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Sun Java System Identity Synchronization for Windows 1 2004Q3 インストールおよび設定ガイド 

第 3 章
コアのインストール

この章では、Identity Synchronization for Windows のインストールプログラムの使用方法と、Identity Synchronization for Windows コアコンポーネントのインストール方法について説明します。

この章で説明する内容は次のとおりです。


はじめに

Identity Synchronization for Windows のインストールプロセスを開始する前に、次の事項を確認してください。


インストールプログラムの起動

ここでは、Identity Synchronization for Windows のインストールプログラムを次のプラットフォームでダウンロード、展開 (解凍)、実行する方法について説明します。

Solaris SPARC 環境

Solaris SPARC オペレーティングシステムで Identity Synchronization for Windows のインストールプログラムを準備および実行する手順は、次のとおりです。

  1. ルートとしてログインします。
  2. # mkdir isw12004Q3 と入力して新しいディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します (cd)。
  3. 製品のバイナリファイル (isw-12004Q3.sparc-sun-solaris.tar.gz) をインストールディレクトリにダウンロードしていない場合は、ダウンロードします。
  4. 次のコマンドを使用して、製品のバイナリファイルを展開します。
  5. # gunzip -dc isw-12004Q3.sparc-sun-solaris.tar.gz | tar -xvof -

  6. isw12004Q3 ディレクトリから installer ディレクトリに移動し、./runInstaller.sh と入力してインストールプログラムを実行します。

  7. インストールプログラムをテキストベースモードで実行するには、次のように入力します。

    ./runInstaller.sh -nodisplay

    runInstaller.sh プログラムを実行した場合、パスワードがクリアテキストとしてエコーされないように、Identity Synchronization for Windows はパスワードを自動的にマスクします。


Solaris x86 環境

Solaris x86 オペレーティングシステムで Identity Synchronization for Windows のインストールプログラムを準備および実行する手順は、次のとおりです。

  1. ルートとしてログインします。
  2. # mkdir isw12004Q3 と入力して新しいディレクトリを作成し、そのディレクトリに移動します (cd)。
  3. 製品のバイナリファイル (isw-12004Q3.x86-sun-solaris.tar.gz) をダウンロードしていない場合は、インストールディレクトリにダウンロードします。
  4. 次のコマンドを使用して、製品のバイナリファイルを展開します。
  5. # gunzip -dc isw-12004Q3.x86-sun-solaris.tar.gz | tar -xvof -

  6. isw12004Q3 ディレクトリから installer ディレクトリに移動し、./runInstaller.sh と入力してインストールプログラムを実行します。

  7. インストールプログラムをテキストベースモードで実行するには、次のように入力します。

    ./runInstaller.sh -nodisplay

    runInstaller.sh プログラムを実行した場合、パスワードがクリアテキストとしてエコーされないように、Identity Synchronization for Windows はパスワードを自動的にマスクします。


Windows 環境

Windows オペレーティングシステムで Identity Synchronization for Windows のインストールプログラムを準備および実行する手順は、次のとおりです。

  1. 管理者としてログインします。
  2. # mkdir isw12004Q3 と入力し、新しいディレクトリを作成します。
  3. isw12004Q3 ディレクトリに移動します (cd)。
  4. 製品のバイナリファイル (isw-12004Q3-windows.zip) をダウンロードしていない場合は、インストールディレクトリにダウンロードします。
  5. isw-12004Q3-windows.zip ファイルを空のディレクトリで解凍します。
  6. isw12004Q3 ディレクトリから installer ディレクトリに移動し (cd)、setup.exe と入力してインストールプログラムを実行します。
  7. Identity Synchronization for Windows のインストールウィザードが表示されます。


    コアは管理サーバーのルートにインストールされるため、ウィザードの一部のパネルでは、インストールに必要なほとんどの情報 (ディレクトリパスや名前など) が Identity Synchronization for Windows によって自動的に検出され、フィールドに入力されます。

    情報が不足していたり、誤っていたりする場合は、必要な情報を手動で入力できます。


次の節では、コアのインストール方法について説明します。


コアのインストール

ここでは、Solaris と Windows の両方のオペレーティングシステムに Identity Synchronization for Windows コアをインストールする手順について説明します。

コアをインストールする前に、次の要件に注意してください。

インストールウィザードを使用して、Identity Synchronization for Windows コアコンポーネントを次のようにインストールします。

  1. 「ようこそ」画面が表示されたら、そこに示される情報を読み、「次へ」をクリックして「ソフトウェアライセンス契約書」パネルに進みます。
  2. ライセンス契約書を読み、次のいずれかを選択します。
    • はい (ライセンス契約書に同意する): ライセンスの条項に同意し、次のパネルに移動する
    • いいえ : セットアッププロセスを中止し、インストールプログラムを終了する
  3. 「設定ディレクトリの位置」パネル (図 3-1) が表示されるので、設定ディレクトリの位置を指定します。
  4. 図 3-1 設定ディレクトリの位置の指定
    設定ディレクトリのホスト名、ポート、ルートサフィックスを入力します。

    次の情報を指定します。

    • 設定ディレクトリホスト : Identity Synchronization for Windows の設定情報が格納される Sun Java System Directory Server インスタンス (管理サーバーに属する) の完全修飾ドメイン名を入力する
    • ローカルマシン上のインスタンス、または別のマシンで稼動するインスタンスを指定できる


      無効なクレデンシャルやホスト名の警告を回避するために、インストールプログラムが稼動するマシンに DNS 解決できるホスト名を指定してください。


    • 設定ディレクトリポート : 設定ディレクトリがインストールされているポートを指定する。デフォルトポートは 389
    • セキュリティ保護された通信を有効にするには、「セキュアポート」オプションにチェックマークを付け、SSL ポートを指定する。デフォルトの SSL ポートは 636

      設定ディレクトリで SSL が有効であることを一度プログラムが検出すると、Identity Synchronization for Windows のすべてのコンポーネントは設定ディレクトリとの通信に SSL を使用するようになる


      設定 Directory Server に送信する前に、Identity Synchronization for Windows は、機密性のある設定情報を暗号化します。

      ただし、コンソールと設定ディレクトリの間に転送の暗号化を追加する場合は、管理サーバーと設定 Directory Server の両方で SSL を有効にします。次に、Directory Server コンソールを認証させる管理サーバーとの間に安全な接続を設定します。詳細については『Sun Java System Administration Server 5 2005Q1 Administration Guide』を参照してください。


    • 設定ルートサフィックス : Identity Synchronization for Windows の設定情報の格納先となるルートサフィックスをメニューから選択する

    • プログラムがルートサフィックスを検出できず、情報を手動で入力する必要がある場合、またはデフォルト値を変更する場合は、「更新」をクリックし、ルートサフィックスのリストを再生成する必要があります。設定 Directory Server 上に存在するルートサフィックスを指定してください。


  5. 「次へ」をクリックし、「設定ディレクトリのクレデンシャル」パネルを開きます。
  6. 図 3-2 管理者のクレデンシャルを入力します。
    管理者のクレデンシャルの指定

  7. 設定ディレクトリの管理ユーザー ID とパスワードを入力します。
    • ユーザー ID として admin を指定した場合は、ユーザー ID を DN として指定する必要はない
    • それ以外のユーザー ID を指定した場合は、ID を完全 DN として指定する必要がある
      たとえば、cn=Directory Manager のように指定する

    • 設定ディレクトリとの通信に SSL を使用しない場合 (手順 3 を参照)、これらのクレデンシャルは暗号化されずに送信されます。


  8. 操作が完了したら、「次へ」をクリックして「設定パスワード」パネルを開きます。
  9. 図 3-3 設定パスワードを入力します。
    設定パスワードの指定

  10. クレデンシャルのように機密性のある設定情報を暗号化するときに使用されるパスワードを入力し、同じ内容をもう一度入力することでそれを確認する必要があります。完了したら「次へ」をクリックします。

  11. 次の処理を行う場合に必要となるため、このパスワードを覚えておいてください。

    • Identity Synchronization for Windows コンソールにアクセスする
    • 設定を作成または編集する
    • コンポーネントをインストールする
    • コマンド行ユーティリティを実行する

    設定パスワードの変更については、「changepw の使用」を参照してください。


    「Java ホームを選択します」パネル (図 3-4) が表示されます。インストールしたコンポーネントが使用する Java 仮想マシンのディレクトリ位置が自動的に挿入されます。

    図 3-4 Java ホームディレクトリの指定
    JAVA_HOME の指定

  12. Java ホームディレクトリが JDK/JRE 1.4.2_04 以降であることを確認します。
    • 指定した位置が正しければ、「次へ」をクリックして「インストールディレクトリの選択」パネル (図 3-5) に進む
    • 指定された位置に誤りがある場合は、「ブラウズ」ボタンをクリックし、Java がインストールされているディレクトリを検索して選択する。たとえば、次のようなディレクトリを指定する
      • Solaris 環境 : /var/java
      • Windows 環境 : C:¥Program Files¥j2sdk1.4.2_04
      • 図 3-5 インストールディレクトリの指定
        サーバールートディレクトリ、インストールディレクトリ、インスタンスディレクトリを入力します。

  13. 表示されるテキストフィールドに次の情報を入力するか、「ブラウズ」をクリックして使用できるディレクトリを検索し、選択します。
    • サーバールートディレクトリ : Directory Server のインストールサーバールートのパスとディレクトリ名を指定する。コンソールはここにインストールされる

    • Windows オペレーティングシステムで使用できるサーバールートディレクトリは 1 つだけであるため、すべての製品はここにインストールされます。


    • インストールディレクトリ (コアを Solaris 環境にインストールする場合にだけ適用): インストールディレクトリのパスとディレクトリ名を指定する。コアバイナリ、ライブラリ、実行可能ファイルは、このディレクトリにインストールされる
    • インスタンスディレクトリ (コアを Solaris 環境にインストールする場合にだけ適用): インスタンスディレクトリのパスとディレクトリ名を指定する。ログファイルなど、変化する設定情報は、このディレクトリに格納される
  14. 「次へ」をクリックし、「Message Queue の設定」パネルに進みます。

  15. Identity Synchronization for Windows のインストールを開始する前に、Message Queue 3.5 SP1 Enterprise Edition をインストールしておく必要があります。

    Solaris システムだけに適用 : Message Queue と Identity Synchronization for Windows を同じディレクトリにインストールしないでください。

    Windows システムだけに適用 : コアのインストールを継続する前に、開いているすべての「サービス」コントロールパネルウィンドウを閉じないと、コアのインストールは失敗します。


    図 3-6 Message Queue の設定
    インストールディレクトリ、設定ディレクトリ、ローカルホスト名、ブローカポート番号を入力します。

  16. 表示されるテキストフィールドに次の情報を入力するか、「ブラウズ」をクリックして使用できるディレクトリを検索し、選択します。
    • インストールディレクトリ : Message Queue インストールディレクトリのパスを指定する
    • 設定ディレクトリ : Message Queue インスタンスディレクトリのパスとディレクトリ名を指定する
    • 完全修飾ローカルホスト名 : ローカルホストマシンの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定する。1 つのホストで稼動できる Message Queue ブローカインスタンスは 1 つだけである
    • ブローカポート番号 : Message Queue ブローカが使用する未使用のポート番号を指定する。デフォルトポートは 7676
  17. 「次へ」をクリックし、「インストール準備完了」パネルを表示します。
  18. このパネルには、コアのインストール先ディレクトリや、コアのインストールに必要なディスク容量など、インストールに関する情報が表示されます。

    • 表示される情報が正しければ、「すぐにインストール」をクリックしてコアコンポーネントをインストールする。バイナリ、ファイル、パッケージはここにインストールされる
    • 情報に誤りがある場合は、「戻る」をクリックして変更を加える
    • 「インストールしています」というメッセージが表示され、すぐに「コンポーネントの設定」パネルが表示されます。インストールプログラムは、指定した設定 Directory Server に設定データを追加します。この動作には次の処理が含まれます。

    • Message Queue ブローカインスタンスの作成
    • 設定ディレクトリへのスキーマのアップロード
    • 設定ディレクトリへの配備固有の設定情報のアップロード
    • この処理の完了には数分間かかり、断続的に中断されることもあります。10 分が経過しても処理が完了しないような場合を除き、特に気にする必要はありません。インストールプログラムの状況は、進捗状況バーで監視できます。

  19. コンポーネントの設定が完了すると、Identity Synchronization for Windows が正しくインストールされたことを示す「インストール概要」パネルが表示されます。
  20. 「詳細」ボタンをクリックすると、インストールされたファイルとその位置がリスト表示されます。

  21. 「次へ」をクリックすると、Identity Synchronization for Windows のインストールと設定の完了に必要な残りの手順が、プログラムによって特定されます。
  22. 「読み込んでいます」というメッセージが表示され、それに続いて「残りのインストール手順」パネルが次々と表示されます。すべての手順パネルが表示された後に、次に示すパネル (図 3-7) が表示されます。このパネルには、インストールと設定の残りの手順を示す実行手順リストが表示されます。コンソールの「状態」タブからこのパネルを表示することもできます。

    図 3-7 Identity Synchronization for Windows の実行手順リスト
    このパネルには、まだ実行されていないインストールと設定の手順が表示されます。

    実行手順を示すパネルは、インストールと設定のプロセス全体で繰り返し表示されます。完了した手順は、リスト上でグレイ表示されます。

    この時点では、実行手順リストには汎用の手順が表示されます。設定を保存すると、その配備に適した手順 (たとえば、適切なコネクタのインストールなど) が表示されます。

  23. 手順のリストを確認したら、「次へ」をクリックします。コアのインストールが完了したことを示す「コンソールオプションの起動」パネルが表示されます。
  24. 図 3-8 コンソールの起動
    Sun Java System コンソールを起動するオプションを有効にします。

  25. 次に、Sun Java System コンソールからコアコンポーネントをインストールします。「Sun Java System コンソールを起動します」オプションには、デフォルトでチェックマークが付けられています。
  26. Identity Synchronization for Windows 1.0 または SP1 から Identity Synchronization for Windows 1 2004Q3 への移行では、コマンド行ユーティリティ idsync importcnf を使用して 1.0 または SP1 の設定を XML ドキュメントとしてエクスポートし、それをインポートすることができます。手順については、第 7 章「Identity Synchronization for Windows 1 2004Q3 への移行」を参照してください。

  27. 「終了」をクリックします。
  28. コンソールの使用を選択した場合は、「Sun Java System コンソールログイン」ダイアログボックス (図 3-9) が表示されます。
  29. 図 3-9 コンソールへのログイン
    Sun Java System Message Queue のローカルホスト名とポート番号を入力します。

    コンソールにログインするには、次の情報を指定する必要があります。

    • ユーザー ID : マシンに管理サーバーをインストールしたときに指定した管理者ユーザー ID を入力する
    • パスワード : 管理サーバーのインストール時に指定した管理者パスワードを入力する
    • 管理 URL : 管理サーバーの現在の URL を次の形式で入力する
    • http://<hostname.your_domain.domain:port_number>

      ここで

      • hostname.your_domain.domain は管理サーバーのインストール時に選択したコンピュータホスト名
      • port_number は管理サーバーに指定したポートの番号
  30. クレデンシャルを指定したら、「了解」をクリックしてダイアログボックスを閉じます。
  31. 設定パスワードの入力が求められます。パスワードを入力し、「了解」をクリックします。

Sun Java System サーバーコンソールウィンドウが表示され、コアを設定できるようになります。インストール方法については、次の第 4 章「コアリソースの設定」を参照してください。



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