ES コンポーネントの確認」では、インストールした Java ES コンポーネントの確認手順について説明しています。
第 7 章「Java ES コンポーネントのアンインストール」では、Java ES ソフトウェアのアンインストール時に発生する可能性のある問題について説明しています。