Ximian Evolution 1.4 ユーザーズガイド Sun Microsystems Edition

第 8 章 Sun Java System Calendar Server アカウントとフォルダの使用

この章では、 Sun Java System Calendar ServerXimian Evolution アカウントとフォルダに使用する方法について説明します。

Sun Java System Calendar Server の概要

Sun Java System Calendar Server コネクタを使用すると、EvolutionSun Java System Calendar Server のクライアントとして使用できるようになります。Sun Java System Calendar Server の 1 つ以上のアカウントにアクセスし、会議への出席依頼を送受信し、組織内のほかの人々とカレンダアクセスを共有することができます。サーバーは LDAP ディレクトリサーバーおよび POP または IMAP 電子メールサーバーと共に動作するように設計されています。それぞれのサーバーは個別に構成できます。

Sun Java System Calendar Server アカウントは、電子メールまたはディレクトリサーバーのアカウントとは異なり、「Evolution 設定」ダイアログに独自のセクションがあります。Sun Java System Calendar Server アカウントとフォルダは、次の点でほかの Evolution フォルダとは異なります。

Sun Java System Calendar Server アカウントの操作

この節では、Sun Java System Calendar Server アカウントの作成、編集、および削除の方法について説明します。

Sun Java System Calendar Server アカウントを作成する

Sun Java System Calendar Server アカウントを新しく作成する方法については、Sun Java System Calendar Server アカウントの構成を参照してください。

Sun Java System Calendar Server アカウントを編集する

Sun Java System Calendar Server アカウントを編集するには、次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択して、「Evolution 設定」ダイアログを表示します。

  2. 左区画で「Sun Java System accounts」をクリックします。Evolution は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。

  3. 編集するアカウントを選択します。

  4. 「編集」をクリックして、「アカウント name のオプション」ダイアログを表示します。「アカウント name のオプション」ダイアログの内容については、Sun Java System Calendar Server アカウントの構成を参照してください。

  5. 「アカウント name のオプション」ダイアログを使用して、Sun Java System Calendar Server アカウントの詳細を修正します。

  6. 「了解」クリックして変更を保存し、「アカウント name のオプション」ダイアログを閉じます。

  7. 「了解」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution の再起動が必要であることを通知する「情報」アラートを閉じます。

  8. Evolution を再起動します。

Sun Java System Calendar Server アカウントを削除する

Sun Java System Calendar Server アカウントを削除するには、次の手順を実行します。

  1. 「ツール」->「設定」を選択して、「Evolution 設定」ダイアログを表示します。

  2. 左区画で「Sun Java System accounts」ボタンをクリックします。Evolution は、作成したアカウントの表を右区画に表示します。

  3. 削除するアカウントを選択します。

  4. 「削除」をクリックすると、確認アラートが表示されます。

  5. 「削除」をクリックして選択したアカウントを削除します。

  6. 「了解」をクリックして、変更内容を有効にするためには Evolution の再起動が必要であることを通知する「情報」アラートを閉じます。

  7. Evolution を再起動します。

Personal Calendar Folder の使用

Sun Java System Calendar Server に格納されるカレンダは、ローカルに格納されるカレンダ (第 5 章「カレンダの使い方」 を参照) と同じように機能します。ただし、以下この節で説明するように、いくつかの点で異なります。

空き情報とディレクトリサーバー

アカウントの空き情報 (フリー/ビジー) は公開することができます。これにより、ネットワーク上のほかのユーザーが会議を開催するときに、そのアカウントのスケジュールを調べることができます。

空き情報および Sun Java System Calendar Server カレンダサーバーのその他の機能を利用するには、Sun Java™ System Directory Server を使用します (可能な場合)。または、ディレクトリサーバーからローカルのアドレス帳にカードをコピーします。サーバーからコピーした連絡先カードには、Sun Java System Calendar Server 上にカレンダを持っていることを識別する特殊な属性があります。作成したカードは、サーバーからコピーしたカードと外観は同じです。ただし、作成したカードは電子メールアドレスでのみ機能し、Sun Java System Calendar Server システムで識別されず、統合もされません。

個人用タスクフォルダの使用

Sun Java System Calendar Server サーバーに格納されるタスクフォルダは、ローカルに格納されるタスクフォルダ (第 6 章「タスクの使用」 を参照) と同じように見えます。

個人用の招待フォルダの使用

Sun Java System Calendar Server カレンダに誰かが会議の予定を作成し、出席者として自分の名前が登録されると、新しい出席依頼が自分の「個人用招待」フォルダに表示されます。招待フォルダは次のような構成になります。 フォルダの上半分に出席依頼が一覧で表示され、下半分に選択した項目の詳細が表示されます。

出席依頼は表形式でリストされます。次の表は、出席依頼表のカラムを説明しています。

列 

説明 

「開始」

会議の開始予定時間を示します。 

「要約」

会議についての短い説明を提供します。 

「オーガナイザ」

会議の主催者を示します。 

「状態」

会議出席依頼の現在の状態を示します。 新規の出席依頼の場合、状態は「要アクション」になります。出席依頼に返信するには、「状態」カラム見出しの下にあるフィールドをクリックして、ドロップダウンリストを表示します。ドロップダウンリストから次の状態値の中からどれかを選択します。

  • 「受諾済み」

  • 「辞退済み」

  • 「暫定」

この状態は、サーバーの同期がとられるまで表示されます。最大 1 分かかります。この時点で、出席依頼が「個人用の招待」フォルダから消えます。 依頼を受諾すると、イベントがカレンダに現れます。

現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。

サブスクライブの管理

必要なアクセス許可があれば、別のユーザーが所有するカレンダへのサブスクライブは可能です。カレンダに対する読み取り許可がなくても、カレンダが存在することは分かるため、そのカレンダにサブスクライブすることはできます。ただし、カレンダの内容の読み取りはできません。

すべてのカレンダを表示する

ほかの人に属するフォルダも含め Sun Java System Calendar Server 上のすべてのカレンダフォルダを表示するには、任意の Sun Java System Calendar Server フォルダを右クリックします。ポップアップメニューから「サブスクリプションを管理」 を選択して、「リモートカレンダ登録」ダイアログを表示します。

利用可能なカレンダが表形式でリストされます。次の表は、カレンダ表のカラムを説明しています。

列 

説明 

「サブスクライブ済み」

カレンダにサブスクライブしたかどうかを示します。 

「カレンダID」

カレンダの一意の識別子を提供します。 

「所有者」

カレンダの所有者を指定します。 

「説明」

カレンダについての短い説明を提供します。 

現在のビューの変更方法、現在のビューの保存方法、カスタムビューの作成方法については、ビューの使用を参照してください。

「リモートカレンダ登録」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

カレンダのサブセットを表示する

デフォルトでは、すべてのカレンダがリストされます。カレンダのサブセットを表示するには、次の手順を実行します。

  1. 任意の Sun Java System Calendar Server フォルダを右クリックして、ポップアップメニューから「サブスクリプションを管理」を選択して「リモートカレンダ登録」ダイアログを開きます。

  2. ドロップダウンリストにある次の検索基準からどれか 1 つを選択します。

    • 「次を含むすべてのフィールド」

    • 「次を含むカレンダ ID」

    • 「次を含む所有者」

    • 「次を含む説明」

  3. 検索テキストをテキストボックスに入力します。

  4. 「今すぐ検索」ボタンをクリックします。Evolution は、検索基準を満たすカレンダのみを一覧表示します。

    検索を消去するには、「消去」ボタンをクリックします。

  5. 「リモートカレンダ登録」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

カレンダにサブスクライブする

カレンダにサブスクライブするには、次の手順を実行します。

  1. 任意のSun Java System Calendar Server フォルダを右クリックして、ポップアップメニューから「サブスクリプションを管理」を選択して「リモートカレンダ登録」ダイアログを開きます。

  2. サブスクライブするカレンダを選択します。

  3. 「登録」ボタンをクリックします。

  4. 「了解」をクリックして変更を保存し、「リモートカレンダ登録」ダイアログを閉じます。

    Evolution は、指定した Sun Java System Calendar Server フォルダのサブフォルダとして、選択したカレンダを表示します。

カレンダからサブスクライブを取り消す

カレンダからサブスクライブを取り消すには、次の手順を実行します。

  1. 任意のSun Java System Calendar Server フォルダを右クリックして、ポップアップメニューから「サブスクリプションを管理」を選択して「リモートカレンダ登録」ウィンドウを開きます。

  2. サブスクライブを取り消すカレンダを選択します。

  3. 「登録を取り消す」ボタンをクリックします。

  4. 「了解」をクリックして変更を保存し、「リモートカレンダ登録」ダイアログを閉じます。

    Evolution は、指定した Sun Java System Calendar Server フォルダから、選択したカレンダを削除します。

アクセス許可の設定

アクセス許可によって、各カレンダフォルダの表示または変更を行える人を制御します。

カレンダの主所有者は自分のカレンダに対するフルアクセスを持ちます。Sun Java System Calendar Server は、主所有者が自分のカレンダにアクセスしたときに、アクセス制御チェックを行いません。カレンダの主所有者は、自分のカレンダに対してほかの所有者を指名できます。これにより、別の所有者が、主所有者に代ってカレンダ内のイベントまたはタスクのスケジュール、削除、変更、受諾、辞退を行えます。

アクセス制御規則の順序付け

アクセス制御規則がリストされる順序は重要です。サーバーは最初の規則に従ってアクセスの付与または拒否を行い、以降の矛盾をすべて無視するからです。

常に、最も明確な規則をリストの最初に置き、より一般的な規則を後ろに置きます。たとえば、カレンダ jane.ashe:sports の最初の規則では、すべてのユーザーに読み取りアクセス権を付与するとします。次に、Sun Java System Calendar Server は、このカレンダに対する angela.liu の読み取りアクセス権を拒否する規則に遭遇したとします。この場合、Sun Java System Calendar Server は、矛盾が生じているため、angela.liu にこのカレンダに対する読み取りアクセス権を付与し、2 番目の規則は無視します。

angela.liu のような特定のユーザーのアクセス権を守るには、カレンダのすべてのユーザーに適用されるグローバルなエントリの前に、angela.liu 用の規則を置きます。

アクセス許可を表示する

フォルダのアクセス許可を表示するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「アクセス権」を選択して、「フォルダのアクセス権」ダイアログを表示します。

  2. アクセス制御規則が「アクセス権」タブの領域に一覧表示されます。次の表は、「アクセス権」タブの領域の要素を説明しています。

    要素 

    説明 

    「名前」

    アクセス許可を持つ人の名前またはグループ名。 

    「使用状況」

    このオプションを選択すると、指定した人がフォルダの存在を確認できるようになります。 

    「招待」

    指定した人は、会議の出席を依頼できます。 

    「使用状況」

    指定した人は、フォルダの内容を読むことができます。 

    「削除」

    指定した人は、フォルダの内容を削除できます。 

    「変更」

    指定した人は、フォルダの内容を変更できます。 

    「追加」

    「追加」をクリックすると、許可リストに新しいエントリを追加できます。

    「編集」

    許可リストのエントリを編集するには、「編集」をクリックします。

    「削除」

    許可リストのエントリを削除するには、「削除」をクリックします。

    「了解」

    変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。

    「取消し」

    変更を保存せずに「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

  3. フォルダの所有者を一覧で表示するには、「所有者」タブをクリックします。次の表は、「所有者」タブの領域の要素を説明しています。

    要素 

    説明 

    「ユーザ」

    フォルダの所有者を一覧で表示します。 

    「追加」

    「ユーザ」リストにユーザーを追加するには、「追加」をクリックします。

    「削除」

    「ユーザ」リストから選択したユーザーを削除するには、「削除」をクリックします。

    「了解」

    変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。

    「取消し」

    変更を保存せずに「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「取消し」をクリックします。

ユーザーにアクセス許可を与える

フォルダのアクセス許可をユーザーに付与するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「アクセス権」を選択して、「フォルダのアクセス権」ダイアログを表示します。

  2. 「追加」をクリックして、「新しいパーミッションを追加」ダイアログを表示します。

  3. 「ユーザ」テキストボックスに、ユーザーの名前を入力します。

  4. 必要な許可の一部またはすべてを選択します。

    • 「使用状況」

    • 「招待」

    • 「読みとり」

    • 「削除」

    • 「変更」

  5. 「了解」をクリックして変更を保存し、「新しいパーミッションを追加」ダイアログを閉じます。

  6. 変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。

所有者リストにユーザーを追加する

フォルダの所有者リストにユーザーを追加するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「アクセス権」を選択して、「フォルダのアクセス権」ダイアログを表示します。

  2. 「所有者」タブをクリックして、「所有者」タブの領域を表示します。

  3. 「追加」をクリックして、「所有者」ダイアログを表示します。

  4. 「ユーザ名を入力」テキストボックスに、ユーザーの名前を入力します。

  5. 「了解」をクリックして変更を保存し、「所有者の追加」ダイアログを閉じます。

  6. 変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。

所有者に、異なるレベルのアクセス権を付与できます。特に指定しない限り、所有者はフォルダに対する Public、Private、および Confidential なタスクやイベントを表示したり変更することができます。

ユーザーからアクセス許可を削除する

ユーザーからフォルダのアクセス許可を削除するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「アクセス権」を選択して、「アクセス権」ダイアログを表示します。

  2. 「アクセス権」タブの領域でユーザーを選択します。

  3. 必要な許可の一部またはすべてを選択解除します。

    • 「使用状況」

    • 「招待」

    • 「読みとり」

    • 「削除」

    • 「変更」

    または、「削除」をクリックして、リストからユーザーを削除します。

  4. 変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。

所有者リストからユーザーを削除する

フォルダの所有者リストからユーザーを削除するには、次の手順を実行します。

  1. フォルダを右クリックしてポップアップメニューから「アクセス権」を選択して、「フォルダのアクセス権」ダイアログを表示します。

  2. 「所有者」タブをクリックして、「所有者」タブの領域を表示します。

  3. リストからユーザーを選択します。

  4. 「削除」をクリックして、所有者リストからユーザーを削除します。

  5. 変更を保存して「フォルダのアクセス権」ダイアログを閉じるには、「了解」をクリックします。