GNOME 2.0 ユーザーズガイド (Solaris 版)

第 8 章 デスクトップの使用方法

デフォルトの設定では、Nautilusファイルマネージャは、デスクトップを管理します。デスクトップの管理に Nautilus を使用しない場合、この章を読む必要はありません。この章は、Nautilus デスクトップの使用方法について説明します。

デスクトップの概要

デスクトップは、デスクトップ環境内のほかのすべてのコンポーネントの背後にあります。デスクトップは、ユーザーインターフェイスのアクティブコンポーネントです。デスクトップから、次の作業を実行できます。

デフォルトでは、デスクトップに 3 つのオブジェクトがあります。

図 8–1 デスクトップのデフォルトオブジェクト

デスクトップのデフォルトオブジェクト

表 8–1 に、デスクトップ上のデフォルトオブジェクトの機能を説明します。

表 8–1 デフォルトデスクトップオブジェクトの機能

オブジェクト 

コンポーネント 

機能 

Nautilus のホームアイコンを示しています。

ホーム

Nautilus ウィンドウを開いて、表示区画にホームロケーションを表示する

Nautilus のここからスタートアイコンを示しています。

「ここからスタート」

GNOME デスクトップのいくつかの主要機能へのアクセスポイント 

GNOME Overview アイコンを示しています。

「GNOME の概要」

ヘルプブラウザウィンドウを開き、GNOME デスクトップに関する概要を表示する 

ごみ箱アイコンを示しています。

ごみ箱

Nautilus ウィンドウを開いて、表示区画にごみ箱を表示する

デスクトップオブジェクト

デスクトップオブジェクトは、デスクトップ上のアイコンで、ファイル、フォルダ、およびアプリケーションを開くときに使用します。デスクトップ上のすべてのオブジェクトは、デスクトップディレクトリに存在します。オブジェクトをデスクトップに移動すると、そのオブジェクトはこのディレクトリに移動します。ホームディレクトリをデスクトップディレクトリとして使用することもできます。

デフォルトでは、デスクトップに 3 つのオブジェクトがあります。デスクトップにオブジェクトを追加すると、頻繁に使用するファイル、フォルダ、およびアプリケーションにアクセスしやすくなります。たとえば、デスクトップにランチャーを追加して、頻繁に使用する特定のアプリケーションを開くことができます。

表 8–2 で、デスクトップに追加できるオブジェクトのタイプを説明します。

表 8–2 デスクトップオブジェクトのタイプ

オブジェクトタイプ 

説明 

シンボリックリンク 

シンボリックリンクとは、別のファイルまたはフォルダを指すオブジェクトのこと。デスクトップでシンボリックリンクを選択すると、そのシンボリックリンクが指すファイルまたはフォルダが開く。シンボリックリンクは、デスクトップに移動またはコピーできる 

シンボリックリンクは、デフォルトの矢印エンブレム (すべてのシンボリックリンクに表示) によって識別できる 

ランチャー 

以下のタイプのランチャーをデスクトップに追加できる 

  • アプリケーション: 特定のアプリケーションを起動する

  • リンク:特定のファイル、フォルダ、または URL にリンクする

ファイル 

デスクトップにファイルを追加できる。デスクトップ上のファイルはデスクトップディレクトリに存在する 

フォルダ 

デスクトップにフォルダを移動したり、フォルダを作成したりすることができる。デスクトップ上のフォルダは、デスクトップディレクトリに存在する 

デスクトップオブジェクトは、次の方法で変更できます。

以降の節では、デスクトップでのオブジェクトの操作方法について説明します。

デスクトップ上のオブジェクトを選択する

デスクトップ上のオブジェクトを選択するには、そのオブジェクトをクリックします。複数のオブジェクトを選択する場合は、Ctrl キーを押したままで、選択するオブジェクトをクリックします。

デスクトップで範囲を選択することで、その範囲内のすべてのオブジェクトを選択することもできます。デスクトップ上でクリックしたまま、選択するオブジェクトが含まれる領域をドラッグします。クリックしたままでドラッグすると、選択する領域に灰色の長方形が表示されます。

複数の範囲を選択するには、Ctrl キーを押したままで、選択する範囲でドラッグします。

デスクトップからオブジェクトを開く

デスクトップオブジェクトを開くには、そのオブジェクトをダブルクリックします。または、オブジェクトを右クリックして、「開く」を選択します。オブジェクトを開くと、そのオブジェクトのデフォルトのアクションが実行されます。たとえば、オブジェクトがテキストファイルの場合、そのテキストファイルは Nautilus ウィンドウで開かれます。ファイルタイプのデフォルトのアクションは、ファイルタイプとプログラム設定ツールで指定されています。

オブジェクトのデフォルトのアクション以外のアクションを実行するには、オブジェクトを右クリックして、「他のもので開く」を選択します。「他のもので開く」サブメニューからアクションを選択します。

「他のもので開く」サブメニュー内の項目は、ファイルタイプとプログラム設定ツールの次の部分の内容に対応します。

Nautilus ウィンドウの環境を設定することにより、ファイルを 1 度クリックするだけで初期値のアクションを実行できます。

デスクトップにランチャーを追加する

デスクトップランチャーは、アプリケーションを起動したり、特定のファイル、フォルダ、または FTP サイトにリンクすることができます。

デスクトップにランチャーを追加するには、次の手順を実行します。

  1. デスクトップで右クリックして、「新規ランチャー」を選択します。「ランチャーの作成」ダイアログが表示されます。

  2. ランチャーのプロパティを「ランチャーの作成」ダイアログに入力する方法については、「パネルの操作」を参照してください。

    ランチャー用に入力したコマンドは、デスクトップオブジェクトを使用したときに実行されるコマンドになります。以下の表に、いくつかのサンプル命令と実行されるアクションを示します。

    サンプルコマンド 

    アクション 

    gedit

    gedit アプリケーションを起動する

    gedit /user123/loremipsum.txt

    gedit アプリケーションで /user123/loremipsum.txt ファイルを開く

    nautilus /user123/Projects

    Nautilus ウィンドウで /user123/Projects フォルダを開く

デスクトップにシンボリックリンクを追加する

デスクトップにシンボリックリンクを作成して、次の操作を実行できます。

デスクトップでシンボリックリンクを作成するには、次の手順を実行します。

  1. Nautilus ウィンドウに、シンボリックリンクを作成するファイルまたはフォルダを表示します。

  2. そのファイルまたはフォルダのシンボリックリンクを作成します。ファイルまたはフォルダのシンボリックリンクを作成するには、リンクを作成するファイルまたはフォルダを選択します。「編集」-> 「リンクを作成」を選択します。ファイルまたはフォルダのリンクが、現在のフォルダに追加されます。シンボリックリンクは、デフォルトの矢印エンブレム (すべてのシンボリックリンクに表示) によって識別できます。次の図に、ファイルのシンボリックリンクを示します。

    シンボリックリンクのエンブレムが付いたファイルアイコンを示しています。
  3. デスクトップにシンボリックリンクをドラッグします。オブジェクトのアイコンがデスクトップに移動します。

デスクトップへのファイルまたはフォルダの追加

以降の節では、デスクトップにファイルオブジェクトおよびフォルダオブジェクトを追加する方法について説明します。

ファイルまたはフォルダをデスクトップに移動する

ファイルまたはフォルダは、Nautilus ウィンドウからデスクトップに移動できます。ファイルまたはフォルダをデスクトップに移動するには、次の手順を実行します。

  1. Nautilus ウィンドウを開きます。

  2. 表示区画で、移動するファイルまたはフォルダを表示します。

  3. ファイルまたはフォルダをデスクトップへドラッグします。ファイルまたはフォルダのアイコンがデスクトップに移動します。ファイルまたはフォルダは、デスクトップディレクトリに移動します。

    別の方法として、ファイルまたはフォルダを選択し、「編集」-> 「ファイルの切り取り」を選択します。任意のデスクトップオブジェクトを右クリックして、「ファイルの貼り付け」を選択します。

ファイルまたはフォルダをデスクトップにコピーする

ファイルまたはフォルダは、Nautilus ウィンドウからデスクトップにコピーできます。ファイルまたはフォルダをデスクトップに複写するには、次の手順を実行します。

  1. Nautilus ウィンドウを開きます。

  2. 表示区画で、移動するファイルまたはフォルダを表示します。

  3. Ctrl キーを押したままで、ファイルまたはフォルダをデスクトップにドラッグします。ファイルまたはフォルダのアイコンが、デスクトップに追加されます。ファイルまたはフォルダは、デスクトップディレクトリにコピーされます。

    別の方法として、ファイルまたはフォルダを選択し、「編集」-> 「ファイルのコピー」を選択します。任意のデスクトップオブジェクトを右クリックして、「ファイルの貼り付け」を選択します。

フォルダオブジェクトをデスクトップに作成する

フォルダオブジェクトを作成するには、デスクトップで右クリックして、「デスクトップ」メニューを開きます。「新規フォルダ」を選択します。「未タイトル」のフォルダがデスクトップに追加されます。新しいフォルダの名前を入力して、Return キーを押します。フォルダが、新しい名前で表示されます。新しいフォルダは、デスクトップディレクトリに作成されます。

デスクトップからオブジェクトを取り除く

オブジェクトをデスクトップから取り除くには、そのオブジェクトを右クリックして、「ごみ箱へ移動」を選択します。または、オブジェクトをごみ箱にドラッグします。

デスクトップからオブジェクトを削除する

デスクトップからオブジェクトを削除すると、そのオブジェクトはごみ箱に移動せず、ただちにデスクトップから削除されます。「削除」メニュー項目は、Nautilus「設定」ダイアログで「ごみ箱を経由しない削除コマンドを含める」オプションを選択した場合にのみ利用可能です。

オブジェクトをデスクトップから削除するには、そのオブジェクトを右クリックして、「削除」を選択します。

デスクトップでのごみ箱の使用方法

Nautilus ごみ箱アイコンを示しています。

以下の項目は、ごみ箱に移動できます。

ごみ箱からファイルを取り出す場合は、ごみ箱の内容を表示して、ファイルをごみ箱から移動できます。ごみ箱を空にした場合は、ごみ箱内の項目は永久に削除されます。

ごみ箱を表示する

ごみ箱の内容は、次の方法で表示できます。

ごみ箱を空にする

ごみ箱の内容は、次の方法で空にできます。

「デスクトップ」メニューの使用方法

「デスクトップ」メニューを示します。この内容は図についての説明です。

「デスクトップ」メニューを開くには、デスクトップ上の空いているスペースで右クリックします。「デスクトップ」メニューを使用して、デスクトップ上で操作を実行できます。

表 8–3 に、「デスクトップ」メニューの項目を示します。

表 8–3 「デスクトップ」メニューの項目

メニュー項目 

機能 

「新規ウィンドウ」

ホームロケーションを表示する新しい Nautilus ウィンドウを開く

「新規フォルダ」

デスクトップの上に新しいフォルダオブジェクトを作成する。フォルダは、デスクトップディレクトリに作成される 

「新規端末」

GNOME 端末を起動する

「新規ランチャー」

デスクトップにランチャーを作成する。詳細については、デスクトップにランチャーを追加するを参照

「スクリプト」

実行できるスクリプトのサブメニューを開く 

「名前順に整理」

デスクトップ上のオブジェクトを、名前のアルファベット順に整理する 

「ファイルの切り取り」

フォルダまたはデスクトップから、選択した 1 つまたは複数のファイルを削除し、そのファイルをバッファに入れる 

「ファイルのコピー」

フォルダまたはデスクトップから、選択した 1 つまたは複数のファイルをコピーし、そのファイルをバッファに入れる 

「ファイルの貼り付け」

バッファ内の 1 つまたは複数のファイルを、選択したフォルダまたはデスクトップに置く 

「ディスク」

フロッピーディスクおよびほかのリムーバブルメディアをマウントできる 

「デスクトップの背景の変更」

デスクトップの背景設定ツールを起動して、デスクトップの背景を変更できる

「デフォルトの背景を使用」

「背景とエンブレム」ダイアログで最後に選んだパターンにデスクトップの背景を戻す。「背景とエンブレム」ダイアログには、Nautilus ウィンドウからアクセスできる

デスクトップのパターンまたは色の変更

ユーザー環境に応じて、デスクトップ背景のパターンまたは色を変更できます。Nautilus には、デスクトップ背景のルック&フィールを変更できる背景パターンと色があります。

デスクトップ背景のパターンまたは色は、次の方法を使用して変更できます。