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Sun ONE Message Queue 管理者ガイド |
第 4 章 管理コンソールのチュートリアル
この章では、MQ メッセージサーバのグラフィカルインタフェースである、管理コンソールの使用方法を説明します。用意されているチュートリアルでは、次の作業を実行する方法を説明します。
ブローカを起動し、コンソールを使用してブローカに接続し、管理する
チュートリアルは、送信先や、単純 JMS 準拠のアプリケーションである SimpleJNDIClient の実行に必要な管理対象オブジェクトを設定するように作成されています。チュートリアルの最後の部分では、このアプリケーションを実行します。このチュートリアルでは、主に管理コンソールを使用して、基本的な管理タスクを実行します。このチュートリアルは、『MQ 開発者ガイド』や、『管理者ガイド』のほかの章とは内容が異なります。
一部の MQ 管理タスクは、グラフィカルツールを使用しても実行できない場合があります。この場合、コマンド行ユーティリティを使用して、次のように実行する必要があります。
特定のブローカプロパティを設定する
ブローカクラスタを作成する
- 一部のブローカプロパティは、管理コンソールを使用しても設定できません。これらのプロパティは、第 5 章「ブローカの起動と設定」や「ブローカの更新」の手順を実行すると、設定されます。
ユーザのデータベースを管理する
- 詳細は、「ブローカクラスタの操作」を参照してください。
- 詳細は、「ユーザの認証」を参照してください。
準備
このチュートリアルを開始する前に、MQ 製品をインストールする必要があります。詳細は、『MQ インストールガイド』を参照してください。このチュートリアルは Windows を基準にしており、Unix ユーザへの注意点が追加される形で解説されているので注意してください。このチュートリアルでは、「アイテム 1」>「アイテム 2」>「アイテム 3」と表記されている場合、「アイテム 1」というメニューをプルダウンし、メニューから「アイテム 2」を選択した後、「アイテム 2」で提供される選択肢から「アイテム 3」を選択することを意味します。
管理コンソールを起動する
管理コンソールは、次の作業を行うときに使用するグラフィカルツールです。
ブローカに対する参照やコネクションを作成する
ブローカがメッセージの配信に使用する、物理的送信先をブローカに作成する
MQ 管理対象オブジェクトを配置したオブジェクトストアに接続する
- 管理対象オブジェクトにより、JMS 準拠アプリケーションのメッセージングの要求を管理できます。詳細は、「MQ 管理対象オブジェクト」を参照してください。
「スタート」>「プログラム」>「Message Queue 3.0」>「Administration」の順に選択します。
チュートリアルには完全な情報が記載されているわけではないので、まず管理コンソールに関するヘルプ情報の使い方を理解しておきましょう。
コンソールのウィンドウの確認に数秒かかります。
- コンソールのウィンドウが表示されるまで、数秒かかることがあります。
- Windows 以外のユーザは、コマンドプロンプトで次のコマンドを入力します。
- $IMQ_HOME/bin/imqadmin (Solaris では、/usr/bin/imqadmin)
- コンソールは、一番上にメニュー、メニューのすぐ下にツールバー、左側にナビゲーションのペイン、右側にそれより大きいペイン (この図では Sun ONE Message Queue 製品を表すグラフィックが表示されている)、および一番下に状態のペインという構成になっています。
ヘルプを利用する
ヘルプメニューは、メニューバーの一番右にあります。
ヘルプメニューをプルダウンして、「Overview (概要)」を選択します。ヘルプウィンドウが表示されます。
ヘルプウィンドウの内容ペインを見ます。概要、オブジェクトストアの管理、ブローカの管理という 3 つの領域でトピックが構成されています。それぞれの領域に、ファイルやフォルダがあります。各フォルダには、複数タブのついたダイアログのヘルプがあり、各ファイルにはダイアログ、またはタブが 1 つだけのヘルプがあります。
- ヘルプ情報の構成を確認します。左のペインには目次が表示され、右のペインには左の目次で選択したアイテムの内容が表示されます。
- ヘルプウィンドウの右のペインを確認します。これは管理コンソールの構成図で、コンソールの各ペインの使用方法を表しています。
ヘルプウィンドウの目次のペインにある、「Add Broker (ブローカを追加)」アイテムをクリックします。
- 最初に行うコンソールの管理タスクは、「ブローカの追加」に示すように、コンソールを使用して管理するブローカへの参照を作成することです。ただし、開始する前に、オンラインヘルプの情報を確認します。
ヘルプテキストを読みます。
- 目次のペインが変更されています。ここには、ブローカを追加するとはどういうことかを説明するテキストと、「Add Broker (ブローカを追加)」ダイアログにある各フィールドの使用方法が表示されます。フィールド名は、太字で表示されます。
ブローカを操作する
ブローカには、MQ メッセージングシステムの配信サービスが用意されています。メッセージ配信は 2 階層のプロセスで、まずメッセージはブローカの物理的送信先に配信され、次に 1 つまたは複数のコンシュームするクライアントに配信されます。
ブローカの起動と設定
ブローカは、アプリケーションクライアントと管理クライアントの両方との通信をサポートしています。このサポートはさまざまなコネクションサービスを使用して行われ、任意のコネクションサービスまたはすべてのコネクションサービスを実行するようにブローカを設定できます。コネクションサービスについての詳細は、「コネクションサービス」を参照してください。
管理コンソールまたは imqcmd コマンドを使用して、ブローカとそのサービスを管理する
- ブローカの起動は、Windows の「スタート」>「プログラムメニュー」または imqbrokerd コマンドを使用または行います。imqbrokerd コマンドを使用する場合、コマンド行オプションを利用してブローカの設定情報を指定できます。「プログラムメニュー」を使用する場合、コンソールまたは第 5 章「ブローカの起動と設定」にある別の方法を使用して、設定情報を指定できます。
ブローカの起動
管理コンソールを使用してブローカを起動することはできません。ブローカは、次の方法で起動します (第 5 章「ブローカの起動と設定」を参照)。
「スタート」>「プログラム」>「Message Queue 3.0」>「Broker (ブローカ)」の順に選択します。
管理コンソールでブローカへの参照を追加する前に、ブローカを起動する必要はありませんが、接続する前にはブローカを起動する必要があります。管理コンソールのウィンドウに戻ります。これで Console にブローカを追加し、接続する準備ができました。
ブローカの追加
ブローカを追加すると、そのブローカへの参照が管理コンソール内に作成されます。ブローカを追加したあと、そのブローカへ接続できます。
ナビゲーションペインの「Brokers (ブローカ)」をクリックし、「Add Broker (ブローカを追加)」を選択します。
「Broker Label (ブローカのラベル)」フィールドに MyBroker と入力します。
「OK」をクリックして、ブローカを追加します。
- これにより、管理コンソールでブローカを識別するラベルが作成されます。
- ダイアログで指定されたデフォルトのホスト名 (localhost) と、プライマリポート (7676) を控えておきます。あとで、クライアントがこのブローカへのコネクションを設定するのに必要なコネクションファクトリを設定するときに、この値を指定する必要があります。
- 「Password (パスワード)」フィールドは空欄のままにしておきます。パスワードは、コネクションを実行するときに指定したほうがより安全です。
「MyBroker」を右クリックし、ポップアップメニューから「Properties (プロパティ)」を選択します。
- ナビゲーションペインを見ます。追加したブローカが、「Brokers (ブローカ)」の下に一覧表示されています。ブローカアイコンの上についている赤い×印は、そのブローカが現在コンソールに接続されていないことを表しています。
- ブローカのプロパティダイアログが表示されます。このダイアログを使用して、ブローカの追加時に指定したプロパティを更新できます。
管理者パスワードの変更
ブローカを追加した際、パスワードを指定しなかった場合は、ブローカに接続するときにパスワードが要求されます。セキュリティを高めるために、接続前にデフォルトの管理者パスワード (admin) を変更することをお勧めします。
コマンドプロンプトウィンドウを開くか、あるいはすでに開かれている場合は、最前面に置きます。
変更は直ちに反映されます。MQ コマンド行ユーティリティや管理コンソールを使用するときは必ず、この新しいパスワードを指定する必要があります。次のようにコマンドを入力します。ただし、abracadabra には自分のパスワードを入力します。ここで指定したパスワードが、デフォルトのパスワード admin に置き換わります。
- imqusermgr update -u admin -p abracadabra
- (Solaris および Linux では、この操作を行うには root である必要があります。)
クライアントは、管理者と異なるコネクションサービスを使用しますが、デフォルトのユーザ名とパスワードが割り当てられているため、詳細な管理の設定を行わなくても MQ をテストできます。デフォルトでは、クライアントは guest というパスワードを持つ guest というユーザとしてブローカに接続できます。ただし、できるだけ早くクライアントに安全なユーザ名とパスワードを設定してください。詳細は、「ユーザの認証」を参照してください。
「MyBroker」を右クリックし、「Connect to Broker (ブローカに接続)」を選択します。
ブローカに接続後、「Actions (アクション)」メニューを選択すると、ブローカに関する情報の入手、ブローカの停止、再開、シャットダウン、再起動、およびブローカからの切断を実行できます。「Password (パスワード)」フィールドに admin または「管理者パスワードの変更」でパスワードに指定した値を入力します。
「OK」をクリックして、ブローカに接続します。
- ユーザ名の admin を指定し、正しいパスワードを入力すると、管理者権限でブローカに接続します。
コネクションサービスを表示する
ブローカは、提供するコネクションサービスと、サポートする物理的送信先とで識別されます。
ナビゲーションペインで「Services (サービス)」を選択します。
結果ペインにある jms サービスをクリックして選択します。
「Actions (アクション)」メニューをプルダウンして、強調表示されているアイテムを確認します。
「Actions (アクション)」メニューから「Properties (プロパティ)」を選択します。
- jms サービスを停止したり、プロパティを表示、更新したりするオプションがあります。
「OK」をクリックするか、あるいは「Cancel (取消し)」をクリックして、「Service Properties (サービスのプロパティ)」ダイアログを閉じます。
「Actions (アクション)」メニューをプルダウンします。
「Actions (アクション)」>「Properties (プロパティ)」の順に選択し、admin サービスのプロパティを表示します。
- このサービスを停止することはできませんので注意してください (停止アイテムは無効)。admin サービスとは、ブローカへの管理者のリンクです。これを停止すると、ブローカに接続できなくなります。
ブローカに物理的送信先を追加する
ブローカに物理的送信先を明示的に作成して、JMS 準拠のアプリケーションが正常に実行されるようにする必要があります。ブローカの送信先自動作成が有効になっていて、物理的送信先を動的に作成できる場合は、これを作成する必要はありません。送信先の自動作成は、開発環境で利用できます。ただし、運用設定では、送信先の自動作成を無効にして、明示的に作成した物理的送信先をブローカが使用することをお勧めします。そうすることにより、管理者は、ブローカが使用している送信先を十分に認識できます。
imq.autocreate.topic または imq.autocreate.queue プロパティを設定して、ブローカの自動作成送信先の追加を制御できます。詳細は、「自動作成 (および管理者によって作成) された送信先」を参照してください。
ここでは、ブローカに物理的送信先を追加します。送信先に割り当てた名前を控えておきます。あとでこの物理的送信先に対応する、管理対象オブジェクトを作成するときに必要となります。
「MyBroker」の「Destinations (送信先)」ノードを右クリックし、「Add Broker Destination (ブローカの送信先を追加)」を選択します。
「Destination Name (送信先名)」フィールドに MyQueueDest と入力します。
選択されていない場合は、「Queue (キュー)」ラジオボタンを選択します。
「Queue Delivery Policy (キュー配信ポリシー)」で「Single (シングル)」が選択されていることを確認します。
- 送信先が結果ペインに表示されます。
物理的送信先を操作する
ブローカに物理的送信先を追加すると、次のタスク実行できるようになります。
「MyBroker」の「Destination (送信先)」を選択します。
「Actions (アクション)」>「Properties (プロパティ)」の順に選択します。
「Cancel (取消し)」をクリックしてダイアログを閉じます。
メッセージをパージすると、メッセージが削除されたあとに空の送信先が残ります。送信先の削除を行うと、その送信先にあるメッセージがパージされたあと、送信先も削除されます。
トピック送信先に関する情報を取得する
トピック送信先に関するダイアログには、永続サブスクリプションに関する情報が一覧になった追加タブがあります。
オブジェクトストアを操作する
オブジェクトストアは、LDAP ディレクトリサーバまたはファイルシステムストア (ファイルシステムにあるディレクトリ) であっても、MQ 管理対象オブジェクトを格納するために使用されます。MQ 管理対象オブジェクトは、クライアントアプリケーションが使用するオブジェクトに関する MQ 固有の実装と設定情報をカプセル化します。クライアントコード内で管理対象オブジェクトをインスタンス化および設定することは可能ですが、管理者がこれらのオブジェクトを作成、および設定して、クライアントアプリケーションが標準 JMDI 検索コードを介してアクセスできるオブジェクトストアに格納することをお勧めします。これにより、クライアントコードはプロバイダに依存しなくなります。
管理対象オブジェクトについては、「MQ 管理対象オブジェクト」を参照してください。
管理コンソールを使用して、オブジェクトストアを作成することはできません。まず、次の節で説明する操作を行う必要があります。
オブジェクトストアを追加する
オブジェクトストアを追加すると、管理コンソールにある既存のオブジェクトストアへの参照が作成されます。この参照は、コンソールを終了して、再起動しても保持されます。
C ドライブに Temp という名前のフォルダが存在しない場合は、ここで作成します。
「Object Stores (オブジェクトストア)」で右クリックし、「Add Object Store (オブジェクトストアを追加)」を選択します。
- このチュートリアルで使用するサンプルアプリケーションでは、オブジェクトストアが C ドライブの Temp というフォルダにあることが前提になっています。一般には、ファイルシステムオブジェクトストアは、任意のドライブの任意のディレクトリに置くことができます。
- Windows 以外では、既存の /tmp ディレクトリを使用します。
「ObjectStoreLabel (オブジェクトストアのラベル)」フィールドに「MyObjectStore」と入力します。
「Name (名前)」プルダウンメニューから、java.naming.factory.initial を選択します。
- ここでは、管理コンソールにあるオブジェクトの表示用のラベルが設定されるだけです。
- 次の手順では、JNDI の名前と値の組み合わせを入力する必要があります。これらの組み合わせは、JMS 準拠のアプリケーションが管理対象オブジェクトを検索するときに使用されます。
「Value (値)」フィールドに、次のように入力します。
- このプロパティで、どの JNDI サービスプロバイダを使用するかを指定できます。たとえば、ファイルシステムサービスプロバイダ、または LDAP サービスプロバイダです。
「Add (追加)」ボタンをクリックします。
- com.sun.jndi.fscontext.RefFSContextFactory
- これは、ファイルシステムストアを使用することを表しています (LDAP ストアの場合は、com.sun.jndi.ldap.LdapCtxFactory と指定する)
- 運用環境では、オブジェクトストアとして LDAP ディレクトリサービスを使用する場合があります。サーバの設定と JNDI 検索については、「オブジェクトストアの属性」を参照してください。
「Name (名前)」プルダウンメニューから、java.naming.provider.url を選択します。
- プロパティの要約ペインにプロパティとその値が一覧表示されます。
「Value (値)」フィールドに、次のように入力します。
- このプロパティで、オブジェクトストアの正確な場所を指定できます。ファイルシステムのオブジェクトストアでは、これが既存のディレクトリ名になります。
「Add (追加)」ボタンをクリックします。
- file:///C:/Temp
- Windows 以外では、file:///tmp を指定します。
「OK」をクリックして、オブジェクトストアを追加します。
- プロパティの要約ペインにプロパティとその値がともに一覧表示されます。LDAP サーバを使用している場合、認証情報も指定する必要があります。ファイルシステムストアでは、認証情報の指定は必要ありません。
MyObjectStore ノードがナビゲーションペインで選択されていない場合は、ここで選択します。
オブジェクトストアプロパティを確認する
管理コンソールがオブジェクトストアから切断されている間は、オブジェクトストアのプロパティの一部を確認および変更できます。
ナビゲーションペインの「MyObjectStore」を右クリックします。
ポップアップメニューから「Properties (プロパティ)」を選択します。
「OK」をクリックするか、「Cancel (取消し)」をクリックして、ダイアログを終了します。
- オブジェクトストアを追加したときに指定した、すべてのプロパティを示すダイアログが表示されます。任意のプロパティを変更し、「OK」をクリックして古い情報を更新します。
オブジェクトストアに接続する
オブジェクトストアにオブジェクトを追加する前に、まずオブジェクトストアに接続する必要があります。
ナビゲーションペインの「MyObjectStore」を右クリックします。
ポップアップメニューから「Connect to Object Store (オブジェクトストアに接続)」を選択します。
- オブジェクトストアのアイコンに X がついていないことを確認します。これで、コネクションファクトリや送信先のオブジェクトを、オブジェクトストアに追加できます。
コネクションファクトリ管理対象オブジェクトを追加する
管理コンソールを使用して、コネクションファクトリを作成および設定できます。コネクションファクトリは、クライアントコードがブローカに接続するときに使用されます。コネクションファクトリを設定すると、作成するときに使用されるコネクションの動作を制御できます。コネクションファクトリの設定については、オンラインヘルプと『MQ 開発者ガイド』を参照してください。
まだ接続されていない場合は、MyObjectStore に接続します (「オブジェクトストアに接続する」を参照)。
「Connection Factories (コネクションファクトリ)」ノードを右クリックし、「Add Connection Factory Object (コネクションファクトリオブジェクトを追加)」を選択します。
「LookupName (検索名)」フィールドに「MyQueueConnectionFactory」という名前を入力します。
プルダウンメニューから「QueueConnectionFactory」を選択し、コネクションファクトリのタイプを指定します。
- この名前は、次のコマンド行のように SimpleAdmin.java からコネクションファクトリを検索するときにクライアントコードが使用する名前です。
- qcf=(javax.jms.QueueConnectionFactory)
ctx.lookup("MyQueueConnectionFactory")
「Broker Host Name (ブローカのホスト名)」フィールドと「Broker Host Port (ブローカのホストのポート)」フィールドに、クライアントが接続しようとしているブローカのホスト名とポートを入力します。
このダイアログのタブをクリックして、コネクションファクトリの設定可能な情報の種類を確認します。「Add Connection Factory Object (コネクションファクトリオブジェクトを追加)」ダイアログの右側下部にある「Help (ヘルプ)」ボタンを使用して、それぞれのタブの情報を確認します。ここでは、デフォルト値を変更しないでください。
- このチュートリアルでは、クライアントはデフォルトのブローカ、つまりポート 7676 の localhost にあるブローカに接続するため、これらのフィールドを変更する必要はありません。
送信先管理対象オブジェクトを追加する
送信先管理対象オブジェクトは、ブローカーの物理的送信先に関係しています。送信先管理対象オブジェクトは送信先を指すので、プロバイダ固有の送信先の命名方法および設定方法に関係なく、クライアントは物理的送信先を検索できます。JMS クライアントはメッセージを送信するときに、送信先管理対象オブジェクトを検索 (またはインスタンス化) し、JMS API の send() メソッドの送信先管理対象オブジェクトを参照します。ブローカは、その管理対象オブジェクトに関連する物理的送信先へのメッセージの配信に責任を持ちます。
その管理対象オブジェクトに関連する物理的送信先を作成した場合、ブローカはその物理的送信先にメッセージを配信する
チュートリアルの次の部分では、これまでに追加した物理的送信先に対応する管理対象オブジェクトを追加します。物理的送信先を作成せず、物理的送信先の自動作成が有効になっている場合、ブローカ自身が物理的送信先を作成し、その送信先にメッセージを配信する
物理的送信先を作成せず、物理的送信先の自動作成が無効になっている場合、ブローカは物理的送信先を作成できず、メッセージも配信できない
ナビゲーションペインの「Destinations (送信先)」ノードを右クリックします。
「Add Destination Object (送信先オブジェクトを追加)」を選択します。
「Lookup Name (検索名)」フィールドに MyQueue と入力します。
「Destination Type (送信先タイプ)」の「Queue (キュー)」ラジオボタンを選択します。
- 検索名は、JNDI 検索呼び出しを使用しているオブジェクトを検索するのに使用されます。サンプルアプリケーションでは、呼び出しは次のとおりです。
- queue=(javax.jms.Queue)ctx.lookup("MyQueue");
「Destination Name (送信先名)」フィールドに MyQueueDest と入力します。
「OK」をクリックします。
- この名前は、ブローカに物理的送信先を追加したときに指定した名前です。
ナビゲーションペインの「Destinations (送信先)」を選択し、追加したキュー管理対象オブジェクトに関する情報がどのように結果のペインに表示されているかを確認します。
管理対象オブジェクトのプロパティ
管理対象オブジェクトのプロパティを表示または更新するには、ナビゲーションペインにある「Destinations (送信先)」または「Connection Factories (コネクションファクトリ)」を選択し、結果ペインで特定のオブジェクトを選択してから、「Actions (アクション)」>「Properties (プロパティ)」の順に選択します。
ナビゲーションペインで「Destinations (送信先)」を選択します。
「Actions (アクション)」>「Properties (プロパティ)」の順に選択し、「Destination Object Properties (送信先オブジェクトのプロパティ)」ダイアログを表示します。
コンソール情報を更新する
オブジェクトストアを操作している場合も、ブローカを操作している場合も、「View (表示)」>「Refresh (更新)」の順に選択すると、あらゆる要素または要素グループの視覚的表示を更新できます。
サンプルアプリケーションを実行する
このチュートリアルには、SimpleJNDIClient というサンプルアプリケーションが用意されています。このサンプルアプリケーションでは、チュートリアルのこれまでの部分で作成した、MyQueueDest という名前のキュー送信先、MyQueueConnectionFactory という名前のキューコネクションファクトリ管理対象オブジェクト、および MyQueue という名前のキュー管理対象オブジェクトが使用されます。コードでは 1 つの送信者と受信者が作成され、「Hello World」メッセージが送受信されます。
SimpleJNDIClient アプリケーションを実行するには
JAVA_HOME 環境変数が、JDK のインストールされたディレクトリを指していることを確認します。
SimpleJNDIClient アプリケーションを含むディレクトリを現在のディレクトリにします。たとえば、次のように指定します。
CLASSPATH 変数を設定して、jar ファイル (jms.jar、imq.jar、fscontext.jar、および providerutil.jar) と、SimpleJNDIClient.java が存在する現在のディレクトリを含めます。
- cd IMQ_HOME/demo/jms (Solaris では /usr/demo/imq/jms)
- SimpleJNDIClient.class ファイルがない場合、または変更後にアプリケーションをコンパイルする必要がある場合は、『MQ 開発者ガイド』の「クイックスタートチュートリアル」にある手順に従ってください。
アプリケーションを実行する前に、ソースファイルの SimpleJNDIClient.java を開き、一通り読んでおきます。
- JDK 1.3 またはそれ以前のものを使用している場合、jndi.jar も含める必要があります。
SimpleJNDIClient アプリケーションを実行します
- このファイルには短いながら詳細な説明が用意されており、チュートリアルを使用して作成した管理対象オブジェクトや送信先を使用する方法が明確に理解できます。
- C:> java SimpleJNDIClient (Windows の場合)
- % java SimpleJNDIClient file:///tmp (Windows 以外の場合)
- アプリケーションが問題なく実行されると、次の出力があります。
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最終更新日 2002 年 6 月 19 日