デフォルトの設定では、Nautilus
ファイルマネージャは、デスクトップを管理します。デスクトップの管理に Nautilus
を使用しない場合、この章を読む必要はありません。この章は、Nautilus
デスクトップの使用方法について説明します。
デスクトップは、デスクトップ環境内のほかのすべてのコンポーネントの背後にあります。デスクトップは、ユーザーインターフェイスのアクティブコンポーネントです。デスクトップから、次の作業を実行できます。
アプリケーションを起動し、ファイルおよびフォルダを開く
デスクトップオブジェクトを追加すると、頻繁に使用するファイル、フォルダ、またはアプリケーションにアクセスしやすくなります。たとえば、デスクトップにアプリケーションランチャーを追加できます。頻繁に使用するファイルにシンボリックリンクを作成し、このリンクをデスクトップに追加できます。ファイルおよびフォルダをデスクトップに格納することもできます。
「デスクトップ」メニューを開く
デスクトップで右クリックし、「デスクトップ」メニューを開きます。「デスクトップ」メニューを使用して、デスクトップ上で操作を実行できます。
ごみ箱の使用
オブジェクトをごみ箱に移動したり、ごみ箱を空にしたりできます。
デスクトップ背景のカスタマイズ
デスクトップ背景のパターンまたは色をカスタマイズできます。
デフォルトでは、デスクトップに 3 つのオブジェクトがあります。
表 8–1 に、デスクトップ上のデフォルトオブジェクトの機能を説明します。
表 8–1 デフォルトデスクトップオブジェクトの機能
オブジェクト |
コンポーネント |
機能 |
---|---|---|
![]() |
ホーム |
|
![]() |
「ここからスタート」 |
GNOME デスクトップのいくつかの主要機能へのアクセスポイント |
![]() |
「GNOME の概要」 |
ヘルプブラウザウィンドウを開き、GNOME デスクトップに関する概要を表示する |
![]() |
ごみ箱 |
|
デスクトップオブジェクトは、デスクトップ上のアイコンで、ファイル、フォルダ、およびアプリケーションを開くときに使用します。デスクトップ上のすべてのオブジェクトは、デスクトップディレクトリに存在します。オブジェクトをデスクトップに移動すると、そのオブジェクトはこのディレクトリに移動します。ホームディレクトリをデスクトップディレクトリとして使用することもできます。
デフォルトでは、デスクトップに 3 つのオブジェクトがあります。デスクトップにオブジェクトを追加すると、頻繁に使用するファイル、フォルダ、およびアプリケーションにアクセスしやすくなります。たとえば、デスクトップにランチャーを追加して、頻繁に使用する特定のアプリケーションを開くことができます。
表 8–2 で、デスクトップに追加できるオブジェクトのタイプを説明します。
表 8–2 デスクトップオブジェクトのタイプ
デスクトップオブジェクトは、次の方法で変更できます。
オブジェクトのプロパティを表示する
オブジェクトの名前を変更する
オブジェクトのアクセス権を変更する
オブジェクトを表すアイコンを変更する
オブジェクトを表すアイコンのサイズを変更する
オブジェクトにエンブレムを追加する
以降の節では、デスクトップでのオブジェクトの操作方法について説明します。
デスクトップ上のオブジェクトを選択するには、そのオブジェクトをクリックします。複数のオブジェクトを選択する場合は、Ctrl キーを押したままで、選択するオブジェクトをクリックします。
デスクトップで範囲を選択することで、その範囲内のすべてのオブジェクトを選択することもできます。デスクトップ上でクリックしたまま、選択するオブジェクトが含まれる領域をドラッグします。クリックしたままでドラッグすると、選択する領域に灰色の長方形が表示されます。
複数の範囲を選択するには、Ctrl キーを押したままで、選択する範囲でドラッグします。
デスクトップオブジェクトを開くには、そのオブジェクトをダブルクリックします。または、オブジェクトを右クリックして、「開く」を選択します。オブジェクトを開くと、そのオブジェクトのデフォルトのアクションが実行されます。たとえば、オブジェクトがテキストファイルの場合、そのテキストファイルは Nautilus
ウィンドウで開かれます。ファイルタイプのデフォルトのアクションは、ファイルタイプとプログラム
設定ツールで指定されています。
オブジェクトのデフォルトのアクション以外のアクションを実行するには、オブジェクトを右クリックして、「他のもので開く」を選択します。「他のもので開く」サブメニューからアクションを選択します。
「他のもので開く」サブメニュー内の項目は、ファイルタイプとプログラム
設定ツールの次の部分の内容に対応します。
「ファイルタイプを編集」ダイアログの「デフォルトのアクション」ドロップダウンリスト
「ファイルタイプを編集」ダイアログの「ビューアコンポーネント」ドロップダウンリスト
Nautilus
ウィンドウの環境を設定することにより、ファイルを 1 度クリックするだけで初期値のアクションを実行できます。
デスクトップランチャーは、アプリケーションを起動したり、特定のファイル、フォルダ、または FTP サイトにリンクすることができます。
デスクトップにランチャーを追加するには、次の手順を実行します。
デスクトップで右クリックして、「新規ランチャー」を選択します。「ランチャーの作成」ダイアログが表示されます。
ランチャーのプロパティを「ランチャーの作成」ダイアログに入力する方法については、「パネルの操作」を参照してください。
ランチャー用に入力したコマンドは、デスクトップオブジェクトを使用したときに実行されるコマンドになります。以下の表に、いくつかのサンプル命令と実行されるアクションを示します。
サンプルコマンド |
アクション |
---|---|
gedit |
|
gedit /user123/loremipsum.txt |
|
nautilus /user123/Projects |
|
デスクトップにシンボリックリンクを作成して、次の操作を実行できます。
特定のアプリケーションで特定のファイルを開く
Nautilus
ウィンドウで特定のフォルダを開く
バイナリファイルまたはスクリプトを実行する
デスクトップでシンボリックリンクを作成するには、次の手順を実行します。
Nautilus
ウィンドウに、シンボリックリンクを作成するファイルまたはフォルダを表示します。
そのファイルまたはフォルダのシンボリックリンクを作成します。ファイルまたはフォルダのシンボリックリンクを作成するには、リンクを作成するファイルまたはフォルダを選択します。「編集」-> 「リンクを作成」を選択します。ファイルまたはフォルダのリンクが、現在のフォルダに追加されます。シンボリックリンクは、デフォルトの矢印エンブレム (すべてのシンボリックリンクに表示) によって識別できます。次の図に、ファイルのシンボリックリンクを示します。
デスクトップにシンボリックリンクをドラッグします。オブジェクトのアイコンがデスクトップに移動します。
以降の節では、デスクトップにファイルオブジェクトおよびフォルダオブジェクトを追加する方法について説明します。
ファイルまたはフォルダは、Nautilus
ウィンドウからデスクトップに移動できます。ファイルまたはフォルダをデスクトップに移動するには、次の手順を実行します。
Nautilus
ウィンドウを開きます。
表示区画で、移動するファイルまたはフォルダを表示します。
ファイルまたはフォルダをデスクトップへドラッグします。ファイルまたはフォルダのアイコンがデスクトップに移動します。ファイルまたはフォルダは、デスクトップディレクトリに移動します。
別の方法として、ファイルまたはフォルダを選択し、「編集」-> 「ファイルの切り取り」を選択します。任意のデスクトップオブジェクトを右クリックして、「ファイルの貼り付け」を選択します。
ファイルまたはフォルダは、Nautilus
ウィンドウからデスクトップにコピーできます。ファイルまたはフォルダをデスクトップに複写するには、次の手順を実行します。
Nautilus
ウィンドウを開きます。
表示区画で、移動するファイルまたはフォルダを表示します。
Ctrl キーを押したままで、ファイルまたはフォルダをデスクトップにドラッグします。ファイルまたはフォルダのアイコンが、デスクトップに追加されます。ファイルまたはフォルダは、デスクトップディレクトリにコピーされます。
別の方法として、ファイルまたはフォルダを選択し、「編集」-> 「ファイルのコピー」を選択します。任意のデスクトップオブジェクトを右クリックして、「ファイルの貼り付け」を選択します。
フォルダオブジェクトを作成するには、デスクトップで右クリックして、「デスクトップ」メニューを開きます。「新規フォルダ」を選択します。「未タイトル」のフォルダがデスクトップに追加されます。新しいフォルダの名前を入力して、Return キーを押します。フォルダが、新しい名前で表示されます。新しいフォルダは、デスクトップディレクトリに作成されます。
オブジェクトをデスクトップから取り除くには、そのオブジェクトを右クリックして、「ごみ箱へ移動」を選択します。または、オブジェクトをごみ箱にドラッグします。
デスクトップからオブジェクトを削除すると、そのオブジェクトはごみ箱に移動せず、ただちにデスクトップから削除されます。「削除」メニュー項目は、Nautilus
「設定」ダイアログで「ごみ箱を経由しない削除コマンドを含める」オプションを選択した場合にのみ利用可能です。
オブジェクトをデスクトップから削除するには、そのオブジェクトを右クリックして、「削除」を選択します。
以下の項目は、ごみ箱に移動できます。
ファイル
フォルダ
デスクトップオブジェクト
ごみ箱からファイルを取り出す場合は、ごみ箱の内容を表示して、ファイルをごみ箱から移動できます。ごみ箱を空にした場合は、ごみ箱内の項目は永久に削除されます。
ごみ箱の内容は、次の方法で表示できます。
デスクトップ
デスクトップのごみ箱オブジェクトをダブルクリックします。ごみ箱の内容が Nautilus
ウィンドウに表示されます。
Nautilus
ウィンドウ
「移動」-> 「ごみ箱」を選択します。ごみ箱の内容がウィンドウに表示されます。
ごみ箱の内容は、次の方法で空にできます。
デスクトップ
ごみ箱オブジェクトを右クリックして、「ごみ箱を空にする」を選択する
Nautilus
ウィンドウ
「ファイル」-> 「ごみ箱を空にする」を選択します。
「デスクトップ」メニューを開くには、デスクトップ上の空いているスペースで右クリックします。「デスクトップ」メニューを使用して、デスクトップ上で操作を実行できます。
表 8–3 に、「デスクトップ」メニューの項目を示します。
表 8–3 「デスクトップ」メニューの項目
メニュー項目 |
機能 |
---|---|
「新規ウィンドウ」 |
ホームロケーションを表示する新しい |
「新規フォルダ」 |
デスクトップの上に新しいフォルダオブジェクトを作成する。フォルダは、デスクトップディレクトリに作成される |
「新規端末」 |
|
「新規ランチャー」 |
デスクトップにランチャーを作成する。詳細については、デスクトップにランチャーを追加するを参照 |
「スクリプト」 |
実行できるスクリプトのサブメニューを開く |
「名前順に整理」 |
デスクトップ上のオブジェクトを、名前のアルファベット順に整理する |
「ファイルの切り取り」 |
フォルダまたはデスクトップから、選択した 1 つまたは複数のファイルを削除し、そのファイルをバッファに入れる |
「ファイルのコピー」 |
フォルダまたはデスクトップから、選択した 1 つまたは複数のファイルをコピーし、そのファイルをバッファに入れる |
「ファイルの貼り付け」 |
バッファ内の 1 つまたは複数のファイルを、選択したフォルダまたはデスクトップに置く |
「ディスク」 |
フロッピーディスクおよびほかのリムーバブルメディアをマウントできる |
「デスクトップの背景の変更」 |
|
「デフォルトの背景を使用」 |
「背景とエンブレム」ダイアログで最後に選んだパターンにデスクトップの背景を戻す。「背景とエンブレム」ダイアログには、 |
ユーザー環境に応じて、デスクトップ背景のパターンまたは色を変更できます。Nautilus
には、デスクトップ背景のルック&フィールを変更できる背景パターンと色があります。
デスクトップ背景のパターンまたは色は、次の方法を使用して変更できます。
別のウィンドウまたはダイアログのパターンまたは色を、デスクトップにドラッグする
デスクトップ背景が色の場合、デスクトップ背景色にグラデーション効果を用いることができます。グラデーション効果とは、ある色が別の色に徐々にブレンドされる視覚的効果のことです。デスクトップ背景にグラデーション効果を作成するには、画面の縁の 1 つに色をドラッグします。その色は、ドラッグを開始した縁から画面反対側の縁まで調和されます。
画面の縁にエッジパネルがないかどうかを確認してから、色を画面の縁にドラッグしてください。画面の縁にエッジパネルがある場合、そのパネルを隠してから色をドラッグする必要があります。
デスクトップ背景設定ツールを使用する
「背景とエンブレム」ダイアログから、背景のパターンまたは色を選択する。デスクトップ背景のパターンまたは色を変更するには、次の手順を実行する。
Nautilus
ウィンドウを開きます。
「編集」-> 「背景とエンブレム」を選択します。「背景とエンブレム」ダイアログが表示されます。
背景に使用できるパターンのリストを表示するには、「パターン」ボタンをクリックします。背景に使用できる色のリストを表示するには、「色」ボタンをクリックします。
デスクトップ背景をパターンに変更するには、そのパターンをデスクトップ背景にドラッグします。デスクトップ背景を色に変更するには、その色をデスクトップ背景にドラッグします。
「閉じる」をクリックして、ダイアログを閉じます。