共通デスクトップ環境 アプリケーション・ビルダ・ユーザーズ・ガイド

第 1 章 入門

アプリケーション・ビルダは、ユーザ・インタフェースの設計、作成、およびプロトタイプ化を容易にする開発ツールです。アプリケーション・ビルダを使用すると、コードを記述することなく自由にユーザ・インタフェースの作成および試行が行えます。インタフェースの作成および変更が容易に行えるので、設計およびテストに時間をかけることができます。これは、良いユーザ・インタフェースを作る一番確かな方法です。

アプリケーション・ビルダの主ウィンドウ

アプリケーション・ビルダの主ウィンドウ (以下に表示) は、ユーザ・インタフェース作成の出発点です。主ウィンドウについての詳細は、アプリケーション・ビルダの主ウィンドウを参照してください。

図 1–1 アプリケーション・ビルダの主ウィンドウ

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アプリケーション・ビルダのユーザ・インタフェースを作成する基本的な方法は、オブジェクトをアプリケーション・ビルダの主ウィンドウからワークスペース上または他のアプリケーション・ビルダのオブジェクト上へドラッグ&ドロップすることです。詳細は、第 3 章「ユーザ・インタフェースのレイアウト」を参照してください。

アプリケーション・ビルダの起動と終了

アイコンからアプリケーション・ビルダを開くには

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    アプリケーション・ビルダを以前に開いたことがあり、dtbuilder アイコンがワークスペース上にある場合は、そのアイコンをダブルクリックしてアプリケーション・ビルダを開きます。

    アプリケーション・ビルダがフロントパネルにインストールされている場合は、[個人アプリケーション] サブパネルの [アプリケーション・ビルダ] アイコンをクリックしてアプリケーション・ビルダを開きます。

    アプリケーション・ビルダをフロントパネルにインストールするには、アプリケーション・マネージャのヘルプ・ボリュームの「フロントパネルにアプリケーション・アイコンを配置するには」を参照してください。

コマンド行からアプリケーション・ビルダを起動するには

アプリケーション・ビルダを実行するコマンドは、dtbuilder です。次のようにして、コマンド行からアプリケーション・ビルダを起動します。

    dtbuilder と入力します。

    dtbuilder がパスにあれば、アプリケーション・ビルダは起動します。パスにない場合は、絶対パス名 (デフォルトでは、/usr/dt/bin/dtbuilder です) を入力するか、dtbuilder を入力する前に dtbuilder があるフォルダに移動する必要があります。

アプリケーション・ビルダを終了するには

    アプリケーション・ビルダの主ウィンドウの [ファイル] メニューから [終了] を選択して、アプリケーション・ビルダを終了します。

    すべての変更内容を保存していない場合は、メッセージ・ダイアログ・ボックスが表示されるので、変更内容を廃棄して終了処理を継続するか、終了処理を取り消してアプリケーション・ビルダの実行を継続するかを選択します。変更内容を保存しない場合は、[変更内容の廃棄] をクリックします。変更内容を廃棄しない場合は、[取消し] をクリックします。変更内容を保存してから終了できます。

アプリケーション・ビルダのプロセスの概要

アプリケーション・ビルダによるユーザ・インタフェースの構築および保守の基本的なプロセスは、単純で分かりやすいものです。この方式にはいくつものバリエーションがありますが、アプリケーションがどんなものであってもプロセスは同じです。

  1. アプリケーション・ビルダを起動します。アプリケーション・ビルダの起動と終了を参照してください。

  2. 新規プロジェクトおよび新規モジュールを開きます。プロジェクトを作成する、開く、および保存するを参照してください。

  3. ほとんどの場合、ウィンドウ (メイン・ウィンドウおよびカスタム・ダイアログ) をワークスペース上にドラッグ&ドロップし、各ウィンドウごとに新規モジュールを作成します。パレット・オブジェクトのドラッグ&ドロップを参照してください。

  4. 区画をメイン・ウィンドウまたはカスタム・ダイアログ上にドラッグ&ドロップします。パレット・オブジェクトのドラッグ&ドロップを参照してください。

  5. コントロール (たとえば、ボタン、選択オブジェクト、テキスト・フィールドなど) をコントロール区画上にドラッグ&ドロップします。パレット・オブジェクトのドラッグ&ドロップを参照してください。

  6. 区画オブジェクト、メニュー、およびメッセージ・ダイアログを作成します。第 5 章「区画、メニュー、およびメッセージの作成と編集」を参照してください。

  7. ヘルプ・ダイアログを作成します。ヘルプおよびヘルプへの接続の作成を参照してください。

  8. インタフェース・オブジェクトの属性を編集します。第 4 章「インタフェース・オブジェクトの属性の編集」を参照してください。

  9. ユーザ・インタフェースのオブジェクト間で機能上の接続を行います。第 6 章「インタフェースへの機能の追加」を参照してください。

  10. テスト・モードにして、メニュー、ヘルプ、および接続のテストを行います。第 8 章「メニュー、ヘルプ、および接続のテスト」を参照してください。

  11. コードを生成してユーザ・インタフェースを作成するために [コード・ジェネレータ] を表示します。第 9 章「コードの生成とアプリケーションの構築」を参照してください。

  12. アプリケーション・ビルダで生成したコードにユーザ・コードを追加します。生成されたコードへのユーザ・コードの追加を参照してください。

  13. コードをデバッグし、アプリケーションの make および実行を行います。

  14. 以上のプロセスを繰り返して、ユーザ・インタフェースの変更および保守を行います。

オブジェクト型

主ウィンドウ上には、3 種類 (ウィンドウ、区画、コントロール) の基本的なオブジェクトの型があります。各オブジェクトの詳細は、アプリケーション・ビルダの主ウィンドウを参照してください。

アプリケーション・ビルダのウィンドウは、次のとおりです。

アプリケーション・ビルダの区画は、次のとおりです。

アプリケーション・ビルダのコントロールは、次のとおりです。


注 –

メニュー・バーはコントロールではありませんが、コントロール・パレット上にあります。メイン・ウィンドウだけにドロップできます。


オブジェクトのドロップ規則

3 種類のアプリケーション・ビルダ・オブジェクトをドラッグ&ドロップする時の規則を説明します。オブジェクトを不正なターゲットにドロップしようとすると、エラー・メッセージが表示されます。

ウィンドウ (メイン・ウィンドウ、カスタム・ダイアログ、ファイル選択ダイアログ) は、アプリケーション・ビルダの主ウィンドウを除いて、ワークスペース上のどこにでもドロップできます。

区画 (コントロール区画、テキスト区画、描画領域区画、端末区画) は、メイン・ウィンドウ上、カスタム・ダイアログ上、または別の区画上にドロップできます。詳細は、区画エンティティの作成と編集を参照してください。

コントロール (たとえば、ボタン、メニュー、ボックスなど) は、コントロール区画またはグループ上にドロップできます。


注 –

メニュー・バーはコントロール・パレット上にありますが、実際のコントロールではありません。メイン・ウィンドウだけにドロップできます。また、メイン・ウィンドウのどこにでもドロップできますが、常にウィンドウの最上部に表示されます。