Solstice AutoClient 2.1 管理者ガイド

AutoClient パッチ管理の概要

パッチとは、ソフトウェアを正常に実行することができない原因となっている既存のファイルやディレクトリを、置き換えたり変更したりするためのファイルとディレクトリの集まりのことです。既存のソフトウェアは、アプリケーションバイナリインタフェースに準拠したパッケージ形式で作成されています。パッケージについての詳細は、日本語 Solaris 2.5 システム管理 AnswerBook の『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。

ディスクレスクライアントおよび AutoClient システムでは、すべてのソフトウェアがサーバー上に置かれます。たとえば、AutoClientシステムにソフトウェアパッチを追加する場合、ローカルのディスク領域がキャッシュ用として確保されているので、クライアント上にはパッチを追加しません。サーバー、またはサーバーにあるクライアントのルートファイルシステムのいずれか、あるいは両方に、パッチを追加することができます。AutoClientシステムのルートファイルシステムは通常、サーバーの /export/root/hostname にあります。

クライアントにパッチを追加すると、ソフトウェアの一部がクライアントのルートファイルシステム上に、別の一部はクライアントが使用する OS サービス上に置かれます。

ディスクレスクライアントおよび AutoClient システムにパッチをインストールする手順を簡素化するために、Solstice AutoClient には admclientpatch コマンドが用意されています。表 8-1 に、admclientpatch コマンドのオプションと使用方法を示します。

表 8-1 admclientpatch コマンドのオプションと使用方法

オプション 

機能 

-a patch_dir/ patch_id

サーバーのスプールディレクトリにパッチを追加します。 

-c

サーバーの配下にあるすべてのディスクレスクライアントと AutoClient システム、および OS サービスにインストールされているパッチを表示します。 

-p

現在スプールされているすべてのパッチを表示します。 

-r patch_list

patch_id に指定したパッチをスプールディレクトリから削除します。

-s

クライアントに追加されたすべてのパッチとスプールディレクトリにあるパッチとが一致するように、すべてのクライアントの同期をとります。