Sun Java Enterprise System 5 インストールガイド (Windows 版)

第 8 章 トラブルシューティング

この章では、Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) のインストールとアンインストールに関する問題を解決するためのヒントを提供します。

この章で説明する内容は、次のとおりです。

一般的なトラブルシューティング方法

ここでは、問題の原因を見つけるための一般的なガイドラインについて説明します。ここでは、次の内容について説明します。

ネットワークの接続性

Java ES のインストールは、スタンドアロンホストではサポートされません。Java ES をインストールするには、ネットワークに接続されたホストが必要です。

Directory Server の接続性チェック

Directory Server に依存するコンポーネントをインストールする場合、次のいずれかの状況によって問題が発生する可能性があります。

「インストール後に手動で設定」モードの場合は、Directory Server に依存する製品を設定する前に、Directory Server が稼働していることを確認する必要があります。

インストール後の設定のチェック

コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、第 5 章「インストール後の設定の実行」に記述されている手順を正しく実行したかを確認します。

リソースと設定のチェック

次のホストレベルの問題は、インストール時に問題を引き起こす可能性があります。

「システム要件」を参照して、インストールに進む前にすべての要件を満たしていたかどうかチェックしてください。

配布メディアのチェック

DVD からのインストールでは、メディアの汚れや損傷を調べます。ディスクに汚れがあると、インストール時に問題が発生する可能性があります。

コンポーネントログファイルの検証

コンポーネントの起動時に問題が発生する場合は、ログファイルを調べます。「コンポーネントのトラブルシューティングに関する情報」には、多くのコンポーネントログファイルの一覧が示されています。

インストールログファイルの検証

インストールまたはアンインストール中に問題が発生する場合は、%TEMP%/SunJavaES.log ファイル内の対応するログをチェックします。

%TEMP% は、そのシステム上のユーザー定義の TEMP フォルダです。

アンインストーラとインストーラのログファイルを、Java ES 設定ログとともに検証すると、問題の原因の特定に役立ちます。

Procedureインストールログファイルを検証する

  1. インストールのサマリーファイルを参照します。このファイルには、何がインストールされ、設定されているかについての概要が記載されています。このファイルは、JavaEs-install-dir\Summary.txt にあります。問題が発生した場合は、どのコンポーネントが問題の原因であるかを確認します。複数の問題が発生している場合は、最初の問題を特定します。

  2. 詳細なログファイルを参照します。

    1. 最初に発生したエラーまたは警告を探して、解決を試みます。1 つのエラーを解決すると、関連性がないように見える後続の多数のエラーも解決することがよくあります。

    2. 問題の原因となっているコンポーネントの名前を見つけます。

    3. 設定プログラムのログを確認します。設定ログは、コンポーネントのインストールディレクトリにあります。コンポーネントログファイルの正確な場所については、Summary.txt を参照してください。

    4. インストールまたはアンインストールの問題に関しては、インストーラのログファイルを確認します。設定関連の問題については、設定ログを参照してください。

ファイルおよびディレクトリの削除

編集済みの設定ファイルなど、カスタマイズされたファイルの上書きを防ぐため、Java ES 5 のコンポーネントは、ファイルが格納されているそれぞれのインストールディレクトリにはインストールできません。

Java ES 5 を再インストールする場合は、インストールディレクトリをチェックして、ディレクトリが空であることを確認します。ディレクトリが空でない場合は、どこか別の場所にファイルをアーカイブしてからインストールを再試行します。

パスワードの確認

インストーラは、コンポーネントごとにパスワードの入力を求めます。複数のホストに複数のコンポーネントをインストールする場合、必ず各ホストで正しいパスワードを入力してください。

パスワードの問題を解決するには、いったんアンインストールしてから再インストールすることが必要となる場合があります。アンインストールに失敗した場合は、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」を参照してください。

コンポーネントの依存関係の検証

多数のコンポーネントに、インストール時の相互依存関係があります。1 つのコンポーネントに影響を与える問題は、別のコンポーネントにも影響を与える可能性があります。満たされていない相互依存関係がないかをチェックするには、「依存性の確認」をよくお読みください。そのあと、次の手順を実行してください。

インストールに関する問題

ここでは、インストール時に発生する可能性のある次の問題について説明します。

アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗

アンインストールに失敗すると、削除されるはずだったコンポーネントがホストシステム上に残る可能性があります。このような場合は、Java ES を再インストールする前に、コンポーネントを手動で削除する必要があります。

Procedure残されたファイルを削除する

以前にインストールまたは設定解除に失敗している場合は、Java ES を再インストールする前に、次のクリーンアップ手順を実行する必要があります。

  1. Java ES サービスがすべて停止され、「コントロール パネル」>「管理ツール」>「サービス」から削除されていることを確認します。

  2. 以前にインストールされた Sun フォルダが存在する場合は、すべて削除します。フォルダを削除できない場合は、システムを再起動してからフォルダを削除します。

  3. 残されたサービスエントリがないかどうかチェックします。「サービス」にサービスエントリが残っている場合は、エントリを削除してレジストリをクリーンアップする必要があります。次の表に、残される可能性のあるエントリを示します。

    コンポーネント名 

    サービスエントリ 

    共通エージェントコンテナ 

    Common Agent Container 2 (#CRC: デフォルト) 

    HADB 

    HADB4.4MgmtAgent

    Message Queue 

    MQ3.7UR1_Broker

    Portal Server 

    sra.gateway.srainstance

    sra.netletproxy.srainstance

    sra.rewriterproxy.srainstance

    WebAdminServer 

    https-admserv70

    Web Console 

    Web Console 3.0.2 console 

    Web Proxy Server 

    Sun Java System Socks Server 4.0.4 (server1)

    Sun Java System Web Proxy Server 4.0.4 (proxy-server1)

    Sun Java System Web Proxy Server 4.0.4 Administration Server 

    Web Server 

    Sun Java System Web Server 7.0 (https-hostname.domainname)

    Sun Java System Web Server 7.0 Administration Server 

  4. レジストリをクリーンアップします。

    HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Sun Microsystems\Entsys5\Installer を削除します。

  5. 上記のいずれかの手順を実行した場合は、インストールを開始する前にシステムを再起動します。

Windows インストーラのエラー

インストールは、次の Windows インストーラエラーが原因で失敗することがあります。

サイレントインストールの失敗

応答ファイルを編集した場合は、そのためにエラーが発生した可能性があります。たとえば、次の点をチェックしてください。

問題を解決し、「応答ファイルの作成」に説明されている方法で応答ファイルを再生成します。

サイレントインストールの失敗: 「応答ファイルに互換性がないか、破損している」

使用時と同じプラットフォーム上で作成された応答ファイルを使用している場合、不明なファイルの破損エラーが原因で問題が発生している可能性があります。新しい応答ファイルを生成して再インストールしてみてください。

詳しくは、「応答ファイルの作成」を参照してください。

予期しない外部エラー

外部エラーの考えられる原因は、次のとおりです。

インストールまたは設定プロセス中に障害が発生した場合は、おそらく一部だけがインストールされた状態になっています。アンインストールプログラムを実行してください。アンインストールプログラムが失敗する場合は、「アンインストール時に残されたファイルによるインストールの失敗」にある手順に従います。

Java DB の再起動後、ポータルデータベースが見つからない

これは、デフォルトの Application Server コマンドを使用して Java DB を再起動した (asadmin stop-databsse、次に asadmin start-database ) あとで、Java DB を使用する Application Server サンプルを配備したときに発生することがあります。Portal Server サンプルにアクセスできなくなります。

対処方法:次の回避策のいずれかを使用します。

コンポーネントのトラブルシューティングに関する情報

ここでは、コンポーネントのトラブルシューティングについてのさまざまなヒントを提供し、役立つマニュアルを紹介します。

Access Manager のトラブルシューティングのヒント

表 8–1 Access Manager のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

設定ファイル 

AccessManager-base\Config\AMConfig.properties

ログファイルとデバッグファイル 

ログファイルのディレクトリ:  

AccessManager-base\Logs

デバッグファイルのディレクトリ:  

AccessManager-base\Debug

デバッグモード 

Sun Java System Access Manager Developer’s Guide』を参照してください。

Application Server のトラブルシューティングのヒント

表 8–2 Application Server のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

ログファイルのディレクトリ:  

JavaES-Install-Dir\appserver\domain\domain1 \logs

メッセージログのファイル名: server.log (サーバーインスタンスごとに存在する)

設定ファイル 

設定ファイルのディレクトリ: ApplicationServer-base\Config

トラブルシューティング 

Sun Java System Application Server Enterprise Edition トラブルシューティングガイド』を参照してください。

Directory Server のトラブルシューティングのヒント

表 8–3 Directory Server のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

インストールログファイルは、tmp フォルダに格納されています。

設定ログファイル:  

  • DirectoryServer-base.Atimestamp

  • DirectoryServer-base.B timestamp

ログファイルの管理については、『Sun Java System Directory Server 管理ガイド』を参照してください。

トラブルシューティング 

Sun Java System Directory Server 管理ガイド』を参照してください。

HADB のトラブルシューティングのヒント

表 8–4 HADB のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

JavaES-install-dir\Hadb\4.4.3-5\ma\ma.log

設定ファイル 

  • HADB.properties

  • mgt.cfg

これらのファイルは、JavaES-install-dir\Hadb\4.4.3-5\lib\ ディレクトリにあります。

実行ファイルの場所 

JavaES-install-dir\Hadb\4.4.3-5\bin\

トラブルシューティング 

High Availability Session Store Administrator’s Guide』を参照してください。

Message Queue のトラブルシューティングのヒント

表 8–5 Message Queue のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

インストールログファイル:  

MessageQueue-base\var\instances\instance-name\log

Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 管理ガイド』を参照してください。

トラブルシューティング 

パフォーマンスの問題については、『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 Administration Guide』の第 11 章「Analyzing and Tuning a Message Service」を参照してください。

Message Queue のトラブルシューティングについては、『Sun Java System Message Queue 3.7 UR1 Administration Guide』の第 12 章「Troubleshooting Problems」、および Message Queue Forum (http://swforum.sun.com/jive/forum.jspa?forumID=24) を参照してください。

http://developers.sun.com/prodtech/msgqueue/reference/techart/index.html にあるナレッジベースでは、詳細な記事を読むこともできます。

Monitoring Console のトラブルシューティングのヒント

表 8–6 Monitoring Console のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

設定ファイル 

Monitoring Console の場合:  

  • MonitoringConsole-base\WEB-INF\web.xml

Monitoring Framework の場合:  

  • JavaES-install-dir\share\mfwk\config\mfwk.properties

ログファイル 

Monitoring Console の場合:  

  • JavaES-install-dir\share\webconsole\console\console_config_log

Monitoring Framework の場合:  

  • JavaES-install-dir\share\mfwk\logs

トラブルシューティング 

Monitoring Console にアクセスできない場合は、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』「Monitoring Console のトラブルシューティング」を参照してください。Monitoring Console のトラブルシューティングについては、『Sun Java Enterprise System 5 監視ガイド (UNIX 版)』「Monitoring Framework のトラブルシューティング」を参照してください。

Portal Server Secure Remote Access のトラブルシューティングのヒント

表 8–7 Portal Server Secure Remote Access のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

デバッグログ 

ポータルゲートウェイのデバッグログは、PortalServer-base\debug ディレクトリにあります。


注 –

Access Manager 管理コンソールからロギングをオンにした場合、NetFile などの Portal Server サービスのログは、AccessManager-base\debug ディレクトリに作成されます。


Portal Server のトラブルシューティングのヒント

表 8–8 Portal Server のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイルとデバッグファイル 

Portal Server のログファイルは次の場所にあります。 

  • psadmin ログ: PortalServer-base\data\admin

  • 設定ログ: PortalServer-base\data\config

  • Portal Server インスタンスログ: PortalServer-base \data\portals\portal-id\logs\instance-id

Service Registry のトラブルシューティングのヒント

表 8–9 Service Registry のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

デフォルトのログファイル: ServiceRegistry-base\domains\registry\logs\server.log

詳しくは、『Service Registry 3.1 管理ガイド』を参照してください。

トラブルシューティング 

Service Registry 3.1 管理ガイド』を参照してください。

Web Proxy Server のトラブルシューティングのヒント

表 8–10 Web Proxy Server のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

デフォルトのログファイル:  

  • JavaES-install-dir\ instance-name\config\logs\errors

  • JavaES-install-dir\ instance-name\config\logs\access

  • JavaES-install-dir\ admin-name\config\logs\errors

  • JavaES-install-dir\ admin-name\config\logs\access

詳しくは、『Sun Java System Web Proxy Server 管理ガイド』を参照してください。

トラブルシューティング 

Sun Java System Web Proxy Server 管理ガイド』を参照してください。

Web Server のトラブルシューティングのヒント

表 8–11 Web Server のトラブルシューティングのヒント

トピック 

詳細 

ログファイル 

errors ログファイルと access ログファイルは、WebServer-base\WebServer_Install.log ディレクトリにあります。

errors ログファイルには、サーバーで発生したすべてのエラーが一覧表示されます。access ログファイルには、サーバーに対する要求と、サーバーからの応答に関する情報が記録されます。詳しくは、『Sun Java System Web Server 7.0 管理ガイド』を参照してください。

トラブルシューティング 

Sun Java System Web Server 7.0 Troubleshooting Guide』を参照してください。

設定ファイルのディレクトリ 

WebServer-base\https-instance-name\config

トラブルシューティングの追加情報

このマニュアルに記載されている次の追加情報も、トラブルシューティングに役立ちます。