Solstice AdminSuite ソフトウェアで複合モードのネームサービスを実行するには、admtblloc コマンドを使用します。このコマンドを使用するには、使用するネームサービスすべてにおいて Solstice AdminSuite ソフトウェアへのアクセス権が必要です。詳細は、「Solstice AdminSuite のアクセス権の設定」を参照してください。
admtblloc コマンドは、Solaris 2.x オペレーティング環境でシステム全体のネームサービス選択に使用する /etc/nsswitch.conf ファイルとは無関係です。admtblloc コマンドは、Solstice AdminSuite ソフトウェアの GUI か CLI を使用するすべてのユーザーに対する規則の設定に使用します。
図 6-1 の複合モードのネームサービスを、admtblloc コマンドを使用して設定する例を示します。
$ admtblloc -c NIS+ -d solar.com bootparams NONE |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-c NIS+ -d solar.com |
ネームサービスの 「コンテキスト」(「読み込み」ウィンドウに指定されているネームサービスとドメイン名) が、NIS+ ドメインの solar.com であることを指定します。 |
bootparams |
ネームサービス方針を設定するファイルが bootparams であることを指定します。 |
NONE |
Solstice AdminSuite の GUI または CLI が動作しているホストが、/etc ディレクトリにある bootparams ファイルを使用しなければならないことを指定します。 |
図 6-1 のネームサービスを指定すると、「読み込み」ウィンドウに NIS+ が指定された場合には、現在 Solstice AdminSuite ツールを実行しているホストの /etc ディレクトリにある bootparams 情報が常に使用されます。admtblloc コマンドで再度指定しない限り、他の設定ファイル (hosts、ethers、timezone、credential) のネームサービスは NIS+ のまま変更されません。この複合モードのネームサービスは、admtblloc コマンドで再度指定しない限り、Solstice AdminSuite ソフトウェアをそのネームサービスで使用しているすべてのユーザーに対して有効です。
admtblloc コマンドで設定ファイルのネームサービスを「なし」に指定すると、現在 Solstice AdminSuite の GUI または CLI を実行しているホスト上の /etc ファイルは変更されてしまいます。このような場合は、使用する /etc ファイルをローカルに持つホストにログインし、そのシステム上で Solstice AdminSuite を操作することをお勧めします。
admtblloc コマンドを使用して、ネームサービス指定を表示する例を示します。
$ admtblloc Name Name Service Path Aliases NIS+ Hosts NIS+ Group NIS+ Netgroup NIS+ Protocols NIS+ Bootparams NONE Auto.home NIS+ RPC NIS+ Timezone NIS+ Netmasks NIS+ Ethers NIS+ Passwd NIS+ Services NIS+ Networks NIS+ Locale NIS+ |
表示内容の意味は、以下のとおりです。
Name |
設定ファイル名 |
Name Service |
設定ファイルにアクセスする際に使用するネームサービス |
Path |
(省略可能) NIS ネームサービスの NIS サーバー上にある ASCII ソースファイルへのパス。デフォルトは、/etc ディレクトリ |
デフォルトでは、現在のホストが属しているネームサービスが表示されます。別のネームサービスを表示させたい場合は、ネームサービスのコンテキストを指定してください。
次に、ネームサービスを「なし」またはローカルの /etc ファイルに指定されたネームサービスコンテキストのドメインに設定した場合の情報を、admtblloc コマンドを使用して表示する例を示します。
$ admtblloc -c NONE Name Name Service Path Aliases NONE Hosts NONE Group NONE Auto_home NONE Netgroup NONE Protocols NONE Bootparams NONE RPC NONE Timezone NONE Netmasks NONE Ethers NONE Passwd NONE Services NONE Networks NONE Locale NONE |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-c |
ネームサービスのコンテキストを指定します。 |
NONE |
ローカルの /etc ファイルのネームサービス |
admtblloc コマンドを使用して、特定の設定ファイルのネームサービスを表示することもできます。次に、デフォルトのネームサービスの hosts ファイルに対するネームサービスを表示する例を示します。
$ admtblloc Hosts Hosts NIS+ |
複合モードのネームサービス環境で使用できる設定ファイルは、以下のとおりです。
Aliases
Hosts
Group
Auto_home
Credentials
Netgroup
Protocols
Bootparams
Rpc
Timezone
Netmasks
Ethers
Passwd
Services
Networks
Locale
上記以外の設定ファイルのネームサービスは、admtblloc コマンドでは設定できません。
admtblloc コマンドの詳細は、admtblloc(1M) のマニュアルページを参照してください。