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iPlanet Messaging Server 5.0 リファレンス マニュアル

第 1 章 Messaging Server のコマンド ライン ユーティリティ


iPlanet Messaging Server 5.0 には、グラフィカル ユーザ インターフェイスのほかに、一連のコマンド ライン ユーティリティが用意されています。この章では、Messaging Server の起動、停止、管理、メッセージ アクセス、メッセージ ストアに関するユーティリティについて説明します。

MTA のコマンド ライン ユーティリティについては、第 2 章 「Message Transfer Agent のコマンド ライン ユーティリティ」を参照してください。iPlanet Delegated Administrator for Messaging のコマンド ライン ユーティリティについては、第 3 章 「Delegated Administrator のコマンド ライン ユーティリティ」を参照してください。

表 1-1 に、この章で説明するコマンドの一覧を示します。

表 1-1 Messaging Server のコマンド 


コマンド

説明

configutil

Messaging Server の設定パラメータを一覧表示し、変更できます。

counterutil

カウンタ オブジェクトのすべてのカウンタを表示します。カウンタ オブジェクトをモニタします。

deliver

メールを、IMAP または POP メール クライアントがアクセスできるメッセージ ストアに直接配信します。

hashdir

特定のアカウントのメッセージ ストアを含むディレクトリを識別します。

imsasm

ユーザ メールボックスの保存と回復を行います。

imsbackup

保存したメッセージのバックアップを作成します。

imsrestore

バックアップ デバイスからメッセージ ストアへ、メッセージをリストアします。

imscripter

IMAP サーバーのプロトコル スクリプティング ツールです。単独、または一連のコマンドを実行します。

mboxutil

メールボックス (フォルダ) を一覧、作成、削除、名前変更、または移動することができます。

mkbackupdir

バックアップ ディレクトリを作成、またはメッセージ ストア内の情報に合わせて同期化します。

MoveUser

ユーザのアカウントを別の Messaging Server に移動します。

readership

共有 IMAP フォルダ内のメッセージを、メールボックスの所有者以外に何人のユーザが読んだかをレポートします。

reconstruct

1 つ、または複数のメールボックス、あるいはマスター メールボックス ファイルを再構築し、矛盾がある場合は修復します。

start-msg

Messaging Server のプロセスを開始します。

stop-msg

Messaging Server のプロセスを停止します。

stored

クリーンアップ操作と失効操作を実行します。


コマンドの説明



この節では、主な iPlanet Messaging Server コマンド ライン ユーティリティの機能、およびシンタックスについて説明するとともに、実際の使用例を紹介します。ユーティリティはアルファベット順に並べてあります。


configutil

configutil ユーティリティでは、iPlanet Messaging Server 5.0 の設定パラメータを一覧表示し、変更することができます。

すべての設定パラメータの一覧は、第 4 章 「Messaging Server の設定」に掲載されています。

iPlanet Messaging Server 5.0 の設定パラメータと値のほとんどは Directory Server の LDAP データベースに、その他のパラメータと値はローカルの msg.conf ファイルと local.conf ファイルに保存されます。起動パラメータは msg.conf ファイルに保存されており、インストール中に設定されます。msg.conf ファイルと local.conf ファイルを手作業で編集することは避けてください。これらのファイルに保存されているパラメータを編集する場合は、configutil を使用します。


管理者が言語に特定のオプション (メッセージなど) を定義している場合に、これらのオプションを一覧表示または変更するには、コマンドの最後に language オプションを指定します。language オプションを使用せずに入力したコマンドは、特定の言語パラメータを持たない属性のみに適用されます。



条件 : Messaging Server でローカルに実行します。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/admin/bin

configutil では、次の 4 つのタスクを実行できます。


シンタックス


configutil [-f configdbファイル] [コマンド-オプション] [;言語]
configutil -i < 入力ファイル


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。



オプション

説明

-e

値が指定されていない設定パラメータすべてを一覧表示します。-l オプション、-p オプション、および -i オプションとともに使用できます。

-f configdbファイル

デフォルト以外のローカル設定ファイルを指定できます (デフォルトでは、CONFIGROOT 環境変数に保存されている情報が使用されます)。

-i < 入力ファイル

ファイルから設定をインポートします。ファイル内のデータは、「オプション|」の形式で、縦線の両側にはスペースを入れずに入力します。-e-i とともに使用し、オプションを値なしで指定すると、そのオプションの既存の値はすべて削除されます (-e を使用しない場合は、オプションを値なしで指定しても、そのオプションの既存の値は変更されません)。

次のような UNIX コマンド ラインは、有効なシンタックスではありません。
cat 入力ファイル | configutil -i

-l オプション

ローカル サーバ設定ファイルに保存されている設定パラメータを一覧表示します。-v オプションとともに使用すると、設定パラメータの値を、ローカル サーバ設定ファイルに保存するように指定できます。

-o オプション

表示または編集する設定パラメータの名前を指定します。-l オプションや -i オプションとともに使用できます。名前が local で始まる設定パラメータは、ローカル サーバ設定ファイルに保存されます。

-p プレフィックス

指定したプレフィックスを持つ設定パラメータを一覧表示します。

-v

設定パラメータの値を指定します。-o オプションとともに使用します。-l オプションも指定されている場合、または -o オプションで指定した設定パラメータ名が local で始まる場合、オプションの値は Directory Server ではなく、自動的にローカル サーバ設定ファイルに保存されます。

コマンド ライン オプションを指定しなかった場合は、すべての設定パラメータが一覧表示されます。




Derectory Server LDAP データベースとローカル サーバ設定ファイルの両方にある設定パラメータと各パラメータの値をすべて一覧表示するには :

configutil

config.cfg という入力ファイルから設定をインポートするには :

configutil -i < config.cfg

service.imap というプレフィックスが付いているすべての設定パラメータを表示するには :

configutil -p service.imap

値のないパラメータも含め、service.imap というプレフィックスが付いているすべての設定パラメータを表示するには :

configutil -e -p service.imap

service.smtp.port 設定パラメータの値を表示するには :

configutil -o service.smtp.port

service.smtp.port 設定パラメータの値を 25 に設定するには :

configutil -o service.smtp.port -v 25

service.imap.banner 設定パラメータの値をクリアするには :

configutil -o service.imap.banner -v ""


特定の言語のオプション

特定の言語に対するオプションを設定または一覧表示するには、オプションのすぐ後に、スペースを入れずに ;lang-xx を追加します。「xx」の部分には 2 文字の言語の識別子を入れます。たとえば、store.quotaexceededmsg というメッセージの日本語バージョンを表示するには、次のように入力します。

configutil -o "store.quotaexceededmsg;lang-jp"


counterutil

counterutil ユーティリティは、カウンタ オブジェクト内のカウンタを表示および変更します。また、5 秒ごとにカウンタ オブジェクトをモニタするのに使用することもできます。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。

場所 : サーバ ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス


counterutil -o カウンタオブジェクト [-i 間隔] [-l] [-n 反復数]
  [-r レジストリ名]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-i 間隔

レポートの間隔を秒数で指定します。デフォルトは 5 です。

-l

-r オプションで指定したレジストリ内の使用できるカウンタを一覧表示します。

-n 反復数

反復の回数を指定します。デフォルトは無限です。

-o カウンタオブジェクト

特定のカウンタ オブジェクトの内容を、継続して 5 秒ごとに表示します。

-r レジストリ名

使用するカウンタ レジストリを示します。-r レジストリ名 オプションでレジストリ名を指定しなかった場合、デフォルトはサーバ-ルート/msg-インスタンス/counter/counter になります。




あるサーバのカウンタ レジストリ内のカウンタ オブジェクトをすべて一覧するには :

counter

カウンタ オブジェクト imapstat の内容を 5 秒ごとに表示するには :

counterutil -o imapstat -r \
サーバ-ルート/msg-インスタンス/counter/counter


deliver

deliver ユーティリティは、IMAP または POP メール クライアントがアクセスできるメッセージ ストアに、直接メールを配信します。

統合されたメッセージ環境を管理する場合は、このユーティリティを使ってメールを別の MTA (たとえば、sendmail MTA) から Messaging Server のメッセージ ストアに配信することができます。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。stored ユーティリティが実行されていなければなりません。

UNIX での場所 : サーバ-ルート/bin/msg/store/bin


シンタックス


deliver [-l] [-c] [-d] [-r アドレス] [-f アドレス] [-m メールボックス] [-a 認証ID]
  [-q] [-g フラグ] [ユーザid]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a 認証ID

差出人の認証 ID を指定します。デフォルトは anonymous です。

-c

メッセージ ストアにメールボックスがない場合、メールボックスが自動的に作成されます。

-d

このオプションは、/bin/mail との互換性を維持するために deliver によって認識されますが、deliver はこれを無視します。

-g フラグ

配信されるメッセージに、システム フラグまたはキーワード フラグを設定します。

-f アドレス

アドレスを含む転送パス ヘッダーを挿入します。

-l

LMTP プロトコル (RFC 2033) を使用してメッセージを受理します。

-m メールボックス

「メールボックス」にメールを配信します。

  • ユーザ ID が指定されている場合は、各ユーザ ID のメールボックスへメールの配信が試みられます。メールボックスのアクセス制御により、差出人に「p」権限が与えられていない場合、または -m オプションが指定されていない場合は、inbox のアクセス制御の内容にかかわらず、ユーザ ID の Inbox にメールが配信されます。

  • ユーザ ID が指定されていない場合は、「メールボックス」へのメールの配信が試みられます。メールボックスのアクセス制御により、差出人に「p」権限が与えられていない場合、配信は行われません。

-q

メールボックスの制限容量を無効にします。受信メールボックスの制限容量を超えている場合でも、メッセージの配信が行われます。

-r アドレス

アドレスを含む Return-Path: ヘッダーを挿入します。

ユーザid

「ユーザid」に指定されたユーザの Inbox に配信します。

オプションを指定しなかった場合、メールは Inbox に配信されます。




message.list というファイルの内容を Fred の tasks メールボックスに配信するには :

deliver -m tasks fred < message.list

上の例では、tasks メールボックスが差出人に「p」権限を与えない場合、message.list の内容はユーザ fred の Inbox に配信されます。


hashdir

hashdir コマンドは、特定アカウントのメッセージ ストアを含むディレクトリを識別します。このユーティリティは、メッセージ ストアへの相対パスをレポートします。このパスは、ユーザ ID に基づくディレクトリの 1 つ上のディレクトリ レベルを基準にしたものです。hashdir は、パス情報を標準出力に送ります。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。


シンタックス


hashdir [-a] [-i] アカウント名


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a

出力にディレクトリ名を追加します。

-i

コマンドをインタラクティブ モードで使用できます。





hashdir user1


imsasm

imsasm ユーティリティは外部の ASM (Application Specific Module: アプリケーションに特定のモジュール) で、ユーザ メールボックスの保存と回復を行います。imsasm により imsbackup ユーティリティと imsrestore ユーティリティが呼び出され、データ ストリームが作成および解釈されます。

保存を行う場合、imsasm によって引数一覧内の各メールボックスまたはフォルダに対し保存レコードが作成されます。各ファイル、またはディレクトリに関連付けられたデータは、ユーザのメールボックスに imsbackup コマンド、または imsrestore コマンドを実行することで生成されます。


シンタックス


imsasm [標準_ASM_引数]


オプション

imsasm ユーティリティで使用されるオプションは、標準 ASM 引数とも呼ばれます。

-s (保存)、-r (回復)、または -c (比較) のいずれかを必ず指定します。また、これらのオプションを他のオプションの前に配置します。保存の場合は、少なくとも 1 つのパス引数を指定します。パスには、ディレクトリまたはファイル名を使用できます。

次のオプションはすべてのモードで使用できます。


オプション

説明

-n

ドライ ランを実行します。つまり、保存する場合はファイル システムを実行しますが、ファイルを開いて保存ストリームを作成することはありません。回復や比較を行う場合は、入力保存ストリームを消費し、基本的なサニティ チェックを行いますが、回復のために実際にディレクトリやファイルを作成したり、実際にファイル データを比較することはありません。

-v

詳細モードをオンにします。処理中の現在の ASM、引数、ファイルが表示されます。フィルタ モードで機能する (つまり、ほかの ASM の保存ストリームを処理する) ASM のフィルタによってストリームが変更される場合は、ストリーム名、引数、および現在のファイルが角括弧の中に表示されます。

保存する場合 (-s) は、次のオプションを使用できます。


オプション

説明

-b

バイト カウントを作成します。このオプションは -n オプションに似ていますが、バイト カウント モードでは実際にファイルのデータを読み取る代わりに、データ量の推測が行われます。このため、このオプションは -n オプションに比べて高速ですが、精度は落ちます。バイト カウント モードでは、3 つの数値が作成されます。レコード (ファイルとディレクトリ) の数、ヘッダー情報のバイト数、およびファイル データのバイト数の概算です。バイト カウント モードでは保存ストリームが作成されないため、出力を回復モードで別の ASM の入力として使うことはできません。

-o

以前の NetWorker サーバで処理できる「旧式」の保存ストリームを作成します。

-e

最終的な「保存ストリームの最後」ブール値を生成しません。このフラグは、ASM により外部の ASM が呼び出され、最適化のために生成した保存ストリームを消費しない方がよい場合にのみ使用します。

-i

ディレクトリ ツリー内で見つかった .nsr 指示ファイルからのすべての保存指示を無視します。

-f プロト

ファイルを処理する前に解釈する .nsr 指示ファイルの場所を指定します。プロトで指定された指示ファイル内で、パス指示は、処理されるディレクトリ ツリー内のファイルを指し示す必要があります。そうでないと、後続の指示は無視されます。

-p プレフィックス パス

出力する際に、この文字列を各ファイル名の前に追加します。この引数は、ASM で他の外部 ASM を実行する際に、内部で使用されます。プレフィックス パスは、現在の作業ディレクトリまたはその下位ディレクトリで、適切にフォーマットされていなければなりません。

-t 日付

ファイルを保存する前に変更が必要になる、最初の日付です。

-x

ファイル システムの境界を越えます。通常、処理の際にファイル システムの境界を越えることはありません。

回復する場合 (-r) は、次のオプションを使用できます。


オプション

説明

-i 応答

最初のデフォルト上書き応答を指定します。使用できるのは 1 文字のみです。回復するファイルと同じ名前のファイルが既に存在する場合、ユーザに上書きを確認するプロンプトが表示されます。Return キーを押すと選択されるデフォルト応答は、角括弧の中に表示されます。-i オプションで特に指定を行わない限り、最初のデフォルト上書き応答は n になります。デフォルト以外の応答を選択すると、その応答が新しいデフォルトになります。NR、または Y を指定すると、名前変更サフィックスで終わるファイル名を自動変更する場合を除き、プロンプトは表示されません。その後の競合は、同じ文字の小文字を選択したものとして解消されます。有効な上書き応答と、それらの意味を以下に示します。

  • n - 現在のファイルを回復しません。

  • N - 名前が競合するファイルは回復しません。

  • y - 既存のファイルを回復したファイルで上書きします。

  • Y - 競合する名前のファイルを上書きします。

  • r - 競合するファイルの名前を変更します。回復したファイルの名前に、ドット文字 (.) とサフィックスが追加されます。それでも競合がある場合は、ユーザにプロンプトが表示されます。

  • R - ドット文字 (.) とサフィックスを追加して、競合するファイルの名前を自動的に変更します。矛盾するファイル名が既に。サフィックスで終わる場合は、自動名前変更のループを避けるために、ユーザにプロンプトが表示されます。

-m src=dst

作成されるファイル名をマップします。「src」で始まるファイルはすべて、パスの「src」の部分を「dst」に置き換えるようにマップされます。このオプションは、絶対パス名を使用して、回復したファイルを別のディレクトリに保存したい場合に便利です。

-z サフィックス

競合するファイルの名前を変更する場合に追加するサフィックスを指定します。デフォルトのサフィックスは R です。

パス

回復するファイルを制限します。プレフィックスのパスが一致するファイルのみを回復します。このチェックは、-m オプションで名前のマップが実行される前に行われます。パスを指定しないと、チェックは行われません。




imsasm を使用して、ユーザ joe のメールボックス INBOX を作成するには、システム管理者が次の内容でディレクトリ ファイル ADM_ルート/backup/DEFAULT/joe/.nsr を作成します。

imsasm: INBOX

これにより、メールボックスがimsasm を使用して保存されるようになります。mkbackupdir ユーティリティを実行すると、自動的に .nsr ファイルが作成されます。「mkbackupdir」を参照してください。


imsbackup

imsbackup ユーティリティは、選択したメッセージ ストアの内容を、シリアル デバイス (磁気テープ、UNIX パイプ、通常のファイルなど) に書き込む際に使用します。バックアップの全体または一部は、後から imsrestore ユーティリティを使って回復できます。imsbackup ユーティリティは、UNIX の tar コマンドと同様の基本的なバックアップ機能です。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/store/bin


シンタックス


imsbackup [-a ユーザid] [-b ブロック_係数] [-f デバイス]
  [-d 日付時刻] [-i] [-l] [-u ファイル] [-v] パス


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a ユーザid

指定したユーザを認証します。

-b ブロック_係数

バックアップ デバイスに書き込まれるものはすべて、512xブロック_係数のサイズのブロックごとに実行されます。デフォルトは 20 です。

-d 日付時刻

バックアップするメッセージの最初の日付で、yyyymmdd[:hhmmss] の書式で指定します。たとえば、-d 19990501:13100 では、1999 年 5 月 1 日午後 1 時 10 分から現在までに保存されたメッセージをバックアップします。デフォルトでは、日付に関係なく、すべてのメッセージがバックアップされます。

-f デバイス

バックアップを書き込むファイルの名前を指定します。-f を指定しなかった場合、imsbackupstdout に書き込みます。

-i

リンクを無視します。POP ストアに使用されます。

-l

バックアップ オブジェクトを自動ロードします。

-u ファイル

バックアップするオブジェクト名ファイルを指定します。

-v

コマンドを詳細モードで実行します。

パス

バックアップするパスまたはパス名です。バックアップ パスは、次のフォーマットのいずれかで指定します。

  • /メッセージ ストア/グループ/ユーザ/メールボックス

  • /メッセージ ストア/グループ/ユーザ

  • /メッセージ ストア/グループ

  • /メッセージ ストア




次の例では、user1/dev/rmt/0 にバックアップされます。

imsbackup -f /dev/rmt/0 /mystore/ALL/user1

次の例では、すべてのユーザが groupA にバックアップされます。

imsbackup /mystore/groupA

次の例では、mystore の完全なバックアップが行われます。

imsbackup /mystore


imsrestore

imsrestore ユーティリティは、バックアップ デバイスからメッセージ ストアへメッセージをリストアします。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/store/bin


シンタックス


imsrestore [-a ユーザid] [-b ブロック_係数] [-c [y | n]]
  [-f デバイス] [-h] [-i] [-m ファイル] [-n] [-t] [-u ファイル]
  [-v] パス


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a ユーザid

指定したユーザを認証します。

-b ブロック_係数

ブロック係数を示します。デバイスで読み込まれたものはすべて、512 x ブロック_係数のサイズのブロックごとに実行されます。デフォルトは 20 です。この数値は、バックアップに使用したブロック係数と同じである必要があります。

-c [y | n]

「続行しますか?」という質問に対し、「はい (y)」または「いいえ (n)」で答えます。

-f ファイル

バックアップ データを読み込むファイルの名前を指定します。-f を指定しなかった場合、imsrestorestdin から読み込みます。

-h

ヘッダーを削除します。

-i

既存のメッセージを無視します。リストアの前に、既存のメッセージのチェックは行われません。

-m ファイル

ユーザ名マップ ファイルを指定します。これはユーザ ID を変更する際に使用します。

-n

.date 拡張子を使用して、新規メールボックスを作成します (メールボックスが存在する場合)。特に設定を変更しない限り、メッセージは既存のメールボックスに追加されます。

-t

内容の一覧を印刷しますが、リストアは行われません。

-u ファイル

リストアするオブジェクト ファイルの名前を指定します。

-v

コマンドを詳細モードで実行します。

パス

リストアするパスまたはパス名です。パスは、次のいずれかのフォーマットで指定します。

  • /メッセージ ストア/グループ/ユーザ/メールボックス

  • /メッセージ ストア/グループ/ユーザ

  • /メッセージ ストア/グループ

  • /メッセージ ストア




次の例では、backupfile ファイルからメッセージがリストアされます。

imsrestore -f backupfile

次の例では、backupfile から user1 のメッセージがリストアされます。

imsrestore -f backupfile /mystore/ALL/user1


imscripter

imscripter ユーティリティは、IMAP サーバに接続し、単独または一連のコマンドを実行します。

条件 : リモートでも実行できます。

場所 : サーバ_ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス


imscripter [-h] [-f スクリプト | [-c コマンド] -f データ ファイル]] [-c コ マンド] [-s サーバid | -p ポート | -u ユーザid | -x パスワード | -v 詳細 モード]


オプション

このユーティリティのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-c コマンド

コマンドを実行します。次のコマンドを実行できます。

create メールボックス
delete メールボックス
rename 旧メールボックス 新規メールボックス [パーティション]
getacl
メールボックス
setacl メールボックス ユーザid 権限
deleteacl メールボックス ユーザid

上に挙げた変数を指定すると、コマンドはその変数を使って実行されます。たとえば、create lincoln はユーザ lincoln のメールボックスを作成します。-f ファイル オプションを使用すると、指定したファイルに含まれる各変数に対してコマンドが実行されます。

-f ファイル

ファイル には、1 つまたは複数のコマンド、またはコマンドを実行するメールボックスの一覧を含めることができます。

-h

このコマンドのヘルプを表示します。

-p ポート

指定したポートに接続します。デフォルトは 143 です。

-s サーバ

指定したサーバに接続します。デフォルトは localhost です。サーバの指定には、ホスト名または IP アドレスを使用できます。

-u ユーザid

ユーザid として接続します。

-v 詳細モード

さまざまな情報を印刷するためのオプションを指定する文字列です。オプションは次のとおりです。

E - エラーを表示します。
I - 情報メッセージを表示します。
P - プロンプトを表示します。
C - 入力コマンドを表示します。
c - プロトコル コマンドを表示します。
B - BAD または NO のタグなしの応答を表示します。
O - その他のタグなしの応答を表示します。
b - BAD または NO の完了結果を表示します。
o - OK の完了結果を表示します。
A - 上記すべてを表示します。

オプションを指定するための文字は、どのような順序でも入力できます。デフォルトは EPBibo です。

-x パスワード

このパスワードを使用します。


mboxutil

mboxutil コマンドは、メールボックス (フォルダ) の一覧表示、作成、削除、名前変更、および移動を実行します。また、mboxutil を使って制限容量に関する情報をレポートすることもできます。

メールボックス名は、次のフォーマットで指定します。

user/ユーザid/メールボックス

「ユーザid」は目的のメールボックスを所有するユーザ、「メールボックス」はメールボックスの名前です。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。stored ユーティリティが実行されていなければなりません。

場所 : サーバ_ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス


mboxutil [-a] [-c メールボックス] [-d メールボックス] [-g グループ]
  [-r 現在の名前 新しい名前 [パーティション]] [-l] [-p パターン] [-q ドメイ ン] [-x]
  [-k メールボックス コマンド] [-u [ユーザid]]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a

すべてのユーザの制限容量に関する情報を表示します。

-c メールボックス

指定したメールボックスを作成します。

-d メールボックス

指定したメールボックスを削除します。

-g グループ

指定したグループの制限容量に関する情報を表示します。

-k メールボックス コマンド

指定したメールボックスをフォルダ レベルでロックし、指定したコマンドを実行し、コマンドが完了したらメールボックスのロックを解除します。

メールボックスがロックされている間、所有者はメールボックス内のメッセージを表示することはできますが、新しいメッセージの追加や、既存のメッセージの削除、移動はできません。 -k オプションは、バックアップを実行する前などに使用します。

-l

サーバのすべてのメールボックスを一覧表示します。

-p パターン

-l オプションとともに使用した場合、名前がパターンと一致するメールボックスのみが一覧表示されます。IMAP ワイルドカードを使用できます。

-q ドメイン

指定したドメインの制限容量に関する情報を一覧表示します。

-r 現在の名前 新しい名前 [パーティション]

メールボックスの名前を、「現在の名前」から「新しい名前」に変更します。フォルダを別のパーティションに移動するには、パーティション オプションに新しいパーティションを指定します。

ユーザの INBOX は変更できないことに注意してください。また、mboxutil -r を使用して、あるユーザ ID に保存したメールを他のユーザ ID に移動することはできません。

-u [ユーザid]

メッセージ ストアの現在のサイズ、制限容量 (設定されている場合)、制限容量のうち現在使用されている部分の割合など、ユーザのメッセージ ストアのサイズに関する情報を一覧表示します。

-x

-l オプションとともに使用すると、メールボックスのパスとアクセス制御が表示されます。




全ユーザの全メールボックスを一覧表示するには :

mboxutil -l

すべてのメールボックスを、パスと acl の情報とともに一覧表示するには :

mboxutil -l -x +

ユーザ daphne に対し、INBOX というデフォルトのメールボックスを作成するには :

mboxutil -c user/daphne/INBOX

ユーザ delilah に対し、projx という名前のメール フォルダを削除するには :

mboxutil -d user/delilah/projx

ユーザ druscilla に対し、INBOX というデフォルトのメールボックスとすべてのメール フォルダを削除するには :

mboxutil -d user/druscilla/INBOX

Desdemona のメール フォルダ memosmemos-april という名前に変更するには :

mboxutil -r user/desdemona/memos user/desdemona/memos-april

ユーザ dulcinea のメール フォルダ legal をロックするには :

mboxutil -k user/dulcinea/legal cmd

この場合の cmd は、ロックしたメール フォルダに実行するコマンドです。

ユーザ dimitria のメール アカウントを新しいパーティションに移動するには :

mboxutil -r user/dimitria/INBOX user/dimitria/INBOX partition

この場合、「partition」には新しいパーティションの名前を指定します。

ユーザ dimitria のメール フォルダ personal を新しいパーティションに移動するには :

mboxutil -r user/dimitria/personal user/dimitria/personal \
partition

使用状況に関する情報を表示するには :

mboxutil -u daphne

diskquota size(K) %use msgquota   msgs %use   user
10240     297          no quota   953  29%    daphne


mkbackupdir

mkbackupdir ユーティリティは、バックアップ ディレクトリを作成したり、メッセージ ストア内の情報に合わせてバックアップ ディレクトリを同期化します。Legato Networker の Solstice Backup とともに使用します。バックアップ ディレクトリは、メッセージ ストアのイメージです。実際のデータは含まれていません。mkbackupdir はメッセージ ストアのユーザ ディレクトリをスキャンし、バックアップ ディレクトリと比較することにより、メッセージ ストアのユーザ ディレクトリ内にある新しいユーザ名とメールボックス名を使ってバックアップ ディレクトリを更新します。

バックアップ ディレクトリには、Networker でメッセージ ストアをさまざまなレベル (サーバ、グループ、ユーザ、メールボックス) でバックアップするために必要な情報が含まれます。図 1-1 に、その構造を示します。

図 1-1 バックアップ ディレクトリの階層


場所 : サーバ-ルート/bin/msg/store/bin

バックアップ ディレクトリ コンテンツにおける変数は次のとおりです。


変数

説明

BACKUP_ROOT

ims.cnf ファイルに指定されている、メッセージ ストア管理者のルート ディレクトリです。デフォルトのディレクトリはサーバ-ルート/msg-インスタンスです。

グループ

システム管理者が定義する、ユーザ ディレクトリを含むディレクトリです。メッセージ ストアをユーザ ディレクトリのグループに分割すると、複数のユーザ メールボックスのグループを同時にバックアップすることができます。

グループを自動的に作成するには、サーバ-ルート/msg-インスタンス/config/backup-groups.conf ファイル内にグループを指定します。グループの指定には、次のフォーマットを使用します。

グループ名 = パターン

「グループ名」はユーザ ディレクトリとメールボックス ディレクトリを保存するディレクトリ名、「パターン」は「グループ名」ディレクトリ内に配置するユーザ ディレクトリの名前を指定する regex 式です。

ユーザ

メッセージ ストア ユーザの名前です。

フォルダ

ユーザ メールボックス ディレクトリの名前です。

メールボックス

ユーザ メールボックスの名前です。

mkbackupdir ユーティリティでは、以下のものが作成されます。

.nsr ファイルは、Networker に imsasm を呼び出すように通知するための NSR 設定ファイルです。この通知が行われると、imsasm によりデータ ストリームの作成、解釈が行われます。

各ユーザのメールボックスには、長さ 0 のファイルが含まれています。これは、ユーザ ディレクトリに配置される INBOX にも含まれています。


シンタックス


mkbackupdir [-a ユーザid] [-i | -f] [-p ディレクトリ] [-v]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a ユーザid

指定したユーザを認証します。

-f

フォルダのみをバックアップします。デフォルトでは、すべてのメールボックスがバックアップされます。

-i

Inbox のみをバックアップします。デフォルトでは、すべてのメールボックスがバックアップされます。

-p ディレクトリ

バックアップ イメージのための代替ディレクトリを指定します (デフォルトのディレクトリは msg-インスタンス/backup です)。

-v

コマンドを詳細モードで実行します。




サーバ_ルート/msg-インスタンス/backup ディレクトリを作成するには :

mkbackupdir


MoveUser

MoveUser ユーティリティは、ユーザのアカウントを別の Messaging Server に移動します。ユーザ アカウントを別の Messaging Server に移動する場合は、ユーザのメールボックスとその中のメッセージも新しいサーバに移動しなければなりません。また、MoveUser を使用すると、メールボックスを別のサーバに移動できるほか、ユーザの新しいメールホスト名およびメッセージ ストア パスに合わせ、Directory Server のエントリも更新することができます。

条件 : リモートでも実行できます。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス


MoveUser -s srcメールホスト[:ポート] -x プロキシ ユーザ -p パスワード -d 移 動先メールホスト[:ポート]
  [-u uid | -u uid -U 新uid] [-l ldapURL -D バインドdn -w パスワード] [ オプション]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-a 移動先プロキシ ユーザ

移動先の Messaging Server のプロキシ認証ユーザです。

-A

LDAP エントリに代替の電子メール アドレスを追加しません。

-d 移動先メールホスト

移動先の Messaging Server です。

特に指定しない限り、MoveUser では IMAP ポート 143 が使用されます。別のポートを指定するには、移動先メールホストの後ろにコロンとポート番号を追加します。たとえば、myhost にポート 150 を指定するには、次のように入力します。

-d myhost:150

-D バインドdn

指定した ldapURL のバインド dn です。

-F

メールボックスの移動が完了した後、移動元の Messaging Server のメッセージを削除します (このオプションを指定しなかった場合、移動元の Messaging Server 内のメッセージはそのまま残ります)。

-h

このコマンドのヘルプを表示します。

-l ldapURL

Directory Server との接続を確立するための URL です。

ldap://ホスト名:ポート/ベース_dn?属性?範囲?フィルタ

LDAP URL の指定方法の詳細については、Directory Server のマニュアルを参照してください。

-u オプションとともに使用することはできません。

-L

Messaging Server のライセンスを追加します (まだ設定されていない場合)。

-m 移動先メッセージ ストア

移動先 Messaging Server のメッセージ ストア パスです (指定しなかった場合は、デフォルトが使用されます)。

-n メッセージカウント

一度に移動するメッセージの数です。

-o srcメールドロップ

移動元 Messaging Server のメッセージ ストア パスです (指定しなかった場合は、デフォルトが使用されます)。

-p src プロキシ パスワード

移動元 Messaging Server のプロキシ認証パスワードです。

-s srcメールホスト

移動元の Messaging Server です。

デフォルトでは、MoveUser により IMAP ポート 143 が使用されます。別のポートを指定するには、srcメールホストの後にコロンとポート番号を追加します。たとえば、myhost にポート 150 を指定するには、次のように入力します。

-s myhost:150

-S

各ユーザに対し、新しいメッセージ ストア パスを設定しません。

-u uid

移動するユーザ メールボックスのユーザ ID です。-l オプションといっしょには使用できません。

-U 新uid

移動するメールボックスの新規ユーザ ID (変更後の名前) です。常に -u uid とともに使用します。この場合の -u uid は、使用をやめる現在のユーザ名です。現在のユーザ ID と新規のユーザ ID は、ソース メールホストと移動先メールホストの両方に存在しなければなりません。移動が完了したら、LDAP から元のユーザ ID を手作業で削除することができます。

-v 移動先プロキシ パスワード

移動先 Messaging Server のプロキシ認証パスワードです。

-w バインドパスワード

-D オプションで指定した バインドdn のバインド パスワードです。

-x src プロキシ ユーザ

ソース Messaging Server のプロキシ認証ユーザです。




Directory Server の siroe.com の情報に基づき、すべてのユーザを host1 から host2 に移動するには :

MoveUser -l \
"ldap://siroe.com:389/o=Airius.com???(mailhost=host1.domain.com)" \
-D "cn=Directory Manager" -w password -s host1 -x admin \
-p password -d host2 -a admin -v password

あるユーザを、Directory Server の siroe.com 内のアカウント情報に基づいて、ポート 150 を使用する host1 から host2 へ移動するには :

MoveUser -l \
"ldap://airius.com:389/o=siroe.com???(uid=userid)" \
-D "cn=Directory Manager" -w password -s host1:150 -x admin \
-p password -d host2 -a admin -v password

Directory Server の server1.siroe.com に基づいて、ユーザ ID が「s」で始まるすべてのユーザを host1 から host2 へ移動するには :

MoveUser -l \
"ldap://server1.airius.com:389/o=siroe.com???(uid=s*)" \
-D "cn=Directory Manager" -w password -s host1 -x admin \
-p password -d host2 -a admin -v password

コマンド ラインでユーザ ID に admin を指定し、そのユーザのメールボックスを host1 から host2 に移動するには :

MoveUser -u uid -s host1 -x admin -p password -d host2 -a admin \
-v password

host1 にある aldonza という名前のユーザを、dulcinea という新しいユーザ IDで host2 に移動するには :

MoveUser -u aldonza -U dulcinea -s host1 -x admin -p password \
-d host2 -a admin -v password


readership

readership ユーティリティは、メールボックスの所有者以外に、何人のユーザが共有 IMAP フォルダ内のメッセージを読んだかを報告するユーティリティです。

IMAP フォルダの所有者は、フォルダ内のメールを読む権限をほかのユーザに与えることができます。ほかのユーザにアクセス権が与えられたフォルダは、共有フォルダと呼ばれます。管理者は readership ユーティリティを使用して、所有者以外に何人のユーザが共有フォルダにアクセスしたかを表示することができます。

このユーティリティを使うと、すべてのメールボックスがスキャンされます。

結果として、各共有フォルダにつき 1 行ずつ、アクセスしたユーザ数とメールボックスの名前が表示されます。ユーザ数とメールボックスの名前の間にはスペースが挿入されます。

アクセスしたユーザとは、過去の指定した日数内に共有フォルダを選択した、個別の認証を受けたユーザのことです。自分の個人用メールボックスを読んだユーザは、数には含められません。個人用メールボックスは、そのフォルダの所有者以外にアクセスしたユーザがいない限り、レポートされません。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。stored ユーティリティが実行されていなければなりません。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス


readership [-d 日数] [-p 月数]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-d 日数

指定した日数内に共有 IMAP フォルダを選択したユーザをすべてカウントします。デフォルトは 30 です。

-p 月数

指定した月数内に共有 IMAP フォルダを選択しなかったユーザをカウントしません。デフォルトは無限で、これらのユーザから表示済みのフラグを削除します。このオプションは、ストアからもこれらのユーザの「表示済み」フラグを削除します。


reconstruct

reconstruct ユーティリティは、1 つまたは複数のメールボックスまたはマスター メールボックス ファイルを再構築し、すべての矛盾を修復します。このユーティリティを使うと、メッセージ ストアにおけるほとんどすべてのデータ破損を回復することができます。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。stored ユーティリティが実行されていなければなりません。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/admin/bin


トランザクションの完了や、完了しなかったトランザクションのロールバックなど、低レベルのデータベースの修復には stored -d を使用します。




シンタックス


reconstruct [-f] [-p パーティション] [-r [メールボックス [メールボックス ...]] [-m] [-n]
  [-q] [-o [-d ファイル名]]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-f

reconstruct に 1 つまたは複数のメールボックスで修復を行うように強制します。

-m

高レベルの整合性チェックを行い、メールボックス データベースを修復します。このオプションを使用すると、スプール エリアで見つかったすべてのメールボックスがチェックされ、必要に応じてメールボックス データベースのエントリの追加または削除が行われます。データベースでエントリの追加または削除が行われると、メッセージが標準出力ファイルに出力されます。

-n

1 つまたは複数のメールボックスで修復を行いません。

-o

孤立したアカウントをチェックします。このオプションは、現在の Messaging Server ホスト内の Inbox で、対応するエントリが LDAP にないものを検索します。たとえば、-o オプションは、所有者が LDAP から削除された、または別のサーバ ホストに移動された inbox を検索します。見つかった孤立アカウントのそれぞれに対し、reconstruct ユーティリティは標準出力に次のコマンドを書き込みます。

mboxutil-d user/ユーザid/INBOX

-o -d ファイル名

-o オプションで「-d ファイル名」が指定されている場合、reconstructは指定したファイルを開き、そのファイルに mboxutil -d コマンドを書き込みます。このファイルをスクリプト ファイルにして、孤立したアカウントを削除することができます。

-p パーティション

パーティション名を指定します。このオプションは、最初に使用するか、または再構築する場合に使用できます。

-q

制限容量サブシステムの矛盾 (メールボックスの制限容量ルートが正しくない、または制限容量ルートで誤った容量の使用状況がレポートされるなど) を修正します。-q オプションは、ほかのサーバ プロセスの実行中に実行できます。

-r [メールボックス]

整合性のチェックを行い、指定した 1 つまたは複数のメールボックスのパーティション エリアを修復します。また、-r オプション は、指定したメールボックス内のすべてのサブメールボックスも修復します。-r を指定してメールボックス引数を入力しなかった場合は、データベース内にあるすべてのメールボックスのスプール エリアが修復されます。

「メールボックス」引数は、修復するメールボックスを示しています。1 つまたは複数のメールボックスを指定できます。メールボックスは「user/ユーザid/sub_mailbox」というフォーマットの名前を使って指定します。この「ユーザid」は、メールボックスを所有するユーザです。たとえば、ユーザ dulcinea の Inbox は「user/dulcinea/INBOX」と入力します。


start-msg

start-msg ユーティリティは、すべての Messaging Server プロセス (smtpimappopstorehttp) を開始します。また、オプションとして、1 つのサービスを開始するように指定することもできます。


シンタックス


start-msg [smtp | imap | pop | store | http]




すべての Messaging Server プロセスを開始するには :

start-msg

imap プロセスを開始するには :

start-msg imap


stop-msg

stop-msg ユーティリティは、すべての Messaging Server プロセス (smtpimappopstorehttp) を停止します。また、オプションとして、1 つのサービスを停止するように指定することもできます。


シンタックス


stop-msg [smtp | imap | pop | store | http]




すべての Messaging Server プロセスを停止するには :

stop-msg

http サービスを停止するには :

stop-msg http


stored

stored ユーティリティは、次の機能を実行します。

stored ユーティリティは、毎日深夜 12 時に自動的にクリーンアップと (有効期限による) 失効の操作を行います。また、これ以外の時間にもクリーンアップと失効の操作を行うように選択することもできます。

条件 : Messaging Server でローカルに実行します。

場所 : サーバ-ルート/bin/msg/admin/bin


シンタックス

コマンド ラインから stored を実行して特定の処理を行うには :

stored [-1] [-c] [-n] [-v [-v]]

stored をデーモン プロセスとして実行するには :

stored [-d] [-v [-v]]


オプション

このコマンドのオプションは次のとおりです。


オプション

説明

-c

削除されたメッセージを消去するためにクリーンアップを 1 回実行します。1 回だけ実行し、終了します。-c オプションは 1 回のみの処理で、-1 オプションを指定する必要はありません。

-d

デーモンとして実行します。システム チェックを実行し、アラーム、デッドロック検出、およびデータベース修復をアクティブにします。

-1 (数字の 1)

1 回だけ実行し、終了します。

-n

トライアル モードでのみ実行します。メッセージを実際に期限切れにしたり、クリーンアップすることはありません。1 回だけ実行し、終了します。

-v

詳細モード出力を行います。

-v -v

その他の詳細モード出力。




有効期限ポリシーをテストするには :

stored -n

保存期間の終了とクリーンアップを 1 回実行するには :

stored -l -v


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最終更新日 2000 年 9 月 14 日