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第 4 章

ライセンスのインストール

この章では、ライセンスのインストール方法を順を追って説明します。

ライセンスをインストールする前に、次の作業を行ってください。

この章では、ライセンスをインストールする方法について説明します。インストール方法には、次の 2 種類があります。

Sun WorkShop ライセンスに関してよく尋ねられる質問 (FAQ) とその回答は、次の Web サイトで参照できます (英語のみ)。

http://www.sun.com/workshop/workshopFAQ.html

日本語版製品のライセンスについて

日本語版製品を使用するには、日本語版ライセンスが必要です。日本語版を購入したユーザーは、製品ごとに共通ライセンスと日本語版ライセンスの 2 種類を入手することになります。たとえば、Sun WorkShop Professional C の場合、次のような 6 種類のライセンスパスワードが発行されます。

この例では、(a) 、 (b)、(c) がそれぞれ C コンパイラ、WorkShop、dbx の共通ライセンスで、(d)、(e)、(f) が日本語版ライセンスです。英語版製品で提供されるライセンスは (a) と (b) の 2 種類です。

日本語版の製品を起動するには、環境設定変数 LANG が ja に設定されていて、共通ライセンスと日本語版ライセンスの両方が使用可能であることが必要です。どちらか一方のライセンスしか使用できない場合は、使用可能なライセンスがないことを示すメッセージが表示され、ツールは実行されません。環境変数 LANG が ja 以外に設定されていて (共通ライセンスは英語版ライセンスとして動作します)、使用可能なライセンスがある場合は、英語版の製品が起動します。なお、英語版と日本語版の製品を同じライセンス管理ソフトウェアで管理しても、使用上特に問題はありません。

特殊なケース

次のような場合には、特別な処理が必要になります。

lit ライセンスインストーラの使い方

この節では、lit をコマンド行から起動する方法について説明します。lit を呼び出すと、ライセンスをインストールするための GUI インタフェースが起動します。


注 - lit 命令を続行するには、ライセンスソフトウェアをインストールする必要があります。ライセンスソフトウェアのインストール方法については、「ソフトウェアのインストール手順」を参照してください。

電子メールによるライセンスファイルのインストール

lit は、ライセンスサーバーで実行する必要があります。

重複サーバー構成を使用する場合、FLEXlm 7.0b ライセンス管理ソフトウェアをインストールし、3 つの重複サーバーすべてで lit を実行する必要があります。

1. コマンド行で次のコマンドを入力して、クライアントアクセスを有効にします。

% /usr/openwin/bin/xhost +hostname
hostname には、/usr/bin/hostname コマンドの出力結果を入力します。

2. スーパーユーザー (root) になります。

% su
Password: root-password

3. ディスプレイの設定を行います。

C シェルを使用する場合は、次のコマンドを入力します。
# setenv DISPLAY hostname:0
Bourne シェルを使用する場合は、次のコマンドを入力します。
# DISPLAY=hostname:0
# export DISPLAY
Korn シェルを使用する場合は、次のコマンドを入力します。
# export DISPLAY=hostname:0
hostname には、/usr/bin/hostname コマンドの出力結果を入力します。

4. ライセンスインストールツールを起動します。

次のコマンドを入力してください。
# /etc/opt/licenses/lit &
図 4-1 に示すように、「ライセンスインストールツール」ウィンドウが開きます。
FAX で受け取ったライセンスのインストールは、「FAX で受け取ったライセンスのインストール」に進んでください。
図 4-1   「ライセンスインストールツール」ウィンドウ

5. 「電子メールで受け取ったライセンスをファイルに保存して読み込む」のラジオボタンをチェックします。

6. 「ライセンスインストールツール」ウィンドウの「ファイル」テキストボックスに、サンからの電子メールで受け取ったライセンス情報の保存先ファイルへのパス名を入力するか、ブラウズボタン (...) をクリックしてファイルチューザーで保存先ファイルを検索します。

ファイルチューザーを使用した場合、手順 8 に進んでください

7. 「ファイル読み込み」をクリックします。

サンから受け取った電子メールにリストされているライセンスが「インストールされるライセンス」の欄に表示されます。

8. 「インストール」をクリックします。

lit がライセンスのインストールを開始します。インストールが完了すると、ウィンドウのフッターにライセンスのインストールが正常に完 了したことを示すメッセージが表示されます。エラーメッセージが表示された場合には、「テクニカルサポートへの連絡」を参照の上、テクニカルサポートへ連絡してください。

9. インストールが完了したら、ポップアップウィンドウで「OK」をクリックします。

10. 「終了」をクリックして、ライセンスインストールツールを終了します。

11. アプリケーションサーバーがライセンスサーバーと異なる場合は、ソフトウェア製品にアクセスする各アプリケーションサーバーに /etc/opt/licenses/LIC_CONFIG_SCRIPT スクリプトをコピーして実行します。

LIC_CONFIG_SCRIPT を実行すると、アプリケーションサーバー上 WorkShop 6 用のライセンスルータファイルまたは旧リリースの基本ライセンスファイルが作成されます。基本ライセンスファイルまたはルータファイルの詳細については、『Sun WorkShop インストールとライセンス』の第 2 章を参照してください。

12. 次のコマンドを入力して、スーパーユーザー権限を終了します。

# exit

FAX で受け取ったライセンスのインストール


注 - Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取ったライセンス情報を参考にしてこの節を終了してください。

1. 「ライセンスインストールツール」ウィンドウの「手動で入力」ボタンをクリックします。

「ライセンス追加」ウィンドウが表示されます。
図 4-2   「ライセンス追加」ウィンドウ

2. 「ライセンスのインストール」のプルダウンメニューを使用して、WorkShop 6.0 が選択されていなければ WorkShop 6.0 選択します。

3. 「ライセンス型」で、インストールしているライセンスタイプを選択します。

    1. 「ライセンス型」がノードロックである場合は、ホスト ID を入力します。

4. Sun ライセンス・パスワード・センターで指定された有効期限を dd-mmm-yyyy 形式 (たとえば、22-may-2000) で入力します。

5. 「製品」プルダウンメニューを使用して、ライセンスをインストールするソフトウェアを選択します。

Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取ったライセンス情報には、必要な機能名が入っています

6. 「バージョン」では、ソフトウェアバージョンを確認します。

7. 「使用権 (RTU)」には、ユーザーの人数を入力します。

8. 「パスワード」には、Sun ライセンス・パスワード・センターで指定されたパスワードを入力します。

9. 「ベンダー文字列 (VS)」には、Sun ライセンス・パスワード・センターで指定された番号を入力します。

10. 「パスワードチェックサム (PC)」では、番号を確認します。

PC には、ライセンスの有効期限、ベンダーストリング、RTU、およびパスワードが含まれます。くい違いがある場合は、番号を再チェックし、一覧表示されたコンポーネントが正しいかどうかを確認します。さらに助けが必要な場合は、Sun ライセンス・パスワード・センターに連絡してくだ さい。

11. 「データチェックサム (DC) 」では、番号を確認します。

DC には、ライセンスの機能名、機能バージョン、ライセンスサーバーのノード名、ライセンスサーバーのホスト ID、および ノードロックホスト IDが含まれます。くい違いがある場合は、番号を再チェックし、一覧表示されたコンポーネントが正しいかどうかを確認します。さらに助けが必要な場合は、Sun ライセンス・パスワード・センターに連絡してください。

12. 「追加」ボタンをクリックします。

13. このライセンスは、「ライセンスインストールツール」ウィンドウの「インストールされるライセンス」の欄に追加されます。

14. 手順 5 から手順 12 までを、インストールが必要なライセンスの数だけ繰り返します。

15. 「ライセンス追加」ウィンドウの「終了」をクリックします。

16. 「ライセンスインストールツール」ウィンドウの「インストール」をクリックします。

17. インストールが完了したら、ポップアップウィンドウの「了解」ボタンをクリックします。

18. 「終了」ボタンをクリックし、ライセンスインストールツールを終了します。

19. アプリケーションサーバーとライセンスサーバーが別々のマシンである場合は、
/etc/opt/licenses/LIC_CONFIG_SCRIPT スクリプトをコピーして実行します。

LIC_CONFIG_SCRIPT を実行すると、アプリケーションサーバー上に WorkShop 6 用のライセンスルータファイルまたは旧リリースの基本ライセンスファイルが作成されます。基本ライセンスファイルとルータファイルの詳細については、『Sun WorkShop インストールとライセンス』の第 2 章を参照してください。

20. 次のコマンドを入力して、スーパーユーザーの権限を終了します。

# exit

lit_tty コマンド行実行プログラムの使い方

この節では、lit_tty コマンドを使用して、ライセンスサーバー上にライセンスをインストールする方法について説明します。ライセンスの取得についての情報は、第 2 章を参照してください。

重複サーバー構成を使用する場合、FLEXlm 7.0b ライセンス管理ソフトウェアをインストールし、3 つの重複サーバーでそれぞれ lit_tty を実行する必要があります。

LIC_CONFIG_SCRIPT スクリプトを実行すると、WorkShop 6 用のライセンスルータファイルまたは旧リリースの WorkShop 用の基本ライセンスファイルがアプリケーションサーバー上に作成されます。基本ライセンスファイルとルータファイルについては、『Sun WorkShop インストールとライセンス』の第 2 章を参照してください。


注 - lit_tty 命令を続行するには、ライセンスソフトウェアをインストールする必要があります。ライセンスソフトウェアのインストール方法については、「ソフトウェアのインストール手順」を参照してください。

電子メールで受け取ったライセンスのインストール

1. ライセンスサーバー上でスーパーユーザー (root) になります。

% su
Password: root-password

2. lit_tty を実行します。

次のように入力してください。
# /etc/opt/licenses/lit_tty -f license-file
license-file の位置には、Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取ったファイルのパス名を入力します (「電子メールライセンスをファイルに保存する方法」を参照)。詳細については、lit_tty のマニュアルページを参照してください。

3. 表示されたライセンスをインストールするかどうかを決定します。

4. スーパーユーザーの権限を終了します。

# exit

FAX で受け取ったライセンスのインストール

ライセンス情報を Sun ライセンス・パスワード・センターから FAX で受け取った場合は、次の手順に従ってライセンスをインストールします。


注 - ライセンス・パスワード申請書が未完成の場合は、第 2 章の手順を参照してください。

1. 次のコマンドを入力して、スーパーユーザー (root) になります。

% su
Password: root-password

2. lit_tty を実行します。

次のように入力してください。
# /etc/opt/licenses/lit_tty

3. 「Select Product to License」画面で、「WorkShop6.0」の横に x と入力します。

「Select Product to License」画面ではなく、「製品を選択」画面が表示される場合は、手順 4 に進みます。
Return キーを押して、WorkShop 6 の製品一覧に移動します。

4. 「製品を選択」画面で、ライセンスをインストールしたい製品名の横に x と入力します。

お求めになった製品の情報は、ライセンス証明書に記載されています。ライセンスをインストールする製品名の左横にカーソルがない場合は、Return キーを押して、該当する製品名の横にカーソルを移動させます。


注 - 1 度に複数の製品を選択することはできません。リストにある複数の製品のライセンスをインストールしたい場合は、処理を繰り返してください。1 つのライセンスのインストール作業が終了するたびに、残りの製品に対するインストールの確認プロンプトが表示されます。

5. 「フローティング」、「ノードロック」、「デモ」、または「ドメイン」の各ライセンスの中で、該当するボックスにカーソルがくるまで Enter キーを押してライセンスタイプを選択します。

6. x を入力してから、カーソルが「サーバー」にくるまで Enter キーを押します。

7. 使用するサーバーの数を選択して、その横に x と入力します。

Tab キーを押すと、サーバーの数を変更できます。

8. ライセンスサーバーの名前とホスト ID を照合します。

ライセンスサーバーの名前とホスト ID は、デフォルトで、現在ライセンスをインストールしようとしているマシンの名前とホスト ID になっています。ライセンスサーバー名は /usr/bin/hostname コマンドの出力結果、ホスト ID は /usr/bin/hostid コマンドの出力結果です。

9. Return キーを押して、電話番号の一覧を表示します。

Sun ライセンス・パスワード・センターの電話番号と FAX 番号は、ライセンス証明書に記載されています。

10. 「Nodelockd to Host ID」の欄に、次のうちのいずれかを入力します。

11. 「有効期限」の欄に、none と入力します。

12. 「使用権 (RTU)」の欄に、Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取った使用権の数を入力します。

13. 「パスワード」の欄に、Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取ったパスワードを入力します。

14. 「ベンダー文字列 (VS)」の欄に、受け取ったライセンス情報の VS 欄の数字を入力します。

15. 「データチェックサム (DC)」の欄に表示された数字と、Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取った数字を照合します。

DC には、ライセンスの機能名、機能バージョン、ライセンスサーバーのノード名、ライセンスサーバーのホスト ID、および ノードロックホスト IDが含まれます。くい違いがある場合は、番号を再チェックし、一覧表示されたコンポーネントが正しいかどうかを確認します。さらに助けが必要な場合は、Sun ライセンス・パスワード・センターに連絡してください。

16. 「パスワードチェックサム (PC)」に表示された数字と、Sun ライセンス・パスワード・センターから受け取った数字を照合します。

パスPC には、ライセンスの有効期限、ベンダーストリング、RTU、およびパスワードが含まれます。くい違いがある場合は、番号を再チェック し、一覧表示されたコンポーネントが正しいかどうかを確認します。さらに助けが必要な場合は、Sun ライセンス・パスワード・センターに連絡してくだ さい。

17. 「このライセンスの設定終了」の横に x を入力します。

18. 任意のキーを押して、ライセンスをインストールする製品名の選択に戻り、手順 4 から 手順 17 を繰り返します。

必要なライセンスを全部インストールしたら、Return キーを押して、画面の下部にカーソルを移動します。


注 - 使用するライセンスは、ライセンスサーバー固有のものです。ホスト名とホスト ID は、ライセンスごとに識別されます。

19. ライセンスをインストールするかどうかを決定します。

20. アプリケーションサーバーとライセンスサーバーが別々のマシンである場合は、
/etc/opt/licenses/LIC_CONFIG_SCRIPT スクリプトをコピーし、製品ソフトウェアにアクセスする各アプリケーションサーバー上で、このスクリプトを実行します。

デモライセンスのインストール

デモライセンスは、サンのその他のライセンスをインストールする場合と同じようにインストールします。「lit ライセンスインストーラの使い方」または 「lit_tty コマンド行実行プログラムの使い方」を参照してください。デモライセンスではライ センス管理ソフトウェアを使用されませんし、ライセンスサーバーとも交信しないので、Sun WorkShop を使用するには、デモライセンスファイルをアプリケーションサーバーにインストールする必要があります。デモライセンスをライセンスサーバーにインストールしたい場合 は、ライセンスファイル sunpro.lic,node をアプリケーションサーバーにコピーする必要があります。


注 - デモライセンスファイルには、必ず sunpro.lic,node という名前をつけます (デモライセンスファイルの名前には、カンマとピリオ ドを必ず入れてください)。

1. ライセンスサーバーで、次のコマンドを入力します。

% cd /etc/opt/licenses

2. ライセンスサーバーインストールディレクトリから、sunpro.lic,node ファイルをアプリケーションサーバーの製品ディレクトリ /install-directory/SUNWspro/license_dir にコピーします。

デモライセンスの詳細については、『Sun WorkShop TRY AND BUY クイックインストール』を参照してください。

ライセンスサーバーデーモンの所有者の変更 (オプション)

ライセンスサーバーデーモンは自動的にその所有者が nobody に設定されます。この nobody は SolarisTM であらかじめ定義されたアカウントです。adjust_flexlm_owner スクリプトを実行すると、このユーザー名を、たとえば gsi_admin といった有効な名前に変更できます。


注 - ライセンスサーバーデーモンの変更は、ライセンス管理ユーティリティを root 以外の何かとして使用したい場合に限り必要とされます。

これによって、選択したユーザーの名前でライセンスサーバーデーモンが起動し、ライセンス管理ソフトウェアのユーティリティを使用で きるようになります。また、アクセス権が更新され、選択したユーザー名に関する読み取り権限と実行権がグループに与えられます。


注 - 存在しないユーザー名を使用する場合は、そのユーザーアカウントを作成してから、adjust_flexlm_owner スクリプトを実行してください。

次のコマンドをコマンド行に入力すると、adjust_flexlm_owner スクリプトが実行されます。

# /etc/opt/licenses/adjust_flexlm_owner


注意 - セキュリティリスクを避けるため、所有権を「root」に変更しないでください。

変更内容を有効にするためには、ライセンスデーモンをいったん停止させてから (実行している場合)、再起動します。これについては、スクリプトの末尾にある指示に従ってください。デーモンとユーティリティの所有権および実行権を変更するときは、いつでも adjust_flexlm_owner スクリプトを実行できます。


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