Solstice AdminSuite 2.3 管理者ガイド

admtblloc コマンド

Solstice AdminSuite ソフトウェアで複合モードのネームサービスを実行するには、admtblloc コマンドを使用します。このコマンドを使用するには、使用するネームサービスすべてにおいて Solstice AdminSuite ソフトウェアへのアクセス権が必要です。詳細は、「Solstice AdminSuite のアクセス権の設定」を参照してください。


注 -

admtblloc コマンドは、Solaris 2.x オペレーティング環境でシステム全体のネームサービス選択に使用する /etc/nsswitch.conf ファイルとは無関係です。admtblloc コマンドは、Solstice AdminSuite ソフトウェアの GUI か CLI を使用するすべてのユーザーに対する規則の設定に使用します。


ネームサービスの指定

図 6-1 の複合モードのネームサービスを、admtblloc コマンドを使用して設定する例を示します。


$ admtblloc -c NIS+ -d solar.com bootparams NONE

コマンドの意味は、以下のとおりです。

-c NIS+ -d solar.com

ネームサービスの 「コンテキスト」(「読み込み」ウィンドウに指定されているネームサービスとドメイン名) が、NIS+ ドメインの solar.com であることを指定します。

bootparams

ネームサービス方針を設定するファイルが bootparams であることを指定します。

NONE

Solstice AdminSuite の GUI または CLI が動作しているホストが、/etc ディレクトリにある bootparams ファイルを使用しなければならないことを指定します。

図 6-1 のネームサービスを指定すると、「読み込み」ウィンドウに NIS+ が指定された場合には、現在 Solstice AdminSuite ツールを実行しているホストの /etc ディレクトリにある bootparams 情報が常に使用されます。admtblloc コマンドで再度指定しない限り、他の設定ファイル (hostsetherstimezonecredential) のネームサービスは NIS+ のまま変更されません。この複合モードのネームサービスは、admtblloc コマンドで再度指定しない限り、Solstice AdminSuite ソフトウェアをそのネームサービスで使用しているすべてのユーザーに対して有効です。


注 -

admtblloc コマンドで設定ファイルのネームサービスを「なし」に指定すると、現在 Solstice AdminSuite の GUI または CLI を実行しているホスト上の /etc ファイルは変更されてしまいます。このような場合は、使用する /etc ファイルをローカルに持つホストにログインし、そのシステム上で Solstice AdminSuite を操作することをお勧めします。


ネームサービス指定の表示

admtblloc コマンドを使用して、ネームサービス指定を表示する例を示します。


$ admtblloc
Name           Name Service  Path
Aliases            NIS+
Hosts              NIS+
Group              NIS+
Netgroup           NIS+
Protocols          NIS+
Bootparams         NONE
Auto.home          NIS+
RPC                NIS+
Timezone           NIS+
Netmasks           NIS+
Ethers             NIS+
Passwd             NIS+
Services           NIS+
Networks           NIS+
Locale             NIS+ 

表示内容の意味は、以下のとおりです。

Name

設定ファイル名 

Name Service

設定ファイルにアクセスする際に使用するネームサービス 

Path

(省略可能) NIS ネームサービスの NIS サーバー上にある ASCII ソースファイルへのパス。デフォルトは、/etc ディレクトリ

デフォルトでは、現在のホストが属しているネームサービスが表示されます。別のネームサービスを表示させたい場合は、ネームサービスのコンテキストを指定してください。

次に、ネームサービスを「なし」またはローカルの /etc ファイルに指定されたネームサービスコンテキストのドメインに設定した場合の情報を、admtblloc コマンドを使用して表示する例を示します。


$ admtblloc -c NONE
Name           Name Service  Path
Aliases        NONE
Hosts          NONE
Group          NONE
Auto_home      NONE
Netgroup       NONE
Protocols      NONE
Bootparams     NONE
RPC            NONE
Timezone       NONE
Netmasks       NONE
Ethers         NONE
Passwd         NONE
Services       NONE
Networks       NONE
Locale         NONE

コマンドの意味は、以下のとおりです。 

-c

ネームサービスのコンテキストを指定します。 

NONE

ローカルの /etc ファイルのネームサービス

admtblloc コマンドを使用して、特定の設定ファイルのネームサービスを表示することもできます。次に、デフォルトのネームサービスの hosts ファイルに対するネームサービスを表示する例を示します。 


$ admtblloc Hosts
Hosts          NIS+

注 -

設定ファイル名は、状況に応じて異なります。


admtblloc コマンドがサポートする設定ファイル

複合モードのネームサービス環境で使用できる設定ファイルは、以下のとおりです。


注 -

上記以外の設定ファイルのネームサービスは、admtblloc コマンドでは設定できません。


admtblloc コマンドの詳細は、admtblloc(1M) のマニュアルページを参照してください。