本章は、ホストマネージャまたは同等のコマンド行を使用して、サーバーとクライアントサポートの設定および管理を行う方法について説明します。本章で説明する項目は次のとおりです。
ネットワーク上のシステムは、通常以下のように分類されます。
サーバー
ネットワーク上の他のシステムにサービスを提供するシステム。ファイルサーバー、ブートサーバー、データベースサーバー、ライセンスサーバー、印刷サーバー、インストールサーバー、特定のアプリケーションサーバーなどが該当します。本章では、ネットワーク上の他のシステムにファイルシステムとインストールソフトウェアを提供するシステムをサーバーと呼びます。
クライアント
サーバーのリモートサービスを利用するシステム。クライアントの中には、ディスク容量に制限があるか、またはディスクを持たないため、サーバーのリモートファイルシステムを提供されないと機能できないものもあります。このタイプのクライアントには、ディスクレス (Diskless) およびデータレス (Dataless) クライアントがあります。
インストールソフトウェアのようなサーバーのリモートサービスを利用しても、その機能をサーバーに依存しないクライアントもあります。スタンドアロン (Standalone) システムは、そのタイプの典型で、ルート (/)、 /usr、 /export/home ファイルシステムおよびスワップ領域を含む、独自のハードディスクを持っています。
「システムサポートを提供する」とは、ソフトウェアとサービスを提供して他のシステムの機能を助けることを意味します。サポートには以下のような内容が含まれます。
システムタイプは、基本的にはルート (/) ファイルと /usr ファイル (スワップ領域を含む) にアクセスする形式に分類されます。たとえば、スタンドアロンおよびサーバーシステムは、これらのファイルシステムをローカルディスクからマウントします。一方、ディスクレスおよびデータレスクライアントや JavaStation は、これらをサーバーから提供されるリモートサービスによってマウントします。表 6-1 に、その他の各システムタイプの相違点を示します。
表 6-1 システムタイプ
システムタイプ |
ローカルファイルシステム |
ローカルスワップ領域 |
リモートファイルシステム |
---|---|---|---|
/ (ルート) /usr /home /opt /export /export/home /export/root
|
あり |
選択可能 |
|
/ (ルート) /usr /export/home
|
あり |
選択可能
|
|
/ (ルート) |
あり |
/usr /home
|
|
なし |
なし |
/ (ルート) スワップ領域 /usr /home
|
|
JavaStation |
なし |
なし |
/home |
AutoClient システム |
キャッシュされた / (ルート) キャッシュされた /usr |
あり |
/ (ルート) /usr /home |
表 6-2 にスタンドアロンシステムと比較した他のクライアントシステムの特徴を示します。
表 6-2 クライアントシステムの特徴 (スタンドアロンシステムとの比較)
システムタイプ |
集中管理 |
パフォーマンス |
ディスク使用効率 |
ネットワーク使用効率 |
---|---|---|---|---|
AutoClient システム |
しやすい |
同程度 |
良い |
同程度 |
ディスクレスクライアント |
しやすい |
劣る |
良い |
劣る |
データレスクライアント |
同程度 |
劣る |
良い |
劣る |
さらにサーバーには、他のシステムをサポートするために必要な以下のソフトウェアがあります。
オペレーティングシステム (OS) サービス
Solaris CD イメージとブートソフトウェア
JumpStartTM ディレクトリ
「ネットワーク型のスタンドアロンシステム」は、ネットワーク上の他のシステムと情報を共有できますが、ネットワークから切り離されても、システムは動作を継続できます。
スタンドアロンシステムは、このシステムに接続されたハードディスク上にルート (/)、/usr、/export/home ファイルシステムとスワップ領域を持っているため、自律的に動作できます。したがってスタンドアロンシステムは、ローカルのオペレーティングシステムソフトウェア、実行可能ファイル、仮想メモリー領域、ユーザー作成ファイルにアクセスできます。
「非ネットワーク型のスタンドアロンシステム」は、ネットワークに接続されていませんが、それ以外は上記と同じ特性を持っています。
「ディスクレスクライアント」はディスクを持たず、すべてのソフトウェアおよび記憶領域をサーバーに依存します。ディスクレスクライアントは、サーバーから提供されるルート (/)、/usr、/home ファイルシステムをリモートマウントします。
ディスクレスクライアントは、オペレーティングシステムソフトウェアと仮想メモリー領域をネットワークを通して継続的に取得していなければならないため、大きなネットワークトラフィックを発生させます。ディスクレスクライアントは、ネットワークから切り離されたり、サーバーに異常が発生したりした場合は動作できません。
JavaStation は、管理を必要としないように設計された (zero administration) クライアントです。このクライアントは Java を最も効率的に動作させることができます。ネットワークの長所を十分に活用し、Java のアプリケーションやサービスによって、システムやネットワークの管理を完全に統合的に行います。JavaStation はローカルな管理が必要ありません。ブート、管理、およびデーターの格納はすべてサーバーで取り行われます。
「データレスクライアント」は、そのルート (/) ファイルシステムおよびスワップ領域のためのディスク領域をローカルに持っています。データレスクライアントは、実行可能ファイル (/usr) とユーザーファイル (/home) がネットワークを介したサーバー上のディスクに置かれているため、ネットワークから切り離されると動作できなくなります。
データレスクライアントは、ディスクレスクライアントに比べて、サーバーやネットワークに対する要求がはるかに少なくなります。データレスクライアントはディスクレスクライアントよりもネットワークへのアクセスを必要としないので、サーバーにはディスクレスクライアントよりもかなり多くのデータレスクライアントが収容できます。また、すべてのデータレスクライアントのユーザーファイルを (サーバーに) まとめて格納し、集中的なバックアップと管理を行うことができます。
Solaris 2.5.1 以降では、データレスクライアントはサポートされなくなる予定です。現在はホストマネージャを使用してこのシステムタイプを追加できますが、将来リリースされる Solaris オペレーティング環境では別のタイプをご使用ください。データレスクライアントの代わりに AutoClient システムを使用することをお勧めします。
AutoClient システムおよびその操作方法の詳細は、『Solstice AutoClient 2.1 管理者ガイド』を参照してください。AutoClient システムのインストールおよび操作方法は、ディスクレスクライアントとまったく同じです。以下にその特徴を示します。
スワップ領域の確保と、個々のルート (/) および /usr ファイルシステムをサーバーからキャッシュするために、100 M バイト以上のローカルディスク領域が必要です。
サーバーが稼働していない時も、キャッシュにアクセスできるように設定可能です。
サーバーが、他のファイルシステムとソフトウェアアプリケーションを提供します。
ネットワークに追加する AutoClient システムごとに、ライセンスを取得する必要があります。ライセンスの取得方法については、『Solstice AdminSuite 2.3 ご使用にあたって』を参照してください。
ホストマネージャは、ネットワーク上のサーバーおよびクライアントの追加と管理を行うためのグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) です。NIS+ のようなネームサービスで使用すると、一括してシステム情報を管理できるので、ホスト名のような重要な情報をネットワーク上の他のシステムにコピーする必要はありません。
ホストマネージャの機能は以下のとおりです。
システムサポートの追加と変更
システムタイプの変更
システムタイプの変換
OS サービスの追加と削除
リモートインストールサービスの設定
管理操作のキューイング
ルートパスワードの設定
スクリプトの実行
マルチホームホストの作成
ホストマネージャでは、以下のシステムタイプの追加や変更を行うことができます。
Solstice AutoClient システム
Solaris ディスクレス (Solaris Diskless) クライアント
JavaStation
Solaris データレス (Solaris Dataless) クライアント (Solaris 2.5.1 以降では、サポートされなくなる予定です)
Solaris スタンドアロン (Solaris Standalone) システム
Solaris OS サーバー (Solaris OS Server)
各システムタイプの詳細は、「システムタイプの概要」を参照してください。
表 6-3 に、Solstice AdminSuite 2.3 のホストマネージャでサポートされる、サーバーとクライアントの組み合わせを示します。
表 6-3 サポートされるサーバーとクライアントの構成
SunOS 4.x リリースは、Sun4、Sun4c、Sun4m プラットフォームグループの SPARC システムでのみサポートされます。将来、SunOS 4.x はサポートされなくなる予定です。
ホストマネージャは、以前に追加されたシステムのシステムタイプを、まず汎用 (generic) として認識します。その後、「ファイル」メニューで「システムタイプの更新」オプションを指定すると、ホストマネージャは以前に追加されたシステムを調べ、そのシステムタイプを識別します。ただし、システムタイプが識別できない場合、たとえばシステム上で Solaris ソフトウェアが実行されていない場合には、そのシステムは generic タイプとして認識されます。
システムが以前に追加されたものである場合は、Solaris 2.5 で動作していても、新たに AdminSuite ソフトウェアをインストールして、ホストマネージャでシステムの更新を行なってください。
システムタイプ情報は、ローカルの /etc ファイルの内の bootparams ファイルまたはネームサービスデータベースに格納されます。ホストマネージャは、既存の bootparams エントリを変更するか、またはスタンドアロンシステムの場合は、次のようなエントリを追加します。
mars boottype=:st |
ホストマネージャを使用して、あるシステムタイプを別のタイプに変換します。現在可能な変換を表 6-4 に示します。
表 6-4 システムタイプの変換
変換元 |
変換先 |
---|---|
スタンドアロンシステム |
AutoClient システムまたは OS サーバー |
データレスシステム |
AutoClient システムまたは OS サーバー |
AutoClient システム |
スタンドアロンシステム |
汎用 (generic) システム |
スタンドアロンシステム、AutoClient システム、OS サーバーのいずれか |
スタンドアロンから OS サーバーに変換する際に、Solaris 2.x OS サービスを追加できます。
Solaris OS サーバーとは、ディスクレスクライアントまたはデータレスクライアントをサポートするオペレーティングシステム (OS) の提供を行うサーバーです。ホストマネージャによって、OS サーバーのサポートを追加したり、システムタイプをスタンドアロンから OS サーバーへ変換したりできます。
デフォルトでは、OS サーバーは機種 (プラットフォーム) グループが同じで、必要な OS サーバーのリリースが同じクライアントをサポートできます。機種の異なるクライアントや、OS サーバーと異なる Solaris リリースを必要とするクライアントをサポートするには、OS サーバーに特別な OS サービスを追加する必要があります。OS サービスを追加するには、適切な Solaris CD イメージが必要です。
ホストマネージャでは、SunOS 4.x リリースを使用するディスクレスおよびデータレスクライアントのサポートを追加できますが、SunOS 4.x OS サービスは追加できません。まず install4x(1M) コマンドで OS サーバーに OS サービスを追加して、ホストマネージャで SunOS 4.x クライアントのサポートを追加してください。
OS サービスを OS サーバーに追加する際、サーバー上で実行している OS と、これから追加しようとする OS のバージョンが異なるというエラーメッセージが表示されます。このメッセージは、インストールされている OS が持つパッケージにはすでにパッチが当てられているが、これから追加する OS サービスの持つパッケージにはパッチが当てられていないことが原因です (パッチはパッケージに含まれているからです)。
たとえば、Solaris 2.5.1 を実行しているサーバーに、パッチを当ててある Solaris 2.5 sparc sun4m サービスを含む追加の OS サービスが読み込まれているとします。CD-ROM から Solaris 2.5 sparc sun4c サービスをこのサーバーのクライアントに追加しようとすると、次のようなエラーメッセージが表示されます。
Error: inconsistent revision, installed package appears to have been patched resulting in it being different than the package on your media. You will need to backout all patches that patch this package before retrying the add OS service option. |
この場合、エラーメッセージにリストされているパッケージ関連のパッチをすべて削除してから、再度 OS サービスを追加します。パッチの追加がある場合は、この処理を行なってからでないと OS を正しくインストールできません。
OS サービスを OS サーバーから除去する操作は、ホストマネージャを使用して行うことができます。たとえば、Solaris 2.4 を実行している SPARC Sun4m システムのサポートを取りやめる場合は、ホストマネージャを使用して、サーバーからこれらの OS サービスを除去できます。ホストマネージャでは、SunOS 4.x および JavaStation のサポートを除去できます。
ホストマネージャを使用して、ネットワーク上の他のシステムに Solaris 2.x インストールサービスを提供するシステムを設定できます。設定可能なシステムタイプは以下のとおりです。
インストールサーバー
ネットワーク上のシステムであり、他のシステムにインストールするための Solaris CD イメージを (CD-ROM ドライブまたはハードディスク上のコピーから) 提供。
ブートサーバー
ネットワーク上の他のシステムへのブート情報を提供するシステム。ブートサーバーとインストールサーバーは、通常は同じシステムです。
プロファイルサーバー
ブートサーバーとインストールサーバーは、通常は同じシステムです。ただし、インストールされるシステムがインストールサーバーとは異なるサブネット上にある場合、ブートサーバーはそのサブネット上に必要です。
システムタイプを変換したり、OS サーバーを追加するなどの操作をキューイングする (待ち行列に入れる) ことができます。これらの操作を処理するには数分かかることがあるため、ホストマネージャは操作が自動的に処理されるように設定します。このため、各操作が完了するのを待つことなく、次の操作の設定を開始できます。操作を設定し、「ファイル」メニューから「変更を保存」を選択してください。各操作の処理状態が、ホストマネージャのウィンドウ下部にあるバーの部分に表示されます。
ホストマネージャを使用して Solstice AutoClient または Solaris Diskless クライアントを追加する場合は、グループやユーザーのパスワードを設定するのと同じようにルートのパスワードを設定できます。
ホストマネージャを使用して Solstice AutoClient を追加する場合、サーバーに AutoClient を追加する前後や AutoClient をブートする前後に、用意しておいたスクリプトを実行できます。
スクリプトは AutoClient システムの追加や除去をカスタマイズするためのものです。AdminSuite ソフトウェアが正しく読み込めるよう、必ず /opt/SUNWadmd/Scripts ディレクトリに置いてください。
ホストマネージャでは、複数のホーム (マルチホーム) と複数のネットワークインタフェースを持つホストのエイリアスをサーバーに追加できます。たとえばサーバーが複数のネットワークに属するために複数の IP アドレスを持っているとすると、それはマルチホームホストとして認識されます。ホストマネージャでは、1 台のホストに対して複数の IP アドレスを指定し、それをマルチホームホストとすることができます。
表 6-5 に、ホストマネージャの制限事項と対処方法を示します。
表 6-5 ホストマネージャの制限事項と対処方法
制限事項 |
対処方法 |
---|---|
以前に追加されたシステムのシステムタイプを自動的に識別できない。 |
「ファイル」メニューの「システムタイプの更新」を使用してください。ネットワーク上のシステムを調べ、システムタイプを識別します。 |
SunOS 4.x CD イメージをマウントし、install4x(1M) コマンドで OS サービスを追加してください。 |
|
ローカル CD-ROM ドライブから SunOS 4.x をインストールしてください。 |
|
既存のクライアントおよびサーバーにパッチをインストールできない。(ただし admclientpatch コマンドを使用してパッチのスプールディレクトリを設定した場合は、ホストマネージャがこのスプールディレクトリを参照して、新しいホストに適切なパッチを適用します。) |
admclientpatch コマンドを使用してパッチのスプールディレクトリを設定し、最新のパッチを使用して既存のサーバーおよびクライアントを更新してください。詳細は、admclientpatch(1M) のマニュアルページを参照してください。 |
スーパーユーザーとしてホストマネージャを実行する場合、その動作がわずかに異なります。スーパーユーザーとしてホストマネージャを実行する際の制限事項を以下にまとめます。
起動時にダイアログボックスが表示され、制限事項を説明します。
「ネームサービスの選択」ウィンドウでは、テキストフィールドは編集できません。また、ローカルホスト以外は選択できません。
ホストを追加する際、ファイルサーバー名のテキストフィールドは編集できません。また、ローカルホスト以外は選択できません。
「追加」、「変更」、「変換」ウィンドウで「リモートインストール」を有効にしている場合でも、ブートサーバー名やインストールサーバー名のテキストフィールドは編集できません。また、ローカルホスト以外は選択できません。
表 6-6 に、ホストマネージャと同じ機能を持つコマンド行インタフェース (CLI) を示します。これらのコマンドは、OpenWindows 環境のような X Window System を起動しなくても使用できます。本章では、ホストマネージャの操作方法と共に、同じ機能を持つコマンドの実行方法についても記述しています。設定操作を自動的に実行するためのスクリプトおよびコマンド行については、「コマンド行から設定処理を自動化する方法」を参照してください。
表 6-6 ホストマネージャと同じ機能を持つコマンド
コマンド |
動作 |
---|---|
admhostadd |
新しいシステムまたは OS サーバーのサポートを追加する。 |
admhostmod |
既存のシステムまたは OS サーバーを変更する。既存の OS サーバーへの OS サービスの追加も可能。 |
admhostdel |
既存のシステムまたは OS サーバーを削除する。 |
admhostls |
選択したネームサービスにある、既存のシステムエントリを一覧表示する。 |
admhostls -h |
選択したネームサービスにある、1 つまたは複数の既存のシステムエントリに関するハードウェア情報を一覧表示する。 |
表 6-7 に、ホストマネージャで変更されるファイルを示します。
表 6-7 ホストマネージャで変更されるファイル
システムファイル |
格納場所 |
内容 |
---|---|---|
/etc、NIS、NIS+ のいずれか |
クライアントのブートおよびインストールソフトウェアと、クライアントのルートおよびスワップ領域のパスを提供するサーバーを一覧表示する、データベース |
|
/etc/dfs/dfstab |
ファイルサービスを提供するサーバー |
クライアントがファイルサービスを使用できるようにする一連の share コマンドを含むファイル |
ethers |
/etc、NIS、NIS+ のいずれか |
クライアントの Ethernet アドレスを含むデータベース |
/etc、NIS、NIS+ のいずれか |
クライアントのホスト名と関連する IP アドレスを含むデータベース |
|
/etc、NIS、NIS+ のいずれか |
クライアントの時間帯 (タイムゾーン) 情報を含むデータベース |
|
/export/root |
/etc、NIS、NIS+ のいずれか |
ディスクレスクライアントまたは AutoClient システムのルートファイルを含む、デフォルトのディレクトリ |
/export/swap |
ファイルサービスを提供するサーバー |
ディスクレスクライアントのスワップファイルを含む、デフォルトのディレクトリ |
/var/sadm/softinfo
|
OS サービスを提供する Solaris 2.3 サーバー |
Solaris 2.3 サーバー上で使用可能な OS サービスの一覧を含むディレクトリ |
/var/sadm/system/admin/services
|
OS サービスを提供する Solaris 2.4 〜 2.5.1 サーバー |
Solaris 2.4 〜 2.5.1 のサーバー上で使用可能な OS サービスの一覧を含むディレクトリ |
/tftpboot |
ブートサービスを提供するサーバー | |
/rplboot |
ブートサービスを提供するサーバー |
x86 クライアントのブート情報を含むディレクトリ |
/etc/inetd.conf |
ブートサービスを提供するサーバー |
tftp および rpl ブートデーモンを起動する |
cred.org_dir |
NIS+ |
ホストの DES および LOCAL 資格を保存するために使用する NIS+ テーブル |
ネームサービスを指定すると、Solstice AdminSuite ソフトウェアが管理するシステムおよびネットワークに関する情報の格納場所が決まります。すでに説明したように、この情報はローカルシステムの /etc ディレクトリか、NIS+ または NIS ネームサービスに格納できます。
Solstice AdminSuite ソフトウェアは、「複合モード」のネームサービスをサポートしています。ネームサービスを複合モードに指定すると、設定情報ごとに異なるネームサービスを生成できます。この機能は、ホストマネージャを使用する際に特に便利です。
admtblloc(1M) コマンドを実行すると、Solstice AdminSuite が複数のネームサービスを生成するように指定できます。たとえば、図 6-1 のように bootparams 情報はローカルの /etc ファイルに、その他のホスト設定情報は NIS+ テーブルに生成するように、ホストマネージャから設定できます。
複合モードのネームサービスを実行する場合は /etc ディレクトリに情報を格納しているシステムから Solstice AdminSuite ソフトウェアを起動してください。
Solstice AdminSuite ソフトウェアで複合モードのネームサービスを実行するには、admtblloc コマンドを使用します。このコマンドを使用するには、使用するネームサービスすべてにおいて Solstice AdminSuite ソフトウェアへのアクセス権が必要です。詳細は、「Solstice AdminSuite のアクセス権の設定」を参照してください。
admtblloc コマンドは、Solaris 2.x オペレーティング環境でシステム全体のネームサービス選択に使用する /etc/nsswitch.conf ファイルとは無関係です。admtblloc コマンドは、Solstice AdminSuite ソフトウェアの GUI か CLI を使用するすべてのユーザーに対する規則の設定に使用します。
図 6-1 の複合モードのネームサービスを、admtblloc コマンドを使用して設定する例を示します。
$ admtblloc -c NIS+ -d solar.com bootparams NONE |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-c NIS+ -d solar.com |
ネームサービスの 「コンテキスト」(「読み込み」ウィンドウに指定されているネームサービスとドメイン名) が、NIS+ ドメインの solar.com であることを指定します。 |
bootparams |
ネームサービス方針を設定するファイルが bootparams であることを指定します。 |
NONE |
Solstice AdminSuite の GUI または CLI が動作しているホストが、/etc ディレクトリにある bootparams ファイルを使用しなければならないことを指定します。 |
図 6-1 のネームサービスを指定すると、「読み込み」ウィンドウに NIS+ が指定された場合には、現在 Solstice AdminSuite ツールを実行しているホストの /etc ディレクトリにある bootparams 情報が常に使用されます。admtblloc コマンドで再度指定しない限り、他の設定ファイル (hosts、ethers、timezone、credential) のネームサービスは NIS+ のまま変更されません。この複合モードのネームサービスは、admtblloc コマンドで再度指定しない限り、Solstice AdminSuite ソフトウェアをそのネームサービスで使用しているすべてのユーザーに対して有効です。
admtblloc コマンドで設定ファイルのネームサービスを「なし」に指定すると、現在 Solstice AdminSuite の GUI または CLI を実行しているホスト上の /etc ファイルは変更されてしまいます。このような場合は、使用する /etc ファイルをローカルに持つホストにログインし、そのシステム上で Solstice AdminSuite を操作することをお勧めします。
admtblloc コマンドを使用して、ネームサービス指定を表示する例を示します。
$ admtblloc Name Name Service Path Aliases NIS+ Hosts NIS+ Group NIS+ Netgroup NIS+ Protocols NIS+ Bootparams NONE Auto.home NIS+ RPC NIS+ Timezone NIS+ Netmasks NIS+ Ethers NIS+ Passwd NIS+ Services NIS+ Networks NIS+ Locale NIS+ |
表示内容の意味は、以下のとおりです。
Name |
設定ファイル名 |
Name Service |
設定ファイルにアクセスする際に使用するネームサービス |
Path |
(省略可能) NIS ネームサービスの NIS サーバー上にある ASCII ソースファイルへのパス。デフォルトは、/etc ディレクトリ |
デフォルトでは、現在のホストが属しているネームサービスが表示されます。別のネームサービスを表示させたい場合は、ネームサービスのコンテキストを指定してください。
次に、ネームサービスを「なし」またはローカルの /etc ファイルに指定されたネームサービスコンテキストのドメインに設定した場合の情報を、admtblloc コマンドを使用して表示する例を示します。
$ admtblloc -c NONE Name Name Service Path Aliases NONE Hosts NONE Group NONE Auto_home NONE Netgroup NONE Protocols NONE Bootparams NONE RPC NONE Timezone NONE Netmasks NONE Ethers NONE Passwd NONE Services NONE Networks NONE Locale NONE |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-c |
ネームサービスのコンテキストを指定します。 |
NONE |
ローカルの /etc ファイルのネームサービス |
admtblloc コマンドを使用して、特定の設定ファイルのネームサービスを表示することもできます。次に、デフォルトのネームサービスの hosts ファイルに対するネームサービスを表示する例を示します。
$ admtblloc Hosts Hosts NIS+ |
複合モードのネームサービス環境で使用できる設定ファイルは、以下のとおりです。
Aliases
Hosts
Group
Auto_home
Credentials
Netgroup
Protocols
Bootparams
Rpc
Timezone
Netmasks
Ethers
Passwd
Services
Networks
Locale
上記以外の設定ファイルのネームサービスは、admtblloc コマンドでは設定できません。
admtblloc コマンドの詳細は、admtblloc(1M) のマニュアルページを参照してください。
操作 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
システムタイプの更新 |
オプション機能。以前に追加されたシステムタイプをすべて識別します。これは、通常 AdminSuite 2.3 ホストマネージャを初めて使用する前に、1 度だけ行うタスクです。 | |
サポート追加のデフォルト設定 |
オプション機能。クライアントのサポートを複数追加する前に、ホストマネージャの「編集」メニューから「デフォルトの設定」を選択して、「追加」ウィンドウのデフォルトを設定します。デフォルトを設定することで、システムのサポートを追加する際の一貫性と効率が向上します。 | |
スタンドアロンシステムのサポートを追加 |
ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を選んで、スタンドアロン (Standalone) システムのサービスを追加します。「追加」ウィンドウの「システムタイプ」メニューから「Standalone」を選択してください。 「編集」メニューから「変換」->「Standalone に」を選択して、AutoClient または汎用 (generic) システムをスタンドアロンシステムに変換することもできます。 | |
OS サーバーのサポートを追加 |
ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を 選んで、OS サーバー (OS Server) のサービスを追加します。「追加」ウィンドウの「システムタイプ」メニューから「OS Server」を選択してください。 | |
|
スタンドアロンシステムを OS サーバーに変換。 ホストマネージャの「編集」メニューから「変換」を選択して、スタンドアロンシステムを OS サーバーに変換します。変換する際に、Solaris 2.x サービスを追加できます。 | |
OS サーバーに OS サービスを追加 |
SunOS 4.x OS サービスを追加。 SunOS 4.x ディスクレスまたはデータレスクライアントのサポートを追加する場合は、OS サーバーに適切な SunOS 4.x サービスを追加する必要があります。 | |
|
Solaris 2.x OS サービスを追加。 Solaris 2.x ディスクレスまたはデータレスクライアントのサポートを追加する場合は、OS サーバーに適切な Solaris 2.x サービスを追加する必要があります。 | |
|
JavaOS サービスの追加。 JavaStation クライアントのサポートを追加したい場合は、OS サーバーに適切な JavaOSTM サービスを追加しておく必要があります。 | |
OS サーバーからの OS サービスの除去 |
OS サービスの除去。 サポート不要になったために OS サーバーから OS サービスを除去したい場合は、ホストマネージャの「変更」ウィンドウから「削除」を選択します。 | |
クライアントのサポートを追加 |
AutoClient システムのサポートを追加。 ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を選んで、AutoClient システムのサポートを追加します。「追加」ウィンドウの「システムタイプ」メニューから「Solstice AutoClient」を選択してください。 |
『Solstice AutoClient 2.1 管理者ガイド』 |
|
ディスクレスクライアントのサポートを追加。 ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を選択して、ディスクレスクライアントのサポートを追加します。「追加」ウィンドウの「システムタイプ」メニューから「Solaris Diskless」を選択してください。 | |
|
JavaStation クライアントのサポートを追加。 JavaStation クライアントのサポートは、ホストマネージャの「追加」ウィンドウから「追加」を選択することによって追加できます。「追加」ウィンドウで「システムタイプ」メニューから「JavaStation」を選択します。 | |
|
データレスクライアントのサポートを追加。 ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を選択して、データレスクライアントのサポートを追加します。「追加」ウィンドウの「システムタイプ」メニューから「Solaris Dataless」を選択してください。 | |
マルチホームホストの作成 |
マルチホームホストの追加。 マルチホームホストは、ホストマネージャの「編集」メニューから「追加」を選択すると、追加できます。「追加」ウィンドウで、すでに 1 つ IP アドレスを持っているホスト名を入力すると、「追加」ウィンドウが「Multihome ホスト」ウィンドウに変わります。 |
第 1 章「概要」で示した前提条件が満たされていることを確認します。
Solstice 起動ツールを起動します。
$ solstice & |
Solstice 起動ツールが表示されます。
Host Manager アイコンをクリックします。
「ネームサービスの選択」ウィンドウが表示されます。
ネットワークで使用しているネームサービスを選択します。
ドメイン名またはホスト名が正しいことを確認します。
正しくない場合は、アクセスするドメインまたはホスト名を入力してください。
「了解」をクリックします。
図 6-2 のようなホストマネージャのメインウィンドウが表示されます。
未指定のシステムタイプを識別するには、以下のようにします。
ホストマネージャを起動し、使用するネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
「更新」をクリックすると、未指定のシステムタイプが識別されます。
admhostmod -x type=type host コマンドでもシステムタイプを更新できます。
ホストマネージャを起動し、使用するネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
「デフォルトの設定」ウィンドウに必要事項を入力します。
ここで設定した内容が「追加」ウィンドウのデフォルト設定になります。「ヘルプ」をクリックすると、このウィンドウのフィールド定義に関する情報を参照できます。
「了解」をクリックします。
admhostadd -D コマンドでもデフォルトの設定をすることができます。
操作の概略は以下のとおりです。
システム情報の追加
(必要に応じて) システムのリモートインストール機能を設定
(必要に応じて) システムのインストール
ホストマネージャを起動し、使用するネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
システム情報を入力します。Solaris Standalone または Solaris OS Server をシステムタイプとして選択します。
「ホスト名」から「時間帯」までのすべてのフィールドに、必要事項を入力してください。「ヘルプ」をクリックすると、このウィンドウのフィールド定義に関する情報を参照できます。
このシステムをリモートでインストールする場合は、次の 手順 5 に進んでください。それ以外の場合は、手順 10 に進んでください。
「リモートインストール設定」をクリックします。
インストールサーバーは現在のホストがデフォルト設定されています。インストールサーバーとして別のホストを指定する場合は、「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択します。
「パスの設定」をクリックして、インストールサーバー上の Solaris CD イメージへのパスを指定します。
インストールサーバーがリモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。
使用する CD イメージ |
使用条件 |
指定するパス |
---|---|---|
Solaris CD |
Solaris CD が、ボリューム管理されている |
/cdrom/cdrom0、 /cdrom/cdrom0/s0、 /cdrom/cdrom0/s2 のいずれか |
Solaris CD が、ボリューム管理されていない |
Solaris CD のマウントポイント |
|
インストールサーバーのハードディスクの Solaris CD を (setup_install_server を使って) コピーしたもの |
|
Solaris CD イメージの場所 |
「OS リリース」メニューからシステムのアーキテクチャと OS リリースを選択します。
アーキテクチャのタイプは、システムのアーキテクチャと一致していなければなりません。また、OS リリースはシステムにリモートインストールする Solaris リリースと一致していなければなりません。
必要に応じて、ブートサーバーまたはプロファイルサーバーを指定します。
デフォルト以外のサーバーを指定する場合は、「その他」を選択してください。「プロファイルサーバー」プルダウンメニューから、使用するプロファイルサーバーを選択してください。ブートサーバー上のブートソフトウェア、またはプロファイルサーバー上のカスタム JumpStart ディレクトリのパスも指定する必要があります。
カスタム JumpStart のインストール、ネットワークの事前構成、システム情報に必要な他のコンポーネントについては、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
「ファイル」メニューから「変更を保存」を選択して、スタンドアロンシステムまたは OS サーバーのサポートを追加します。
「スタンドアロンシステム (Standalone system)」または「OS サーバー (OS Server)」がホストマネージャのメインウィンドウに表示されます。
(必要に応じて) スタンドアロンシステムまたは OS サーバーをブートし、インストールします。
ブートおよびインストールの詳細は、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
OS サーバーをインストールする場合は、/export と /export/swap に、クライアント用のスペースを必要なだけ割り当てる必要があります。
スタンドアロンシステムの「追加」ウィンドウの記入例を以下に示します。
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにスタンドアロンシステムをネームサービスのデータベースに追加できます。
% admhostadd -i 129.152.225.2 -e 8:0:20:b:40:e9 -x type=STANDALONE ¥ -x tz=US/Mountain venus |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-i 129.152.225.2 |
システムの IP アドレスを指定します。 |
-e 8:0:20:b:40:e9 |
システムの Ethernet アドレスを指定します。 |
-x type=STANDALONE |
システムタイプを指定します。 |
-x tz=US/Mountain |
システムの時間帯 (タイムゾーン) を指定します。 |
venus |
システム名を指定します。 |
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにスタンドアロンシステムを追加し、リモートインストールを実行可能にできます。この例では、Solaris CD イメージは cable という名前のリモートシステムにマウントされた CD 上にあります。
% admhostadd -i 129.152.225.2 -e 8:0:20:b:40:e9 ¥ -x type=STANDALONE -x tz=US/Mountain -x install=Y ¥ -x installpath=cable:/cdrom/cdrom0/s0 venus |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-i 129.152.225.2 |
システムの IP アドレスを指定します。 |
-e 8:0:20:b:40:e9 |
システムの Ethernet アドレスを指定します。 |
-x type=STANDALONE |
システムタイプを指定します。 |
-x tz=US/Mountain |
システムの時間帯 (タイムゾーン) を指定します。 |
-x install=Y |
リモートインストールの有効化を指定します。 |
-x installpath= cable:/cdrom/cdrom0/s0 |
Solaris CD イメージが cable という名前のリモートシステムにマウントされた CD 上にあることを指定します。リモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。 |
venus |
システム名を指定します。 |
OS サーバーのインストール後に OS サービスを追加したい場合は、「Solaris 2.x OS サービスの OS サーバーへの追加」を参照してください。
ホストマネージャを起動し、必要に応じてネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャのメインウィンドウでホストのエントリを選択します。
スタンドアロンシステム、データレスシステム、汎用 (generic) システムを、OS サーバーに変換できます。
「編集」メニューから「変換」->「OS サーバーに」を選択します。
「変換」ウィンドウが表示され、選択したスタンドアロンシステムが「ホスト名」フィールドに表示されます。
「パスの設定」をクリックして、クライアントサービスを追加する Solaris CD イメージのパスを指定します。
インストールサーバーは現在のホストがデフォルト設定されています。インストールサーバーとして別のホストを指定する場合は、「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択します。インストールサーバーがリモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。
使用する CD イメージ |
使用条件 |
指定するパス |
---|---|---|
Solaris CD |
Solaris CD がボリューム管理されている |
/cdrom/cdrom0、 /cdrom/cdrom0/s0、 /cdrom/cdrom0/s2 のいずれか |
Solaris CD がボリューム管理されていない |
Solaris CD のマウントポイント |
|
インストールサーバーのハードディスクの Solaris CD を (setup_install_server を使って) コピーしたもの |
|
Solaris CD をコピーするために、setup_install_server で指定した場所 |
追加するサービスを入力して、「追加」をクリックします。
指定した OS サービスが OS サービスのリストに追加され、エントリに + マークが表示されます。このマークのついた OS サービスは、変更を保存すると実際に追加されます。変更を保存する前に「削除」ボタンを使用して、OS サービスを削除することもできます。
「ファイル」メニューで「変更を保存」を選択して、システムを OS サーバーに変換します。
ホストマネージャのメインウィンドウで、変換されたシステムのシステムタイプは、OS サーバー (OS Server) と表示されます。
「変換」ウィンドウの記入例を以下に示します。
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにスタンドアロンシステムを OS サーバーに変換できます。
% admhostmod -x type=OS_SERVER minnie |
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにサービスを OS サーバーに追加できます。
% admhostmod -x mediapath=jupiter:/cdrom/cdrom0/s0 ¥ -x platform=sparc.sun4m.Solaris_2.5 minnie |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-x mediapath= jupiter:/cdrom/cdrom0/s0 |
Solaris CD イメージが jupiter という名前のリモートシステムにマウントされた CD 上にあることを指定します。リモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。 |
-x platform= sparc.sun4m.Solaris_2.5 |
インストールするサービスを指定します。この例では、SPARC 版 Solaris の sun4m カーネルアーキテクチャに必要な Solaris 2.5 サービスを指定しています。 |
minnie |
OS サーバー名を指定します。 |
SunOS 4.x リリースは、Solstice AdminSuite ソフトウェアの将来のバージョンではサポートされなくなる予定です。また、x86 サーバーに SunOS 4.x サービスを追加することもできなくなります。
操作の概略は以下のとおりです。
SunOS 4.x の異機種インストールソフトウェアがインストールされていることを確認
必要な SunOS 4.x リリースソフトウェアを (install4x コマンドで) インストール
ディスクレスおよびデータレスクライアントへのサービスを追加する OS サーバーに、スーパーユーザーとしてログインします。
SunOS 4.x 異機種インストールソフトウェアがインストールされていることを確認します。
# pkginfo SUNWhinst |
CD-ROM ドライブに Solaris 2.x CD を挿入します。
ご使用のシステムでボリュームマネージャが起動されていることを前提としています。
OS サーバーにインストールされている Solaris 2.x リリースと同じ Solaris 2.x CD を使用してください。たとえば、OS サーバーで Solaris 2.4 11/94 リリースを実行している場合は、Solaris 2.4 11/94 CD を使用してください。
Solaris 2.x リリースまたは SunOS 4.x リリースを使用している別のシステムから SunOS 4.x CD にアクセスする方法については、『Solaris 2.x への移行』の install4x 用の CD-ROM ドライブ設定に関する記述を参照してください。
インストールするソフトウェアが含まれているディレクトリへ移動します。
# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_2.x |
SunOS 4.x 異機種ソフトウェアをインストールします。
# pkgadd -d `pwd` SUNWhinst |
Solaris 2.x CD を取り出します。
# cd # eject cd |
CD-ROM ドライブに SunOS 4.x リリースの CD を挿入します。
ご使用のシステムでボリュームマネージャが起動されていて、CD-ROM ドライブがサーバーに直接取り付けられていることを前提としています。ボリュームマネージャは、/cdrom/volume1/s0 にある CD のディレクトリに自動的にマウントします。
SunOS 4.x リリースソフトウェアのインストールプログラムを開始します。
# /usr/sbin/install4x -m /cdrom/volume1/s0 -e /export |
*** 4.1* Install Main Menu ***
Choose an Architecture (then select modules to load):
Modules
Loaded Selected
[a] sun4.sun4c.sunos.4.1.2 0 0
[b] sun4.sun4.sunos.4.1.2 0 0
[c] sun4.sun4m.sunos.4.1.2 0 0
or begin the loading process for all selected modules:
[L] Load selected modules
or abort without loading any modules:
[Q] Quit without loading
Disk Usage:
Type any bracketed letter to select that function. 0K Selected
53634K Free
Type ? for help. |
メインメニュー画面で、(各項目の先頭に表示されている) 括弧内の文字を入力して、サポートするアーキテクチャを指定します。
Select sun4.sun4c.sunos.4.1.2 modules:
+[a] R proto root................240K | [o] User_Diag................6352K
+[b] R usr.....................26240K | [p] Manual...................7456K
+[c] R Kvm......................4832K | +[q] D TLI........................48K
+[d] R Install...................936K | [r] D RFS.......................912K
[e] D Networking...............1040K | [s] D Debugging................2928K
[f] D System_V.................4008K | [t] SunView_Programmers......1840K
[g] D Sys......................5288K | [u] Shlib_Custom.............1376K
[h] C SunView_Users............2664K | [v] Graphics.................1784K
[i] SunView_Demo..............512K | +[w] uucp......................608K
+[j] Text......................712K | +[x] Games....................3136K
[k] Demo.....................4264K | [y] Versatec.................5960K
[l] C OpenWindows_Users.......25936K | [z] Security..................312K
[m] C OpenWindows_Demo.........4288K | [A] OpenWindows_Programmers.10200K
[n] C OpenWindows_Fonts........7840K |
Module + = already loaded R = Required C= Common
Legend: ** = selected for loading D = Desirable Others are optional
Select [a-A]or a Quick-Pick Option:
[1] All Required Modules [4] All Optional Modules Disk Usage:
[2] All Desirable Modules [5] All Modules 0K Selected
[3] All Common Modules 53634K Free
or [D] (done) to return to the main screen |
括弧内の文字を入力して、読み込むモジュールを選択します。
モジュール選択画面に、読み込むグループ名が表示されます。1 を入力すると、必要なすべてのモジュールに読み込み対象を示すマーク (**) が付けられます。2 を入力すると、読み込みを推奨するすべてのモジュールに、また 3 を入力すると一般的に読み込むすべてのモジュールに、4 を入力するとオプションのすべてのモジュールに読み込み対象のマークが付けられます。5 を入力すると、モジュール選択画面に表示されるすべてのモジュールに読み込み対象のマークが付けられます。
D を入力して、メインメニューに戻ります。
メインメニューが表示されます。
*** 4.1* Install Main Menu ***
Choose an Architecture (then select modules to load):
Modules
Loaded Selected
[a] sun4.sun4c.sunos.4.1.2 0 4
[b] sun4.sun4.sunos.4.1.2 0 3
[c] sun4.sun4m.sunos.4.1.2 0 1
or begin the loading process for all selected modules:
[L] Load selected modules
or abort without loading any modules:
[Q] Quit without loading
Disk Usage:
Type any bracketed letter to select that function. 0K Selected
53634K Free
Type ? for help. |
L を入力して、ソフトウェアをインストールします。
手順 10 で選択したモジュールがインストールされます。
Installing module `proto root' [size: 248K]
in directory /export/exec/proto.root.sunos.4.1.2 ...
Updating server databases ...
Press any key to continue: |
モジュールのインストールが完了したら、任意のキーを押してメインメニューに戻ります。
メインメニューに読み込まれたモジュールが表示されます。
他のアーキテクチャのサポートを追加する場合は、手順 9 から 手順 12 を繰り返します。終了する場合は、Q を入力します。
SunOS 4.x OS サービスを OS サーバーに追加するコマンド行はありません。
ディスクレスクライアントへの SunOS 4.x サポートを追加する方法に関しては、「ディスクレスクライアントのサポートの追加」、データレスクライアントへの SunOS 4.x サポートを追加する方法に関しては、「データレスクライアントのサポートの追加」を参照してください。
ホストマネージャを起動し、必要に応じてネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャのメインウィンドウで変更する OS サーバーを選択します。
「変更」ウィンドウが表示されます。
「OS サービス」の「追加」ボタンをクリックします。
「パスの設定」をクリックして、クライアントサービスを追加する Solaris CD イメージのパスを指定します。
インストールサーバーは現在のホストがデフォルト設定されています。インストールサーバーとして別のホストを指定する場合は、「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択します。インストールサーバーがリモートシステムの場合は、最低限、管理システムとして設定してください。
使用する CD イメージ |
使用条件 |
指定するパス |
---|---|---|
Solaris CD |
/cdrom/cdrom0、 /cdrom/cdrom0/s0、 /cdrom/cdrom0/s2 のいずれか |
|
Solaris CD がボリューム管理されていない |
Solaris CD のマウントポイント |
|
インストールサーバーのハードディスクの Solaris CD を (setup_install_server を使って) コピーしたもの |
|
Solaris CD をコピーするために、setup_install_server で指定した場所 |
追加するサービスを入力して、「追加」をクリックします。
指定した OS サービスが OS サービスのリストに追加され、エントリに + マークが表示されます。このマークのついた OS サービスは、変更を保存すると実際に追加されます。変更を保存する前に「削除」ボタンを使用して、OS サービスを削除することもできます。
「変更」ウィンドウの「了解」をクリックします。
「ファイル」メニューで「変更を保存」を選択して、サービスを追加します。
OS サービスの「変更」ウィンドウの記入例を以下に示します。
次のように入力すると、ホストマネージャと同じように OS サービスを OS サーバーに追加できます。
% admhostmod -x mediapath=jupiter:/cdrom/cdrom0/s0 ¥ -x platform=sparc.sun4c.Solaris_2.5 rogue |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-x mediapath= jupiter:/cdrom/cdrom0/s0 |
Solaris CD イメージが jupiter という名前のリモートシステムにマウントされた CD 上にあることを指定します。リモートシステムは、最低限、管理システムとして設定する必要があります。 |
-x platform= sparc.sun4c.Solaris_2.5 |
インストールするサービスを指定します。この例では、SPARC Solaris の sun4c カーネルアーキテクチャに必要な Solaris 2.5 サービスを指定しています。 |
rogue |
OS サーバー名を指定します。 |
Solstice 起動ツールからホストマネージャを起動し、ネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャで、変更する OS サーバーを選択します。
ホストマネージャの「編集」メニューから「変更」を選択します。
「変更」ウィンドウが表示されます。
「OS サービス」ウィンドウで「追加」ボタンをクリックして、OS サービスを追加します。
「パスの設定」をクリックして、追加する OS サービスから JavaOSTM イメージまでのパスを指定します。
「インストールサーバー」には、デフォルトで現在のホスト名が表示されています。「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択し、別のホスト名を指定します。リモートシステムは、管理済みシステムとして設定してください。
使用する CD イメージ |
使用条件 |
指定するパス |
---|---|---|
JavaOS |
/cdrom/cdrom0、 /cdrom/cdrom0/s0、 /cdrom/cdrom0/s2 のいずれか |
|
JavaOS CD がボリューム管理されていない |
JavaOS CD のマウントポイント |
|
追加するサービスの種類を選択して「追加」ボタンをクリックします。
OS サービスが OS サービスリストに追加され、プラスの記号 (+) が付けられます。(+) 記号は、変更内容を保存するときに追加される項目を示します。「削除」ボタンを使うと、変更内容を保存する前にリストから OS サービスを削除できます。
「追加」ウィンドウで「了解」をクリックします。
「ファイル」メニューから「変更を保存」を選択して、指定したサービスを追加します。
Solstice 起動ツールからホストマネージャを起動し、ネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
変更する OS サーバーを選択します。
「編集」メニューから「変更」を選択します。
「変更」ウィンドウが表示されます。
リストから削除する OS サービスを選択します。
システムにインストールされている OS サービス名の先頭には + 記号が付いています。
「OS サービス」ウィンドウで「削除」をクリックして、OS サービスを削除します。
sparc といった特定のバージョンの OS サービスを選択した場合、そのバージョンの OS サービスは、稼働しているプラットホームには関係なく、すべて削除されます。
コマンド行を使用して OS サーバーから OS サービスを削除するには、次のように入力します。
% admhostmod -x rmplatform=sun4.all.sunos_4.1.1 rogue |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-x rmplatform= sun4.all.sunos_4.1.1 |
削除するサービスを指定します (この場合は SunOS 4.1.1 サービス)。 |
rogue |
OS サーバー名を指定します。 |
操作の概略は次のとおりです。
ディスクレスクライアントのシステム情報を追加
ディスクレスクライアントへの OS サービスを選択
ディスクレスクライアントをブート
この手順では、サービス (ファイルサーバー) を提供するシステムが OS サーバーとして設定済みであることを前提としています。
ホストマネージャを起動し、使用するネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャのメインウィンドウの「編集」メニューで「追加」を選択します。
「追加」ウィンドウが表示されます。
「追加」ウィンドウに入力して、システムタイプに「Solaris Diskless」を選択します。
「ホスト名」から「時間帯」までのすべてのフィールドに、必要事項を入力してください。「ヘルプ」をクリックすると、このウィンドウのフィールド定義に関する情報を参照できます。
ファイルサーバーのデフォルトはクライアントホストです。別のホストをインストールサーバーとして指定する場合は、「インストールサーバー」メニューから「その他」を選択してください。
クライアントのアーキテクチャを選択して、「OS リリース」メニューから OS リリースを選択します。
アーキテクチャのタイプはディスクレスクライアントのアーキテクチャと、OS リリースは使用するディスクレスクライアントが起動している Solaris リリースと、それぞれ一致している必要があります。
システムのルートパスワードを設定します。
「追加」ウィンドウで「了解」をクリックします。
ディスクレスクライアントのサポートを追加するときは、「ファイル」メニューで「変更を保存」を選択します。
ホストマネージャのメインウィンドウに、ディスクレスクライアントが表示されます。ディスクレスクライアントサポートを追加する場合 (特に、システムのルートおよびスワップ領域を作成し、admclientpatch(1M) コマンドでパッチを適用する場合) には、数分間かかります。
ディスクレスクライアントが正しく機能するには、/export/root ディレクトリへのルートアクセス権が必要です。ホストマネージャで /export ディレクトリの共有オプションが正しく設定されていないことを示すメッセージが表示された場合は、そのクライアントのルート領域へのルートアクセス権を設定する必要があります。クライアントのルートにアクセス権を設定するには、通常、次のようにします。
rw=clientname, root=clientname
clientname にはクライアント名を指定します。
ホストマネージャで /usr ディレクトリが共有化されていることを示すメッセージが表示されることがありますが、これはホストマネージャが読み取り専用で、/usr を共有しようとしたためです。すでに読み取り権または書き込み権がある場合は、アクセス権を変更する必要はありません。
ディスクレスクライアントを手動でブートする方法、およびネットワークから自動的にブートする方法については、第 12 章「ネットワークからのシステムブート」を参照してください。
初期ブートプロセスでは、プロンプトに応じてディスクレスクライアントについての以下のシステム設定情報を入力してください。
地域
時間帯
日付と時間
ディスクレスクライアントの「追加」ウィンドウの記入例を以下に示します。
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにディスクレスクライアントのサポートを追加できます。
% admhostadd -i 129.152.221.66 -e 8:0:20:d:63:b2 -x type=DISKLESS ¥ -x tz=US/Mountain -x fileserv=pluto -x os=sparc.sun4c.Solaris_2.5 ¥ -x passwd=abc -x root=/export/root -x swap=/export/swap ¥ -x swapsize=24 orion |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-i 129.152.221.66 |
ディスクレスクライアントの IP アドレスを指定します。 |
-e 8:0:20:d:63:b2 |
ディスクレスクライアントの Ethernet アドレスを指定します。 |
-x type=DISKLESS |
システムタイプを指定します。 |
-x tz=US/Mountain |
システムの時間帯 (タイムゾーン) を指定します。 |
-x fileserv=pluto |
ディスクレスクライアントの OS サーバー名を指定します。 |
-x os=sparc.sun4c.Solaris_2.5 |
ディスクレスクライアントの機種、カーネルアーキテクチャ、ソフトウェアのリリースを指定します。 |
-x passwd=abc |
ルートパスワードを指定します。 |
-x root=/export/root |
ディスクレスクライアントのルートへのパスを指定します。 |
-x swap=/export/swap |
スワップファイルが生成されるディレクトリを指定します。 |
-x swapsize=24 |
スワップファイルのサイズを指定します。 |
orion |
ディスクレスクライアント名を指定します。 |
JavaStation クライアントのサポートを追加するには、次の 2 つの操作が必要です。
JavaStation クライアントのシステム情報を追加する
JavaStation クライアントをブートする
この手続きでは、サービスを提供しているシステム (ファイルサーバー) がすでに JavaOS サーバーとして構成されていることを前提としています。
Solstice 起動ツールからホストマネージャを起動し、ネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
「追加」ウィンドウが表示されます。
システム情報を書き込みます。システムタイプには「JavaStation」を選択します。
システム情報は、ホスト名から時間帯にいたるすべてのフィールドを指します。各フィールドの説明が必要な場合は、このウィンドウの「ヘルプ」ボタンをクリックしてください。
「ファイルサーバー」には、デフォルトで現在のホスト名が表示されています。別のホストをインストールサーバーとして指定するには、「インストールサーバー」メニューから「その他」を選択します。
「OS リリース」メニューから「sparc sun4m JavaOS 1.0」を選択します。
この OS リリースを選択するには、あらかじめサーバーに JavaOS サービスがインストールされていなければなりません。JavaOS サービスの追加に関しては、「JavaOS サービスの OS サーバーへの追加」を参照してください。
「追加」ウィンドウで「了解」をクリックします。
操作の概略は次のとおりです。
データレスクライアントのシステム情報を追加
データレスクライアントの OS サービスを選択
(必要に応じて) データレスクライアントのリモートインストール機能を設定
(必要に応じて) データレスクライアントをブートおよびインストール
以下の手順は、サービス (ファイルサーバー) を提供するシステムが、すでに OS サーバーとして設定されていることを前提としています。Solaris 2.5.1 以降の OS を実行している場合、データレスクライアントはサポートされません。
ホストマネージャを起動し、必要に応じてネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
「追加」ウィンドウが表示されます。
「追加」ウィンドウに入力して、システムタイプに「Solaris Dataless」を選択します。
「ホスト名」から「時間帯」までのすべてのフィールドに、必要事項を入力してください。「ヘルプ」をクリックすると、このウィンドウのフィールド定義に関する情報を参照できます。
ファイルサーバーのデフォルトは現在のホストです。別のホストをファイルサーバーとして指定する場合は、「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択します。
システムアーキテクチャのタイプを選択し、「OS リリース」メニューから OS リリースを選択します。
アーキテクチャのタイプはデータレスクライアントのアーキテクチャと、OS リリースはデータレスクライアントを使用する Solaris リリースと、それぞれ一致している必要があります。
このシステムをリモートでインストールする場合は、下記の 手順 7 に進んでください。それ以外の場合は、手順 11 に進んでください。
「リモートインストール設定」をクリックします。
「リモートインストール」ボタンを使用すると、特定のインストールサーバーからクライアントをブートできます。
インストールサーバーは、現在のホストがデフォルト設定されています。インストールサーバーとして別のホストを指定する場合は、「インストールサーバー」メニューで「その他」を選択します。
「パスの設定」をクリックして、インストールサーバー上の Solaris CD イメージのパスを指定します。
インストールサーバーがリモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。
Solaris CD イメージのパスは、「OS リリース」メニューで指定したリリースと同じものでなければなりません。
使用する CD イメージ |
使用条件 |
指定するパス |
---|---|---|
Solaris CD |
Solaris CD がボリューム管理されている |
/cdrom/cdrom0、 /cdrom/cdrom0/s0、 /cdrom/cdrom0/s2 のいずれか |
Solaris CD がボリューム管理されていない |
Solaris CD のマウントポイント |
|
インストールサーバーのハードディスクへ Solaris CD を (setup_install_server を使って) コピーしたもの |
|
Solaris CD をコピーするために、setup_install_server で指定した場所 |
必要に応じて、ブートサーバーまたはプロファイルサーバーを指定します。
デフォルト以外のサーバーを指定する場合は、「その他」を選択してください。「プロファイルサーバー」プルダウンメニューから、使用するプロファイルサーバーを選択してください。ブートサーバー上のブートソフトウェア、またはプロファイルサーバー上のカスタム JumpStart ディレクトリのパスも指定する必要があります。
カスタム JumpStart のインストール、ネットワークの事前構成、システム情報に必要な、他のコンポーネントについては、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
「追加」ウィンドウの「了解」をクリックします。
「ファイル」メニューで「変更を保存」を選択すると、データレスクライアント情報が追加されます。
ホストマネージャのメインウィンドウに、データレスクライアントが表示されます。
データレスクライアントが正しく機能するには、/export/root ディレクトリへのルートアクセス権が必要です。ホストマネージャで /export ディレクトリの共有オプションが正しく設定されていないことを示すメッセージが表示された場合は、そのクライアントのルート領域へのルートアクセス権を設定する必要があります。クライアントのルートにアクセス権を設定するには、通常、次のようにします。
rw=clientname, root=clientname
clientname にはクライアント名を指定します。
ホストマネージャで /usr ディレクトリが共有されていることを示すメッセージが表示されることがありますが、これはホストマネージャが読み取り専用で、/usr を共有しようとしたためです。すでに読み取り権または書き込み権がある場合は、アクセス権を変更する必要はありません。
(省略可能) データレスクライアントをブートインストールします。
ブートインストールの詳細は、『Solaris のインストール (上級編)』を参照してください。
データレスクライアントの「追加」ウィンドウの記入例を以下に示します。
次のように入力すると、ホストマネージャと同じようにデータレスクライアントのサポートを追加できます。
% admhostadd -i 129.152.225.2 -e 8:0:20:7:e0:26 -x type=DATALESS ¥ -x tz=US/Mountain -x fileserv=pluto ¥ -x os=sparc.sun4c.Solaris_2.5 neptune |
コマンドの意味は、以下のとおりです。
-i 129.152.225.2 |
ディスクレスクライアントの IP アドレスを指定します。 |
-e 8:0:20:7:e0:26 |
ディスクレスクライアントの Ethernet アドレスを指定します。 |
-x type=DATALESS |
システムタイプを指定します。 |
-x tz=US/Mountain |
システムの時間帯 (タイムゾーン) を指定します。 |
-x fileserv=pluto |
ディスクレスクライアントの OS サーバー名を指定します。 |
-x os=sparc.sun4c.Solaris_2.5 |
ディスクレスクライアントの機種、カーネルアーキテクチャ、ソフトウェアのリリースを指定します。 |
neptune |
ディスクレスクライアント名を指定します。 |
Solaris 2.5.1 以降の OS を実行している場合、データレスクライアントはサポートされません。
Solstice 起動ツールからホストマネージャを起動し、ネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
「追加」ウィンドウが表示されます。
別の IP アドレスを追加したいホスト名を「ホスト名」フィールドに入力し、Tab キーを押して次のフィールドに移動します。
この場合の「追加」ウィンドウは小さく、変更可能な「IP アドレス」フィールドと、「Multihome ホスト」と記した「システムタイプ」フィールドだけが含まれます。
追加の IP アドレスを入力して、「了解」をクリックします。
ホストマネージャを見ると、マルチホームホストにしたホスト名が 2 度リストされています。
「ファイル」メニューから「変更を保存」を選択します。
操作 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
システムサポートを変更 | ||
システムサポートを削除 |
「編集」メニューから「削除」を選択して、システムサポートを削除します。 |
ホストマネージャを起動し、必要に応じてネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャのメインウィンドウから、変更するシステムのエントリを選択します。
システムサポートを変更します。
「ヘルプ」をクリックすると、このウィンドウのフィールド定義に関する情報を参照できます。
「変更」ウィンドウの「了解」をクリックします。
「ファイル」メニューから「変更を保存」を選択して、システムサポートを変更します。
admhostmod コマンドでもシステムサポートを変更できます。
ホストマネージャを起動し、使用するネームサービスを選択します。
詳細は、「ホストマネージャの起動」を参照してください。
ホストマネージャのメインウィンドウで削除するシステムを選択します。
ホストマネージャのメインウィンドウの「編集」メニューで「削除」を選択します。
削除の確認を求めるウィンドウが表示されます。
「削除」をクリックします。
「ファイル」メニューで「変更を保存」を選択すると、システムのサポートが削除されます。
admhostdel コマンドでもシステムサポートを変更できます。
ホストマネージャと同じ処理を実行するコマンドを使用して、新しいディスクレスおよび AutoClient システムの生成に必要な設定処理を自動的に実行できます。この機能によって、JumpStart 製品を使用してスタンドアロンシステムに Solaris をインストールする場合に行われるような自動処理が実行されます。ユーザー自身が作成したシェルスクリプトとコマンド行を組み合わせて実行することで、クライアント環境を一括自動処理でカスタマイズできます。
コマンド行から OS サーバーを設定し、OS サーバーを追加、そしてディスクレスクライアントを OS サーバーへ追加する方法について説明します。
スタンドアロンシステムを OS サーバーに変換します。
% admhostmod -x type=os_server rogue |
OS サーバーに OS サービスを追加します。
次の例では、rogue というシステムに Sun4m カーネルアーキテクチャ用の Solaris 2.5 一般ユーザークラスタの OS サービスを追加します。
Solaris CD イメージは jupiter というリモートシステムにマウントされた CD 上にあります。インストールサーバーがリモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。
% admhostmod -x mediapath=jupiter:/cdrom/cdrom0/s0 ¥ -x platform=sparc.sun4m.Solaris_2.5 -x cluster=SUNWCuser rogue |
次の例では、rogue というシステムに Sun4m カーネルアーキテクチャ用の Solaris 2.5.1 全体クラスタの OS サービスを追加します。
Solaris CD イメージは saturn というリモートシステムにオートマウントされたハードディスク上にあります。インストールサーバーがリモートシステムの場合は、はじめに管理システムとして設定してください。
% admhostmod -x mediapath=rogue:/net/saturn/export/Solaris_CD ¥ -x platform=sparc.sun4m.Solaris_2.5.1 -x cluster=SUNWCall rogue |
ディスクレスクライアントを追加します。
この例では、venus という Solaris 2.5.1 ディスクレスクライアントを rogue というサーバーに追加します。
% admhostadd -i 129.152.225.2 -e 8:0:20:b:40:e9 ¥ -x type=diskless -x fileserv=rogue ¥ -x os=sparc.sun4m.Solaris_2.5.1 ¥ -x swapsize=40 -x venus |
これに類似したコマンドをシェルスクリプトに記述し、他の処理と組み合わせることで、クライアントを設定する際にディスクレスクライアントをカスタマイズできます。IP アドレス、Ethernet アドレス、ホスト名も処理できるように、スクリプトをパラメータ化することもできます。